ハクチョウ
ハクチョウ
ハクチョウ
湖の上を静かに泳いでいたり、ある時は童話にも出てくる有名な鳥だったり・・・ 白鳥の湖なんてバレエ音楽もあるぐらいですから、やっぱり性格も大人しくておしとやかなのでは?と思っている人も多いはず。 確かに見た目は美しい鳥なのですが、意外な性格も隠れている不思議な鳥です。 このページを見ればハクチョウについてのイメージが少し変わるかも知れませんね!
ハクチョウ 基本情報
カモ科-カモ目-ハクチョウ属
全長110~180cm 翼開長180~260cm
主にユーラシア大陸やアメリカ大陸、カナダやオーストラリアなどに生息しています。
全体的に白い羽毛でおおわれ、首が長いのも特徴です。日本には冬ごろ渡り鳥として見られることが多いとされ、冬を越した後はまたそれぞれの住んでいたところに帰っていきます。
属性(ぞくせい)は違いますが、意外なことにハクチョウはカモの仲間でもあります。オスとメスの見分け方ですが、外見はほとんど違いがないのでなかなか難しいようです。
繁殖(はんしょく)シーズンは5月~6月ごろとなっています。卵を産む場所は品種にもよりますが、日本ではなく生まれ育ったシベリアなどで産卵と子育てをすることが多いようです。
ハクチョウが一度に産卵する数は3~6個ほどで、温めてから約40日後にヒナが生まれます。ヒナは約3年かけて大人へと成長していくのですが、羽の色が最初は灰色だったものが少しずつキレイな白色になっていきます。
そしてハクチョウの寿命は野性で10年前後、飼育されている場合だと15~20年程度生きるといわれています。なかには30年と長生きした場合もあったようです。
ハクチョウは主に川の底にある水草や藻などを食べています。他にも昆虫や貝類を食べているので雑食性(ざっしょくせい)です。
ハクチョウ Q&A
ハクチョウの首が長いのはどうして?
見た目はアヒルと少し似ているところがありますが、なんといってもハクチョウは長い首がとても目につきますよね。
ではどうしてハクチョウの首は他の水鳥よりも長めにできているのでしょうか?
ハクチョウはアヒルやカモなどと違って体が結構大きい水鳥です。そのため、水中にあるエサをもぐって探すのも一苦労なのです。
体が大きいとあまり深くはもぐれません。エサを探しやすくするために首を長く進化させたと考えられています。
ハクチョウの声が大きいって本当?
ハクチョウをといえば、湖や川などをのんびり優雅に泳いでいるイメージがありますよね。
でも意外なことにハクチョウの鳴き声は結構うるさいといわれています。一体どれぐらいの大きさなのかというと、計測してみた記録によれば電車のガード下と同じぐらいとのことです。大きい音が響く掃除機と同じぐらいともいわれています。
なぜこんなにも大きな声で鳴くのかにも、ちゃんとした理由があります。主に繁殖地となっているシベリアの海や湖はとても広い場所です。そのため普通の話声ぐらいだとオスにもメスにも声が届きません。もう夫婦になっている場合もあるので、離れた場所にいるお互いの位置を確認しあうためにも、大声で鳴きあう必要があるのです。
ハクチョウの繁殖シーズンは5~6月と紹介しましたが、その後が忙しいスケジュールになっています。
5~6月に産卵し、6~7月にはヒナが産まれます。その後は自分でエサをつかまえられるよう、水もぐりの練習をしたり親鳥から飛び方の練習を教わります。そして9月~10月ごろには越冬(えっとう)の準備をし、日本などへ向けて飛び立ちます。
つまり自分たちの子孫を確実に残して一人前に育てあげるためには5~6月の約1ヶ月間で繁殖と産卵を終えなければなりません。
このように時間がとても限られているので、動物界ではハクチョウは夫婦の絆が固く結ばれているめずらしい鳥といわれています。ここまで忙しいスケジュールをこなせるのは、夫婦の絆がしっかりしていないとできない証拠だからです。
ハクチョウはなぜ越冬(えっとう)するの?
基本情報でも紹介したとおり、ハクチョウは基本的に渡り鳥なので日本にやってくるのは10月~4月といわれています。
そもそもどうしてハクチョウは越冬という行動を毎年のようにおこなうのでしょうか?
それにはハクチョウの生息地であるユーラシア大陸やシベリアの気温が関係しています。シベリアの冬は気温がマイナスになる世界なので、エサ場となる湖がこおってしまうのです。そうなると何も食べられなくなり餓死(がし)してまう恐れがあるため、冬でも水がこおることのない日本へエサを探しにやってくるという訳です。
驚きなのがその飛行距離3,000~4,000kmにもなります。だいたいですが、北海道から九州まで約2,300kmあるのでそれ以上の距離を飛んでいる計算になります。
春になるとまた生まれたシベリアへ帰っていくのですが、これにも理由があります。ハクチョウにとって日本の夏は暑すぎるので、住み続けることができないのです。
またシベリアに比べると日本はせまい国なので、縄張り意識の強いハクチョウにとっては広い場所でないと暮らしにくいようです。
補足ですが越冬せず日本に住み続けるハクチョウもいます。それは人間が公園などで飼育している場合に限り、羽を切って飛べないようにしているからだそうです。
ハクチョウにエサをあげてもいいの?
