カブトムシ
カブトムシ
カブトムシ
カブトムシといえば、夏になると雑木林などで発見できる昆虫です。大人にも子どもにも人気が高く、朝早く起きて採集に行く人も多いのではないでしょうか。 黒くて立派な角を持ち、発見できるとかなりわくわくしますよね。 そんなカブトムシの生態について、詳しく見ていきましょう!
カブトムシ 基本情報
節足動物門昆虫綱コガネムシ科・カブトムシ亜科・真性カブトムシ族
体長は約30 - 53 mm(オスの角を除く) 重さ3~9g程度
カブトムシは、涼しい雑木林などに生息しています。
特に、クヌギやコナラの木で発見されることが多く、樹液を吸って生きている昆虫です。
昼間はあまり見かけることはありませんが、夜になると活発に動き出します。
カブトムシの種類は約1,000種類以上いることが分かっていて、その多くが東南アジアや中央・南アメリカのジャングルにすんでいます。
オスのカブトムシは大きな角が特徴的で、カブトムシの角の数やかたち、大きさは種類によっても様々です。
オスでも角のないカブトムシもいます。
カブトムシは、成虫と幼虫では全く違う姿をしています。
カブトムシ Q&A
カブトムシの名前の由来は?
カブトムシの名前の由来は、武具の兜(かぶと)です。
カブトムシの体は黒くて硬い甲冑(かっちゅう)のようですよね。
オスの頭に立派な角があり、その角が武士のかぶる兜(かぶと)に似ていることからカブトムシと呼ばれるようになりました。
昔は江戸で「サイカチムシ」と呼ばれていましたが、現代に至るまでに「カブトムシ」が一般的です。
カブトムシはどうしてそこに住んでいるの?
カブトムシは、クヌギやコナラの木が生えている雑木林にすんでいます。
雑木林には、食べ物も眠るところもあるのでカブトムシだけでなく虫にとってはとても暮らしやすい場所です。
成虫にはエサとなる樹液があり、幼虫にとってはすみかとなる腐葉土(ふようど)や朽ち木(くちき)などがあります。
昼間は地面の下や木にあいた穴、朽ち木(くちき)の中や木の葉の影などに隠れて休んでいます。
夕方日が沈むと活動をはじめ、木の樹液を吸いに集まってきます。
カブトムシは何を食べているの?
カブトムシの成虫は、クヌギやコナラの木から出る樹液です。
樹液とは、木からにじみ出てくる木の汁のことです。
カブトムシは、発酵してお酒のような味になっているクヌギやコナラの樹液が大好物です。
カブトムシはどうやって樹液を吸っているの?
カブトムシの口は、オレンジ色の細い毛がたくさん集まったブラシのようになっています。
このブラシのような口で樹液をなめて吸い取っています。
カブトムシのメスにはどうして角がないの?
カブトムシのオスには、名前の由来にもなっている立派な角があります。
しかし、メスには角がありません。
オスは、樹液やメスを争って戦わなければいけませんが、メスは戦う必要がないからです。
角はオスにとって戦うための武器なので、戦わなくてもいいメスにはなくても問題ないのです。
その代わりに、メスには卵を産むために頭に小さくて丈夫なとげがあります。
オスのカブトムシの体はつるつるしていますが、メスのカブトムシには前ばねに毛が生えています。
メスは、土の中にもぐって卵を産むため、土の中でも安全に動けるように体を守ったり汚れを防いだりするための毛が生えているのです。
カブトムシの弱点は何?
昆虫界の中でも強いカブトムシですが、弱点もあります。
カブトムシのはねの下には、柔らかい体がありますが、そこがカブトムシの弱点です。
カブトムシの柔らかい体は、少しでも傷がつくと死んでしまいます。
カブトムシはどうやって性別を判断しているの?
人間は、カブトムシの性別を判断するときは角があるかないかを見ます。
しかし、カブトムシは角の有無で性別を判断しているわけではありません。
カブトムシは、ニオイでメスのいる場所を見つけています。
オスは触角を開き、メスのニオイをキャッチしようとしているのです。
だから、オスの触角はメスのものよりも大きいのです。
カブトムシはどうやって戦うの?
