エイ
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エイと言えば、魚らしくない体と羽ばたくような泳ぎ方を想像する人が多いのではないでしょうか。 その優雅な姿は水族館でも人気があり、食い入るように見る子どももいるほど。大きな姿は見る人に感動を与えますが、実は10cm程度の小さなエイがいることをご存じでしょうか。 実はエイの種類は非常に豊富で、一般的に知られてないことはたくさんあります。たくさんの不思議を持つエイの生態を少しずつ見ていきましょう。
エイ 基本情報
脊椎動物亜門 軟骨魚綱 板鰓亜綱(ばんさいあこう)
横の長さ:最大910cm(オニイトマキエイ) 最小20cm未満(マグダレナスティングレイ)
体重:最大3,000kg
エイは非常に種類の多い魚類で、その数は約530種にも上ります。
一般的には平べったい体で、細長い尾を持つと想像する人が多いでしょう。私たちが思い浮かべる「魚」とは大きく違う体で、種類によっては毒を持つものもいます。
実はサメの仲間で、なかにはエイの頭を持ち、サメの胴体がくっついたような不思議なものも。ただし、日本でよく見られるのはアカエイと呼ばれる種で、一般的なエイのフォルムを持っています。
エイの種類の多くは、海底の泥や砂の中で生息しています。
泳ぐときは左右の胸びれを動かして推進力を得ますが、羽ばたくような動作は優雅そのもの。水族館やダイバーに人気があるのも納得です。
種類としてのエイは、暖かい海や冷たい海にかかわらず、世界中に生息しています。さらに、知名度は劣りますが、海水だけではなく淡水に生息する種類がいるほど身近な魚類です。
また、生息する深さも種類によってさまざまで、海中を遊泳する種類のほかにも海底を泳ぐ種類も存在します。ひとくちに「エイ」と言えば、ほとんどの人が同じフォルムを思い浮かべると思いますが、種類による差が大きい魅力あふれる魚と言えるでしょう。
エイ Q&A
エイの名前の由来は何?
「エイ」の名前の由来は諸説あり、どの説が本当か定かではありません。ここでは有力とされる説を2つ紹介します。
1つ目は刀の柄から名付けられた説です。
アカエイの背中には滑り止めになる突起があり、昔の人々はそれを刀の柄に使用していました。「つか」のことを「え」とも呼び、変化して「エイ」になったと言われています。
2つ目はアイヌ語が起源とされる説です。
アイヌ語でトゲのことを「アイ」と呼び、エイの持つ鋭い毒針とかけていました。それが次第に変化して「エイ」になったとされます。
また、漢字にも少し触れておきましょう。
エイを表す漢字はいくつかありますが、今回はよく使われる「海鷂魚」について紹介します。漢字から読み解くと、「海に生息する鷂のような魚」と考えられます。
「鷂」とはハイタカと読み、鳥類のタカのことです。大きな翼を広げて優雅に空を飛ぶタカと、姿を重ねたと言われています。
エイは何を食べているの?
エイは肉食の生き物なので、海藻は食べません。おもに貝やカニ、小魚、プランクトンを食べます。
エイは海中を遊泳する種類と、海底で生息する種類に分かれ、それぞれで好みは違うようです。
遊泳する種類は、同じく海中を泳ぐ魚やプランクトンを食べます。一方で、海底に生息する種類は甲殻類を食べることが多いようです。
特に貝は好物のようで、アサリやハマグリなどの漁場ではエイによる被害が深刻化しています。
エイとマンタは違う生き物なの?
海中を優雅に泳ぐ種として、マンタを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。マンタは一時期ブームになり、名前を知っている人もいるでしょう。
エイではなく違う種と思う人もいるようですが、実はマンタもエイです。ナンヨウマンタとオニイトマキエイの2種類をマンタと呼びます。
少し前までマンタはオニイトマキエイだけを指していましたが、近年にナンヨウマンタも分けられました。
エイのなかでもマンタはどうして人気があるの?
マンタはエイの中で、もっとも大きい種類で横幅は9mに達する個体もいます。その泳ぎ方は非常に優雅で、まるで翼を羽ばたかせるよう。
この姿だけでも人々を魅了するうえ、マンタの性格は温厚でおとなしいため、人に危害を加えることもありません。
また、マンタはトビエイ目ですが毒を持たないので、危険性も低くダイバーにとっては近づきやすい種類です。ときには一緒に海中遊泳をしてくれるため、特にダイバーにとって人気のエイと言われています。
さらに、水族館でも大きな水槽を泳ぐ姿は見る人を感動させます。サメほどのシャープさはありませんが、体の大きいマンタは水族館でも人気者です。
エイとサメにはどんな違いがあるの?
