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ホッキョクウサギ
ホッキョクウサギ
ホッキョクウサギ
ウサギと言えば、長い耳とまるっとした姿が愛らしい小型の動物です。ウサギの種類は豊富で、少し変わった特徴をもつ種類もいます。ホッキョクウサギもその一種。 長い耳とまるっとした姿は変わりませんが、驚くのは立ち上がったときの長い脚。いっときは「コレジャナイ感」として話題になりました。ホッキョクウサギならではの愛らしさがクセになってしまいそうですね。 日本では馴染みのないホッキョクウサギ。その生態をみていきましょう!
ホッキョクウサギ 基本情報
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哺乳綱(ほにゅうこう)ウサギ目ウサギ科ノウサギ属
体長:43−70cm
尾長:4.5-10cm
体重:2.5-5.5kg
ホッキョクウサギは比較的大柄(おおがら)のウサギで、体重はおよそ2.5-5.5kgですが、個体によっては7kgを超えるものも存在します。
ホッキョクウサギといえば、北極圏(ほっきょくけん)に生息するほかの動物と同様に、真っ白な毛皮が特徴です。しかし、真っ白な毛皮は雪深い冬にみられる毛皮。
やはり北極圏(ほっきょくけん)に生息するライチョウやオコジョなどと同様に、環境や季節によって毛が生え替わり、色が変化するのです。冬に真っ白な毛皮をもつのは、雪に同化して目立たなくするためですね。
同様に春や夏は褐色(かっしょく)や灰色の毛皮に変化し、岩や植物にカモフラージュします。ちなみに、夏が短い北方の地域では、一年を通して真っ白な毛皮です。
冬の毛皮は厚く、厳しい寒さに耐えられます。なんと氷点下40度にも耐えられるそうなので、ビックリですね。
また、ホッキョクウサギの大きな特徴は、その長い脚です。うずくまった姿はウサギらしく丸々としていてとても愛らしいのですが、立ち上がった姿はウサギらしくなくて初めて見た人は混乱してしまいます。この不思議な姿こそ、ホッキョクウサギ最大の魅力ともいえますね。
おもな生息地(せいそくち)はツンドラ地域からカナダの北端。いわゆる北極圏(ほっきょくけん)です。北極圏(ほっきょくけん)に生息しますが、冬眠はしません。寒さが厳しいときは雪に穴を掘り、ホッキョクウサギ同士で体を寄せ合って暖を取ります。
通常は単独(たんどく)で行動しますが、上記のように群れで行動することもあり、ときには数千匹単位の群れを形成する場合もあるのです。
繁殖期(はんしょくき)になるとオスはパートナーとなるメスを探し、ときにはほかのオスと戦いになることもあります。長い脚で激しい攻防を繰り広げるので、なかなかの迫力です。
パートナーのメスを獲得するとナワバリを決めますが、オスは複数のメスとパートナーシップを結ぶ場合もあります。メスは年に数回子どもを出産し、子どもは半年程度で親と同じ大きさに育ちます。
ホッキョクウサギの成長は早く、生まれて一年程度で繁殖能力を獲得。単独(たんどく)で生活できるようになれば、母元を離れるのです。
ホッキョクウサギ Q&A
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ホッキョクウサギの名前の由来は何?
ホッキョクウサギの名前の由来は、文字通り北極圏(ほっきょくけん)に生息しているウサギが元になっています。これだけでは少々寂しいので、「ウサギ」についての名前の由来も簡単に触れておきましょう。
ウサギの名前の由来は諸説あるため、有名なものを紹介します。
どの説も決定的ではないため、現状では何が正しいか確定できません。ただし、日本では短い言葉に接頭語や接尾語をつけて変化した例が多いので、個人的には「う+鷺」が正しいと考えています。
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ホッキョクウサギはどうして足が長いの?
ホッキョクウサギの最大の特徴は、ウサギらしからぬ長い脚ですが、なぜこのような姿に進化したのでしょう?
それは、降雪状態でも動きやすくするためと言われています。北極圏(ほっきょくけん)のような雪深い地域で素早く動くためには、脚の長さが重要です。
私たちがイメージするようなウサギの脚で雪上を移動すると、どうしてもモタモタしてしまいます。それでは天敵(てんてき)に襲われたとき、逃げ切れません。
雪国出身の方はイメージできると思いますが、雪上を車で移動するときは高い車高のほうが運転しやすいのです。ホッキョクウサギも厳しい生息地(せいそくち)に適応するため、独自の進化を遂げたといえますね。
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ホッキョクウサギは何を食べているの?
