ウニ
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ウニといえばお寿司屋さんでの高級食材としてよく知られている生き物ですよね。 黒くてトゲトゲした特徴のあるウニですが、食べるというイメージだけでウニの生態についてよく知らないという人も多いはずです。 そこで今回は、知られざるウニの不思議な生態について解説します。
ウニ 基本情報
棘皮(きょくひ)動物門ウニ綱
体長6~12cm 体重 60~100g
ウニが誕生したのは約5億年前です。
ウニは、砂に潜っているものと磯の岩場にいるものに大きく分けられていて、波打ち際から深海まで幅広く生息しています。
世界中の海に生息していて、種類としては約870種類が確認されています。
ほとんどの種類に棘(とげ)があり、毒を持っているものもあります。
ウニの体の構造は複雑で、5つの部分から構成されていて、種類によっては雌雄同体(しゆうどうたい)のものもいるなど、不思議な生態が特徴的です。
一般的にウニのような棘皮(きょくひ)動物には心臓や神経などがありません。
そういったものの仲間には、ナマコやヒトデなどがいます。
世界中で総漁獲量のうち、8割が日本で消費されているとも言われており、ウニを食べるのは日本人が多いということがよくわかります。
日本の近海にいるウニの種類は約150種類で、食用のものはその中でも8種類ぐらいです。
ウニ Q&A
ウニの名前の由来は?
ウニの語源はよくわかっておらず、昔は「宇爾・宇仁」などの漢字があてられていたと言われています。
ウニの漢字表記は3種類あります。
「海胆」は海の胆という意味で、ウニの身を食べるという意味や、見た目が肝臓のような見た目をしているからその字があてられるという説があります。
また、これを訓読みすると「うみい」になり、これが「うに」になったというのが濃厚説です。
そのほかにも「海栗」と書く場合もあり、これはウニの棘(とげ)を栗のイガに見立てているからです。
そして、よく目にする漢字に「雲丹」がありますが、これは「海」の「丹」で海にいる赤い生き物のことを表しています。
雲には集まるという意味があり、食べられる部分が集まっているという意味をさしています。
英語名は「Sea urchin」で、訳すと「海のハリネズミ」と言います。
ウニには色々な種類がいますが、例えば「バフンウニ」は殻の部分の形が馬糞に似ていることからそう名づけられました。
また、「ムラサキウニ」は、色が紫色っぽい黒色だからそのように名づけられました。
ウニの色々な種類は見た目によって名前がつけられているということがわかります。
ウニはどうしてそこに住んでいるの?
ウニは砂に潜るものと岩場に暮らすものがいますが、磯で暮らすウニは暖かく岩がやわらかい磯で歯と棘(とげ)を使って岩に穴を掘って暮らしています。
ウニは岩に穴を掘り、周囲に生えている海藻類や流れてきた階層の断片を食べて暮らしています。
基本的に生き物というのは、外敵から身を守るために穴を掘って隠れて暮らしていますが、ウニは体中が棘(とげ)だらけなので実は隠れなくても身を守ることができます。
ただし、口側の棘(とげ)は食事をするために短くなっていて、ここがウニの弱点ともいえるのです。
ウニは弱点を守るために、巣穴を掘って隠れているのです。
ウニは何を食べているの?
磯で暮らすウニは、鋭い歯で海藻類を食べて暮らしています。
磯の岩場を歩き回り階層を食べながら暮らしており、砂地で暮らすウニは砂をたくさん飲み込みながら砂の中の有機物を漉(こ)しとり、殻の横にある肛門からフンを出します。
磯にはたくさんの種類の海藻がありますが、ウニはなんでも食べます。
食べすぎるせいで磯から海藻がなくなってしまい、生態系のバランスが崩れてしまうという事態が発生するほどです。
ウニの体のつくりはどうなってるの?
ウニの仲間である棘皮(きょくひ)動物には心臓や神経などの器官がないという特徴があります。
ウニの棘(とげ)の中は、「五放射相称(ごほうしゃそうしょう)」と呼ばれる同じ構造のパーツが5つ合わさってできています。
ウニのような棘皮動物は卵巣も5つ、歯も5枚あるということです。
また、1つのパーツごとに「歩帯(ほたい)」と「間歩帯(かんぽたい)」があり、管足、棘(とげ)、叉棘(さきょく)という構造が出ていて、この構造を使い歩いたり餌をとったりしているのです。
殻の中はほぼ空洞ですが、中には内臓が入っています。
ウニはなぜ棘(とげ)がたくさんあるの?
ウニの棘(とげ)は、身を守るために使われます。
ウニは岩などにくっついて暮らしているので、ウニの天敵はいつも上からやってくることになります。
ウニはほぼ全身が棘(とげ)に覆われているので、上のほうの棘(とげ)は天敵から身を守るためにあり、下のほうの棘(とげ)は、歩くために使われています。
ウニの棘(とげ)は何本あるの?
