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ハト

ハト

ハト

ハトというと、皆さんはどんなイメージを持ちますか? 公園や駅、街の中でもよく見かけるハトは、私たちにとって、とても身近な鳥。オリーブの葉を加えた白いハトは、平和の象徴であり、また幸運のしるしとも言われ良いイメージですよね。 さらに鳩は、その飛翔能力(ひしょうのうりょく)と帰巣本能(きそうほんのう)が優れているため、を古代より伝書鳩として通信の分野で用いられてきました。 しかし、また鳩は、迷惑な害鳥(がいちょう)として嫌われている鳥でもあります。知ってるようで知らないハトのこと、ハトとわたしたち人間との関係について調べてみましょう。

ハト 基本情報

ハト目ハト科

体長:小型のもので25㎝前後、カワラバト・キジバトなどは約33cm、大型のカラスバトなどは約40cmほど。 体の特徴:ハト科の鳥は、ずんぐりとした頑丈な体と、体に比べて小型の頭を持っています。体は密に生えた柔らかい羽毛におおわれ、胸の筋肉が発達しています。

人間との関係:ハトはおおよそ1万年から6千年ほど前の新石器時代に、すでに飼育されていたと考えられており、その長い歴史の中で、人間によって改良を重ねられ、様々な種類が存在するようになりました。      

カワラバト属 :約40cm

本州中部以南の日本全国に生息。小笠原諸島に生息するアカガシラカラスバトは、天然記念物に指定されています。 種(カラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナクニカラスバト、リュウキュウカラスバト、オガサワラカラスバト)

 

キジバト属 :約33cm 日本全国で生息。千葉県北部、茨城県南西部、埼玉県東部で生息するシラコバトは、天然記念物に指定されています。種(キジバト、リュウキュウキジバト、シラコバト ※シラコバトは外来種という説もあり)

アオバト属 :約33cm 本州、四国、九州で生息、北海道では夏になると本州に渡ります 種(アオバト、リュウキュウズアカバト、チュウダイズアカアオバト)

ベニバト属:約23~25cm 冬の渡り鳥として西日本に渡来。中国の中央部から東アジアで繁殖、種(ベニバト)

キンバト属:約25cm 宮古島以南の南西諸島に生息種(リュウキュウキンバト)

カワラバト(ドバト) :約33㎝ 北海道から沖縄まで生息(小笠原諸島は除く)         

世界中には、砂漠の一部や、人間が住んでいない北極や南極などを除いたほとんどの場所に生息しており、その数は約4億羽にも及ぶとされています。

野生のハトは、もともとはヨーロッパや中央アジア、北アフリカに生息しており、崖のくぼみなどに住み着いていましたが、メソポタミアやエジプト文明の時代にはすでに食用のために家禽化(かきんか。人間に飼育されるようになった鳥)されていたことが、古代人が残した楔形文字や象形文字からわかっています。

その後も人間は、ハトの帰巣本能(きそうほんのう)を利用して、伝書鳩として利用するようにもなりました。

ハト Q&A

ハト
ハトの名前の由来

ハトの名前は、飛び立つときのハタハタ(バタバタ)という音のに由来すると考えられています。また、漢字の「鳩」は、<九>と<鳥>からできていますが、この九は鳴き声のクークーからきた、という説もあります。

ハト
ハトはどうしてそこに住んでいるの?

日本でよく見かけるハトは、ドバトとキジバトです。ドバトの先祖であるカワラバトは、飼い鳥として多くの家で飼われていましたが、もともとは三方を囲まれた高い岩場に巣を作っていました。ドバトはカワラバトガ野生化したもので、日本全国に生息し、ビルや橋、ベランダなどの周りを囲まれた、雨のかからない場所に巣をつくります。

キジバトは、日本全国に分布していますが、北海道や本州北部では冬季に少なくなり、北海道では夏鳥とされています。市街地や公園、森林や山地の明るい森林に生息しますが、都市部でも駅舎などの建物に巣を作ることもあります。樹上などに小枝等を組み合わせ、皿状の巣を作りますが、都市部では人工建築物に巣をつくることもあります。

ハト
ハトは何を食べているの?

