マンボウ
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マンボウと言えば大きな体と、愛嬌のある顔で人気のある魚です。一般的な魚と違う独特のフォルムは、一度見たら忘れられないほどのインパクト。 よく知られている魚ですが、実はその生態はまだまだ謎に包まれています。現在までに知られている生態を詳しく見ていきましょう。
マンボウ 基本情報
フグ目マンボウ科マンボウ属
体長:1m〜最大3m以上
体重:1t〜3t
マンボウは世界中の海で見られ、おもに熱帯や温帯の暖かい海域に生息しています。
世界最大の硬骨魚類で、マンボウの仲間であるウシマンボウは3m以上の個体もいるようです。外洋の表層と深海を行き来するため未だ解明されていないことも多く、もしかしたらもっと大きな個体も存在しているかもしれませんね。
体にはたくさんの寄生虫が付着しており、寄生虫に関する研究も進められています。目にも寄生虫が付着し、あまり目が見えないようです。目が見えづらいせいで、水族館の水槽にぶつかることは有名な話です。
マンボウはしばらくの間、2種類が存在するとされてきました。しかし2017年に新種が発見され、話題になりました。既存種に隠れていたことから名前を「カクレマンボウ」と決定され、英名や学名も「隠れる」にちなんだ名前がつけられています。
マンボウ Q&A
マンボウの名前の由来は何?
マンボウの名前は、「満方」や「円魚」の漢字が使われます。「満」も「円」もマンボウの見た目の丸さに由来するとされ、「方」や「魚」は「ボウ」が訛って変化したそうです。
次に海外でマンボウがどのように呼ばれているか、見てみましょう。学名は「mola mola(もらもら)」と言い、molaはラテン語で「石うす」を意味します。マンボウの丸い体が、うすのように見えたことが由来のようです。
また英名は「sun fish」といい、太陽の魚を意味します。実は太陽や月を由来としている国は多く、インドネシアやロシアも同様です。
なぜこうも似通った由来になっているのでしょうか。似通った名前の由来は、マンボウの不思議な特徴が関係しています。
マンボウが横になってお昼寝するって本当?
マンボウは謎の多い魚で、判明していない生態があります。特に不思議な特徴は、体を横たえて水面にたゆたう姿です。
漁師のように沖に出る人は何度も目撃するそうですが、その行動の意味は判明していません。昼寝をしているようなその姿は、水鳥に寄生虫を食べてもらうためという説や体を休めているという説があります。
この行動があまりにも特徴的で印象強く、世界中の人はこのマンボウの行動を太陽や月になぞらえたというわけです。
マンボウはどうしてそこに住んでいるの?
マンボウは外洋に住む魚であるため、詳しい生態はまだわかっていません。発信機をつけた調査では深海と表層を行き来していることがわかっていますが、個体差が激しいため真意はやはりわかっていないようです。
仮説では、水温の影響を受けるためとされています。今後どのように研究が進むのか、非常に楽しみです。
マンボウは何を食べているの?
マンボウの主食は、クラゲやプランクトンと言われています。
クラゲはぐいぐいと海の中を泳ぐ生物ではなく、ゆったりと浮かぶように泳ぐ生物です。マンボウも泳ぐことは得意ではないため、捕食しやすいクラゲを食べるようになったと言われています。
しかし胃の残留物を調べるとエビやイワシ、イカが発見されたこともあるようです。中には深海に棲む種もあり、エサをとりに深海に潜ると考えられています。
マンボウはどうやって泳ぐの?
マンボウは、泳ぐことが得意ではありません。一般的に知られる魚とは大きく異なる形態から、なんとなく予想はできると思います。具体的に何が違うのか、解説します。
マンボウと言って思い浮かべるのは、上下に大きく発達した2つのヒレでしょう。これは背ビレと尻ビレで、他の魚が持つ腹ビレと尾ビレはありません。それでは他の魚と比べてヒレの種類が少ないのに、どうやって泳ぐのでしょうか。
まず前に進む推進力は、背ビレと尻ビレを同じ方向に大きく動かすことで得ます。さながら鳥が羽ばたくようです。
左右に曲がるときは、舵ビレまたは橋尾と呼ばれる後端を使います。ちなみに舵ビレまたは端尾はヒレと呼ばれますが、実は背ビレと尻ビレが変形したものです。
体が大きいこともあって、ゆったりとした泳ぎ方が優雅ですね。
マンボウの遊泳速度は?
水族館でゆったりとした泳ぎを見られるマンボウは、どれほどの速度で泳いでいるのでしょうか。
一般的には「泳ぎが下手で、ゆっくりしか泳げない」というイメージが強いように思います。しかしマンボウも、常に全力で泳いでいるわけではありません。
ときには、海流に逆らって泳ぐこともあるようです。平均的な速度は2.0km/h、最高速度は8.0km/hほどと言われています。
エサを捕らえるときや危険を感じたときは、「本気」で泳ぐマンボウの姿が見られそうですね。
マンボウはすぐに死んでしまうって本当?
一時期SNSで話題となった、いわゆるマンボウ最弱伝説。デマがデマを呼び、「おもしろい」内容として拡散された結果のようです。
代表的なものには、「海面からジャンプして着水するとき、衝撃で死んでしまう」や「太陽の光を浴びると火傷して死んでしまう」などがありました。
しかし水族館の職員や研究者から、何度も否定されています。マンボウは決して死にやすい魚ではありません。
ただし水槽のガラスに気づかずにぶつかってしまったり、手で触れるだけで跡が残ったりすることは事実。
死にやすくはありませんが、デリケートな魚であることは間違いありません。
マンボウはものすごい数の卵を産むって本当?
マンボウ最弱伝説とともに拡散された内容で、1回で大量の卵を産卵するという話がありました。その数はなんと3億個。
しかもそのうち生き残れるのはたった数匹とされ、マンボウのエピソードとして有名になりました。しかし研究者によって、これも否定されています。
3億個の卵については、過去の論文が元になっているようです。その論文では「卵巣内に3億個以上の未成熟な卵を発見した」とだけ記述されていました。卵の発達状態から1回ですべてを産卵するとは考えづらく、現在では複数回にわけて産卵すると考えられています。
さらに3億個に関する根拠や方法が論文に書かれていないため、そもそも3億個あるかどうかもはっきりしていないようです。
マンボウは食べられるの?
マンボウは全国的に食用とされていませんが、一部の地域ではマンボウ料理が振る舞われています。実は美味とされるマンボウは、鮮度が落ちやすいことから流通しづらいようです。
一方で台湾では漁が盛んで、観光客向けにたくさんの飲食店がマンボウ料理を提供しています。一般的にマンボウを食べる機会は多くないので、マンボウ料理を提供している飲食店を訪れることがあれば試してみてもいいかもしれませんね。
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