カブトムシのオス同士は、大きな角を使って戦います。
自分よりも弱い相手の場合には、角を上下にふりまわして脅して追い払います。
それでも逃げない相手には、爪で木をつかんでふんばりながら、相手をつので持ち上げて投げ飛ばすんです。
体の大きさが同じぐらいのカブトムシ同士だと戦いが発生しやすいようです。
カブトムシに血は流れているの?
カブトムシのような硬い殻を持った昆虫は、血液が流れているのかよくわかりませんよね。
しかし、カブトムシにも透明な血が流れています。
心臓の代わりに「背脈管(はいみゃくかん)」という太い1本のくだがあり
そこから血が送り出されています。
頭のほうから身体中をめぐって栄養分を届け、背脈管(はいみゃくかん)へ戻っていきます。
小さな脳や神経もあり、暑さや寒さを感じることもできます。
カブトムシは飛べるの?
カブトムシは、木にしがみついているイメージが強いですが、飛ぶこともできます。
飛ぶときは背中にある2枚の前ばねを開き、その下にしまってある後ろばねを広げて上下にはばたかせながら飛びます。
カブトムシをはばたかせたい場合は、角を持ってゆすってみると元気のあるカブトムシなら羽をバタバタさせます。
カブトムシは鳴くの?
カブトムシの成虫は、オスもメスも興奮したり求愛行動の際に音を立てることがあります。
「シューシュー」「ギュウギュウ」などの音で、1メートルほどの範囲しか聞こえません。
この音は、腹部を伸び縮みさせて上羽の内側と摩擦させることで音を出しています。
死んだカブトムシのお腹を押して、上羽と摩擦(まさつ)してもきくことができます。
カブトムシの天敵はどんな生き物なの?
カブトムシは、幼虫の時はコメツキムシやツチバチの幼虫や、アリ、昆虫、モグラが天敵です。
また、カビやウイルスなどで死んでしまうこともあります。
成虫になると、鳥などに狙われやすいです。
他のカブトムシやクワガタなどと争って死ぬことや、クモの巣に引っかかって死んでしまうこともあるようです。
カブトムシに寄生するカブトホソトゲダニ、タカラダニなども成虫にとって天敵になります。
カブトムシの幼虫の性別はどうやって見分けるの?
カブトムシの幼虫は白くてプリッとした形をしています。
オスとメスを見分ける方法は、お尻の下側の違いをチェックしてみることです。
オスにはV字のしるしがありますが、メスにはありません。
カブトムシの幼虫は何を食べるの?
カブトムシの幼虫は腐葉土の中にすんでいます。
幼虫は、腐葉土を食べて成長します。
カブトムシの幼虫には、腐葉土を食べるための大あごがありますが、この大あごは成虫になるとなくなってしまいます。
カブトムシの幼虫はエサをどのぐらい食べるの?
カブトムシの幼虫は、体の3分の2が胃や腸になっています。
とにかく食べることが大切だからです。
幼虫は、生まれてからさなぎになるまでにどんぶり3杯分もの腐葉土を食べます。
そして、体重は生まれたときの約50倍にも成長します。
カブトムシの幼虫の目はどこにあるの?
カブトムシの幼虫には目がありません。
体中に毛が生えていて、この毛で土の中の様子を感じ取り、目の代わりをしているのです。
また、この毛は体を汚さないための役割もあります。
カブトムシのさなぎの体はどうなっているの?
カブトムシは、さなぎになると茶色くなります。
茶色い部分はさなぎの筋肉で、成虫になるための準備が始まっているところです。
さなぎは動かなくなってしまうわけではなく、おしりを頻繁に動かします。
背中の段の部分はするどい刃物のようになっていて、外敵が近寄るとはさんで切ってしまいます。
カブトムシの目はどうやってできるの?
カブトムシは、幼虫のときには目がありませんが成虫になると目ができます。
なぜなら、さなぎの中では幼虫のからだは一度全部ばらばらになり、新しい体に作り替えられるからです。
さなぎの中では色々な変化が起こっているということですね。
カブトムシのさなぎはどうやって部屋を作るの?
カブトムシは、さなぎになるときに土の中に円形の部屋を作り、その中で過ごします。
さなぎになる前の幼虫の段階で、からだを何度もくねらせてまわりの土を押し広げます。
そして、からだから黒褐色(こっかっしょく)の液体を出し、周りの土に塗りつけるのです。
液体が染み込んだ土の壁は崩れず、そのまま円形の空間を作り出します。
土壁でできた部屋の中で、幼虫はさなぎから成虫になるまで過ごします。
この部屋が崩れてしまうと、成虫になることはできないことが多いです。
カブトムシの脚がすぐとれるのはなぜ?
