シタツンガ
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シタツンガ
あなたはシタツンガという、不思議な名前の草食動物を知っていますか? シタツンガは全身に入る白い模様と、オスにだけ生えるねじれたツノ、そして水辺での暮らしに適応した体が面白い動物です。 日本国内でも一部の動物園で飼育されていますが、シカだと思ってよく観察しなかった人もいるのではないでしょうか? この記事でシタツンガにはどんな特徴や秘密があるのか、一緒にその暮らしをのぞいていきましょう!
シタツンガ 基本情報
哺乳綱(ほにゅうこう)ウシ目-ウシ科
体長 オス・150~170cm メス・135~155cm 体重 オス・80~125kg メス・50~60kg
シタツンガは、アフリカ中南部(ケニア、ザンビア、ウガンダ、カメルーン、ギニアなど)の沼地や湿地帯に生息しています。主に夜明けと夕暮れの時間帯に活動する薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)の動物で、涼しく天敵が少ない時間を狙って採食(さいしょく)を行うことが多いと考えられています。
シタツンガの体の色は性別によって異なり、オスは濃い茶色から灰色がかった茶色、メスは明るい茶色や栗色をしています。体のあちこち(顔、耳、背中、脚など)に白い模様が入ることが特徴で、この模様は個体によって異なります。体の色と模様は保護色になっていて、天敵からシタツンガを守っていると考えられています。
シタツンガのオスは生後2〜3年、メスは生後1〜2年で性成熟を迎え、繁殖できるようになります。妊娠期間は7.5~8.5カ月で、メスは通常1回に1頭の赤ちゃんを産みます。
シタツンガ Q&A
シタツンガの名前の由来は何?
まずはシタツンガという名前の由来について、見ていきましょう。
今回調査を行いましたが、シタツンガのはっきりとした名前の由来を見つけることはできませんでした。どうやらアフリカで広く使用されている言語、スワヒリ語のなんらかの言葉がその語源ではないかと考えられているようです。
ちなみにシタツンガは英語では「Sitatunga」もしくは「Marshbuck」、学名では「Tragelaphus spekii」と表現されます。
シタツンガはどうしてそこに住んでいるの?
シタツンガは、アフリカ中南部(ケニア、ザンビア、ウガンダ、カメルーン、ギニアなど)の沼地や湿地帯に生息しています。
なぜシタツンガがアフリカに生息しているのか、はっきりした理由はわかりませんでした。しかしシタツンガが生息するアフリカには、シタツンガと同じレイヨウの仲間が数多く生息しています。つまり多くのレイヨウの仲間と同じく、ツタツンガにとってもアフリカは十分な食料や身を隠すところを確保できる地域だったのではないかと考えられます。
シタツンガは何を食べているの?
シタツンガは草食性の動物で、野生では葦(あし)やカミガヤツリなどの草や花、種やつぼみなどあらゆるものを食べています。
なお野生のシタツンガはフンの中に含まれる消化されていない植物の種子などを目当てに、ゾウのフンを食べることもあるそうです。また後ろ足で立ち上がったり、ツノを使って枝を折ったりして、高いところにある植物を食べることもあります。
動物園ではアルファルファやオーチャードグラスなどの乾草(かんそう)と草食動物用のペレットをメインに、リンゴなどの果物を与えることもあるようです。
シタツンガは何科の動物なの?
一見するとシカのように見えるシタツンガですが、実はウシ科に属する動物です。
鳴き声もウシやヤギに近く、低めの「モー」や「グェー」といった声で鳴きます。はじめてその鳴き声を聞いた人は、シタツンガの見た目と声のギャップに驚くかもしれません。
シタツンガのツノにはどんな役目があるの?
シタツンガのツノは長さが50~70cmほどで、竪琴(たてごと)のような形になっている、ゆるくねじれているという特徴があります。それではよく見てみると特徴的な形をしたシタツンガのツノには、どんな役目があるのでしょうか?
まずシタツンガのツノは、オスにだけ生えています。そしてシタツンガのオスは繁殖期になるとこのツノを使い、メスを巡って争います。つまりシタツンガのツノには、オス同士が戦う時の武器という役目があるということがわかります。とはいえシタツンガの争いはそこまで激しいものではなく、ツノを使ってお互いに押しあう程度で済むそうです。
なおシタツンガはウシの仲間であるため、ツノはシカのように枝分かれすることはありません。また骨の上に角質の“さや”がかぶさる形になっているため、ツノが落ちることもありません。
シタツンガはどうして水辺で暮らせるの?
野生のシタツンガは、アフリカにある沼地や湿地帯に生息しています。そんなシタツンガが好む沼地や湿地帯は足元が泥でぬかるんでいるため、歩きにくいという特徴があります。しかし1日の大半を水辺で過ごすシタツンガの体には、水辺で暮らすための工夫がたくさん秘められています。
まずシタツンガのひづめは他のウシ科動物と比べると長くて幅があり、歩く時に広がるつくりになっています。そのしくみのおかげで体重が分散されるため、シタツンガは足元がぬかるんでいても泥に沈まずに移動できます。
また泳ぎも上手で、敵に襲われると水に飛び込んで鼻先だけ出し、そのまま敵がいなくなるまでやりすごすことが知られています。そんなシタツンガの毛皮には耐水性があり、よく水をはじきます。
シタツンガはペットとして飼えるの?
ところで個人がペットとして、シタツンガを飼うことはできるのでしょうか?
シタツンガは国際的に野生動植物を守るための取り決めである、「ワシントン条約」(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)のリストに掲載されていない動物です。また特に絶滅が心配されている状態でもないため、個人が飼育するために入手できる可能性はゼロではありません。
ただしシタツンガは狂牛病(きょうぎゅうびょう)や口蹄疫(こうていえき)、狂犬病(きょうけんびょう)をはじめとした、多くの伝染病に感染する可能性があるウシ科動物です。そのためこれらの伝染病のまん延を防ぐという観点から、輸出入の際に厳しい衛生条件が課される可能性があります。どうしてもシタツンガを飼いたい!という人は、野生動物に詳しい動物商に問い合わせてみると良いかもしれません。
シタツンガが見られる動物園はあるの?
シタツンガは岩手県の「盛岡市動物公園」と「岩手サファリパーク」、埼玉県の「東武動物公園」、千葉県の「千葉市動物公園」、静岡県の「富士サファリパーク」、兵庫県の「神戸市立王子動物園」と「姫路セントラルパーク」で飼育されています。
2018年には神戸市立王子動物園で、2020年には東武動物公園で赤ちゃんが生まれているので、今後もどこかの園で赤ちゃんが生まれるかもしれません。
シタツンガはどのくらい生きるの?
シタツンガの寿命は野生では8〜10年ほど、動物園では最大で23年ほどだと考えられています。
確認できた範囲では、神戸市立王子動物園で飼育されていた個体、「サツキ」が16歳まで生きたという記録がありました。
シタツンガにはどんな敵がいるの?
野生におけるシタツンガの天敵はライオンやハイエナ、ヒョウやクロコダイル、ニシキヘビなどの肉食動物です。時には野良犬に襲われ、命を落とす個体もいるようです。
シタツンガは一部の地域では生息数が減少しているものの、現時点では絶滅が心配されている状況ではないとされています。しかし気候変動や開発により湿地が減少し続けてしまうと、彼らの生活に大きな影響が出てしまうのではないかと心配されています。
そんなシタツンガはIUCNレッドリストにおいて「絶滅の危険性が低いと評価された種」である、“低危険種(LC)”に分類されています。
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