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フクロモモンガ

フクロモモンガ

フクロモモンガ

フクロモモンガといえは、ペットとして人気が高まっていますね。つぶらな瞳を持っていて、とても可愛らしい顔をしています。 見た目が似ているモモンガはリスの仲間ですが、フクロモモンガも同じ仲間なのでしょうか? 実は、フクロモモンガはカンガルーやコアラの仲間なのです。これらの動物には、お腹にある袋の中で子育てをするという共通点があります。見た目が似ていても同じ種類の動物だとは限らないのですね。 このように、見た目が似ていても違う動物を生物学では「収斂(しゅうれん)」と呼びます。 フクロモモンガについて一緒に詳しく探ってみましょう!

フクロモモンガ 基本情報

哺乳網-有袋目-フクロモモンガ科-フクロモモンガ属 フクロモモンガ 体長:約12.7~15.2㎝ 体重:約95~160kg 尻尾:約12~15㎝ フクロモモンガの生息地は、オーストラリアの北部と東部・ニューギニア付近・タスマニア島に分布しています。 ユーカリやアカシアなど多く生えている森林地帯で、一生のほとんどを樹上(じゅじょう)で生活しているのです。 フクロモモンガは、夜行性の動物なので夕方から活動を始めます。 日中は住処として使っている樹洞(じゅどう)の中で6〜7頭ほど群れて暮らしています。 一緒に暮らしているのは、リーダーであるオス1頭に対して数頭のメスと子供の組み合わせです。 フクロモモンガは、一夫多妻(いっぷたさい)なのですね。 動物の中では、オスとメスの見た目が似ていて判断が難しい場合もあります。 ですが、フクロモモンガには簡単に見分けるポイントが存在します。 そのポイントは、オスの頭部を確認しましょう。 なぜなら、オスの頭部は毛が薄くハゲているので分かりやすくなっています。 毛が薄くなってしまっている原因は、マーキングをするために擦り付けているからです。 頭部に臭腺(しゅうせん)という、匂いを出す部分が備わっているので毛が薄くなってしまうのもしょうがないですね。

フクロモモンガの繁殖(はんしょく)

フクロモモンガの繁殖(はんしょく)は、決まった時期はありません。 妊娠期間はたったの16日と短いので、すぐに出産してしまいます。 赤ちゃんの体重は0.2gしかないので、とても小さな状態で生まれてくるのです。 1回の出産で生まれてくるのは1〜2頭です。

出産後の赤ちゃんは、母親の育児嚢(いくじのう)の中で70日ほど育てられます。 乳離れは120日ほど時間をかけて行います。 フクロモモンガの子供が完全に独り立ちするのは、乳離れが終わってからさらに半年後です。 この独り立ちでは、今まで暮らしていた群れから離れて生活をします。 他の動物と比較をすると、独り立ちをするまでに時間がかかっているように感じますね。

小さくて可愛らしいペット

フクロモモンガの人気は年々高まっています。 可愛らしい姿を見ているだけでも癒されますね。 家族として迎えたい人が多いのも納得です。 フクロモモンガは、初めは警戒心(けいかいしん)が強い傾向があります。 ですが、飼い主さんに慣れると甘えてくれるようになります。 野生では群れで生活しているので、多頭(たとう)飼いすることも可能です。 単体で飼育するのであれば、コミュニケーションをしっかりとるように心がけてあげましょう。 フクロモモンガが寂しがらないように、信頼できる家族になってあげてください。

カラーバリエーションはどのくらいあるの?

フクロモモンガは、カラーバリエーションが豊富な点が特徴的です。 同じ生き物でも体の色合いによって印象が大きく変わります。 また、カラーによって値段も変化しますので確認するようにしましょう。 ・スタンダードグレイ ・リューシスティック ・モザイク ・ホワイトフェイスブロンド ・クリミノ ・プラチナ ・アルビノ ・ルビーレイ 基本的な8種類のカラーをご紹介しました。

現在では全体で20種類くらいのカラーが存在しています。 種類が増えている理由は、基本的なカラーから派生(はせい)しているからです。 スタンダードグレイから派生したカラー ・ブラック・ビューティー ・ライオン ・シナモン モザイクから派生したカラー ・ピエバルド ・リング・テイル ・シルバー・モザイク ・ホワイト・モザイク ・トゥルー・プラチナム・モザイク

エサは何をあげたらいいの?

