ヒトデ
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ヒトデ
ヒトデは、星のような形をした見た目が特徴的な海の生き物です。見た目がかわいいので親しみ深く、水族館などでは触れる海の生き物としても人気があります。しかし、あまり動いているところが見られず、ヒトデって本当に生きているの?ヒトデは貝なの?動物?魚?どんな生き物?と疑問に思っている人もいるかもしれません。そこで今回は、ヒトデの生態について詳しく解説していきたいと思います。
ヒトデ 基本情報
~基本情報~
棘皮(きょくひ)動物門 ヒトデ綱(海星綱) 体長1cm~37cm 重さ~5kg ヒトデは、「棘皮(きょくひ)動物門ヒトデ網」に属する生物の総称で、星型の形をしているのが特徴的です。 棘皮(きょくひ)動物というのは、ウニやナマコなどと同じグループで、ヒトデは基本的に体の軸を中心にして5つの同じ構造が並んでいます。 しかし、中には10本、20本、40本の足を持つものもいます。 世界で約2000種類、日本近海には約300種類のヒトデが確認されています。 生息域は、潮間帯から深海まで、さらには温暖な海域でも極寒の海域でも生息できます。 ヒトデは、体の中央から放射線に5つの腕が伸びていて、他の棘皮(きょくひ)動物と同じように五放射相称で、口は体の下がワイにあり、そこから腕の先端 に向けて歩帯溝(ほたいこう)と呼ばれる溝があり、そこに無数の管足(かんそく)が並んでいます。 管足(かんそく)には吸盤がついており、ヒトデは海底を這うときは吸盤のある管足(かんそく)を使って石の上を這って進みます。
ヒトデ Q&A
ヒトデの名前の由来は?
ヒトデは、その名の通り形が中央の盤から伸びている5本の腕が、人の手に似ているというのが名前の由来です。 江戸時代までは「紅葉貝(モミジガイ)」とも呼ばれていました。 胴体から5本の腕が伸びていて、星のような形をしているので、海外では「スターフィッシュ(星の形をした海の生き物)」などとも呼ばれています。 ヒトデは、胃袋を体の外に反転させて出し、エサを胃で包み込んで食べるものがいます。 その様子はまるで、手が獲物を捕らえる様子に似ています。
ヒトデはどうしてそこに住んでいるの?
ヒトデは、海の浅いところから深海、さらに寒いところでも暑いところでもどこでも生きられます。 ヒトデは寒さにも暑さにも強く、なんでも好き嫌いなく食べるのでどこでも生きていけるのです。 ヒトデは、かなりタフで、強い生物なのだということが分かります。
ヒトデは何を食べているの?
ヒトデは主に底生動物を食べて生きています。 貝類やエビ・カニ類、ゴカイの種類や魚類などを食べます。 中でも一番好物は二枚貝や巻貝で、管足(かんそく)で二枚貝を捕らえ、体をまげて砂から取り出し、強い吸着力のある管足(かんそく)で貝殻を開いて貝の軟体部分を食べます。 獲物を捕らえたヒトデは、腹側の盤の中央にある口から胃袋を反転させて外に出し、胃袋の膜で獲物を包み込みます。 そして消化液を出し、溶かして、溶けた獲物の汁を吸い込むのです。
ヒトデはどうして星の形をしているの?
ヒトデの多くは5本かそれ以上の腕があり、その腕を使って海の底を這いまわって移動します。 そもそも、ウニやヒトデ、ナマコなどの棘皮(きょくひ)動物は、五放射相称棘皮(ごほうしゃそうしょうきょくひ)動物と呼ばれ、体の基本構造は正五角形であるという特徴があります。 なぜヒトデが星の形をしているのかは明らかになっていませんが、ヒトデが生きる上で最も移動しやすい形、生き延びやすい形が星型だったのではないでしょうか。
ヒトデの肛門はどこにある?
口が腹側にあるのなら、食べたものを出す肛門にあたる部分はどこにあるのでしょうか? ヒトデの肛門は、背中側の小さな穴です。 しかし、ほとんどのヒトデはフンを口から吐き出しています。
ヒトデのエラはどこにある?
