タヌキ
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昔話や童話にたくさん登場してくる動物といえば・・・タヌキが有名ですよね!歌や映画など日本は古来よりタヌキとの関わりが続いているのですが、 意外にもタヌキの生態について詳しくは知らないことも多いはず。 そんなタヌキの隠されたひみつについて探ってみませんか?
タヌキ 基本情報
哺乳綱-食肉目-イヌ科-タヌキ属
体長 50~80cm 尾長 13~25cm 体重 4~6kg
主な生息場所は水辺の森林や草が生い茂った(おいしげった)林の中です。
タヌキの体は全体的に黄褐色(きかっしょく)の体毛でおおわれていて、所々黒色の毛がはえています。そしてその体毛が分厚い特徴もあります。目の周りが黒いの印象的です。
イヌ科の動物ですが木登り上手です。
また、自分の身に危険を感じると一時的に気絶したような行動を取ることがあります。いわゆるタヌキ寝入りです。
地方によってはアナグマやムジナとよばれることもあるようですが、タヌキとはよく似ている動物なだけで別の生き物になります。
他のイヌ科の動物に比べると体つきはずんぐりむっくりしており、手足も短いです。オスにくらべるとややメスの方が体が大きいようです。
発情期は1月~3月頃で、オスは鳴き声を上げたりメスを呼ぶためオシッコを木にかけてマーキングします。これには自分のなわばりを守る意味合いも含まれているようです。
メスの妊娠期間は60~65日程度で、1度の出産で子どもを産む数は平均4~6頭ですが、なかには最大で12頭産んだタヌキもいたようです。生まれたばかりの赤ちゃんは60~90グラムほどの大きさになります。
そして寿命は野性で6~8年、飼育されている場合は10年ほどといわれています。なかには14年と長生きしたタヌキもいました。
タヌキは雑食性(ざっしょくせい)なので色々なものを食べます。主食としているのはネズミやカエル、果物や魚です。食べ物に困ってしまうと人間が残した残飯や、家禽(かきん)として飼育されているアヒルやニワトリを襲うこともあるようです。
※家禽(かきん)とは、肉・たまご・羽毛(うもう)などを利用するために飼育する鳥をまとめてよぶことです。
タヌキ Q&A
タヌキの生活行動ってどんな感じなの?
基本情報でも説明しましたが、もう少し具体的に探ってみましょう。
タヌキは特定の決まった場所に巣穴は作らないようで、木の根元や他の動物が掘った穴などを利用して暮らしています。
そして群れは作らず、オスとメスの夫婦や家族で行動することが多い動物です。タヌキのオスは子育てに協力的な部分があり、メスが妊娠中の時もそばに寄り添ってあげたり、赤ちゃんが産まれると積極的にエサを探しにでかけたり、グルーミングといって毛づくろいを子どもにする様子が見られます。
そして子どもが生後10ヶ月ほどになると親子の関係も自然と薄れていき、親元を離れまたその子どもたちが新たな夫婦となり家族を作っていきます。
タヌキは夜行性なので、基本的に行動開始するのは空が薄暗くなってきた頃から日の出にかけてといわれています。
視力(しりょく)があまり良くないので、嗅覚(きゅうかく)を使ってエサを探し出します。
また、夫婦もしくは家族で特定の場所にうんちなどをする「ため糞」という行動がみられます。これはなわばり識別(しきべつ)のためやにおいづけのひとつ、あるいは自分たちの存在(そんざい)を他のタヌキに知らせるためといわれています。
タヌキはどんな声で鳴くの?
イヌはワンワン、ネコはニャー、と動物には色々な鳴き声が存在していますが、タヌキの鳴き声を聞いたことがある人はあまりいないのではないでしょうか?
よくお腹をたたく音でぽんぽこぽん!なんていったりもしますが、本当はどんな鳴き声なのでしょうか?
