マーモット
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マーモット
二本足で立つかわいい姿が魅力のマーモット。スイスなどアルプス地方では、マーモット人形がお土産に並ぶほど人気です。しかしマーモットは可愛い姿から想像できないような、すごい叫び声をあげることもあるんです。 マーモットの魅力や驚くような生態は、他にもいっぱい!マーモットのこと調べに行きましょう。
マーモット 基本情報
二本足で立つかわいい姿が魅力のマーモット。スイスなどアルプス地方では、マーモットのぬいぐるみなどがお土産に並ぶほど人気です。しかしマーモットは可愛い姿から想像できないような、すごい叫び声をあげることもあるんです。
マーモットの魅力や驚くような生態は、他にもいっぱい!マーモットのこと調べに行きましょう。
分類
齧歯目(げっしもく)、リス科 、 アラゲジリス (Xerinae)亜科、 Marmotini族、 マーモット属(Marmota)
体長
体長は小さな種で約30cm~、最大種で~75cmほど。尾は10 ~25cm、体重は約2~7.5㎏。
最小の種は明確になっていませんが、最大の種は オリンピックマーモット(ペトロマルモタ亜属)。
マーモットの特徴
マーモット属は、短い尾をもった大形のジリス(地上生リス)で、ずんぐりと丸みを帯び、大きな切歯を備えています。木にはほとんど登らず、普通、山地や草原の地面の中にトンネルを掘って、巣を作り生息しています。マーモットは、穴を掘るのに適した、短く強い前足と曲がった大きな鉤爪を持っているので、じょうずに穴を掘ることができるんですよ。
マーモットは、4月中旬~9月下旬までは活発に動き回りますが、10月初旬から4月中旬までは冬眠します。冬眠の時期が近づくと、マーモットは体に栄養をためこむため、大量に食べて脂肪を体に蓄えます。この時期のマーモットは、体に脂肪が大量につき、体重が大幅に増えます。
冬眠から覚めるとマーモットたちの恋の季節。4~5月に交尾をし、雌は2~5匹の赤ちゃんを産みます。
妊娠期間は、約30~32日。マーモットの子どもは、約6週間ほどで巣穴からしばしば外に出るようになり、2年で大人になり性的にも成熟します。
マーモットが住んでいる場所
マーモットは種類によって生息地が違いますが、その多くはユーラシア大陸の山岳地帯や高地に広く生息しています。シベリアマーモットは中国からモンゴルなどにかけて、アルプスマーモットはヨーロッパの高山地帯に生息しています。スイスやオーストリア、南ドイツなどの観光地では、マーモットのぬいぐるみなどのお土産もたくさん並び、観光客の人気者となっています。
アメリカやカナダなどの北米大陸には、ウッドチャック(別名 グラウンドホック)という種類のマーモットが、平原や、森林に入る手前などに生息しています。
マーモット Q&A
マーモットの名前の由来は?
marmot の語源は、フランス語の marmotte ~ スイス南東部で使われているロマンシュ語の murmont 、さらにその語源となるラテン語の murem montis (「山のネズミ」を意味するmus montisの対格)に由来するといわれています。
また、他に、マーモットは、フランス語の「ぶつぶつ言う、もぐもぐ言う」の意味の動詞 marmotter からの派生した名前、という説もあります。
マーモットが住んでいる巣穴ってどうなっているの?
マーモットにはいろいろな種類がいますが、ここではヨーロッパのアルプスに生息するマーモットの巣穴についてご紹介しましょう。マーモットは長く丈夫な鉤爪を上手に使ってトンネルを掘り、敵から隠れる巣穴や、住居(寝室)となる部屋、冬眠する部屋などのある巣穴を作ります。マーモットの巣穴・トンネルの行き止まり部分にはトイレもあるんですよ。巣穴にトイレがあるなんて驚きですよね。
巣穴は完成すると、一家族で使います。ファミリーが次の世代に移っても、その巣穴が使われることもあります。中には数世代使われているうちに、世代のたびに拡張され、徐々に大きく複雑な巣穴になっていくこともあります。
二本足で立つマーモットの写真を見たのだけど何をしているの?
スイスなどアルプスをハイキングしていると、2本足で立つマーモットの姿を見かけることがあります。その愛らしい姿は旅行者にも大人気ですが、実はこの時マーモットは、一生懸命見張りをしているのです。見張りのマーモットは捕食者(自分たちを食べる動物)や、その他の危険を察知すると、大きなホイッスルのような警戒音(叫び声)を出して仲間に知らせます。
驚くことには、警戒音にもいくつかの意味があり、長い警戒音はワシなど空からの危険か迫ってるという知らせ、短い警戒音はキツネなどの陸からの危険が迫っているという知らせなのだそうです。コロニーのマーモットはその音を聞くと、敵に注意を払いながら避難所に使われる巣穴へと、走って逃げ込みます。
マーモットって何を食べているの?
マーモットは、主に草を食べますが、果実、コケ、木の根、花、木の葉や昆虫を食べることもあります。食べる時は前足の両手でつかんで食べ、その可愛らしい姿には思わず微笑んでしまいます。
マーモットの食事時間は、主に朝と午後遅い時間。熱にうまく適応できないので気温の高い日には食べられないこともあります。夏が終わりに近づくと、長い冬眠期間を生き抜くことができるように、食べ物をたくさん食べて、体に脂肪の層を蓄えます。冬眠間近には体重がおよそ2倍にも増えるんですよ。
マーモットの仲間たちは、遊んだりしたり喧嘩したりする?