フクロモモンガのエサは、主食である総合栄養食(そうごうえいようしょく)と副食に植物性と動物性のエサを加えてあげましょう。 これだけでは、分かりにくいと思うので具体的にお伝えします。 総合栄養食とは、フクロモモンガ専用のフードや昆虫食動物用のフードのことです。 これらは手に入りにくい場合もありますので、その代用としてドックフードやキャットフードをあげるのも方法です。 副食の植物性のエサとは、果物や野菜などのことです。 決まった果物や野菜だけを与えるのではなく、様々な種類を試してあげてください。 果物はあくまでの副食なので、与えすぎには注意が必要です。 果物ばかりあげてしまうと、栄養バランスが悪く将来的に病気につながる可能性もあります。 副食の動物性のエサとは、昆虫のミルワームやコオロギ、ゆで卵やささみなどのことです。 昆虫はペットショップで購入することができます。 飼育しているフクロモモンガの体の大きさに合わせて昆虫を選びましょう。 フクロモモンガの中には、偏食(へんしょく)を持った子もいます。 好きなものしか食べなくなってしまうと、栄養バランスが偏ってしまいます。 そうならないように、色んなエサを試してみて食べられる物を増やしてあげましょう。 エサをあげるタイミングは、フクロモモンガが活動を始める夕方以降にあげましょう。 エサの置き場は、ケージ内の高い場所に設置してあげてください。 フクロモモンガは、樹上で生活をしているので近い環境にしてあげましょう。

飼育環境について

・飼育ケージ フクロモモンガの飼育ケージは、動き回れるように高さのある物を選ぶようにしましょう。 ・エサ入れ 野生のフクロモモンガは、樹上でエサを食べているのでケージの高い位置に設置してあげましょう。 低い位置に設置してしまうと、エサの中にフンなどの排泄物(はいせつぶつ)が落ちてしまう可能性があります。 ・給水ボトル 給水ボトルもエサ入れと同じく、高い位置に設置しましょう。 飼育している子の中には、給水ボトルでうまく飲めない場合もあります。 飲めているか確認をして、難しそうであればお皿に変えてあげてください。 ・コーナーステージ ケージ内で移動したり休憩場所として使えたりするので、いくつか設置してあげてください。 ・寝床(ポーチ) フクロモモンガは、日中は寝て過ごすので寝床が必要です。 寝床にも様々な種類がありますので、いくつか用意をして試してみてください。 汚れてしまうことも考えて予備があると安心です。 ・遊具 フクロモモンガを飼育する人が増えたことで遊具の数も増えています。 代表的な遊具は、トンネル・回し車・かじり棒などが挙げられます。 フクロモモンガにも個性がありますので、どんな遊具を気にいるのか分かりません。 色んな種類を試してみて、気に入る物を探してあげましょう。 ・保温器具 フクロモモンガは生息地域の関係で、暖かい気温には耐性(たいせい)があります。 しかし、寒さには慣れていません。 冬場は寒くなりすぎないように、保温器具を設置してあげてください。 ・温度計 フクロモモンガにとって過ごしやすい温度か確認するようにしましょう。 ・ペットシート ケージの底にペットシートを敷くようにしましょう。 ケージ内の掃除は毎日しなくてはいけません。 ペットシートを敷くことによって、排泄物(はいせつぶつ)を掃除しやすくなります。

・キャリーケース フクロモモンガを動物病院に連れていく際に必要になります。 急に体調が悪くなることもあるかもしれません。 そんな緊急事態(きんきゅうじたい)にも対処(たいしょ)できるように、事前に用意しておきましょう。

飼育する際に注意する点は5つあります!

1)エキゾチックアニマル専門の動物病院を探しておきましょう フクロモモンガは、一般的は犬やネコの動物病院で診てもらうのは難しいです。 専門的な知識が必要になりますので、小動物にも対応しているエキゾチックアニマル専門の動物病院を事前に探しておきましょう。 2)温度管理をしっかりしてあげましょう フクロモモンガの適温は、24〜27℃くらいです。 急激な温度の変化や寒さには弱い生き物なので、温度を気にかけてあげなくてはいけません。 適温をキープできるように、保温器具などを使って調節をしましょう。 3)フクロモモンガに合わせた生活を心がけましょう フクロモモンガは、夜行性の動物です。 飼い主さんとは生活リズムが真逆なので、寝ている日中に触らないようにしましょう。 無理に起こしてしまうとストレスを与える原因になります。 スキンシップを取りたいのであれば、フクロモモンガの生活リズムに合わせて夜に遊んであげましょう。 4)トイレのしつけができないことを知っておきましょう フクロモモンガは、トイレ訓練をすることが難しいです。 決まった場所にトイレをする習性がないからです。 そのため、どこでトイレをしてもいいようにペットシートを敷くなどの対応が必要になります。 部屋の中で散歩をする際も気をつけなくてはいけません。 5)独特なニオイを発することを理解しておきましょう フクロモモンガは、臭腺(しゅうせん)を持っています。 そのため、独特なニオイの体臭がします。 ニオイにも個人差があるため、飼育してみないとわかりません。 メスよりもオスの方がニオイが強く、その理由は頭と胸に臭腺が備わっているからです。 どちらの性別であっても、成熟(せいじゅく)すると子供の頃よりもニオイが強くなります。 そのことを理解してフクロモモンガを飼育するようにしましょう。