皆さんは公園や湖などでハクチョウにエサをあげたことがありますか?
ここでいうエサとはパンのくずやお菓子など、私たち人間が普段よく食べているもののことです。確かにハクチョウは雑食性なのでそのようなものを食べてくれることがあります。
ですがハクチョウのことを考えた場合、あげない方がいいといわれています。
いくつか理由があるのですがエサをあげすぎた場合、川や湖が汚れてしまうことがあります。そうするとハクチョウや他の水鳥たちにとって、住みにくい環境になってしまうのです。
またここに来れば人間がエサをくれる!そう覚えてしまうとハクチョウだけでなく他の鳥たちもどんどん集まってきます。そうなると心配なことが伝染病(でんせんびょう)の発生です。
「鳥インフルエンザ」という病名を聞いたことがある人もいると思いますが、名前のとおり鳥の体に感染してしまうインフルエンザのことです。今のところ人間にうつったという話も数件確認されていますが、そこまでの広がりはないようです。
そしてこれは鳥インフルエンザにも関係してくる話になりますが、ハクチョウはもちろん他の野生の鳥が死んでいるのを見つけた時や、うんちが落ちている時は絶対にさわらないでください。
鳥の病気がうつる可能性は少ないかも知れませんが、100%大丈夫ともいいきれません。ですので、もしさわってしまったらすぐに手を洗ってくださいね。
ハクチョウって怖い鳥なの?
水の上を上品に泳ぎ性格もなんとなく穏やかそうなハクチョウですが、意外にも凶暴な一面をもっています。
といってもただ単純に怒りっぽい性格をしているのではなく、繁殖シーズンに限って荒々しくなることが多いです。
万が一ハクチョウの巣に近づこうとするならば人間でも容赦なく攻撃をしかけ、時には殺してしまうこともあります。
でもそれはこれから産まれてくるヒナを守ろうとしているだけなので、ハクチョウが特別怖いという訳ではなさそうです。
もしハクチョウより大きくて強い動物が巣を荒らしにきたら、ハクチョウは立ち向かうのをやめてしまうことがあるようです。
ですが大きいサイズだと全長180cmもあるハクチョウは、人間ぐらいの大きさなら何とか立ち向かえると思い、必死に抵抗しているのかも知れませんね。
黒いハクチョウがいるって本当?
ハクチョウといえばまず真っ白い姿を思い浮かべますよね。ですが面白いことに体が黒いハクチョウも存在(そんざい)しています。
名前を「コクチョウ」といい、別名「ブラックスワン」ともよばれています。名前のとおり羽は真っ黒で、くちばしは赤い色をしています。もともとはオーストラリアに生息している鳥なのですが、ときどき日本でも見かけることがあるようです。
しかしこれは自然発生したのではなく、誰かが輸入したあと勝手に野性へ帰してしまい、その後繁殖数を増やしているとのことなので、日本の生態系に影響が出ないか心配されています。
ちなみに「ありえない!起こるはずがない!」と思われていたことが本当に起きてしまうことをブラックスワン理論というようです。
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ハクチョウ 種類
・オオハクチョウ ・コハクチョウ ・アメリカコハクチョウ ・ナキハクチョウ ・コブハクチョウ ・クロエリハクチョウ ・カモハクチョウ ・コクチョウ
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ハクチョウ 参考文献
- 日本大百科全書(ニッポニカ) 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー https://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/08/02/0210.html
- 郡山市立小泉小学校 http://www.edu.city.koriyama.fukushima.jp/koizumi-e/swan/QA/Q4/kubiga.html
- ネイチャーエンジニアいきものブログ https://www.nature-engineer.com/entry/2019/02/03/080000
- 森と水の郷あきた http://www.forest-akita.jp/data/bird/21-hakuchou/haku.html
- 国土交通省東北地方整備局酒田河川国道事務所 https://www.thr.mlit.go.jp/sakata/river/museum/swan/observe_seitai.html
- 青森県平内町 https://www.town.hiranai.aomori.jp/index.cfm/8,0,73,312,html
- 国立研究開発法人国立環境研究所 侵入生物データベース https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/20480.html
- 鏑川白鳥を守る会 http://citizen8823.livedoor.blog/archives/8175943.html
- 万物の寿命まるわかり事典 http://www.lance4.net/banbutuno-jumyo/z0203.html
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