ヒトデは海の中で過ごす生き物なので、エラがあるはずです。 ヒトデのエラは、背中側の骨板のすきまにあります。 棘皮(きょくひ)動物には体にたくさんの棘(とげ)があり、皮膚の下にかたい骨盤を持つという特徴があります。 ヒトデは腕に自由に動けるだけの隙間を残しながら、たくさんの骨板で体の形を保っています。 そして、背中側の骨板の隙間から、さい管と呼ばれる管状のエラが伸びていて、そこで呼吸をしています。
ヒトデの眼はどこにある?
ヒトデの腕の先には、触角の役目をする管足(かんそく)や眼があります。 しかし、眼は簡単なもので、何かを見るのではなく光を感じることしかできません。 エサを捕まえるときは、光とニオイで判断していると言われています。
ヒトデには毒がある?
ヒトデには、サポニンという毒を持っていますが、体内に毒を持っているため触っても問題ありません。 しかし、ヒトデが死ぬとサポニンは体外に放出されてしまいます。 サポニンは細胞膜を破壊してしまうので、水槽の中などで飼っている状態で放出されてしまうと、他の生物にとって毒になります。 サポニンは、エラの表面を傷つける毒があるので、同じ水槽内にすんでいる生き物が弱ったり死んでしまう可能性があります。 また、「オニヒトデ」という種類のヒトデの体は、猛毒のある棘(とげ)で全身が覆われています。 オニヒトデはサンゴを食い荒らし、食べられたサンゴは白くなって死んでしまうので、問題視されています。
オニヒトデは悪者ではない?
オニヒトデがサンゴを食い荒らすのは悪いことだけではありません。 オニヒトデの好物であるミドリイシというサンゴは成長が速く、大きくなりすぎてしまい他のサンゴの成長を妨げてしまいます。 オニヒトデがミドリイシを食べることで、他のサンゴが問題なく成長できるのです。 しかも、ミドリイシは環境の変化に弱く、すぐになくなってしまうサンゴです。 ミドリイシがなくなるとオニヒトデは他のサンゴを食い荒らすようになり、サンゴ全体が減ってしまうことに繋がります。 オニヒトデがミドリイシを食べることは、海の環境のバランスを保つことに繋がるのです。
ヒトデの寿命は?
ヒトデは個体によっても寿命に大きく差がありますが、人工飼育下のヒトデでも数年生きることから、自然界でも5~10年は生きると言われています。 また、サイズの大きいヒトデの場合には、30~40年ほど生きるものもいるようです。
ヒトデは分裂する?
ヒトデは、分裂したり再生したりする能力があります。 ヒトデの体は、微細な骨片を「キャッチ結合組織」で繋げられてできています。 そして、それを調整しながら体の形を自由に変えることもできるし、分裂することもできます。 分裂した体を再生することもできます。 体の中央にある「盤」が残って入れば、腕などがなくなったとしても自分で修復可能です。
ヒトデはどんなときに分裂する?
ヒトデの中には分裂するものもいますが、分裂の目的は大きく分けて2パターンあります。 外敵から身を守ることと、無性生殖によって個体を増殖させることです。 ヒトデの腕をつかむと、自分で切断し、新たに1匹再生したりもできます。 また、切断した腕の一部から新しい完全個体を再生するヒトデもいます。
ヒトデの天敵は何?
ヒトデは再生能力も高く、何かにつかまれても腕を自分で切り離すことができるため、生命力の高い生き物と言えます。 ヒトデの体内には毒があることや、栄養素が少ないということから捕食対象にはなりにくく、天敵も少ないです。 ただし、フリソデエビやホラ貝などはヒトデを狙って捕食しますので天敵と言えるでしょう。
ヒトデには血が流れていない?
実はヒトデには、血液も脳みそもありません。 ヒトデの体には水管という器官があり、体内には外から取り込んだ海水が流れています。 この水は、体内で物を運んだり、呼吸や循環に役立っています。 血液の代わりに水が体内に必要なものを運んでいるのです。
ヒトデの移動速度はどのぐらい?
