スネアーズペンギン
スネアーズペンギン
スネアーズペンギン
今回はマカロニペンギン属のひとつ「スネアーズペンギン」についてご紹介します。 このスネアーズペンギン。実はある諸島にしか生息していない貴重な鳥のため、ご存知の方はとてもペンギン好きといえるでしょう。 このページでは「どうしてスネアーズペンギンっていうの?」「スネアーズペンギンってどんな性格?」など、たくさんのなぜ?をまとめてみました。 それでは早速、その秘密を探りに行きましょう!
スネアーズペンギン 基本情報
鳥網-ペンギン目-ペンギン科-マカロニペンギン属
40~61cm
オス:2.8kg(若鳥) メス:2.6kg(若鳥)
オス:4.3kg(換羽前) メス:3.8kg(換羽前)
オス:18.4cm メス:17.8cm
オス:5.9cm メス:5.2cm
6万3千羽
スネアーズペンギンは別和名「ハシブトペンギン」と呼ばれていますが、このページでは基本的にスネアーズペンギンと名前を統一してご紹介します。
スネアーズペンギンの外見は、顔や頬にかけて黒く、背中側も青みがかった黒い羽毛におおわれていますが、お腹は白で、足はピンク色です。頭には目じりより少し垂れ下がった黄色く美しい冠羽(かんう)が生え、くちばしはというと赤身のかかったオレンジ色をしています。オスもメスも全く同じ外見をしているため見分けがつきにくいですが、基本的にオスの方が体が大きいといわれています。
ちなみに、フィヨルドランドペンギンとも外見がよく似ていますが、くちばしの端っこが裸出してピンク色になっているのがスネアーズペンギン、頬に白いしま模様があるのがフィヨルドランドペンギンと覚えておくのが簡単です。
スネアーズペンギンは8~9月頃になると繁殖を行なうため、スネアーズ諸島に上陸し、ルッカリー(コロニー)と呼ばれる集団を作ります。作る場所は海からあまり遠くない森にある斜面や平坦地(へいたんち)、岩場などで、巣作りも同じ場所で行ないます。巣作りは8月頃先に上陸したオスの仕事で、巣の素材は小石や小枝を利用し、その後は後から上陸してきたメスと落ち合いお互い気に入った相手と繁殖行為にうつります。ちなみに、つがいの絆は非常に強いとのこと。
メスは9~10月頃に2個卵を産み、オスメス交代で卵を温めます。抱卵合計期間は31~37日間となり、この期間をこえると無事にヒナ誕生です。生まれてから約3週間頃まではオスがお腹で抱いて守り、その間メスは毎日海へ行ってヒナにエサを与えます。海に近い場所に巣を作るのはこのためなんだそうです。
ある程度成長すると、ヒナはクレイシ(共同保育所)と呼ばれる集団に預けられます。 クレイシに預けている期間中も親鳥は海へエサを探しに行き、食事を与え続けますが、どちらかというとメスから給餌(きゅうじ)される方が多いようです。
そして、生まれてから75日ほどで親鳥と同じぐらいの大きさに成長し、巣立ちのときを迎えます。ふわふわの綿毛に覆われていたヒナの体は少しずつ羽が抜け換わり、最終的には大人と同じ冠羽が生えてきますが、若鳥の冠羽はまだ少し小さめ。成熟するにつれて冠羽も立派なものに変化するのです。
スネアーズペンギン Q&A
スネアーズペンギンの名前の由来は?
スネアーズ諸島のみに生息しているため、この名前がつけられました。ちなみに学名は「Eudyptes robustus」ですが、robustusには「力強い」という意味があり、スネアーズペンギンの頑丈そうな大きいクチバシからこのような学名がついたと考えられています。
スネアーズペンギンはどうしてそこに住んでいるの?
先ほども少しご紹介したとおり、スネアーズペンギンはスネアーズ諸島のみで繁殖や子育てを行ないます。それ以外だとオーストラリアのタスマニアやマッコーリー島でもスネアーズペンギンの姿が目撃されていますが、スネアーズ諸島以外で確認されているのは漂着してしまった可能性が高いようです。
このようにスネアーズペンギンは、スネアーズ諸島を好んでいるようですが、はっきりとした理由は見つかりませんでした。しかし、エサであるオキアミや甲殻類などが島周辺に多く生息しているからスネアーズペンギンもその近くで繁殖する。といった可能性はあげられます。
スネアーズペンギンは何を食べているの?