フクロモモンガ Q&A

フクロモモンガ
フクロモモンガの名前の由来は?

フクロモモンガの名前は、「フクロ」と「モモンガ」に分けることができます。 「フクロ」は、メスのお腹にある育児嚢(いくじのう)から由来しています。 育児嚢とは、子供を育てるための袋のことです。 「モモンガ」は、リス科のモモンガと同じ由来です。 モモンガは、日本の平安時代から存在している動物で「モミ」と呼ばれていました。 この「モミ」というのは、漢字にすると「毛美」と書きます。 毛が美しいことから付けられました。

それから、時代とともに呼ばれ方が変化していきます。 「モミ」から「モモ」に変わり、鳴き声の「グァ」を加えて「モモングァ」に変化。 音変化を繰り返して、現在の「モモンガ」に辿りつきました。 フクロモモンガの名前は、見た目が似ているモモンガと体の特徴である袋が合わさった名前なのですね。 日本以外のフクロモモンガの名前も少しご紹介します。 英名では「Sugar glider」と呼びます。 言葉の通りで「甘いものが好きな滑空者(かっくうしゃ)」という意味です。 学名では「Peturus breviceps」と呼びます。 「Peturus 」はロープを渡る者やロープダンサーという意味があります。 「breviceps」は小さな頭という意味です。

フクロモモンガ
フクロモモンガはどうしてそこに住んでいるの?

フクロモモンガは、ユーカリやアカシアなど多く生えている森林地帯に住んでいます。 その理由は、住処にできる樹洞(じゅどう)が数多くあることと食事を手に入れることができるからです。 フクロモモンガは、日中は寝て過ごしているため安心して寝られる場所が必要です。 また、6〜7頭の群れで生活をしているので全員が入れる住処も必要になります。 そのため、住処としてよく利用されるのは樹洞です。 森林地帯であれば、樹洞も探しやすくなりますね。 森林地帯には、植物だけでなく昆虫なども生息しています。 植物性のエサだけでなく、動物性のエサも手に入れることができるのです。 自分自身で食事バランスを調節して食べることもできますね。 フクロモモンガにとって、森林地帯は生活に欠かすことのできない場所だということがわかりましたね。

フクロモモンガ
フクロモモンガは何を食べているの?

フクロモモンガは、雑食性(ざっしょくせい)の動物です。 野生では、植物性のエサと動物性のエサを自分で調達して食べます。 もう少し具体的に何を食べているのかご説明します。 植物性のエサ ・果物 ・花の蜜(みつ)

・樹液 ・樹脂 ・種子など 動物性のエサ ・昆虫 ・爬虫類(はちゅうるい) ・両生類(りょうせいるい) ・鳥の卵やヒナ ・小動物など 野生の世界では、エサのバリエーションが豊かであることが分かりました。 これだけ食べられる物があれば、食事に飽きることはなさそうですね。

フクロモモンガ
フクロモモンガはどうして飛んでいるの?

フクロモモンガが飛ぶ理由は2つあります。 1)食事を調達(ちょうたつ)するため 一生のほとんどを樹上で生活しているので、エサの調達も木々を飛び回って手に入れています。 他のフクロモモンガにエサを取られないように、飛ぶ方法が一番早くエサを取ることができるのです。 2)天敵から逃げるため フクロモモンガは天敵から逃げるために飛ぶこともあります。 一番早く動くことができて、逃げ切れる可能性のある方法なのですね。

フクロモモンガ
フクロモモンガはどうやって飛んでいるの?

フクロモモンガの飛び方は「滑空飛行(かっくうひこう)」と言います。 この滑空飛行とは、高い場所から風の力を借りてゆっくり落ちていく飛び方です。 イメージしやすいようにお伝えすると、紙飛行機のように飛んでいるということです。 そのため、鳥のように自分の羽の力で飛ぶことはできません。 鳥の羽の代わりに、フクロモモンガには「皮膜(ひまく)」と呼ばれる膜を持っています。 その膜を大きく広げることによって、風を調節して目的地まで飛ぶのです。

フクロモモンガ
フクロモモンガはどのくらい飛ぶことができるの?

