
皆さんは「タン」というウサギを聞いたことがありますか?ちなみに、焼肉が美味しいあの「タン」ではありませんよ。
日本ではあまり見る機会のないウサギなので、知ってる!という方は、なかなかのウサギ通かも知れませんね。このページでは、そんなタンの秘密についてご紹介しています。
タンという名前にはどのような意味があるのか?その秘密も隠れていますよ。早速、覗いてみましょう!
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~基本情報~
原産国 イギリス
シニア/オス 6ヶ月以上 1.81kg~2.49kg
シニア/メス 6ヶ月以上 1.81kg~2.72kg
ジュニア/オスメス共に 6ヶ月未満 最低体重910g
※アメリカウサギ協会(ARBA)基準
タンは自然発生ではなく、人の手によって開発されたウサギといわれていますが、詳しいことは今でも分からないようです。歴史を遡ると、1887年代にイギリスで初めてのタンが誕生したといわれています。
このときは、ブルーとブラックの2色のみがタンとして認められていましたが、1920年代に入ると、ハバナとの交配により新しくチョコレートカラーも開発されました。その後、さらにライラックカラーも登場し、現在では合計4色のタンが公認種として認められています。

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タンのQ&A
タンの名前の由来は?
タンとは英語で「淡い茶色、褐色系」の意味があり、そこから名付けられました。
タンのカラーバリエーションは?
■ボディカラーの種類
・ブラック
・ブルー
・チョコレート
・ライラック
■アイカラーの種類
ブルーグレー、ブラウンがあります。
■毛種
タンは短毛種(たんもうしゅ)のみです。
タンの外見はどんな感じ?
フルアーチと呼ばれる体型。体とのバランスが取れた耳を持ち、背中のラインはアーチ状の綺麗なカーブが見られます。そして前脚の方が長く、骨格も比較的しっかりしているといえるでしょう。
被毛は皮膚に沿って生えるフライバックであり、手触りが良く弾力性もある毛です。そして何といっても一番の特徴は、目を引くほどはっきりとしたボディカラーです。タンのボディカラーは、くっきりと2色構成であることが美の条件なので、例えば2色の境界線がぼやけて曖昧だったり、ギザギザ模様だと、ラビットショーでの評価が下がってしまうんだとか。
ちなみに、カラーの境界線として表われる部位は、首の後ろや胸。お腹や目の周り。前脚と後ろ脚など、さまざまな個所に出てきます。
タンは最初、大型ウサギだったって本当?
結論からいうと、本当です。基本情報でもご紹介しましたが、1884年代のイギリスにて、初めてタンが生まれました。このときのタンは、現在よりもはるかに大きい大型種だったといわれています。具体的に、どのくらいの大きさだったのかは分かっていませんが、その後品種改良を重ねた結果、今のサイズに固定されたようです。
タンはどこで巡り会えるの?
日本ではタンの流通量が少なく、専門ブリーダーを見つけるのは難しいようです。海外にもタンのブリーダーはいるので、もし知り合いが海外に住んでいる場合、こちらのルートから探す方が見つかりやすいかも知れません。
タンを購入するにはどれくらいかかるの?
日本でタンを見かける機会がほぼないため、詳細価格は不明です。しかし、見つけるのが難しいということは、購入価格も高額になるでしょう。ちなみに、ラビットショーで入賞できる可能性があるウサギを「ショータイプ」、お家で飼う分には何の問題もないウサギを「ペットタイプ」と呼びます。ショータイプのタンだと、より高値になることもあるんだとか。
タンの性格について詳しく知りたい!
日本で飼育する方があまりいないため、詳しく分からないようです。ですが、基本的にウサギは抱っこされるのが苦手、そしてオスは求愛行動としておしっこをかけるスプレー行為を飼い主さんにもしてしまう可能性がある、メスは発情期、あるいは妊娠中だと子どもを守るため気性が荒くなる。といった特徴が見られます。恐らく、タンにも同様の特徴があるといえるでしょう。
タンのかかりやすい病気ってなに?
タンがかかりやすい病気として「ウサギ消化器症候群(うさぎしょうかきしょうこうぐん)RGIS」、「不正咬合(ふせいこうごう)」があります。
①ウサギ消化器症候群
ウサギは毛づくろいの後、誤って抜け毛を飲み込んでしまうことがあります。このとき飲み込んだ毛がうんちと一緒に出てくれば問題ないのですが、大量の毛が消化管につまると食欲不振を引き起こしたり、排便できなくなる場合もあるのです。
この病は以前、抜け毛が原因であることから「毛球症(もうきゅうしょう)」と呼ばれていましたが、最近のの研究によると消化管を詰まらせるのは被毛だけではないことが判明し、分かりやすくするため総称して「ウサギ消化器症候群」と呼ばれるようになりました。
ウサギ消化器症候群は全てのウサギがかかる可能性があるので、繊維質のチモシー(牧草)を食べさせる、運動をさせる、水分不足にならないよう、水をしっかり与える、そして飼い主さんがブラッシングをしてあげる。以上が予防するための注意点です。
②不正咬合
エサが上手く食べられない、水を飲むのが下手になった。などの症状があります。ウサギの歯は一生伸び続けるため、通常はかじり木や繊維が豊富なエサを食べて歯の伸びすぎを予防していますが、何らかの原因で歯が削られなくなると、噛み合わせが悪くなってしまうことがあるのです。
不正咬合が進行すると、食欲不振を招いたり、鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)といった病気にかかってしまう恐れもあるため、エサの食べ方がいつもと違っていたり、歯の伸び方に異常が見られたら、動物病院での相談をオススメします。
タンの寿命は?
8~10年ほどです。一般的なウサギの平均寿命は6~8年なので、やや長生きするといえます。
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参考文献
うさぎの品種大図鑑 監修:町田修
AMERICAN TAN RABBIT SPECIALTY CLUB
https://www.atrsc.org/
うさぎ総合辞典
http://www.usagi-jiten.co.jp/
うさぎとの暮らし大百科
https://www.anicom-sompo.co.jp/usagi/
うさぎタイムズ
https://www.ferret-link.com/usagitimes/
もねペットクリニック
http://www.mone-pet.com/
うさぎの丘
https://www.usaoka.com/index.html
アイキャッチ画像
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:State_fair_06_029.jpg