アライグマ
アライグマ
アライグマ
アニメのモデルにもなった、見た目もかわいらしいアライグマです! ですが、かわいい顔の裏側にはあまり予想できないような性格だったり、 私たち人間との関わり方も色々と複雑なところがあるようです。 このページを見てアライグマとの付き合い方を考えるきっかけにしてみませんか?
アライグマ 基本情報
哺乳綱-食肉目-アライグマ科-アライグマ属
体長 40~60cm 尾長 20~40cm 体重 3.5~9kg
主な生息地はカナダ南部や中央アメリカです。
基本的に夜行性(やこうせい)で、樹洞(じゅどう)に巣を作り、水のある川辺の森林などで暮らしています。
毛色は灰褐色(はいかっしょく)から赤褐色(あかかっしょく)におおわれていて、しっぽには黒色の輪のような模様が5~7本ほどついています。
見た目はほぼ同じのアライグマですが、オスとメスの見分け方はお腹をひっくり返してみると分かりやすいです。おしっこが出る場所を「尿道口(にょうどうぐち)」といいますが、オスは尿道口がやや下の方についています。メスは「肛門(こうもん)」のすぐ近くにあります。
また赤ちゃんが産まれたメスの場合だと、おっぱいをあげるために乳首がはっきり分かりやすく出ていることがあります。
繁殖期(はんしょくき)は1~3月で、妊娠すると約63~65日後には赤ちゃんが生まれます。アライグマが1度に産む子どもの数はおよそ3~7匹です。
そして寿命は平均で13~16年、なかには22年と長生きのアライグマもいました。野生で暮らしている場合は寿命がこれよりも短いことがあります。これは交通事故や栄養不足による人為的(じんいてき)な影響が大きいといわれています。
アライグマは主にザリガニやネズミ、果実や鳥の卵を食べます。
※人為的とは自然現象ではなく、人がたくらんでするさまのことです。
アライグマ Q&A
アライグマの手が器用って本当?
みなさんはアライグマがりんごなどの果実を食べている姿を見たことがありますか?
実はアライグマの手は人間と同じように5本の指が生えているのです。そのため手先がとても器用な動物であり、前足を上手に使ってエサを食べます。
動物園では小さな木箱の中を手でかきだして、エサを食べている様子が見られることもあります。
アライグマとタヌキはどこが違うの?
キツネのような、イヌのような、かわいらしい姿がよく似ているアライグマとタヌキですがこの2頭は全く違う動物です。
まずアライグマですが見た目がスリムであり、手が人間と同じく5本指で細めになっているのに対して、タヌキは丸っこくずんぐり体型で手もイヌのような短い手をしています。
そしてアライグマは雑食性(ざっしょくせい)で最近は森林や住宅地、時には家の天井裏に住みついてしまうことがあります。一方タヌキも同じく雑食性であり、こちらも森林や住宅地、そして家の天井裏に住みついてしまうことがあります。
何より決定的に違うのは性格です。アライグマは攻撃的(こうげきてき)そして気性がとても荒いです。タヌキの性格はどちらかというと、穏やかでゆったりとした性格のようです。
アライグマの名前の由来は?
アライグマがエサを食べるとき、まるで手をこすり合わせているような姿を見たことがある人もいるのではないでしょうか?
一説(いっせつ)によるとその姿がまるで手洗いのように見えたので、アライグマとよばれるようになったと考えられています。
しかし実際のところ、アライグマ自身は食べ物を水洗いでキレイにしている意識はないのでは?という意見もあります。
つまり誰かのぱっと見でつけてしまった名前が、そのまま世の中に広がったという可能性もある訳です。
本当にアライグマはキレイにすることを意識して手をこすりあわせているのか、それとも何かを洗っているように見えるのは私たち人間の想像(そうぞう)で、何か他に違った理由があるのか・・・
いずれにしても名前の由来については、はっきりと分かっていないようです。
アライグマをペットにすることはできるの?
