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クジャク

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クジャク

目にも鮮やかな青色の体、そして目玉模様(めだまもよう)がある立派な羽が特徴の鳥といえば誰でしょうか? 答えは動物園や学校で飼われていることが多いひそかな人気者、「クジャク」です。 しかしよく考えてみるとクジャクを見たことはあっても、その生態や特徴については知らないことも多いのではないでしょうか? クジャクにはどんな特徴や秘密があるのか、この記事で一緒にクジャクの世界をのぞいていきましょう。

クジャク 基本情報

鳥綱キジ目-キジ科-クジャク属

インドクジャク オス 体長230cm(そのうち160cmが飾り羽) 体重4~6kg メス 体長90cm 体重3~4Kg

クジャクの1種であるインドクジャクはパキスタンやインド、スリランカやネパール、バングラデシュなどに生息し、生息地では神聖な鳥として大切に扱われています。やや開けた場所を好む傾向があり、背の低い木が生えた森林や草原、畑などで暮らすことが多いとされています。

インドクジャクは一夫多妻(いっぷたさい)制で、野生ではオスを中心とした小さな群れを作って暮らしています。繁殖期(はんしょくき)は3月~7月で1回に3~8個の卵を産み、卵は28日ほど温めるとふ化します。ヒナのうちは全身が茶色くて地味な色合いですが、成長するにつれてクジャクらしい色になっていきます。

クジャクは雑食性(ざっしょくせい)の鳥で、基本的にどんな物でも食べます。野生では植物やその種子、果実、昆虫や小型のは虫類や両生類を食べているようです。動物園ではニワトリ用のエサを中心に、コマツナやチンゲンサイなどを与えています。

クジャク Q&A

クジャク
クジャクの羽根はどうしてきれいなの?

クジャクのオスは体も羽もとても鮮やかな色をしていますが、特に上尾筒(じょうびとう)と呼ばれる腰から生えている150~200本の羽は扇状(おうぎじょう)に広がること、そして目玉のような美しい模様で飾り付けられていることで有名です。

野生の動物は体や羽の色が派手だと天敵に見つかりやすく、食べられやすくなってしまいます。また大きな飾り羽があると動きがその分鈍くなったり、木の枝などにひっかかったりすることも増えてしまいます。そのため野生動物は派手であるほど、また立派な飾り羽を持っているほど厳しい自然の中で生きていくことが大変になると考えられます。

それでもオスのクジャクがきれいで大きな飾り羽を持っているのは、なんとメスに自分を選んでもらうためだと考えられています。クジャクのオスは羽の目玉模様が多くて鮮やかであるほど、ディスプレー(大きな声で鳴きながら羽を広げたり踊ったりして、メスにアピールする行為)が上手なほどメスにモテるようです。より派手なオスほどメスと交尾する機会が増える、と考えるとなんだか面白いですね。

ちなみにクジャクのメスもきれいな色をしているのですが、残念ながらオスと並ぶととても地味に見えてしまいます。

クジャク
長い羽がないクジャクがいたけど、病気なの?

いいえ、病気ではありません。 オスのクジャクを美しく飾り立てる上尾筒(じょうびとう)は、実は1年中生えている訳ではありません。繁殖期を迎えると生えてきて、繁殖期を終えると抜け落ちてしまうのです。

抜けた羽は消毒した後、アクセサリーなどの装飾品に加工されることもあります。

クジャク
クジャクは意外と凶暴(きょうぼう)って本当?

本当です。 クジャクのオスは繁殖期を迎えると、自分のテリトリーを守るために気性が荒くなります。そして同じオスや自分より体が大きな動物に対して攻撃的になり、すぐにケンカを仕掛けます。力が同じくらいのオス同士が争い始めると、なんと1日以上も戦いが続くことがあるそうです。

ちなみに動物園でも繁殖期のオスは気性が荒くなるそうで、慣れている飼育員さんに対して攻撃を仕掛けることも珍しくないようです。

クジャク
クジャクにはどんな種類があるの?

クジャクには大きく分けて3つの種類があり、日本の動物園で一番よく飼われているのは「インドクジャク」です。 インドクジャク最大の特徴は、首のあたりが鮮やかな青色であることです。おそらくですが“クジャクを想像してください”といわれたら、インドクジャクを想像する人が多いのではないでしょうか。

次に動物園で見られるのは中国やミャンマー、ジャワ島やマレー半島などに生息している「マクジャク」です。 マクジャクの特徴は首のあたりが鮮やかな緑色であること、そしてインドクジャクより大きいことです。マクジャクのオスはキジ目に分類される鳥の中で一番体が大きく、その体長は最大300cmほどです。

最後に紹介するのはアフリカの中央部に生息し、他のクジャクの祖先と考えられている「コンゴクジャク」です。 見た目はインドクジャクやマクジャクと比べると色が暗くて地味ですが、オスは頭に白い冠羽(かんう)が、メスは頭に茶色い冠羽が生えるという特徴があります。世界的に飼育されている数が少なく、日本では神奈川県横浜市にある横浜市繁殖センターでのみ飼育されています。

クジャク
クジャクはペットとして飼えるの?