フクロモモンガは、55メートルほど滑空飛行(かっくうひこう)することができます。 この飛距離は、モモンガと大きく変わりません。 木の高さや風などの条件がよければ、55メートルよりも遠くまで飛ぶことも可能です。

フクロモモンガ
フクロモモンガの天敵はどんな動物なの?

野生のフクロモモンガの天敵は、数多く身近に潜んでいます。 ・オオトカゲ ・フクロネコ ・キツネ ・フクロウ ・ワライカワセミ ・ヘビ

ペットとして飼育しているフクロモモンガも気をつけなくてはいけません。 もしフクロモモンガが外に逃げてしまったら、ネコ・犬・鳥などに狙われることもあります。 部屋の中で散歩をさせるときには、必ず戸締りの確認をするようにしましょう。

フクロモモンガ
フクロモモンガの寿命はどのくらい?

飼育されているフクロモモンガの平均寿命は5〜8年くらいです。 飼育環境や健康状態が良ければ、10年以上長生きをする子もいます。 野生のフクロモモンガは、天敵にいつ狙われるか分かりません。 そのため、飼育されているフクロモモンガよりも寿命は短い傾向(けいこう)があります。 自然の環境の中で、小動物が生き抜くのは大変なことなのですね。

フクロモモンガ
フクロモモンガはどんな鳴き声をしているの?

フクロモモンガは、仲間とコミュニケーションを取るために鳴きます。 鳴き声は1種類だけでなく、複数の声を使い分けて伝えているのです。 具体的に3種類の鳴き声についてご紹介します。 1)「ジージー」と鳴く この鳴き声を出しているときは、威嚇(いかく)や警戒(けいかい)をしています。 フクロモモンガをお迎えした直後に鳴くことがあります。 慣れない環境に驚いているので、時間をかけてゆっくり接してあげてください。 2)「ワンワン」と鳴く この鳴き声を出しているときは、仲間を呼んでいます。 夜にフクロモモンガが活動を始めると鳴き続けることがあります。 鳴き声が犬の声に似ているので、犬を飼っていると勘違いされることもあるそうです。 3)「クプクプ」「キュキュ」と鳴く この鳴き声を出しているときは、ご機嫌や安心している感情を表しています。 飼い主さんに甘えていたり、おやつをもらって嬉しかったりすると鳴きます。 フクロモモンガの一部の鳴き声は、飼い主さんでも感情を察することができると分かりましたね。 スキンシップやコミュニケーションをしっかり取って、フクロモモンガとの距離を縮めていきましょう。

フクロモモンガ
フクロモモンガとモモンガの違いはどんなところ?

フクロモモンガとモモンガの大きな違いは3つあります。 1)種類に違いがある フクロモモンガは、有袋類(ゆうたいるい)に分類されています。 この有袋類に属しているのは、カンガルーやコアラなどの育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋を持っている動物です。 モモンガは、リス科の哺乳類(ほにゅうるい)に分類されています。 見た目が似ていますが、モモンガには育児嚢が備わっていないので違う種類の動物ということになります。 2)臭腺(しゅうせん)を持っているか フクロモモンガには、臭腺と呼ばれるニオイを発する部分が備わっています。 その臭腺は、マーキングをする際に使われるのです。 人間からすると変わったニオイがするので苦手な人もいます。 モモンガには、臭腺が備わっていません。 フクロモモンガを飼育したいけど、ニオイが気になる人にはモモンガの方が合っているかもしれません。 3)習性(しゅうせい)の違い フクロモモンガは、群れて生活をすることができます。 そのため、多頭飼いしたい方に向いています。 飼い主さんにも懐いてくれるので、スキンシップは取りやすいです。

モモンガは、単体で行動することができます。 1頭だけ飼いたい方には、モモンガの方がいいかもしれません。 フクロモモンガよりも、野生的な性格をしているので必ずしも懐いてくれるわけではありません。 見た目が似ている動物同士ですが、大きな違いもあります。 飼育したいと考えている方には、特に違いを知っておいていただきたいです。 どちらの動物が自分に合っていて飼育できるか考えてみてください。

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フクロモモンガ科 【フクロモモンガ属】 ・フクロモモンガ

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フクロモモンガ 参考文献

フクロモモンガ 使用メディア紹介

キツネ
キツネ
天敵
出典:https://pixabay.com/images/id-3201423/
フクロウ
フクロウ
天敵
出典:https://pixabay.com/images/id-4576691/
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