ハトは鳩は植物の種や、穀類、豆類など、また地面に落ちている菓子やパンくず、石なども食べています。えっ?石を?と思いますよね。実はハトだけでなく多くの鳥は石や砂を食べています。この石や砂は食べ物を消化するために使われているんです。

鳥には「前胃(ぜんい)または腺胃(せんい)」と「砂嚢(さのう)または筋胃(きんい)」とよばれる2つの胃があります。前胃は人間の胃と同じように、酸性の消化液で食べたものを分解します。砂嚢は砂肝(すなぎも)と呼ばれる部分で、ここに飲み込んだ石や砂を入れて、かまずに飲み込んだ食べ物をすりつぶします。鳥の祖先である恐竜も胃に石を持っていたんですよ。

ハト
ハトはヒナをどうやって育てるの?

ハトは通常2つの卵を産み、14日~21日の間卵を温めます。ヒナが孵化(ふか)してから巣立ちするまでの期間は25~40日ほど。普通、鳥類は植物食であっても、ヒナは虫などの動物性たんぱくを与えられて育ちますがますが、ハトのヒナはピジョンミルク(鳩ミルク)と呼ばれる高タンパクなミルクで育てられます。

このビジョンミルクは、オス・メス両方の親鳥の素嚢(ソノウ)と呼ばれる部分で作られます。ビジョンミルクはアスリート用のプロテインに近い成分で栄養満点なので虫を食べなくても大丈夫!孵化して数日間はピジョンミルクだけを与え、次第にひなの成長につれて、柔らかいエサも徐々に混ぜられていくようです。

ハトはどうして首を振って歩くの?

ハトが首を振って歩く理由にはいくつかの説がありますが、主な説は「首を振ってるのではなく首を止めている」というものです。なぜ、首を止める必要があるかというと、目が顔の横についているため、風景が流れて見えるからです。それはちょうど、走っている電車の中から窓を見ているような状態です。

風景が流れてしまうと見にくいので、先に頭を出して、頭の動きを止めながら体を引き寄せるのです。そうすることにより、その瞬間は目の位置が固定されるので、風景が流れないで止まって見える、というわけです。また、他にも「安定して歩行するため」などの諸説があります。

ハト
ハトは英語で2つの名があるけれど違いがあるの?

ハトは英語でdove(ダヴ)とpigeon(ピジョン)という2つの名があります。はっきりとした違いの定義はありませんが、doveは人に飼われている「きれいなハト」、pigeonは、公園や駅にいる「うす汚いハト」というようなイメージがあります。「dove」はまた、平和のシンボルとしての白いハトを意味することもあります。

ハト
白いハトはどうして平和の象徴なの?

ハトが良い知らせを運ぶものとして書かれている書物は古くからあります。旧約聖書「ノアの箱舟」の洪水伝説では、ノアが放ったハトがオリーブの葉をくわえて帰ったことによって、洪水が終わったことを知りました。

また、ギリシャ神話においては女神アプロディーテの愛した鳥、ユダヤ教においては祭儀的に清い鳥とされ、供え物として神に捧げられました。またキリスト教では、白いハトは聖霊を象徴します。

さらに、平和の象徴としてのハトのイメージが世界に広まったのは、ピカソが制作した「第一回平和擁護世界大会」のポスター(オリーブの葉を加え羽を広げて飛んでいるハトの絵)によるもの、とも言われています。

ハト
伝書鳩は、どうして迷わずに遠くから帰ってこられるの?

ハトは、1000~2000km離れていても、自分の巣に帰ることができる能力を持っています。その能力は古くから利用され、新聞やニュース、軍などの機密文書を伝達する伝書鳩として使われてきました。

では、なぜハトは、地図もナビもないのに迷わず自分の巣へ帰ることができるのでしょう。それにはいくつかの説がありますが、最も有力な説は、ハトが地球の磁場を利用して方角を判断する「磁気コンパス説」。しかし、厳密なメカニズムは、いまだ解明されていません。

ハト
ハトはどのくらいの速さで飛べるの?

普通ドバトは時速30キロから50キロほどで飛びますが、速さを競うレース鳩は平均時速71キロ、最高時速157キロもの速さで飛ぶことができます。またレース鳩では1400キロを飛んだハトも!