動物園や観光地などでクジャクを見て、ペットとして飼いたいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。では実際に、クジャクはペットとして飼えるのでしょうか?

クジャクは古くから世界的にペットとしての人気が高かったといわれており、日本でもニワトリやインコと同じようにペットとして飼育できます。3種類いるクジャクのうちインドクジャクとマクジャクについては、牧場などでヒナや卵が販売されています。コンゴクジャクについては絶滅が心配されていることから、入手すること自体が難しいと考えられます。

ただしインドクジャクは外来生物法(がいらいせいぶつほう)という法律に基づき、「緊急対策外来種(きんきゅうたいさくがいらいしゅ)」に分類されています。現在はヒナや卵の売買、飼育をしても問題はありませんが、今後「特定外来生物(とくていがいらいせいぶつ)」に指定されてしまうと、特別な理由がない限り新たにペットとして飼えなくなります。

なおインドクジャクは普通の色の親から生まれても、羽やくちばしを含む全身が真っ白い状態で生まれてくることがあります。これはインドクジャクの白変種(はくへんしゅ)で、別名「シロクジャク」と呼ばれています。

クジャク
日本にも野生のクジャクがいるって本当?

本当です。 本来クジャクはアジアとアフリカにしか生息していません。しかし見た目が美しいことから観光地や学校、個人の家などで飼われることが多く、そして飼われていた個体が何らかの原因で逃げ出して野生化してしまったのです。

特に沖縄県の宮古島(みやこじま)と石垣島(いしがきじま)には野生のクジャクが数千羽生息しているといわれていて、野生のクジャクが農作物やもともと住んでいる動物たちを食べてしまう被害が出ています。被害を少なくしようと毎年クジャクの駆除(くじょ)が行われていますが、なかなか思うような成果が出ていないのが現状のようです。

とはいえこの問題は、クジャクが悪い訳ではありません。クジャクはあくまで人間の都合で海外から日本に連れてこられて逃げ出し、そこで繁殖してしまっただけということを忘れないようにしたいものです。クジャクに限らず他の動物でも同じようなことが起きていることを考えると、動物を飼ったら絶対に逃がさないこと、捨てないことが大切だということがよくわかります。(例:食料用にアメリカから連れてこられたブラックバス、毛皮用に南アメリカから連れてこられたヌートリアなど)

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クジャクのお肉は食べられるの?

意外に思えるかもしれませんが、実はクジャクのお肉は食べられます。

先ほどお話した沖縄県の宮古島では駆除したクジャクを無駄にしないように、クジャク肉の利用方法を研究・開発しています。宮古島の一部レストランや食堂でクジャクのお肉を使用したカレーやそばを提供していて、クジャク肉を目当てにお店を訪れるお客さんもいるそうです。なお沖縄県以外でも、東京都内のジビエ料理を扱うフレンチレストランなどでクジャクのハンバーグやパスタなどが提供されることもあるようです。

ちなみにクジャクはお肉だけでなく、卵も普通に食べられます。クジャクの卵はニワトリの卵よりも一回り大きいくらいのサイズですが、味はニワトリの卵とほぼ変わりません。

クジャク
クジャクはどのくらい生きるの?

クジャクの寿命は20~25年ほどだと考えられています。 意外と成長が遅く、性成熟(せいせいじゅく・子どもを産めるようになること)するまでにオスは3~4年ほど、メスは2年ほどかかります。オスは性成熟を迎える頃になると、立派な上尾筒が生えてきます。

クジャク
クジャクにはどんな敵がいるの?

野生のクジャクの天敵は、ハイイロマングースやジャングルキャット(野生のネコの1種)、ヒョウやベンガルトラなどの肉食動物です。

マクジャクとコンゴクジャクは生息地の開発で数を減らしてしまっていることを考えると、私たち人間も天敵といえるかもしれません。マクジャクは世界中で飼育されていることから絶滅の恐れは少ないものの、コンゴクジャクはこのままではいずれ絶滅してしまうのではないかと心配されています。

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・インドクジャク ・マクジャク ・コンゴクジャク

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