海に潜ってオキアミや甲殻類、イカやタコを食べます。ヒナの場合は、親が消化したオキアミなどを口移しでもらっています。
スネアーズペンギンのヒナは1羽しか育たないって本当?
本当です。なぜなら基本情報でも少しご紹介したとおり、最初に産まれた卵は2個目に産まれた卵よりも小さく、親鳥が温めない。もしくは卵を蹴り割って死なせることが多いためなんだそうです。
ちなみに、エレクトクレステドペンギンやロイヤルペンギンの場合、運良く2個の卵からヒナが孵ったとしても、エサを積極的に求める方しか育てようとしません。厳しい自然界で確実に子孫を残すためには、少しでも体力があって元気のいい1羽を選んで育てるしか方法がないのです。
スネアーズペンギンの場合、2個孵化させた際1羽のみ育てるかどうかは、はっきりと分かっていませんが、エレクトクレステドペンギンやロイヤルペンギンと同様、マカロニペンギン属の仲間なので、似たことを行なっている可能性はあるでしょう。
スネアーズペンギンの性格について詳しく知りたい!
あまり詳しいことは分かっていませんが、社会性が高く、自分の巣に近づいてくる天敵が現われた場合、威嚇して追い払おうとするようです。
スネアーズペンギンが見られる場所はあるの?
2021年11月現在、残念ながらスネアーズペンギンが日本で見られる場所はありませんが、ひとつの手段としてスネアーズ諸島周辺を巡るクルーズに参加するという方法があります。しかしスネアーズ諸島周辺の海は嵐が吹き荒れることが多く、船で進むことは困難といわれている場所です。
また、運良くスネアーズ諸島にたどり着けたとしても、この諸島はニュージーランド政府によって保護されているので特別許可を得た人でないと上陸できません。そのため一般観光客は船の上からスネアーズペンギンを眺めるのみになりますが、天気が悪いとスネアーズペンギンも姿を現わさないため、もし発見できたらかなり貴重な体験になること間違いなしです。
旅費は高額になってしまいますが、旅行代理店を通じて申し込むことができます。どうしてもスネアーズペンギンが見たい!という方は、是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
スネアーズペンギンは日本の水族館で飼育できないの?
残念ながらスネアーズペンギンは、ニュージーランド政府によって厳重に保護されているため、現在日本へ輸入することは禁止されています。
スネアーズペンギンには天敵がいるの?
スネアーズペンギンの敵はヒョウアザラシやニュージーランドアシカです。しかし、スネアーズペンギンにとって一番の敵は人間かも知れません。
スネアーズペンギンは現在IUCN(国際自然保護連合)によって絶滅危惧度を「絶滅危惧Ⅱ類(ぜつめつきぐにるい)」に指定されています。今のところ何か影響を受けているといった様子はみられませんが、スネアーズ諸島のみにしか生息していないため、諸島付近で「油流出による海洋汚染」や「大嵐による環境の変化」が発生したとき、数が激減してしまうのでは?ということが懸念されています。
また、スネアーズペンギンのエサでもあるイカが諸島周辺での過剰漁業によって数を減らしていることも、今後生息数に影響を与える可能性があるようです。
このような状況に対して対策が急がれるものの、私たちにまずできることは現在の状況を知ることです。この機会にぜひ、人間とペンギンとのより良い関係作りを一緒に考えてみませんか?
スネアーズペンギンの寿命は?
厳しい自然界で生きるスネアーズペンギンの寿命は、最高で約18年です。
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スネアーズペンギン 参考文献
- ペンギンガイドブック 著者:藤原幸一
- ペンギンライブラリー ホシザキ株式会社 https://www.hoshizaki.co.jp/penguin_island/penguin/
- Pew Charitable Trusts 世界のペンギンの保護 https://www.pewtrusts.org/-/media/assets/2015/05/penguinoverviewfinaljp.pdf
- BirdLife International Tokyo もっとも絶滅リスクの高いペンギンはどの種でしょうか? https://tokyo.birdlife.org/archives/world/13126
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