イタチ
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イタチは小柄な体と愛らしい目を持っているため、見た目がかわいいと人気があります。特にしっぽは大きいうえに、ふさふさで触ってみたくなりますね。 しかし、そんな見た目に反して、イタチがとても凶暴なことを知っていますか?今回は知られざるイタチの生態を見つつ、ちょっとした疑問を解決していきましょう!
イタチ 基本情報
ネコ目(食肉目)イヌ亜目クマ下目イタチ科イタチ属
日本に生息する、ニホンイタチの大きさは下記の通りです。 体長:約30〜37cm 尾長:約12〜16cm 体重:約290〜650g
また、イタチ属は種類ごとに大きさが違います。アメリカイイズナの体重は30〜70gほどで、ネコ目でも最小クラス。また、総じてオスは、メスよりかなり大きい場合がほとんどです。
イタチ属の動物は、細長い体に短い手足を持っているのが見た目の特徴です。また、小さな丸い耳もかわいらしいですね。
イイズナがネコ目で最小クラスであることは触れましたが、実はイタチ属自体がかなり小さいグループになります。
世界中に広く分布していて、日本はもちろんユーラシア大陸、アフリカ大陸、アメリカ大陸の亜熱帯から寒帯まで見られます。基本的には山地や河川付近に生息していましたが、現在では都市部など人家の周りでも見られるようになりました。
とはいえ、犬や猫ほど見かけるわけではないので、見かけるとビックリしてしまいそうですね。ちなみに日本でおもに見かけるのは在来種のニホンイタチと、ユーラシア大陸から渡ってきたチョウセンイタチです。街中で見かけるのは、ほとんどがチョウセンイタチと言われています。
ではニホンイタチはどこに住んでいるのでしょうか?
ニホンイタチは昔ながらの山地や河川付近に住んでいますが、人家の床下や天井裏に巣を作る例も目撃されているようです。
また、イタチはオスとメスで行動範囲が変わります。メスは一定の行動範囲を持ちますが、オスはいくつかのメスの行動範囲に重なるように行動します。イタチは一夫多妻の繁殖システムを持つので、それに関わっているのかもしれませんね。
では、次にイタチの行動について目を向けてみましょう。
イタチの驚くべき行動は、わずか数センチ四方の隙間も簡単にくぐり抜けるところです。この行動は、頭だけ抜けてしまえば通り抜けられる猫と似ているかもしれません。
さらに、泳ぐのも上手で、そのうえ垂直な木や壁をいともたやすく登ってしまいます。すばしこさとアクティブさは、私たち人間にはなかなか真似できませんね。
イタチの肛門には対になった肛門線があり、身の危険を感じると肛門線から強い異臭を放つ体液を分泌します。この行動が「切羽詰まったときの最後の手段」という意味で用いられる「鼬(いたち)の最後っ屁」の由来になりました。
そんなイタチの性格は臆病というわけではなく、むしろかなり凶暴です。見た目がかわいいのはわかりますが、気軽に触ってはいけません。積極的に攻撃してくることはあまりありませんが、うかつに触ると噛みつかれたり引っかかれたりします。また、人に感染する寄生虫を持っている恐れもあるので、注意しましょう。
イタチをペットとして飼うには
ペットとして飼うイタチで有名なのは、フェレットです。フェレットはイタチ属の一種で、ヨーロッパケナガイタチやステップケナガイタチの亜種と言われています。
ペットショップで販売されていることが多いので、入手はそこまで難しくありません。
フェレットの性格や特徴は?
フェレットはほかのイタチと違い、人に懐きやすい性格です。懐きやすいといっても犬のような従順に尽くしてくれる性格ではありません。どちらかと言えば猫に近く、気ままに遊ぶといった性格。
散歩も必要ないので、手間がかかりにくい点も人によっては助かりますね。
フェレットの価格は?
フェレットの価格は非常に幅広く、種類によって異なります。一般的な品種では大体20,000〜50,000円ほどで販売されていますが、人気のある種類や希少な種類では100,000円を超える種類も。
特にこだわりがないのならば、まず近くのペットショップを訪れてみるのがいいかもしれませんね。
フェレットを飼うのに必要なものは?