野生のカブトムシを見つけても脚が取れてしまっているものを見つけることがあると思います。
また、飼育下のカブトムシでもいつのまにか脚が取れてしまっているなんてことありませんか?
カブトムシのような節足動物は、たくさんの脚がありますが、脚には歩いたりしがみついたりする他に身を守るための役割もあります。
カブトムシは危険からすぐに逃げられるように脚が取れやすくなっているんです。
乾燥やオスとの闘い、老化による水分保持能力の低下などが原因で脚が取れてしまうことがあります。
一番前の脚がとれてしまうと身動きがとりづらく、木に登れない、ひっくり返っても自分で起き上がれないなどの問題が生じます。
脚が取れても死ぬことはないですが、それが原因でエサの場所までいけなかったり、ひっくりかえってしまい弱ってしまうことはあります。
カブトムシとクワガタはどっちのほうが強いの?
カブトムシとクワガタが戦うと、圧倒的にカブトムシのほうが強いようです。
クワガタムシは、通常カブトムシと出会うと逃げ出してしまうことがほとんどです。
体の大きさが圧倒的にカブトムシのほうが大きいので、クワガタムシは投げ飛ばされてしまいます。
体の大きなオオクワガタやヒラタクワガタなどではカブトムシに勝つこともあります。
世界一大きなカブトムシはどれなの?
世界一大きなカブトムシは、ヘラクレスオオカブトです。
ヘラクレスオオカブトは、カブトムシの王様で、鋭くて長い角とツヤのあるボディが特徴的です。
ヘラクレスオオカブトのオスで最大サイズは、日本のブリーダーが記録した約181.0㎜です。
日本には生息しておらず、主にグアドループ諸島やドミニカ諸島に生息しています。
寿命は羽化してから6カ月〜1年ほどで、越冬も可能ですが気温が低いと死んでしまいます。
カブトムシは人の健康に役立つってほんと?
カブトムシと人の健康は特に無関係のような気がしますが、実はカブトムシの能力はすごい役割を果たす可能性があるんです。
カブトムシの幼虫がすんでいる土の中というのは、雑菌だらけです。
その雑菌は、動物の死骸や枯れ葉などを分解する役割を持っています。
人間の体内にそんなにたくさんの雑菌が入り込むと、体長を崩してしまいますが、カブトムシの幼虫はそんな雑菌だらけの中でも平気で過ごしています。
これは、カブトムシの「自然免疫」の力が関係しているからです。
カブトムシの持つ、「カブトムシディフェンシン」という自然免疫は、細菌やウイルスを攻撃し、身を守る役割をはたしていることが明らかになりました。
カブトムシの自然免疫を応用し、人間の抗ウイルス薬や抗がん剤に利用するという研究が進められています。
カブトムシに人間の病気を治す力があるなんてびっくりですね。
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・カブトムシ
・タイワンカブトムシ
・コカブトムシ
・クロマルコガネ
・ヘラクレスオオツノカブト
・サイカブトムシ
・ゴホンヅノカブト
・アクテオンゾウカブト
・ネプチューンオオカブト
・ノコギリタテヅノカブト
・コーカサスオオカブト
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・ゾウカブト
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カブトムシ 参考文献
- ・カブトムシ・クワガタムシ 2016年6月第1版 株式会社ポプラ社
- ・カブトムシ・クワガタムシ・ゲンゴロウ・タガメ・ヤゴ 2004年4月 第6版 株式会社ポプラ社
- ・カブトムシとクワガタ 平成26年7月31日発酵 株式会社主婦の友社
- ・カブトムシ 2005年6月新装版第二刷 株式会社あかね書房
- ・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カブトムシ
- ・株式会社エコリス https://www.ecoris.co.jp/technical/tec_etec/etec055.html#:~:text=名前の由来,かっちゅう)そのものですよね。
- ・語源由来辞典 https://gogen-yurai.jp/kabutomushi/
- ・ビートランド https://blog.beetland.store/diary/184/#:~:text=ヘラクレスオオカブトは「カブトムシの,大きなボディがその魅力。&text=オスの体長は大きな,大きさになります。
- ・ケンスケの休日を楽しく過ごすブログ https://enjoyholiday.site/beetle-trivia/
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