ラッコ
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水族館での人気動物のひとつでもある、かわいいラッコです! 見た目はキュートでありながらも、その生態は意外なことも隠されているのですよ。 そんなラッコの面白い姿を探ってみませんか? もし次にラッコを見かけたら、ちょっとだけ見方が変わるかも?
ラッコ 基本情報
食肉目-イタチ科-カワウソ亜科-ラッコ属
体長 100~130cm 尾長 25~37cm
体重 オス:22~45kg メス :15~32kg
北米(ほくべい)のアラスカや比較的寒い地域のロシアなど、北太平洋(きたたいへいよう)の沿岸(えんがん)に生息しています。
頭や胸の部分は、灰色もしくは黄白色(きはくしょく)の毛でおおわれていて、それ以外は黒色や赤褐色(あかかっしょく)など様々な毛色が混じっています。
頭は大きく丸っこい形で後ろ足には水かきがついています。
ラッコの毛皮は上質だと有名になったころから乱獲(らんかく)されるようになってしまったため、一時期は絶滅してしまう恐れがありましたが、これを防ぐために捕獲や取引が制限されるようになりました。
その結果生息数は回復し、日本では1982年ころから水族館での飼育が行われるようになったため人気の高い動物になりました。
ラッコのオスとメスは少し見分けがつきにくいのですが、メスよりオスの頭蓋骨(ずがいこつ)が大きいといわれています。そのため硬いエサでも噛み砕くことができます。
ラッコの繁殖期(はんしょくき)は特に決まっていないので1年を通して子どもを産むことができます。オスもメスの複数の相手と交尾をするのですが、この時メスの鼻にオスが噛みつくことがあります。
これは水中で流されないようにするためなのですが、オスの力が強すぎるとメスは鼻にケガをしてしまうことがあります。最悪の場合、傷口からばい菌が入ってしまい感染症(かんせんしょう)にかかって死んでしまうメスもいるのです。
それでも無事に妊娠できた場合は、約6ヶ月~9ヶ月後に赤ちゃんが生まれてきます。基本的にラッコが1度に出産する数は1匹ですが、ごくたまに双子(ふたご)が生まれてくることもあるようです。しかしお母さんラッコは体力などに余力(よりょく)がないことが多く、2匹同時に育てることができません。その場合、心苦しいなかどちらかを見捨てなければいけないようです。
そしてラッコの寿命は約10~20年です。なかには23年と長生きしたこラッコもいました。
ラッコは主にハマグリ、アワビ、ホタテ、ムール貝などの貝類を食べます。またイカやタコ、カニなどの魚介類も食べるのですが、ごくたまに鳥や海藻類(かいそうるい)を口にすることもります。
※乱獲とは、魚や野生動物などをやみくもにたくさん捕まえることです。
ラッコ Q&A
ラッコが水に浮いていられるのはなぜ?
水族館でラッコが仰向けになりながらエサを食べていたり、のんびり過ごしている姿ってとてもかわいいですよね。
そもそもどうしてラッコはずっと水の上に浮いていられるのか、沈んだりしないのか不思議に思いませんか?
この理由についてはまずひとつに毛皮が大きく関係しています。
ラッコの毛皮はめずらしい仕組みになっていて、やわらかい毛の間に小さな空気の泡を取り込むことができます。その手助けによってラッコは水の上でもプカプカ浮いていられるという訳です。
さらにもうひとつはラッコは海の生き物ですが哺乳類(ほにゅうるい)の仲間になります。つまり私たち人間と同じく肺呼吸なので、うつ伏せになると空気が取り込めなくなってしまいます。
しかし仰向け状態の体勢でいれば肺に空気を取り込むことができ、なおかつプカプカ浮いていられる手助けにもなるのです。
ラッコはどうして石で貝を割るの?
テレビでラッコがプカプカ浮きながら「ゴンゴン!」と石を使い、貝を割って食べようとしているシーンを見たことがある人も多いはず。実はラッコとこの石との関係は、なかなか面白いことになっているんですよ。
そもそもラッコは石をぶつけて貝を割るのではなく、石をお腹において貝の方を「ガンガン!」と打ちつけています。そして持っている石では割れそうもない場合、頑丈そうな壁などに打ちつけて割ることもあります。
貝の殻は硬いので人間でもあける時が大変なことがありますし、他の動物のように握力が強い訳でもないので、ラッコにとってこの石はとても大切なものになります。
それを裏づけるかのように、ラッコにはお気に入りの石をしまっておくためのポケットがわきの下についているのです。
ちなみにこのポケットは意外と大きいようで、複数の石を入れておくと潜水する時のおもりがわりになるのだとか。
そんなラッコがお気に入りの石を万が一無くしてしまった時はもう大騒ぎになりあまりのショックで食事ものどを通らなくなってしまうほどなんです。
見た目もかわいいラッコですが、そんなにがっかりされると代わりの石をいくらでもプレゼントしたくなっちゃいますね。
ラッコの名前の由来は?
