オセロット

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あなたはオセロットという、美しい模様の毛皮が特徴のアメリカ大陸に生息するヤマネコを知っていますか?
オセロットはかつて日本の動物園でも飼育されていましたが、残念ながら令和3年地点の日本では実物を見られません。
彼らは人になつきやすくペットとしての人気が高い反面、野生では数を減らしてしまっていて、いずれ絶滅してしまうのではないかと心配されています。
この記事でオセロットにはどんな特徴や秘密があるのか、一緒にのぞいていきましょう!

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~基本情報~

哺乳綱食肉目-ネコ科-オセロット属

体長55~100cm 体重11.3~15.8kg

オセロットは野生のネコ科動物の1種です。体はイエネコ(ペットのネコのこと)の2倍ほどの大きさで色は灰色~黄褐色、全身にだ円形の黒い斑点としま模様があり、しっぽにはトラのような輪状のしま模様が入るのが特徴です。

オセロットは基本的に単独(1頭)で暮らし、繁殖期だけオスとメスが一緒に行動します。オセロットの繁殖期(はんしょくき)は地域によって異なり、北アメリカでは秋頃に繁殖期を迎えますが、熱帯では決まった繁殖期がありません。妊娠期間(にんしんきかん)は70日ほどで1回の出産で1~4頭の子どもを産み、メスだけが子育てを行います。母親は深い茂みの中などの安全な場所にいくつか巣を作って子どもを産み、2~3週間ごとに巣を移動して子どもを天敵やダニ、ノミから守ります。


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オセロットのQ&A

オセロットの名前の由来は何?

オセロットの名前の由来は“野生のトラ”という意味があるメキシコ語、「Tlalocelotl(トラロセロトル)」だといわれています。

なぜオセロットが野生のトラと呼ばれたのかはっきりとわかっていませんが、オセロットとトラにはいくつかの共通点があります。1つ目の共通点としては、どちらも耳の後ろに「虎耳状斑(こじじょうはん)」と呼ばれる白い模様があることです。虎耳状斑は多くの野生ネコ科動物にあることが知られていて、イエネコと野生のネコを見分ける指標となっています。2つ目の共通点としては、どちらもネコの仲間ですが水が好きで泳ぎが得意ということです。オセロットは川を泳いで移動したり、川の中に入って魚や甲殻類を捕まえたりします。

なおオセロットは英語でも「Ocelot(オセロット)」と表現され、別名や漢字の名前などは特に見当たりませんでした。


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オセロットはどうしてそこに住んでいるの?

オセロットは北アメリカの南部からアルゼンチン北部にかけての熱帯雨林やサバンナ、沼地などあらゆる環境に生息しています。多くのオセロットは熱帯雨林に生息していますが、これは植物や水がたっぷりある熱帯雨林には獲物となる動物がたくさん生息しているから、そして休憩場所になる木がたくさんあるからだと考えられます。

なおオセロットは環境への適応力が高く、民家や集落の近くで姿を見かけることもあります。


オセロットは何を食べているの?

野生のオセロットはウサギ、オポッサム、ネズミなどの小動物をメインに、時にシカやペッカリーの子どもなども捕まえて食べています。それ以外にもヘビやイグアナなどのは虫類や魚類、甲殻類なども食べます。

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オセロットのような肉食動物は獲物を捕まえる時に使う鋭い犬歯と肉を切り裂くためのとがった奥歯を持っていますが、食べ物をかみ砕くために適した形の歯を持っていません。そのため食事の時は鋭い歯で獲物の肉を食いちぎり、ほぼかまずに丸飲みします。

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オセロットの狩りは主に待ち伏せ型(まちぶせがた)で獲物を見つけると静かに近づき、襲いかかれるチャンスをじっと待ちます。そしてチャンスが来ると、一気に飛びかかって獲物を捕まえます。オセロットは時に1匹の獲物を捕まえるためだけに、1時間以上同じ場所でじっと待ち続けることもあります。


オセロットは木登りが得意って本当?

本当です。
多くのネコ科動物と同じように、オセロットも木登りが得意です。オセロットは夜行性の動物なので、昼間は木の上で休んでいることが多いといわれています。

とはいえオセロットは常に木の上で休んでいる訳ではなく、日陰があれば木の洞や深い茂みなどでも休みます。かつては狩りも木の上で行うのではないかと考えられていましたが、現在では主に地上で狩りをしていることが明らかになっています。

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オセロットは人になつきやすいって本当?

オセロットはとても人になれやすく、小さなうちから飼うとペットのネコのように人になつきます。
よこはま動物園ズーラシアで飼育されていた「メロディ」という個体も人によくなれていて、構ってほしい時や体がかゆい時は甘えた声を出して飼育員さんを呼ぶことがあったそうです。

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オセロットは意外と鳴き声が怖いって本当?

