アザラシ

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ある時はテレビのニュースで話題になり、またある時はアニメのモデルにもなったかわいいアザラシです!
水族館でもよく見かけるので知名度も人気も高いアザラシですが、人間との関わりも深いって知っていましたか?
そんなアザラシの生態や暮らしぶりを見ていきましょう!

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~基本情報~

哺乳綱-鰭脚目-アザラシ科

体長 120cm-580cm 
体重 50kg-5,000kg

主に北極海(ほっきょくかい)や南極海(なんきょくかい)、北大西洋(きたたいせいよう)から北太平洋(きたたいへいよう)と幅広い海に生息しています。

ワモンアザラシのように小さめなサイズや、ゾウアザラシのようにとても大きいサイズなど種類が豊富な動物です。

顔は丸っこく体はずんぐりむっくりな体格が多いのも特徴的です。四肢(しし)には五本指がはえており、さらに水かきがついたためヒレ状になっています。

アザラシの毛は保温性(ほおんせい)が高いことから、古来より毛皮として利用されてきました。

そしてアザラシは海にもぐる潜水能力(せんすいのうりょく)が優れています。

オスとメスのはっきりとした区別はありませんが、品種によっては体の大きさやメスについているおっぱいがあるかないかで見分けます。

基本的に繁殖期(はんしょくき)は3~4月ごろですが、種類によっては1月だったりすることもあります。アザラシが1度に出産する数は1~2頭ほどといわれています。

そして寿命は約30年ほどで、なかには34年間生きたアザラシもいました。

アザラシは肉食性があるので、主にイカや魚などの魚介類(ぎょかいるい)を食べています。品種によってはペンギンや他のアザラシを捕食(ほしょく)することもあります。

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アザラシのQ&A

アザラシが長い間海にもぐれるのはどうして?

海にもぐってエサを探す動物はラッコやペンギンなどがいますが、アザラシほど潜水能力は高くありません。

一方アザラシは種類にもよりますが、長いと120分間、そして1,700メートルもぐることができるといわれています。では一体なぜこんなにも潜水能力が優れているのでしょうか?

あまりはっきりとした理由は分かっていないのですが、一説によると「ミオグロビン」という物質が関係しているのではないかと考えられています。

ミオグロビンとは、筋肉の中に存在(ぞんざい)する酸素(さんそ)を使う時までためておける色素タンパク質です。私たち人間の体にもミオグロビンは存在しているのですが、アザラシは人間の約10倍ほど体内にミオグロビンがあるといわれています。そのため長時間海にもぐっていられるのでは?と推測されています。

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アザラシとアシカってどこが違うの?

四肢に水かきがついているし、顔つきとか体つきも似ているし・・・

ぱっと見はよく似ているアシカとアザラシなのですが、でもこの2種ははっきりとした違いが存在しています。

ひとつは耳介(じかい)があるかないかです。アザラシの耳は穴があいているだけなのですが、アシカの耳は私たち人間と同じように耳介があります。

そしてもうひとつは歩き方です。一見すると同じように見えるのですが、よく見ると異なる歩き方をしてます。アザラシにもアシカにも尾ヒレはあるのですが、アザラシの尾ヒレは前後にたくし込むことができないのでお腹を使ってすべるように移動します。

一方アシカの尾ヒレは前後にたくし込むことができるので、上手く尾ヒレを動かしながら移動することができるのです。

もし水族館で見かけたらぜひ見くらべてみて下さいね。

※耳介とは、目に見えている耳の一部で、ピアスをつける耳たぶなどが含まれています。



アザラシの名前の由来は?

あまり深く考えたことないかも知れませんが、そういわれてみると・・・どうしてアザラシとよぶのか気になりませんか?実はいくつか推測(すいそく)されている理由があります。

例えばアザラシのなかには、黒い斑点(はんてん)が体に広がっている品種がいます。それを見た人が斑点を「痣(あざ)」と見立て、昔の接尾語だった「之(ら)」をくっつけて、さらに「獣(し)」をたした結果「痣(あ)(ざ)之(ら)獣(し)」とよぶようになったのででは?という説や、

現在はアザラシを漢字で書くと「海豹」と書きます。これは当て字なのですが、豹は動物の「ヒョウ」を連想させるので海に住んでいる豹柄のような斑点(あざ)をもつ動物=アザラシという話もあるようです。

このような説が一応考えられていますが、アザラシに限らず動物の名前の由来については、はっきりとした証拠(しょうこ)がない場合も多いです。ですがもしかしたら本当はこうだったのかも知れない・・・と想像を膨らませながら考えるのも楽しいですね。

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アザラシって本当に毛がはえているの?