ウニには、たくさんの棘(とげ)があります。
ムラサキウニの成体では、全体で約2,400本。
ムラサキウニの成体では、全体で約2,800本もの棘(とげ)があるんです。
棘(とげ)まみれの体とは見てわかりますが、数にしてみるとかなりの数の棘(とげ)があるということがわかります。
ウニの殻にはいろんな形がある?
ウニは棘(とげ)に覆われているのですべて同じ形をしているのかと思いがちですが、実は色々な形をしています。
ウニは、正形類と不正形類に分けられ、正形類は左右対称の殻をしていて、上から見るとまん丸です。
しかし、不正形類は左右対称の形をしているものの形はいびつで、前後の区別があります。
私たちが食べる食用のウニはすべて正形類です。
ウニを食べているのはどの部分?
私たちは、お寿司や様々な料理でウニを食べていますが私たちが食べているのは実は、ウニの精巣や卵巣なのです。
ウニのオスとメスの生殖腺は似ていて未熟な時期には見分けるのは難しいのです。
成熟期になれば、精巣は白色っぽく、卵巣は黄褐色系の色になります。
しかし、これでも見分けるのはとても難しいです。
オスとメスでは食べたときの味には違いはありません。
ウニはオスのほうがおいしい?
食用で販売されているウニは、精巣や卵巣が混ざっていますが、精巣のほうが味がおいしいと言われています。
精巣だけを集めたものはとても値段が高く、高級寿司店などで取り扱われています。
ウニは海藻類をたくさん食べているので、食べている海藻によっても個体の味は異なると言われています。
北海道にある利尻島(りしりとう)周辺には高級昆布がたくさんあり、そこでとれるウニは味がおいしく、高値で取引されているようです。
ウニは歩ける?
ウニには足や手はないように見えますが、棘(とげ)や管足を使って歩くことができるんです。
海底で生息する生物の中では短距離移動は可能でも長距離移動は苦手なものが多いです。
しかし、ウニが生き残るためには生息範囲を広げる必要があります。
そのため、ウニは幼生の期間にプランクトン生活を送り、海の中を浮遊することで広い範囲を移動し、生息地を広げているのです。
ウニの巣穴はどんな形?
ウニの巣穴はお椀のような形をしています。
海の中の生物で巣穴を掘るものの中ではお椀型の巣というのは珍しく、とても高密度に形成されています。
ウニの中にはいろんな生き物が住んでいる?
ウニの巣穴の中には、小さな生物がたくさん共生しています。
それはなぜかというと、ウニの棘(とげ)によって大きな魚から身を守っているからです。
ウニは小さな生物にとって大きな魚などの外敵から身を守ってくれるガードマン的存在といえるでしょう。
では、ウニの巣穴に隠れている生物にウニの棘(とげ)は刺さらないのかというと、ウニの巣穴に隠れる生き物というのは基本的に粘液を持つものが多く、棘(とげ)が刺さりにくくなっています。
海の中の生き物は、自分たちはどこにいれば安全かということをよく分かっているということですね。
ウニが死んだらどうなる?
ウニが死ぬと、ウニの特徴である棘(とげ)はすべて抜け落ちて、身も分解されて骨だけの状態になります。
しかし、このウニの骨格というのは「ウニ殻」と呼ばれ、とてもキレイな形をしているのです。
キレイな色や幾何学模様、刺繍のような透かしが入っているものなどいろいろあるので、コレクションとして集める人もいるほどなんですよ。
ウニが死んだら巣穴はどうなる?
ウニが死ぬと、その巣穴は残り、残った巣穴は他のウニに引き継がれます。
しかし、干潟(ひがた)の巣穴はウニが死んでしまうと崩壊してしまうので、巣穴を引き継ぐことができるのは岩盤の場合のみです。
ウニの寿命は?
ウニが移動するときは、管足の先端に吸盤のついた触手を伸ばし、岩にくっついて動きます。
また、口を使って岩の隙間などに挟まっているのですが、そのようにしてウニはなんと200年以上も生きることがあるんです。
しかも、生殖能力は100歳を超えても10歳のウニと変わりがないということがわかっています。
バフンウニの寿命は約7〜8年、キタムラサキウニの寿命は14〜15年ほどです。
ウニって結構長生きですよね。
ウニの天敵は?
棘(とげ)がたくさんあるウニの天敵は、ブダイ類です。
巣穴に住んでいるウニは、巣穴から出るということはほとんどありません。
しかし、ウニの天敵であるブダイ類は鋭く力強い顎を持っているので、ウニの棘(とげ)もかみ砕いてしまうのです。
また、海水温が下がることもウニを死滅させる原因となります。
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ウニ 参考文献
- ・ウニハンドブック 株式会社文一総合出版 2019年10月29日初版第1版発行
- ・ウニと共生生物図鑑 株式会社創元社 2021年10月20日 第1版第1刷発行
- ・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ウニ
- ・いなせりブログ http://blog.inaseri.co.jp/blog/神経も心臓もない謎だらけのウニの生態とは/
- ・魚の食べ方探求 https://seafood-reference.com/uni/uni-seitai/entry1934.html
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