サメもエイと同じ板鰓亜綱に分類されます。
サメといえば流線型でシャープなフォルム、対してエイは平べったいフォルムを想像する人が多いのではないでしょうか。ほとんどの場合でその認識は間違っていませんが、なかにはどちらともいえないフォルムの種類も存在します。
サメとエイは、ルーツをたどれば同じ種にたどり着きます。つまり、サメとエイは同じ先祖を持つということ。共通点が多いことも納得ですね。もともとはサメが先に誕生しましたが、後にエイの祖先に派生したとされます。
サメとエイを区別する方法は、鰓裂(さいれつ)と呼ばれる穴の位置です。サメの鰓裂は目の後方にあるのに対し、エイは腹部に存在します。サメの名を持つエイもいるので、「どっちだろう?」と気になったときは鰓裂の場所を確認してみましょう。
エイに天敵はいるの?
エイの天敵は、同じ板鰓亜綱のサメ類が有名です。
特にシュモクザメが天敵と言えます。シュモクザメは頭部がT字に見える特徴を持っており、英名はハンマーヘッドシャークです。狩りのときにも特徴的な頭部を使い、エイを捕食するときも例外ではありません。
さらにシュモクザメにはエイの毒も効果が薄いようで、頭部で体を押さえつけたり、殴打したりして弱らせます。同じ分類から狙われる、自然界の恐ろしさが垣間見えますね。
エイの毒はどれくらい強いの?
エイは種類によって毒を持ち、背中から尾びれの部分に鋭いトゲがあります。刺された場合は即座に強い痛みを感じ、吐き気、めまい、血圧低下、呼吸困難が引き起こされます。
また、刺された場所によっては死亡した事例もあるので、注意が必要です。
海水浴客が刺されることも多く、砂に隠れているエイに気付かず踏んでしまうことも少なくありません。死んでしまっているエイにも毒は残っているため、うかつに触れないようにしましょう。
また、毒ではありませんがシビレエイという種は電気を発するので、こちらも注意が必要です。
エイは人間とどう関わっているの?
エイは世界的に食用として用いられ、日本でも例外ではありません。ただし、クセのある魚なので、地域や人によっては好まれないこともあります。
日本では北海道や東北など北の地域で、「かすべ」という名前で食べられますが、エイであることを知らない人も多いそうです。
食用以外では、鑑賞目的で飼育されることも多く、各地の水族館で観られます。特にマンタと呼ばれるオニイトマキエイやナンヨウマンタは、子どもからも人気のエイです。
また、淡水に生息する小型のエイは、個人で飼育する人も少なくありません。
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エイ 種類
・シビレエイ目 ヤマトシビレエイ科 タイワンシビレエイ科
・ノコギリエイ目 ノコギリエイ科 シノノメサカタザメ科 トンガリサカタザメ科 サカタザメ科
・ガンギエイ目 ガンギエイ科 ・トビエイ目 ウチワザメ亜目 ウチワザメ科 トビエイ亜目 ザノバトゥス科 ムツエラエイ科 ウスエイ科 ヒラタエイ科 ウロトリゴン科 アカエイ科 アマゾンタンスイエイ科 ツバクロエイ科 トビエイ科
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エイ 参考文献
- Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/エイ
- 生きもの好きの語る自然誌 https://tonysharks.com/index.html
- 天海のホームページ http://taxonomy.html.xdomain.jp/taxonomy/chondrichthyes.html
- いきふぉめ~しょん http://ikimall.ikimonopal.jp/blog/post-1448/
- ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑 https://www.zukan-bouz.com/com/エイ
- コトバンク https://kotobank.jp/word/エイ-442929
- Marine Diving Web https://marinediving.com/marine_life/fishbook/no02/
- テチス https://diving-kizai.com/ssclassification/
- 暮らしーの https://kurashi-no.jp/I0012414#head-105c720dab316bc575f82a4366235135
- アクアプロスタイル ビリーバー https://biriba.ti-da.net/e4770077.html
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