フクロウ

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フクロウは映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場したことから、日本でも人気ぶりに拍車がかかっています。
昔はなかった「フクロウカフェ」がオープンし、触れられる機会も多くなりました。
しかし野生のフクロウは狩りがうまく、大きくてつぶらな瞳やおとなしい様子からは想像できません。
夜の狩人と称されるフクロウの生態や、素朴な疑問を解説します。

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〜基本情報〜

鳥綱フクロウ目フクロウ科フクロウ属

大きさは、種類によって様々です。ここでは最大級、スタンダード、小型に分けて紹介します。

最大級:全長63〜71cm 
翼開長175〜190cm 体重3,400〜4,100g

スタンダード:全長50〜62cm 
翼開長94〜110cm 体重500〜950g

最小級:全長17〜20cm 体重46〜107g

種類がかなり多く、フクロウ種全体でみれば南極を除く世界中で姿を見られます。日本でも野生のフクロウは11種が確認されており、九州北部から北海道まで広い地域に生息しているようです。

森のように木々が生い茂った場所に多く生息していますが、草原や農耕地でもよく見られます。

季節によって場所を変える鳥は渡り鳥と言いますが、フクロウは反対の留鳥(りゅうちょう)。基本的に同じ場所に定住し、住処を変えることはありません。

フクロウの見た目で大きな特徴は、人間と同じバランスの顔立ちです。多くの鳥は目が側面についていますが、フクロウは人間と同じく顔の正面についています。

フクロウは、鳥類において珍しい夜行性です。夜行性の鳥は鳥類全体の数%しかいないとされ、そのほとんどがフクロウの種類と言われています。

ワシやタカと共に猛禽類(もうきんるい)を代表する鳥で、鋭いくちばしと爪を持つ肉食の鳥です。

フクロウの多くはネズミなどの小動物を捕食しますが、鹿を捕食した例もあります。また中には別種のフクロウを捕食するものも。

ペットとして人気急上昇のフクロウ

近年ではフクロウカフェが数多くオープンし、ペットとしての人気も高まっています。

飼うこと自体には特別な資格や許可は必要ありませんが、犬や猫に比べると飼いにくいとされます。どんなペットでも言えることですが、飼う場合は最後まで飼育する覚悟を持ちましょう。

性格は個体によって千差万別。同じ種類でも攻撃的な子もいれば、懐きやすい子もいるようです。

なんとなく選ぶのではなく、事前にしっかりと確認しておくことが重要ですね。

フクロウは肉食なのでエサの準備が大変

フクロウは肉食なので、エサはネズミやヒヨコ、ウズラなどを食べさせます。フクロウを飼ううえで一番大変なのが、エサの管理かもしれません。

血抜きをしては栄養素が不足するので、生肉として与える必要があります。当然、部屋が血なまぐさくなることも。

エサの内臓を処理する必要もあるので、抵抗がある人にフクロウの世話は難しいでしょう。処理済みのエサも販売しているようなので、そちらを利用してもいいかもしれません。

またエサを処理する大変さから、フクロウにあまりエサを与えない飼い主もいるようです。結果、ペットとして飼われているフクロウで多い死因は餓死と言われています。

生半可な覚悟で飼わないように、最後まで愛情を注いであげてくださいね。

飼育環境をしっかり構築してあげよう

フクロウを飼育するとき、ケージを使うか放し飼いにするか選ぶ必要があります。フクロウは縄張り意識があるので、与えられた空間を自分のものだと考えることが多いようです。

放し飼いをするとその部屋ひとつを自分のものだと思うので、ケージがおすすめされています。

ケージはインコや文鳥とは違って、体に対して大きいものを選ばなくてはいけません。

環境が変わることや合わないことは、フクロウにとって最大のストレスです。必ずフクロウに合った環境を用意してあげましょう。

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脱走には最大の注意を払おう

フクロウに限らず鳥類を飼育するときは、脱走に気をつけなくてはいけません。そのために止まり木などと足をロープで固定しましょう。

「かわいそう」と感じる人がいるかもしれませんが、脱走して周辺環境に迷惑をかけると害鳥として処理されてしまうかもしれません。どんなに愛情を注いでいても、好奇心で外に出て帰れなくなることもあります。

愛情があるからこそ、守るべき点は守って周囲に迷惑をかけないようにしてくださいね。

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フクロウのQ&A

フクロウとミミズクの違いは?