ハト
ハトのレースってどんなふうにおこなわれるの?

鳩の帰巣本能を利用し、競技化した鳩レースは、毎年多くの競技会が開催されています。競技は100km~1,000kmまで分けられ、鳩の足にタグを付け、決められたポイントから放して、ゴール地点である巣に帰るまでの時間を競います。

ハト
ハトはどんなふうに鳴くの?

ドバトは「クルックー」「ゴロッポゴロッポ」、キジバトは「デッデー ポッポ」と、リズミカルに鳴きます。

ハト
ハトはなぜ嫌われるの?

ハトは繁殖力が旺盛で、生まれて半年ほどで繁殖期に入り、真夏以外はほぼフルシーズン発情するので、年間7~8回も卵を産むことができます。また、ハトはビジョンミルクを出して、餌の少ない季節でもヒナを育てることができるため、一年中の繁殖が可能です。

旺盛な繁殖力を持つハトは、公園や駅、家のベランダや建築物の一部に住み着き、糞害や騒音などを起こすため、害鳥とみなされるようになってきました。

ハト
きれいな色のハトはいる? コアオバト

はい。地球上にはきれいなハトもたくさん生息していますよ。写真でご紹介しますね!

東南アジアからオセアニアのジャングルなどに生息するハトの中には、とても美しいハトがいます。カラフルになった理由は諸説ありますが、ジャングルには餌となる豊富な果実があり、また木の枝や葉に身を隠せるため捕食される危険も少なく、メスに対するアピールに全力を注いだ結果、カラフルな体になった、という説が有力視されています。

<コアオバト(ピンク・ネック・グリーン・ピジョン):アオバト属>東南アジアに広く生息、メスは全体に緑っぽい色。果実を食べる。

ハト
きれいな色のハトはいる? ミノバト

<ミノバト(ニコバーピジョン):>ベンガル湾とマレー諸島の間に生息。虹色に輝く羽をもつ。生物学的に見て絶滅した『ドードー』 に最も近いと言われています。

ハト
きれいな色のハトはいる? オウギバト

<オウギバト(ビクトリアクラウンドピジョン):カンムリバト属>ニューギニアや周辺の小島に生息。絶滅危惧種。ハト類では、最も大きな種類。頭部に扇状の美しい冠羽と、その先端に白い飾り羽を持っています。

※ 改良バト、人間が観賞用に改良したハトで、その華麗なデザインに驚きます。

ハト
きれいな色のハトはいる? フリルバッグピジョン

<フリルバッグピジョン>カワラバトを人為的に交配したショー用の品種。羽毛がカールしている。

ハト
きれいな色のハトはいる? ジャコビンピジョン

<ジャコビンピジョン>首周りに長い羽根を持つショー用のハト。先祖はカワラバト。

ハト
きれいな色のハトはいる? クジャクバト

<クジャクバト>純白のハトで、20〜36枚もの尾羽を持ち、この羽がが扇のように広がる。先祖はカワラバト。

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ハト 種類

カワラバト属 :約40cm

本州中部以南の日本全国に生息。小笠原諸島に生息するアカガシラカラスバトは、天然記念物に指定されています。 種(カラスバト、アカガシラカラスバト、ヨナクニカラスバト、リュウキュウカラスバト、オガサワラカラスバト)

 

キジバト属 :約33cm 日本全国で生息。千葉県北部、茨城県南西部、埼玉県東部で生息するシラコバトは、天然記念物に指定されています。種(キジバト、リュウキュウキジバト、シラコバト ※シラコバトは外来種という説もあり)

アオバト属 :約33cm 本州、四国、九州で生息、北海道では夏になると本州に渡ります 種(アオバト、リュウキュウズアカバト、チュウダイズアカアオバト)

ベニバト属:約23~25cm 冬の渡り鳥として西日本に渡来。中国の中央部から東アジアで繁殖、種(ベニバト)

キンバト属:約25cm 宮古島以南の南西諸島に生息種(リュウキュウキンバト)

カワラバト(ドバト) :約33㎝ 北海道から沖縄まで生息(小笠原諸島は除く)         

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