性格が少し荒っぽいのは分かったけど、イヌやネコにも性格が凶暴な子もいるし・・・
もしかしてペットにできるのでは?と考えた方もいるかも知れませんが、結論からいうとアライグマをペットとして飼育するのは現在日本の法律で禁止されています。
ですが昔、あるアニメの影響を受けてアライグマをペットとして飼うことが許されていた時代もあったのです。
もともとの生息地はアメリカなのですが、その昔日本で「あらいぐまラスカル」というアニメが流行っていた頃がありました。
そこに登場するラスカルの姿がとってもかわいく表現されており、このアニメを見た人たちは「自分もアライグマを飼いたい!」と思うようになり、その結果ペットブームの波もあってかアライグマは輸入されてくるようになりました。当時は1匹5万円程度で販売されていたそうです。
しかしアニメと現実はまったくかけ離れており、アライグマ本来の性格である凶暴性や気性の荒いところが嫌になってしまった人たちはアライグマを山に捨ててしまったのです。
またアライグマはとても手先が器用なので動物園のケージから簡単に逃げ出してしまったこともあり、その結果野生化したアライグマは繁殖を繰り返してどんどん数を増やしていったのです。
その後は日本古来の生態系に影響を及ぼしたり人間の生活環境に悪影響が出て危険だとされたため、アライグマは「特定外来生物(とくていがいらいせいぶつ)」となってしまいました。
この特定外来生物に指定された生き物は原則として駆除(殺してとりのぞくこと)が決まっています。
このような経緯があるため日本ではペットとして飼育することができないのです。
そもそもの原因は私たち人間がその動物本来の性格を知る前に、気軽な気持ちでペットとして飼おうとしたことが原因になるのですが、このような結果になってしまったのはとても悲しいですね。
※特定外来生物とは「特定外来生物被害防止法」で指定されたもの。本来その国にいる生き物を補食したり、生態系に害を及ぼす可能性がある生物のことです。
アライグマには天敵っているの?
日本ではアライグマが増えすぎて色々と問題になっていますが、他の国ではどのようになっているのでしょうか?
実はアライグマの天敵はオオカミやオオヤマネコ、ピューマやワシミミズクの大型肉食動物です。そして意外かも知れませんが、最も恐ろしい敵は私たち人間なのです。
外国ではアライグマが狩猟(しゅりょう)の対象となっているので次々に駆除されていますが、日本では大型肉食動物がほとんどいませんしアライグマを狩猟する人もいません。
そして繁殖力もかなり高いので、競合相手(きょうごう)になるような動物の存在もなく簡単に増え続けていきました。イヌやネコが襲われてしまうケースもあるようなので、気をつけなければなりませんね。
アライグマを見つけたらどうすればいいの?
他のQ&Aでも紹介したとおりアライグマの性格は凶暴で特定外来生物にも指定されているほどの危ない動物ですが、実際にアライグマと遭遇(そうぐう)したらどのようにすればいいのでしょうか?
まずはむやみに近づかない事です。絶対にいたずらをしたり、驚かせるようなことはしてはいけません。万が一噛みつかれたり引っかかれたりしたら大変なことになる可能性があるからです。
第一に狂犬病(きょうけんびょう)に感染してしまう場合があります。狂犬病はイヌだけから移る病気ではありません。実はアライグマをとおして感染することもあるのです。外国ではある男性がアライグマに噛みつかれて狂犬病にかかってしまい、亡くなってしまった事例があります。狂犬病の致死率はほぼ100%なので、もし感染してしまったら治る可能性は0に近いです。
次にアライグマの腸の中には回虫(かいちゅう)という寄生虫がいます。万が一アライグマから私たち人間の体内へ入ると脳機能障害(のうきのうしょうがい)を起こしてしまい、最悪の場合は死亡してしまいます。
そして最後にマダニに刺されることによっておきる感染症があります。このマダニから感染した病気によって、現在日本でも毎年亡くなられている方がいます。
このように怖いことがたくさんあるのでアライグマを見つけたらまずは近づかないこと。
そして市役所や保健所に連絡して下さい。ちなみに自分が檻(おり)を持っているからといって、勝手にアライグマを捕まえると法律違反になる場合がありますので注意しましょう。
アライグマが嫌いなにおいってあるの?
住宅地や裏の天井裏にも住みついてしまう可能性があるアライグマですが、家を荒らすならできれば近づいてほしくないなぁ。と思った方もいるはず。
気性の荒いアライグマでもやっぱり苦手なにおいは存在するようです。効果的なのは木酢液(もくさくえき)やハッカ油、燻煙剤(くんえんざい)です。アライグマの敵であるオオカミの尿を置いておくのも効果的ですが、手に入れるのが難しいです。
となると、ホームセンターで手軽に買えるアンモニア系の液体がベストかも知れません。
また番犬として犬を飼うのもオススメなのですが、その場合は小型犬よりも体が大きい大型犬の方が安心です。
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アライグマ 種類
・トレマリアアライグマ ・バルバドスアライグマ ・カニクイアライグマ ・コズメルアライグマ ・グアドループアライグマ
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アライグマ 参考文献
- 日本大百科全書(ニッポニカ)
- PetPedia https://petpedia.net/article/200/raccoon
- アライグマの生態と特徴 http://xn--ccke0b2mzb.biz/
- 害虫駆除navi https://jenniferlynnevents.com/cate04/index.html
- みんなの害獣駆除屋さん https://mingaijyu.com/knowledge/raccoon.html
- 国立研究開発法人 国立環境研究所 侵入生物データベース https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10150.html
- 2009年アライグマ対策技術集(暫定版) 関西野性生物研究所 http://www.kansaiwildlife.com/pdf/racoon2009/2009-1.pdf
- 万物の寿命まるわかり事典 http://www.lance4.net/banbutuno-jumyo/z0039.html
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