実は子イヌや子ネコのような「ミャー、クォーン」といった高い声で鳴くのです。普段ほとんど鳴かないのであまり知られていないのかも知れませんね。
ちなみに威嚇(いかく)するときはもう少し低い声で「グー!」と鳴くようです。
タヌキの名前の由来は?
ひらがなで書くと「たぬき」ですが、何だか音の響きといいかわいらしい感じがしますよね。
よく考えてみるとどうしてタヌキというのでしょうか?
名前の由来についてはいくつか説があり、その昔手や腕を守るために身に着けていた手貫き、田貫き(たぬき)をタヌキの皮を使って作っていたからという話や、タヌキ寝入りをして死んだように見せかけつつ人間を出し抜くからといった話があるようです。
面白いものとしては、人間の魂(たましい)を抜き取ってしまう=たましい抜き=タヌキになったという説もあるようです。
どれもはっきりした証拠はないのですが、由来だけでも複数あるとは驚きますね。
タヌキはペットにすることができるの?
大きさ的にはイヌの中型犬ぐらいですし、モフモフした見た目がかわいいので興味がある!なんて人もいるのではないでしょうか?
動画投稿サイトでもタヌキとの同居生活がアップされているのもちらほら見かけますし、実際のところはどうなのでしょうか?
結論からいうと、可能です。というより不可能ではないけれど結構大変なことが多いといった感じです。
まずはじめに日本には鳥獣保護法(ちょうじゅうほごほう)という決まりがあるので、野性のタヌキを捕まえてそのままペットにするのは禁止されています。
ただし、ケガや病気などでタヌキを保護した場合は生涯飼養許可(しょうがいしようきょか)を住んでいるところに申請すれば飼育が可能となります。
飼育環境は室内で自由飼いやケージ飼いができますが、ケージ飼いがオススメです。イヌ用の大きめケージを用意するのがベストです。
雑食性なので色々なものを食べますが、もともとイヌ科の仲間なので栄養バランスがとれたドッグフードでも大丈夫です。その他おやつとしてビタミン補給の果物や、たんぱく質補給としてコオロギなどの虫を与えるのもよいでしょう。
そしてタヌキの性格は臆病(おくびょう)で警戒心(けいかいしん)も強いため、人間に慣れることはほとんどありません。ですが子どもの頃に保護した場合など、特別な理由があれば飼い主さんにだけなついてくれることもあるようです。
食べ物への執着心(しゅうちゃくしん)が強く畳や柱などをかじって荒らしてしまうこともあるので、それらを理解した上での飼育ができるならペットとしてお迎えすることもできなくはないのですが、よっぽどの理由がない限り家でタヌキと人間が一緒に生活するのは向いていないようです。
狸寝入りってことばがあるけど、なんでタヌキなの?
皆さんは狸(たぬき)寝入りということわざを知っていますか?わりと普段の生活でもよく耳にするので聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
意味としては「わざと眠っていること」なのですが、そもそもどうして動物のタヌキが使われているのか・・・気になりませんか?
基本情報や他のQ&Aでも紹介したようにタヌキの性格は臆病で急に驚いたことがあると倒れてしまい、まるで眠っているようなフリをします。
意識ははっきりしているので、これらの様子から本当は眠っていないのに都合が悪いから寝たフリをしている人の行動を表すことわざとして使われるようになりまた。
でも実際のところタヌキは寝たフリをしているのではなく、本当はびっくりして気絶しているのに対して「人間都合でわざと寝たフリをしている」というちょっとずるい意味合いを表すことばとして定着してしまったのは・・・何だかタヌキも複雑な思いかも知れませんね。
タヌキが人を化かすっていうのは本当にあったの?
タヌキが人間など他の生き物に化けて驚かすことを「化け狸!やタヌキに化かされた!だまされた!」などと、有名な映画や昔話のセリフなんかで聞いたことがありませんか?
そもそもどうしてタヌキは化けるや変身するといわれるようになったのでしょうか?
