トラ
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派手なしましまの模様が特徴的で、別名“密林の王者”とも呼ばれるトラ。 トラは強くて格好いい動物として、人気がある動物のひとつです。 そんなトラですが、実はちょっと狩りが下手という意外な一面があるのを知っていますか? トラにはどんな特徴や秘密があるのか、こっそりのぞいてみよう!
トラ 基本情報
哺乳綱食肉目-ネコ科-ヒョウ属
体長140~280cm 体重90~306kg(種類によって差がある) メスよりもオスの方が体長・体重ともに大きくなります
トラの主な生息地はインドや中国、インドネシアの島々やロシア周辺です。 トラは住んでいる場所によって9種類に分けられていますが、どのトラも見通しが悪い木々が茂った場所を好みます。
しかし種類によって体の大きさや好きな温度が大きく異なることが知られていて、現存するトラの中で一番小さなスマトラトラは雨が多く降るじめじめとした熱帯雨林(ねったいうりん)で、トラの中で一番大きなアムールトラは時には雪が降ってマイナス40度にもなる雪原で暮らしています。
トラはライオンと違い、日頃は群れを作らずに1頭で生活しています。 繁殖期(はんしょくき)以外は基本的に1頭で行動し、繁殖期の間だけオスとメスが一緒に行動します。
またトラの狩りは獲物を追いかけるのではなく、じりじりと忍び寄って飛びかかり、一発で仕留める忍び寄り型(しのびよりがた)です。 基本的には野生のウシやシカ、イノシシやサルなどを捕まえて食べますが、ヘビなどのは虫類やクジャクなどの鳥類、魚などを食べることもあります。
トラ Q&A
トラはどうしてしま模様(もよう)なの?
トラの体にあるしま模様は、とても派手に見えますが実は深いやぶの中では保護色(ほごしょく)となります。
トラの獲物である草食動物は肉食動物を見つけやすいように、広い視野(しや・物が見える範囲)を持っています。 しかし色を見分ける力は低いため、草食動物の目から見るとトラの黒くて縦に入ったしま模様はやぶと見分けがつかないと言われています。
つまり派手に見えるトラのしま模様は実はあまり目立たず、狩りの成功率を上げるために役立つトラのひみつ道具という訳です。
ホワイトタイガーはなぜ白いの?
ホワイトタイガーはインド周辺で暮らしているトラの1種、ベンガルトラの「白変種」(はくへんしゅ)です。 白変種とは突然変異(とつぜんへんい)で色素(しきそ)が減少し、白い色になった動物のことです。
同じく体の色が白い動物には「アルビノ」と呼ばれる個体もいますが、アルビノはメラニンと呼ばれる黒い色素を作る遺伝子が無いために体の色が白くなっている動物のことを示します。
少しややこしい白変種とアルビノですが、見分けたい時は目の色に注目してみると良いでしょう。 白変種の目の色は普通の動物と同じですが、アルビノの目の色は血管(けっかん)が透けて赤色になるため、簡単に見分けることができます。
トラは狩りが下手って本当?
トラはとても力が強い動物ですが、体重が重いため獲物を素早く追いかけ続けることができません。 体が重くても走るスピードは意外と速く、時速は50~60km(最高80km)ほどですが、見通しの良い場所では特に狩りの成功率が低いと言われています。 そのため狩りをする時は先ほど説明したしま模様を生かして、獲物にそっと忍び寄って捕まえます。
しかし実は狩りがあまり上手ではなく、狩りが成功するのは10~20回に1回程度だと言われています。 その代わりに1回にたくさんの肉(10~20Kg、時には30Kg)を食べられるので、狩りの成功率が低くても生きていけるのです。
トラとライオンはどちらが強いの?
大きくて強いネコ科の動物といえば、トラとライオンを思い浮かべる人が多いことでしょう。 そして「トラとライオンはどちらが強いのだろう」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
実は海外にはトラとライオンが実際に戦った、という記録がいくつか存在するようです。 しかしその勝敗はそれぞれに勝ち負けが繰り返されていて、どちらが強いのかはっきりとわかっていません。
どちらにしてもトラとライオンは好きな場所が違うため、野生のトラとライオンが出会って戦うことはありません。 ※ライオンは見通しが悪い場所が好きなトラと真逆で、障害物が少ない見通しが良い場所が好きです。
動物園のトラはどんな物を食べているの?
日本の動物園ではアムールトラ、ベンガルトラ、スマトラトラの3種類が飼育されています。 そして動物園ではトラのエサとして、ウシやウマ、ニワトリなどの肉を与えています。
しかし人間が食べるために加工された肉は血や内臓が抜かれていて、トラの体を作るために必要な栄養素が足りません。 そのため動物園では肉にビタミン剤をまぶす、牛の骨をおやつに与えるなど栄養のバランスが取れるような工夫をしています。
ネコの仲間なのに水が好きって本当?
本当です。
トラは水浴びが好きで、特に暑い時期は暑さを避けるために何時間も水の中で過ごします。 また泳ぎも上手で泳いで川でくつろいでいる草食動物に近づき、襲い掛かることもあるようです。
トラの部屋にプールを設置している動物園もあるので、運が良ければ動物園でもトラが水浴びをしている場面が見られるかもしれません。
密林の王者、トラにも敵はいるの?
トラはとても強い動物ですが、彼らに敵はいるのでしょうか? トラは草食動物を食べる肉食動物ですが、実は獲物の草食動物たちも黙って食べられてばかりではありません。 ガウル(野生のウシ)やゾウ、イノシシなどはトラに反撃して、大ケガを負わせることもあります。 しかしトラたちの最大の敵は、驚くことに私たち人間なのです。 私たちは畑を作ったり木を利用したりするために、トラが住んでいる森をたくさん切り開きました。 またトラのきれいな毛皮を取ったり、骨や内臓を薬にしたりするためにたくさんのトラを捕まえました。
そしてもともとは9種類いたトラのうち、なんと3種類を絶滅(ぜつめつ)させてしまったのです。 残っている6種類も絶滅してしまう可能性が高い絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)になっていて、このままでは野生のトラはいなくなってしまうかもしれないと言われています。
※絶滅(ぜつめつ) 動物の1つの種類が全て死んでしまい、地球上からいなくなってしまうことを「絶滅」といいます。 日本の動物では、ニホンオオカミやニホンアシカなどが絶滅種(ぜつめつしゅ)として知られています。
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トラ 種類
・ベンガルトラ ・アムールトラ(シベリアトラ) ・アモイトラ ・スマトラトラ ・インドシナトラ ・マレートラ ・バリトラ(絶滅種) ・ジャワトラ(絶滅種) ・カスピトラ(絶滅種)
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トラ 参考文献
- 今泉 忠明(2004年)『野生ネコの百科』データハウス
- 旅探「動物園でチェックしたい!トラの目立つ縞模様のわけ」 https://www.homemate-research-zoo.com/useful/13969_zoo_054/
- WWFジャパン「これを読めばトラ博士?!絶滅危惧種トラの生態や亜種数は?」 https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3566.html
- 太地町立くじらの博物館「体色が白い動物 アルビノと白変種(白化個体)」 http://www.kujirakan.jp/pdf/201503_albino.pdf
- 京都市動物園「Q.ジャガーやトラの走る速度はどれくらいですか?」 https://www5.city.kyoto.jp/zoo/uploads/image/Q217.pdf
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