フェレットを飼うときに必要なものはいくつかありますが、基本的には次の3つがあれば大丈夫。
フェレットは放し飼いもできますが、事故を防ぐためにもケージを用意しましょう。運動不足にならないように、できるだけフェレット用の大きめのケージを選ぶのがおすすめです。
フェレットは部屋の隅でトイレをする習性があるので、できるだけ隅にトイレを置きましょう。匂いがこもらないように、できるだけこまめに掃除する必要があります。
最後にフェレットのベッドを用意してあげます。どんなものでも構いませんが、トイレやベッドがセットになっているケージがあるので、最初はセットが手軽でいいかもしれません。
イタチ Q&A
イタチの名前の由来は何?
イタチの名前の由来は、いくつかの説があります。
まず1つ目は、「魚断ち(ウオタチ)」です。イタチは魚を捕まえるのがうまく、食べ尽くしてしまうことに由来しています。
続いて2つ目は、「火立ち」。イタチの体毛は赤く、立ち上がった姿が火柱に見えたことが元になっていると考えられています。
さらに3つ目は、「息断ち」です。狩りをする際、息を止めて獲物に忍び寄るからと言われています。
そして4つ目は、「痛苦屁放(イタヘハナチ)」です。窮地に陥った際に放つ、強烈な匂いからきているとされます。
最後に5つ目は、「いっ立ち」です。イタチは背伸びをして周囲を確認する習慣があります。「立つ」に接頭語「い」を加えて「いっ立ち」、転じてイタチという説です。
動物の名前の由来は、いろいろな説があっておもしろいもの。
イタチはいかがでしたか?
ここまでいろんな説があるのも珍しいですが、どれも本当っぽくておもしろいですね!
イタチはどうしてそこに住んでいるの?
イタチは基本的に警戒心が強いため、あまり人目のつくところには現れません。また、壁や木を軽々と登るので、立体的に活動できる場所を好みます。したがって、多くは山地などに住むのですが、人家に住み着く例も確認されました。
石垣の隙間や床下に巣を作っていたようですが、天井裏に巣を作ることも多いようです。家に使われる断熱材を利用して、巣にしていると言われています。私たち人間にとって断熱材を壊されるのは困りますが、イタチも必死に暖をとっているのでしょうね。
イタチは何を食べているの?
イタチは雑食の動物ですが、肉食の傾向が強く見られます。おもな食料は、ネズミ、カエル、鳥、魚類、昆虫類など。
植物では柿などの果実を好みます。
また、凶暴な性格をしているため、自分より大きなニワトリやウサギをも捕食対象にすることも。人間に噛み付くこともあるので、できれば触らないようにしましょう。
イタチの寿命はどれくらい?
イタチの寿命は飼育下で約1.5歳ほど。野生では約2年ほどと言われています。私たち人間と比較すると動物の寿命は短いものですが、イタチはさらに短命です。
1年ほどで成獣になると言われているので、成熟が早いのかもしれませんね!しかし、長くてもたった2年なんて、人間の視点で考えると少し寂しくなりそうです。
イタチの天敵は?
イタチの天敵は、キツネやオオカミ、猛禽類が挙げられます。やはりキツネやオオカミを始めとする自身より大型の肉食獣や、ワシやフクロウといった猛禽類にはなかなか太刀打ちできません。
しかし、強烈な悪臭を放つことで逃げおおせることもあり、イタチもなかなかの曲者と言えます。まさに「イタチの最後っ屁」ですね。
イタチとオコジョ、ミンク、ハクビシンは違うの?
イタチと似ている生物にオコジョがいます。また、他にもミンクやフェレットなど。しかし、これらはすべてイタチ属に分類される種類なので、広い意味ではイタチと同じですね。
一方で、ハクビシンという生物がいます。
ハクビシンはハクビシン属に分類される生物なので、イタチとは別ですがよく似ているのです。見分け方は簡単で、顔の模様を見れば一目瞭然!