多くの場合フクロウとミミズクの違いは、頭部の耳に見える羽角があるかないかで区別されることが多いようです。

羽角がないものをフクロウ、羽角があるものをミミズクと呼びます。

ここまでは知っている人も多いかもしれませんが、意外なことに区別はなかなかいい加減です。

アオバズクは名前が「ズク」で終わっていますが、羽角がないのでフクロウに分類。一方でシマフクロウはフクロウですが、羽角があります。分類学上のはっきりした区別がないため、曖昧なのかもしれませんね。

フクロウの首はどうして後ろまで回るの?

テレビでフクロウが特集されるときによく見かけるのは、首をぐるっと回す行動です。首の可動域は約270度。

左方向を見るために、右回りに首を動かしても見られます。フクロウが首をぐるっと回すシーンを初めて見たときは、なかなか衝撃的でした。

フクロウは人間のように眼球を動かすことができないので、そのままではかなり視野が狭いのです。

それをカバーするために、首が発達しました。首の骨が多かったり血管が太くて血流に影響しなかったりと、複雑な機構を持っています。

フクロウを間近に見ることがあれば、ぜひ首の動きに注目してみましょう。

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出典:https://pixabay.com/videos/id-18244/

猛禽類(もうきんるい)の中でもフクロウだけ愛らしいのはどうして?

猛禽類(もうきんるい)といえばワシやタカも有名です。そもそも猛禽類とは、鋭いくちばしと強力な爪をもつ肉食の鳥。

くちばしと爪という観点ではワシやタカ、フクロウは確かに共通点を同じくします。

フクロウがワシやタカと決定的に違うのは、夜行性であること。

夜の狩りを有利にするため瞳孔が大きく進化し、くりっとした目になりました。

ぺちゃっとした丸い顔も集音性を高めるため、パラボラアンテナのような役割を果たしていると言われています。人間が耳に手を当てるのと同じ原理ですね。

つまりフクロウの特徴的な見た目は、夜の狩りに特化するため進化してきたと言えそうです。

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フクロウは人間を襲うこともあるの?

フクロウは森の忍者と呼ばれるほど、静かな狩りを行います。

猛禽(どうもう)を代表するくちばしや爪の鋭さはもちろん、視覚や聴覚もフクロウの武器です。大きな瞳孔は人間の100倍の感度を持つと言われており、真っ暗な森でも獲物をはっきりと捉えます。

またフクロウの耳は、左右非対称についており、音源の位置を立体的に認識可能です。

もっとも恐ろしいのは、フクロウの翼。フクロウの羽毛は柔らかいうえ、風切り羽周囲の綿毛には高性能な消音機能が備わっています。

凶暴で知られるワシミミズクは、人間を襲ったこともあるようです。襲われた人は「襲われるまで音もせず、まったく気づかなかった」と口にしていました。

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フクロウの種類

世界で268種類が確認されていますが、ここでは日本で飼える種に限定して紹介します。

  • アカスズメフクロウ
  • アナホリフクロウ
  • アフリカオオコノハズク
  • アフリカワシミミズク
  • アメリカワシミミズク
  • インドオオコノハズク(インディアンスコップオウル)
  • インドコキンメフクロウ
  • オオフクロウ
  • オナガフクロウ
  • カラフトフクロウ
  • キンメフクロウ
  • クロオビヒナフクロウ
  • クロワシミミズク(ミルキーワシミミズク)
  • コキンメフクロウ
  • サバクコノハズク
  • シベリアワシミミズク
  • シロフクロウ
  • スピックスコノハズク
  • タテジマフクロウ(ウサギフクロウ)
  • チャコモリフクロウ
  • トラフズク
  • ナンベイヒナフクロウ
  • ニシアメリカオオコノハズク
  • ニセメンフクロウ
  • ニュージーランドアオバズク
  • ハイガオメンフクロウ(ススガオメンフクロウ)
  • ファラオワシミミズク(キタアフリカワシミミズク)
  • フクロウ(ウラルフクロウ)
  • ベンガルワシミミズク
  • マレーウオミミズク
  • メガネフクロウ
  • メンフクロウ
  • モリフクロウ
  • ヨーロッパコノハズク
  • ワシミミズク

参考文献

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/フクロウ
https://ja.wikipedia.org/wiki/フクロウ目
https://ja.wikipedia.org/wiki/猛禽類

くるるの野望
https://kururu-owl.com/kind/
https://kururu-owl.com/neck/

カラパイア
http://karapaia.com/archives/52150351.html

TravelBookライフスタイル
https://www.travelbook.co.jp/topic/15513

pepy
https://pepy.xsrv.jp/921

アイキャッチ画像
https://pixabay.com/images/id-1208035/