諸説がいくつかありますが、まずひとつ。もともとラッコという言葉はアイヌ語の「rakko」からきていて、姿かたちがカワウソに似ていたことから最初は「アトイ・エサマン」(※アイヌ語で海のカワウソいう意味)よばれていたようです。
ところが忌み(いみ)言葉になるのでアトイ・エサマンの代わりに、ラッコとよばれるようになったのではないか?という話と、
中国名での音読みが「臘虎(ラッコ)」だからという説があるようです。
また江戸時代に書かれた本には「海獺」「猟虎」「獺虎」「海獲」などと書かれていた記録が残っています。
これらが信憑性(しんぴょうせい)の高い話といわれていますが、どれも決定的な証拠(しょうこ)に欠けるようです。
ラッコは水に浮いていることが多いけど、陸には上がらないの?
ラッコのイメージといえばやっぱり海で生活している印象が強いですが、哺乳類の仲間なのに陸へ上がることはないのでしょうか?
結論からいうと、ラッコは時々陸に上がることがあります。ですがいくつかの条件があります。
例えば海が荒れている時。意外なことにラッコはあまり泳ぎが得意ではありません。波が高いと遠くに流されてしまう危険があるので、そんな時は一時避難するために陸に上がります。
そして個体差はあるのですが、中には陸でちょっとひと休みしたい時に上がることもあります。
最後はもしかしたらの話で、実は日光浴するため陸に上がっている・・・なんて話もあるとかないとか。いずれにしても特別な理由がない限り、陸に上がることはほとんど無さそうですね。
ちなみにラッコは陸の上を歩くとき4足歩行だったり、2足歩行だったりします。もし水族館で歩いているラッコを見かけた時はラッキーかも知れません!
ラッコは寝る時どんな体勢で眠っているの?
一日の大半を水の上で過ごすラッコ。他のQ&Aでも紹介したとおり、陸に上がることはほとんど無いラッコ。
ではそんなラッコが眠る時っていったいどんな感じで寝ているのでしょうか。
まず野生のラッコは仰向けのまま体に海藻を巻きつけて寝ています。この時昆布など海底にしっかり根のはえた海藻でないと、簡単に外れてしまいどんどん流されてしまいます。
そして水族館のラッコですが展示を見たことがある人ならご存じのとおり、海底に海藻はありません。
そもそも水槽の中なので流される心配もないのですが、そんな時のラッコは仰向けの状態で仲間と手をつなぎながら眠ります。
水槽の中は安全!ということは恐らくラッコたちも分かっているはずなのですが、それでもやっぱり仲間と手をつないで眠ることが大きな安心につながっているようです。
ラッコは食欲旺盛だって本当なの?
魚介類や貝などを主食として食べているラッコですがその食事量がとんでもなく多いって知っていましたか?
驚くことにラッコは1日に自分の体重の約25~30%分のエサを食べるといわれています。
例えば40kgのラッコがいたとします。単純計算ですが、この場合1日の食事量は貝で約400個分になるのです。そして年間平均でラッコのエサ代は、約500万円かかるといわれています。
ではどうしてそんなにたくさんの食事が必要なのかというと、基本情報でも紹介したとおり主なラッコの生息地はアラスカやロシアといった、とても寒い場所として知られている場所です。
そんな寒い環境でラッコが生きていくためにはまず体温が下がらないように維持する必要があるのですが、体温を保つためにはエネルギーが必要となります。その消費量はとても大きく、たくさん消耗したらその分だけ食事で補わないと命にかかわるので、その結果ラッコは食事の量を増やす必要があるという訳です。
ラッコが世界一毛深い動物だって本当?
ラッコってひと目見ただけでも、モフモフ&ふわふわしていそうな動物だって分かりますよね。
他にもモフモフした毛皮をもつ動物はたくさんいるのですが・・・ラッコはその中でも特に毛の量が多く、世界で一番ともいわれいます。
その量は全身で約8億~10億本とのことですが、数字だけで見てもあまりピンとこないですよね。
では同じくモフモフ動物の代表として、ネコの場合を見てみましょう。
ネコの場合短毛種(たんもうしゅ)と長毛種(ちょうもうしゅ)がいますが、ボリュームが多い長毛種のネコでも全身で約2,500万本とのことなので、だいたいですがラッコはネコの35倍ほど毛がはえている計算になります。こうして比べてみるとラッコが世界一毛深いといわれているのも納得ですね。
また毛の生え方も面白い仕組みになっていて「ガードヘア」と「アンダーヘア」の2つから成り立っています。
そしてラッコがこんなにも毛深いのは、やっぱり寒い地域で暮らしているので寒さから身を守るためなのです。
ラッコはアザラシやペンギンほど皮下脂肪(ひかしぼう)が分厚くありません。なので2種構造になっている体毛が寒さを逃がしてくれているのです。
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ラッコ 種類
・チシマラッコ(アジアラッコ) ・アラスカラッコ ・カリフォルニアラッコ
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ラッコ 参考文献
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
- 雑学カンパニー https://zatsugaku-company.com/sea-otter-hair/
- しずくの海洋日報 https://senkokugoshochi.com/seaotter-land-leg
- 絶滅危惧種リスト https://endangered-species.biz/archives/1327
- 万物の寿命まるわかり事典 http://www.lance4.net/banbutuno-jumyo/z0117.html
- 北海道新聞社・森と海の動物たち
- らっこちゃんねる https://seaotter.jimdofree.com/ラッコ百科-all-about-sea-otters/繁殖-reproduction/
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