ぱっと見はツルツルな体をしていそうなアザラシですが、さわってみると短めの毛がたくさんはえていることが確認できます。

適度に脂がついているせいか動物毛皮の中でも品質が良いとされているようです。

そしてアザラシは寒い海に住んでいる場合が多いので、寒さから体を守るためにこの体毛がとても役立っています。また大量の皮下脂肪(ひかしぼう)も寒さ対策にはかかせません。

ちなみにゴマフアザラシの赤ちゃんは、体が真っ白でとてもかわいい見た目をしています。これにもちゃんとした理由があり、ゴマフアザラシは流氷(りゅうひょう)の上で出産をするのですが、この時周りの雪や氷と同じような色の毛になることで敵から見つかりにくくなり身を守ることができるのです。

そしてこの産毛は3週間あたりを過ぎると、大人と同じようなゴマ模様に変わっていきます。

出典:https://unsplash.com/photos/i9rzTO_qxfk



アザラシのハーレムってなに?

基本的にアザラシが繁殖する時には、一夫一妻(いっぷいっさい)が多いのですがミナミゾウアザラシという品種は少し違っています。

それは「ハーレム」という集団を作り、その中で子孫を残すといわれいます。

ですがミナミゾウアザラシ全てがハーレムを作れる訳ではありません。オス同士の戦いの末、勝ち残った強いオスだけがハーレムのトップになれるのです。

オスは産まれて1~12歳頃までは独身として生活しています。そして13~14歳頃になると転機がおとずれます。ここで初めてハーレムを作るチャンスがやってくるのです。

そしてハーレム争奪戦(そうだつせん)の後、勝ったオスは100頭ほどのメスを従えて生活していきます。そしてその中の半分以上のメスと繁殖を繰り返し子孫を残していくという訳です。

オスも自分の子どもを残すために必死なので、厳しい自然界で生き残るということは私たちが思っている以上に大変なことかも知れませんね。

出典:https://unsplash.com/photos/Vyi-_V79Fms



アザラシの耳って良いの?

ほかのQ&Aでも紹介したとおりアザラシの耳は穴が開いているだけの仕組みになっているのですが、耳介がないアザラシの聴力(ちょうりょく)は高いのか気になりませんか?

意外なことにアザラシの聴力はあまりよくないといわれています。

分かりやすい数字で説明すると人間が聞き取れる音の大きさは20~20,000ヘルツとされています。一方アザラシは300~5,000ヘルツほどなので、これだけだと単に耳が悪い動物のイメージがついてしまいますが、その代わりアザラシには「エコロケーション」という能力があります。

エコロケーションは超音波によってエサの位置や、物の大きさを特定できる力といわれています。ちなみにイルカにもこのエコロケーション能力がそなわっています。

出典:https://pixabay.com/images/id-5578005/



アザラシの害獣問題ってなに?

ある日突然多摩川に姿をあらわしたアゴヒゲアザラシのタマちゃんや、アニメのモデルにもなったりとかわいくて人気もあるアザラシなのですが・・・

その一方でアザラシによる害獣(がいじゅう)問題が発生していることを知っていますか?

実は北海道でアザラシやトドなど海の動物が漁業(ぎょぎょう)に深刻な影響をあたえているのです。

漁業被害とは分かりやすく説明すると、私たち人間がアミで捕まえた魚や、捕まえようとしていた魚などを先に食べられてしまうことです。

花火弾を使った追い払いなどで予防しようとしていますが、時には駆除(くじょ)しなければならない時もあるようです。

海に住んでいる動物も生きようと頑張っていますし、私たち人間も生活していかなければならないので、なかなかこの問題を穏便(おんびん)に解決していくのは難しいようです。

出典:https://unsplash.com/photos/eSSu1xTHQso

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アザラシの種類

・ゴマフアザラシ 
・ゼニガタアザラシ
・ワモンアザラシ 
・タテゴトアザラシ 
・アゴヒゲアザラシ 
・バイカルアザラシ
・ハイイロアザラシ 
・カスピカイアザラシ 
・クラカケアザラシ 
・ミナミゾウアザラシ
・キタゾウアザラシ 
・ハワイモンクアザラシ 
・チチュウカイモンクアザラシ 
・ロスアザラシ
・ウェッデルアザラシ 
・カニクイアザラシ 
・カリブカイモンクアザラシ 
・ズキンアザラシ 
・ヒョウアザラシ



参考文献

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/アザラシ

PetPedeia
https://petpedia.net/article/625/seal

アクアマリンふくしま
https://www.aquamarine.or.jp/animals/larga-seal/

ログミー
https://logmi.jp/business/articles/159234

イルカ・クジラ・アシカWORLD
http://whales.dolphins-world.net/archives/differences/sealion-seal/guide.html

きこえのブログ
https://www.kikoeblog.jp/?p=1338

オスとメスはどちらが得か?(祥伝社新書) 2016/12/2 稲垣 栄洋

pepy
https://pepy.xsrv.jp/28363

北海道
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/ssk/sigoto.htm

語源由来辞典
http://gogen-allguide.com/a/azarashi.html#:~:text=アザラシ

万物の寿命まるわかり事典
http://www.lance4.net/banbutuno-jumyo/z0036.html

アイキャッチ画像
https://pixabay.com/images/id-4342223/