諸説(しょせつ)あるのですが、その中のひとつを紹介します。ある中国の書物には九尾狐狸(きゅうびこり)という妖怪が登場します。この話が日本に伝わった時に、漢字で狐は「キツネ」狸は「タヌキ」というように2頭の動物に分けられていました。
もともとこの話に登場する狐狸(こり)は神の使いだったのですが、時代の変化とともに話の流れが何かに変身して人を驚かす悪い妖怪へと変わっていってしまったそうです。
その中国書物の影響を受けたせいなのか、タヌキを昔話に登場させる際には 人をだます動物として出てくることが多くなり、すっかり化け狸としてのイメージが強くなりました。
そして狸寝入りということばがあるように、寝たフリなんかするタヌキはずるい賢いやつ!というイメージも一緒に定着したので、ますますタヌキのイメージが悪くなってしまいました。本当は寝たフリではないのですが昔はそこまで詳しく調べていませんでした。
ちなみにこのタヌキのイメージは、ずるいけど頭は良い男性を揶揄(やゆ)した「たぬきおやじ」ということばの由来ににもかかわっています。
また、同じく化かす動物として有名なキツネなのですが「狐七化け、狸は八化け(きつねななばけ、たぬきはやばけ)」ということわざがあります。 意味はキツネよりタヌキの方が化け上手とのことですが、なぜこのようにいわれるようになったのかは今でもよく分かってないそうです。
※揶揄(やゆ)とは、面白おかしくからかうことです。
たぬきうどんのタヌキって何?
あたたかいうどんやそばの上にたくさんの揚げ玉やネギなどがトッピングされたうどんといえば・・・そう!たぬきうどん(そば)ですよね。
同じ動物の名前がついた料理、例えば鴨南蛮(かもなんばん)にはちゃんとカモ肉が入っているのに、たぬきうどんはタヌキのお肉など入っていないですよね。そもそも揚げ玉しか入っていないうどんがどうして「たぬきうどん」とよばれているのでしょうか?
実のところ、はっきりとした理由は今でもよく分かっていません。
ですがいくつか有力な説があるので紹介します。まずは具を抜くことを具抜きうどん(種ぬきうどん)=たぬきうどんという話があります。今のところはこの説が一番当たっているのではないかと考えられています。
他にも具がないうどんはだまされた気分になる=化かされた気分になることからたぬきうどんとよばれり、
たぬきうどんの前にはきつねうどんが先に存在(そんざい)していたのでキツネと対にするためにたぬきうどんと名づけた・・・などがあります。
また、ひとくちにたぬきうどんといっても関東や関西地方で違いがあります。関東では揚げ玉をのせたものを「たぬきそば」といいますが、関西では油揚げをのせたものを「たぬきそば」とよんでいます。
タヌキは海外でめずらしい動物なの?
日本では昔話に出てくるほどおなじみの動物になっているので、あまり実感はわかないかも知れませんが、海外の国によってはとてもめずらしい動物として知られています。
実例をあげると北海道の旭山動物園(あさひやまどうぶつえん)そして福岡県の久留米市鳥類センター(くるめいしちょうるいせんたー)の2つがシンガポールにある動物園にタヌキのオスとメスのペアをプレゼントしたところ、日本でいうところのパンダと同じくらい貴重な動物だと大変喜ばれました。
また、石川県のいしかわ動物園がコビトカバの展示をしたいと考えシンガポールの動物園にお願いをしたところ、タヌキと交換しませんか?ということで交渉が成立した事例もあります。
コビトカバは日本だとあまり聞きなれない動物なのですが、実は絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に登録されているほどかなり貴重な動物なのです。
このようにタヌキをとても希少価値(きしょうかち)が高いと考えている国々があるのは驚きでしたね。
最近はアジアを中心に生息場所を増やしているようですが、まだまだめずらしい動物としての人気は続きそうです。
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