イモリ
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イモリとヤモリ。よく間違えるし、どっちがどっちかわからない!と言う人も多いのではないでしょうか? 名前は似てるけど、イモリとヤモリは全くの別物なんです! そんなイモリの生態や特徴について詳しく探っていきましょう!
イモリ 基本情報
両生綱(りょうせいこう)有尾目(ゆうびもく)イモリ亜目イモリ科
体長8〜13cm 体重3〜12g
イモリは日本固有種で、イモリといえばアカハライモリのことを指します。
本州や四国、九州、そのほか隣接する島々に生息していて、北海道や沖縄にはいません。
溝や水田、沼などや、流れの緩やかな河川にいることが多いです。
アカハライモリの産卵期は春〜初夏で、卵は水草の中に包むようにして1個ずつ産みつけられ、孵化するとまずは水中で過ごしますが、変態するうちに陸地で過ごすようになり、また成熟すると水中に戻っていくと言う特徴があります。
イモリ Q&A
イモリの名前の由来は?
イモリは、漢字で書くと「井守」です。
「井」を「守る」と書きますが、昔は田んぼは「井」と呼ばれていて、田んぼに多く生息しながら人間にとって好ましくない昆虫などを食べて田んぼを守ってくれる存在であることから「井守」→「イモリ」と呼ばれるようになったと言われています。
アカハライモリは、見た目の通りお腹の部分が赤いことから赤い腹の井守という意味でそのように呼ばれるようになりました。
イモリはどうしてそこに住んでいるの?
イモリは、本州、四国、九州に分布し、他にも佐渡島(さどがしま)や隠岐(おき)、五島列島でも生息が確認されています。
沖縄や北海道には生息しておらず、その理由としては寒すぎたり暑すぎたりするからイモリが生息するには厳しい環境だと言えるからです。
イモリは、低地から産地の田んぼや湿地、河川の流れが緩やかな場所で生息しています。
夜行性(やこうせい)で、日中はじっとしていて動かないので見つけにくいですが捕まえるのは簡単です。
イモリは何を食べているの?
イモリは、幼生の時には水の中の貝やエビ、カニ、水生昆虫などを食べています。
また、大きくなるとミミズや昆虫、カエルの赤ちゃんや卵を食べて生きています。
成体になると小型生物を捕食して食べるので大喰らいなのかと思われますが、1週間ぐらい何も食べなくても生きていくことができます。
イモリとヤモリの違いは?
イモリと聞くとヤモリと間違えてしまう人が多いぐらい名前がそっくりですが、実はイモリとヤモリは全く違う生態です。
まず、イモリは両生類ですが、ヤモリは爬虫類(はちゅうるい)です。
両生類は皮膚呼吸をし、爬虫類(はちゅうるい)は肺呼吸をします。
イモリは皮膚呼吸をすることから、皮膚が湿った状態でなければいけないので、水の中に棲んでいます。
ヤモリは肺呼吸なので、水の中ではなく家の周りなどでよく見かけますよね。
それだけでなく、見た目の大きな特徴としてはイモリはお腹がとても赤いという点です。
また、イモリには爪がないのにヤモリには爪があったり、ヤモリは壁などの垂直なところにもくっつくことができるなどの特徴の違いがあります。
イモリには毒がある?
実は、イモリは毒を持っています。
イモリの毒は、「テトロドトキシン」という毒で、これはフグなどが持っている毒と同じです。
この毒を食べてしまうことによってしびれや言語障害、麻痺などの症状を引き起こす可能性があります。
フグは、生物濃縮によってこの毒が体内に蓄積されていくので食べると中毒をおこしてしまいますが、イモリは触っただけでは中毒などは起こりません。
しかしこの毒はかなり強烈な毒で、300度の熱で熱しても死滅しません。
触る分には大丈夫ですが、体内に入るととても危険なので、目や口、傷口などから毒が入らないように気を付けましょう。
イモリは薬だった?