本当です。
オセロットは見た目がかわいらしく、なつきやすいことから最もペットとしての人気が高いヤマネコです。しかし鳴き声はペットのネコのように高い声ではなく、とても低い声で「ニャオー」と鳴いたり、ライオンやトラのような声で「ガオー」とうなったりします。

実際にオセロットが鳴いているところを見ると、見た目と声のギャップでびっくりしてしまうかもしれません。

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オセロットはペットとして飼えるの?

オセロットは美しくかわいらしい動物ですが、ペットとして飼うことはできるのでしょうか?
実はオセロットは日本の法律で人の命や財産に危険を及ぼす可能性がある、「特定動物(とくていどうぶつ)」に指定されています。現在新たに特定動物を愛玩目的(あいがんもくてき・ペットとして飼うこと)で飼うことは全面的に禁止されているため、日本国内においてオセロットをペットとして飼うことはできません。

またオセロットは美しい毛皮を取るため、ペットとして飼うために捕まえられてどんどん数を減らしていて、絶滅してしまうのではないかと心配されています。そのため現在オセロットは「ワシントン条約」(※)という条約の附属書(ふぞくしょ)Iに分類されていて、商業目的(しょうぎょうもくてき)での輸入や輸出が禁止されています。

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実は令和2年によこはま動物園ズーラシアで飼育されていた国内最後のオセロットが死亡してしまい、令和3年地点で国内の動物園には1頭もオセロットがいません。動物の展示や教育を目的とする動物園でもオセロットが入手できないことを考えると、一般の人がペットとして飼うためにオセロットを入手するのはほぼ不可能だと考えられます。

(※)ワシントン条約
正式な名前は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」で、絶滅が心配されている動物そのもの、動物の体の一部もしくは全部を使った製品を輸出・輸入する時の国同士の取り決めのことを指します。付属書Ⅰに掲載されている動物は動物そのものも体の一部も、お金を稼ぐために輸入・輸出をしてはいけないと決められています。


オセロットはどのくらい生きるの?

オセロットの寿命は飼育下(しいくか)で15~20年ほどだといわれています。
令和2年までよこはま動物園ズーラシアで飼育されていた国内最後のオセロット「メロディ」はとても長生きで、なんと24歳まで生きたそうです。

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オセロットにはどんな敵がいるの?

オセロットの天敵は同じネコ科動物であるジャガーで、時にオセロットはジャガーに食べられてしまうことがあります。

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しかしオセロットにとって最大の敵は私たち人間です。何度か説明している通り私たちは美しい毛皮を取るため、ペットとして飼うためにたくさんのオセロットを捕まえてきました。オセロットのコートを1着作るためには最低12頭分の毛皮が必要だったそうで、1969年にはなんと13万枚をこえるオセロットの毛皮がアメリカに輸入されたという記録があります。

現在オセロットは絶滅危惧種に指定され、多くの国で保護されています。しかし残念ながら今も密猟が絶えず、また生息地の開発が進んでオセロットが住める場所や獲物となる動物もどんどん減ってしまっています。

時にはオセロットのようなかわいらしい、美しい野生動物を見ると「飼いたい」という気持ちを持つこともあるでしょう。しかし個人が野生動物を飼うと多くの場合その個体は子どもを残せないため、間接的にその動物の将来を奪ってしまうということを覚えておいてください。

イエネコは長い歴史をかけて家畜化された、人と生活するために進化してきた動物です。現在は「ベンガル」のように野生のヤマネコの血を引く品種もいるので、ヤマネコを飼いたいと思ったらそういった品種を飼ってみると良いでしょう。飼いやすさやなれやすさなどあらゆる面から考えて、野生動物ではなくペットとしての歴史が長い動物を飼った方が人間も動物も幸せになれるのではないでしょうか。


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参考文献

今泉 忠明(2004年)『野生ネコの百科』データハウス

東京ズーネット「どうぶつ図鑑 オセロット」
https://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?species_code=24

ナショナルジオグラフィック「動物大図鑑 オセロット」
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/428814/

(公財)横浜市緑の協会 よこはま動物園「オセロットの「メロディ」が死亡しました」
http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/authorba23b/15f8efda28fda4d9b09b3760f02bd829174de99e.pdf

ナショナルジオグラフィック「「幻のヤマネコ」オセロットの巣と赤ちゃんを発見」
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/010600003/

環境省「特定外来生物・特定(危険)動物へのマイクロチップ埋込み技術マニュアル 8中型ネコ類〈ネコ科〉」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h1804/10.pdf

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