ヒトデはじっとしていて動くイメージがないですが、どのぐらいの速さで移動することができるのでしょうか。 ヒトデの移動速度は、世界最速で時速90mという研究結果が報告されています。 オニヒトデは時速13mで動くそうです。 普段はそんなに速く動いているヒトデの姿は見られないですが、エサを目の前にすると高速移動するのかもしれませんね。
ヒトデに性別はある?
ヒトデにもオス・メスという性別がありますが、外見ではほとんど区別することができません。 ヒトデの性別を判定するには解剖するしかありません。 卵巣があればメスで、精巣があればオスです。 種類によっては、性別の区別がないヒトデもいます。
世界最大と世界最小のヒトデの種類は?
ヒトデは種類がとても多いですが、世界最小のヒトデはチビイトマキヒトデという種類で0.2cm程のサイズです。 1円玉よりも小さいかわいいヒトデです。 世界最大のヒトデは68cmで、ヒグルマヒトデ科のヒトデです。 ヒトデの大きさは、ヒトデの中心から腕の先端までの長さが基準になっていますので、全長で見るとかなり大きいことが分かります。
ヒトデを使った化粧品があるって本当?
ヒトデには再生能力がありますが、体の中心の盤と腕1本になってしまっても元の体に戻れるぐらいの再生能力を持ち備えています。 ヒトデの体腔液から抽出された成分は、美容成分であるレチノールを越えるほどのハリ効果があると言われていて、エイジングケア成分として注目を集めているんです。 ヒトデから採取したジュベンタイドという成分が使われた化粧品も開発されており、肌の芯からハリのある肌に導いてくれると話題です。
ヒトデは肥料にもなる?
昔から、ヒトデはしっかり干してカラカラにしてから畑の肥料として使われています。 ヒトデの体内に含まれるサポニンという毒は、植物の根、茎、葉にも含まれている成分です。 また、漢方薬にも含まれています。 ヒトデはカルシウムも豊富で、虫を寄せ付けない成分も持ち合わせているので、肥料にはぴったりなんです。
ヒトデは食べられる?
ヒトデは一見美味しくなさそうなビジュアルをしていますが、中国などのいくつかの国では食用として食べられています。 日本でも熊本県の天草地方ではヒトデを食べる樋島という地域があります。 この島の民宿では、現地の人だけでなく宿泊者もヒトデを食べることができます。 ヒトデが食用になるのは冬から初夏にかけてで、卵巣が大きく膨らむ冬~春が一番美味しいと言われていて、味はウニのような甘味があるそうです。 しかし、ヒトデには大量のサポニンという毒性の物質が含まれているので、生で食べるとえぐみがあり、強烈な渋みで口がしびれますので注意しましょう。
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ヒトデ 種類
・マンジュウヒトデ ・アオヒトデ ・ヌメハダヒメヒトデ ・ヌノメイトマキヒトデ ・ヤツデヒトデ ・マヒトデ ・モミジガイ ・アカヒトデ ・ニホンクモヒトデ ・トゲモミジガイ ・イトマキヒトデ ・アカヒトデ ・キヒトデ ・カスリマクヒトデ ・ゴカクヒトデ
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ヒトデ 参考文献
- ・海辺の生物観察図鑑 2008年5月6日発光 株式会社誠文堂新光社
- ・さかなクンと中村征夫の海のおさかな大百科⑥夜の海の生きものたち 2012年6月30日 株式会社新日本出版
- ・海辺の生物観察事典 2006年8月 初版1版発行 偕成社
- ・どうしてそうなった!?海の生き物② 海の形 2021年8月30日初版第1版発行 株式会社文一総合出版
- ・コトバンク
- ・Wikipedia
- ・Slow Surf Style
- ・広島ニュース 食べタインジャー
- ・海響館
- ・NATIONAL GEOGRAPHIC
- ・京都府HP
- ・ヒトデ
- ・スペースブログ
- ・トロピカ
- ・ホンシェルジュ
- ・SINN PURETE
- ・TSURINEWS
- ・e-情報.com
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