鼻から頭頂部に白い線が入っていればハクビシンです。ハクビシンを漢字で書くと「白鼻芯(心)」なので、まさに"名は体を表す"ですね。
イタチと人間の関係は?
人間にとってイタチは、愛玩動物としてかわいがられていました。反面、イタチの毛を利用するため、狩猟することも多かったのです。
愛玩動物としてはフェレットが有名で、3000年ほど前から飼われていたと考えられています。
一方で、イタチ属のミンクという種類は毛皮の価値が高まり、高級品の衣類として取引されています。ミンクのコートなど聞いたことがあるかもしれませんね。
しかし、最近では価値が落ち着いており、乱獲されることはなくなりつつあります。また、毛皮以外では高級品の毛筆にも使用されています。
イタチは妖怪と考えられていたの?
日本では古くからイタチを妖怪と考える風習がありました。さまざまな怪奇現象を起こすと考えられ、古い書物にも火災を引き起こしたり不吉を運んだりするとあります。
ほかにもタヌキやキツネと同様に、化けるといわれることも。また、イタチの妖怪のしわざと考えらていたものでは「かまいたち」が有名です。
「かまいたち」ってイタチのしわざだと考えられていたの?
「かまいたち」とは、何もしていないのに突然皮膚が切れる現象です。
現在では乾燥した肌が衝撃を受けて裂けることがわかっていますが、昔はイタチの妖怪のしわざだと言われていました。鎌で引き裂かれたように切れることから、鎌鼬(かまいたち)と呼ばれていました。
ただし、語源が「構え太刀」とする説もあるので、その場合はイタチはまったく関係ないことになりますね。いろんなファンタジー作品で「かまいたち」という技があるので、親近感を覚える人もいるのでは?
イタチは益獣?害獣?
もともと日本のイタチは一部の地域でのみ生息していましたが、ネズミ駆除のために益獣として各地に連れてこられました。
ネズミ駆除だけなら益獣のままでしたが、イタチは凶暴な雑食性の動物です。ついに農作物やニワトリなどの家畜まで襲われるようになりました。
また、糞尿被害もあるため、益獣としての側面より害獣としての側面が強くなっています。人間の勝手と言ってしまえばそれまでですが、できるだけ自然動物と共存できるような環境を築いていきたいですね。
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イタチ 種類
ウミベミンク(ウミミンク)は19世紀半ばに絶滅しています。
フェレットはヨーロッパケナガイタチの亜種とされたり、ステップケナガイタチの亜種とされたりしますが、詳細はわかっていません。
ニホンイタチはシベリアイタチの亜種とされることもあります。
- アルタイイタチ
- オコジョ
- オナガオコジョ
- キバライタチ
- イイズナ
- シベリアイタチ(タイリクイタチ、チョウセンイタチ)
- ニホンイタチ
- セスジイタチ
- ハダシイタチ
- アメリカミンク
- ウミベミンク(ウミミンク)
- ヨーロッパミンク
- ヨーロッパケナガイタチ(フェレット)
- ステップケナガイタチ
- クロアシイタチ(スジハライタチ)
- アマゾンイタチ
- コロンビアイタチ
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イタチ 参考文献
- Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/イタチ
- マイナビ農業 https://agri.mynavi.jp/2018_10_10_42439/
- 枚方市ホームページ https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000024138.html
- 撃退百貨店 https://gekitai.kwn.ne.jp/mame/itachi.html
- 大阪市住吉区ホームページ https://www.city.osaka.lg.jp/sumiyoshi/page/0000244046.html
- 堺市ホームページ https://www.city.sakai.lg.jp/smph/kurashi/gomi/kankyo_hozen/yaseichoju/komaru/itachi.html
- 国土交通省 中国地方整備局 太田川河川事務所(太田川生物誌) http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/mamma/index460.htm
- 1分で読める!![違いは?] https://lowch.com/archives/13231
- 生活110番 https://www.seikatsu110.jp/animal/am_attic/16779/
- 生き物NAVI https://livingthing.biz/archives/1973
- 語源由来辞典 https://gogen-yurai.jp/itachi/
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