「イモリの丸焼き」などという言葉を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
毒のあるイモリですが、昔はイモリの丸焼きは惚れ薬として販売されていました。
仕切りのある筒の両側にオスとメスを入れて焼くという方法で作られ、しきりの向こうに相手がいるのに会えず、恋焦がれて心臓まで真っ黒に焼けるということから惚れ薬として使われていたと言われています。
イモリは求愛行動が激しく、よく交尾をするという生態から惚れ薬の効果があるとも言われているようです。
しかし、実際には厳密に決まった製法で作られたもののみが惚れ薬としての効果を持っているので、本物ではないものには効果はないとも言われていました。
古くから中国ではヤモリの黒焼きというものはありましたが、イモリではなかったようです。
イモリというのは日本独自のもののようです。
イモリには毒がありますが、イモリの丸焼きを食べて死んでしまったという例は報告されていないようです。
何か特別な製法があるのかもしれません。
イモリのお腹が赤いのはどうして?
日本に生息するイモリはアカハライモリですが、これは名前の通りお腹が真っ赤です。
この赤色は、毒を持っているので危険だよということを周りに訴える警戒色だと言われています。
イモリは骨まで再生する?
トカゲが身を守るために尻尾を切って、自己再生するというのは有名ですよね。
イモリも、敵などに足などを食いちぎられても自分で再生する力を持っています。
しかも、イモリのすごいところは骨まで再生するというところです。
トカゲは尻尾を再生することは出来ても、骨まで再生することはできません。
失った部位を骨まで再生できるというのはイモリだけなんだとか。
イモリのおもしろい繁殖行動とは?
イモリは、繁殖行動も不思議な動きをすることでよく知られています。
春先の暖かくなってきた頃になると、繁殖期になり、オスの尾の色は紫色の婚姻色(こんいんしょく)に変わります。
そうなると、オスはメスの前に回り込んで、尻尾を小刻みに踊るように揺らすという求愛行動をとるようになります。
そして、オスはソデフリンというフェロモンを分泌し、それを受け入れたメスはオスの後ろについて周り、オスが精子の袋を落とすとメスがそれを体内に取り込んで受精します。
その後、メスは水草に卵を産みつけます。
この求愛行動は地域によって異なると言われていて、違う地域のイモリ同士だと受精が成功しない可能性もあるようです。
オスの求愛行動や精子の袋を落とすなど、繁殖行動がとても特徴的でおもしろいです。
イモリは嫌われ者?
イモリはとても貪食(どんしょく)な生き物です。
動物質のものならなんでも食べてしまい、繁殖期になると特に雑食性が著しくなります。
モリアオガエルが産卵する池などにいるイモリはオタマジャクシをどんどん食べてしまうので、嫌われ者扱いもされているようです。
イモリは絶滅危惧種?
イモリは、2006年にレッドリストで準絶滅危惧種(じゅんぜつめつきぐしゅ)に指定されています。
準絶滅危惧種というのは、現時点では絶滅の危険性は低いけれど、生息条件の変化次第では絶滅の危険度が高くなる可能性があるということです。
イモリの平均寿命は約20年ととても長いので絶滅してしまわないように保護活動などが行われるといいですね。
イモリを飼うのは簡単?
田んぼや池などでイモリを見つけて捕まえてきて飼おうと思っている人も多いはずです。
イモリは、比較的温度変化にも強くエサを頻繁にあげなくても生きていくことができます。
また、エアーなども不要なので、飼育はとても簡単で、ペットを飼うのが初めてという人でもお世話が簡単なので飼いやすいです。
ただし、少量ですが毒を持っているので素手で触ったあとは徹底して手を洗いましょう。
また、逃げ出したイモリなどを猫や犬などのペットが食べてしまうと危険なので気を付けましょう。
それに気を付ければ、ペットとしては比較的簡単に飼えるのではないでしょうか。
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イモリ 参考文献
- ・決定版 日本の両生爬虫類2002年9月20日初版第1版
- ・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アカハライモリ
- ・pepy https://er-animal.jp/pepy/69102#outline_1
- ・イモリちゃんねる https://cynops-pyrrhogaster.com/cynops-pyrrhogaster/poison/#アカハライモリに毒はあるの?
- ・ホンシェルジュ https://honcierge.jp/articles/shelf_story/6527
- ・自然のチカラ~昆虫や野生動物、植物の不思議 https://animalbattles.wealthyblogs.com/?p=13403
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