一般的にウサギは、草食動物として知られています。植物をモキュモキュと食べている姿は、愛らしくてかわいいですね。
しかし、ホッキョクウサギの食事情は少し違います。ホッキョクウサギの食性は、草食よりの雑食(ざっしょく)で、肉を食べている姿が確認されました。
冬は前脚と鼻で雪を掘り起こし、植物の芽や果実、コケなどの草木を食べます。春から秋は、上記に加えて花のつぼみやベリーも食べます。
そして、凍った魚や動物の肉を食べている姿を目撃されました。厳しい北極圏(ほっきょくけん)で生存するためには、必要な手段なのかもしれませんね。
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ホッキョクウサギはどれくらいの速さで走れるの?
ホッキョクウサギは、時速60km以上の速さで走ります。ただ、野生のウサギは同等の速度を出せるため、そこまで珍しくはありません。
しかし、ホッキョクウサギは雪上でも時速60kmで走れるのです。雪上は走りづらく、体力も消耗します。それにも関わらず、自動車と同等の速度を出せるなんてビックリですね。
また、移動距離も長く、ある個体は49日間で388kmを走破していました。通常のノウサギは、エサ場付近のエリアで生活するため、これだけの運動量はホッキョクウサギならではの習性といえます。
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ホッキョクウサギの寿命は?
ホッキョクウサギの寿命は、平均で5年程度と言われています。ほかのウサギは8年前後といわれており、飼育(しいく)下では10年を超える長寿のウサギも少なくありません。
ホッキョクウサギの寿命の短さは、やはり過酷な環境にあると考えられます。北極圏(ほっきょくけん)では食物が少なく、ほかの動物にとっても重要な問題です。
つまり、ホッキョクウサギを捕食(ほしょく)する天敵(てんてき)も多いのです。ホッキョクウサギは1年で半数が捕食(ほしょく)されるとも言われており、短い寿命に影響していると考えられます。
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ホッキョクウサギの天敵(てんてき)は?
ホッキョクウサギをエサとする天敵(てんてき)は多く、小型から中型の肉食動物全般に及びます。具体的には、ホッキョクオオカミやホッキョクギツネ、オコジョ、シロフクロウが挙げられます。
特に、ホッキョクオオカミはホッキョクウサギの狩りがうまく、子どものうちから捕食(ほしょく)してしまうそうです。空と陸から狙われるので、警戒心(けいかいしん)が強く、素早く走れるようになったのかもしれませんね。
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ホッキョクウサギと似たウサギはいるの?
ホッキョクウサギと似たウサギに、ユキウサギがいます。ユキウサギもノウサギ属に分類され、長い脚をもつ点も共通しています。ほかにも季節によって体色が変わるなど、ホッキョクウサギとユキウサギの共通点は非常に多いです。
それもそのはずで、ホッキョクウサギはユキウサギの亜種(あしゅ)と考えられていました。現在は別種とされていますが、同種と考えられていたほどであれば共通点の多さもうなずけますね。
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ホッキョクウサギはペットとして飼育(しいく)できるの?
残念ながら、ホッキョクウサギはペットとして飼育(しいく)できません。
ホッキョクウサギが座ったときのまん丸な姿や、立ち上がったときの長い脚は普通のウサギにはない魅力を感じられます。ペットとして一緒に生活したい、と感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし、ホッキョクウサギの生活圏と日本では、環境に大きな違いがあります。飼育(しいく)下とはいえ、ホッキョクウサギが日本で生活するのは困難です。輸入することも難しいでしょう。
また、ホッキョクウサギはウサギのなかでも運動量が多い種類なので、適切な環境を作ることはほぼ不可能です。
ホッキョクウサギと近いユキウサギの亜種(あしゅ)であるエゾユキウサギは、北海道の旭山動物園で飼育(しいく)されています。旭山動物園のエゾユキウサギを鑑賞することが現実的といえます。
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ホッキョクウサギ 種類
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ホッキョクウサギには、4つの亜種(あしゅ)が存在します。
- Lepus arcticus arcticus
- Lepus arcticus banksii
- Lepus arcticus groenlandicus
- Lepus arcticus monstrabilis
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ホッキョクウサギ 参考文献
ホッキョクウサギ 使用メディア紹介
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