マーモットはとても社会的の高い動物で、ホイッスルのような声で危険を仲間に知らせたり、仲間とじゃれあって遊んだりします。日本の後ろ足で立って互いに押し合う遊びの喧嘩(プレイファイティング)をすることも。
マーモットはどこで冬眠するの?
マーモットは、巣の中ので冬眠します。夏の終わりごろになると、マーモットたちは冬眠用の寝床の準備に取りかかります。寝床を作るために乾いた草や古い茎などを巣穴に集めます。冬眠に入るときは、巣穴の出入り口に、土と自分の糞を混ぜたもので封をしまう。
冬眠中は体を寄せ合い、うずくまって、冬眠を開始します。冬眠中、マーモットは消化器系を縮小させて代謝機能を調節します。アルプスマーモットでは、心拍数を毎分5拍、呼吸を1分につき1-3回まで下げることもでき、そのおかげで、体に蓄えた脂肪をゆっくり消費することができます。体温は、ほとんど周囲の気温と同じくらいにまで下げますが、気温が0a℃に近くなると心拍数と呼吸数が増加します。
冬眠は、それぞれの種類により6か月~9か月ほどの冬眠を行い、春になり気温が上がると、目覚めて活動を始めます。しかし中には、冬眠中に体の脂肪の層が尽きてしまい餓死してしまうマーモットもいます。
マーモットの子育ては?どのくらいで大人になるの?
マーモットは妊娠すると、寝床の材料となる草などを巣穴に運んで出産の準備をします。妊娠期間は33-34日間。一度の出産で1~7匹の赤ちゃんを産みます。生後数日たつと毛が生えてきます。赤ちゃんは母乳で育ちますが、生後40日以上たつと離乳します。
離乳期の間、マーモットのママは子どもたちを巣穴に残し、食物を探しに出かけます。離乳期が終わると、子どもたちも巣穴から出てきて自分で食べ物を探すようになります。子どもたちの体毛は、夏の終わりまでに大人と同じ色になり、2年後には大人と同じ大きさに成長する。
マーモットの寿命はどのくらい?
マーモットの種類によってばらつきがあり、野生で2年~10数年、動物園など飼育下では15-18年も生きるマーモットもいます。
モルモットとマーモットって名前が似てるけれど同じ仲間?
いいえ、マーモットは齧歯目リス科、モルモットは齧歯目テンジクネズミ科の動物です。実は「モルモット」という名前は、オランダから日本に持ち込まれたときに間違って伝えられ、それがそのまま名前になってしまっています。
「モルモット」は、本来、オランダでは「cania」と呼ばれている動物ですが、日本に「モルモット」を持ち込んだ商人が、勘違いをして「マーモット(marmot)」という名前の動物だと紹介してしまったのです。このmarmotが訛って「モルモット」と呼ばれるようになったと考えられています。
マーモットはペットにできる?
マーモットを珍しい動物として売っている業者もいますが、マーモットは家庭で飼育するペットには向きません。
なぜなら、マーモットは野生の動物で、高い山や、広い草原にコロニーをつくって生息する動物だからです。
また、日本の暑い気候にも適しません。広い高地や草原に穴を掘ることもできない環境では、どんなにかわいがっても、マーモットがペットとして生きていくことは、マーモットにとって幸せなことではないでしょう。マーモットが家族と巣穴を掘りながら生息できる生息環境に近い場所や、動物園などを除き、マーモットを飼うことはおすすめできません。
マーモットは食用肉で利用されることもあるって本当?
はい、マーモット類は古くから生息する地域で食用肉として利用されてきました。スイスではマーモットは狩猟の対象動物となっており、毎年9月、10月の狩猟シーズンに、猟師たちがマーモットの個体管理のため、数千匹を捕獲し、一部のレストランではマーモットの肉を使った料理を出しています。
ツェルマット村などでは最近、マーモットの増えすぎが問題になっており、マーモットが人里に下りてきて、農地に巣穴を掘ったりと、様々な被害が出ているため、個体管理が必要となっているのです。スイスにとってマーモットは観光客の人気者でもありますが、時に害獣ともなり、その対応に苦慮しているそうです。
また、マーモットを含むネズミ目は、ペストなどの感染症の媒介者となることもあり、2020年にはマーモットを食べたモンゴルの少年が腺ペストにかかり死亡しました。そのような観点からの注意も必要でしょう。
マーモットにはどこへ行けば会える?
残念ながら、日本には野生のマーモットは生息していません。
しかし、マーモットに会える動物園がありますよ!
日本でマーモットに会える動物園は
「伊豆シャボテン動物公園(https://izushaboten.com/bloganimal/7094)」。
ボバクマーモットの「コロンビア」「モンベル」「パタゴニア」という名前の3匹が展示されています。
野生のマーモットを見たいときにはスイスが一番良いでしょう。ツェルマットなどでのハイキングでも見かけますが、マーモットを近くで見たいときには、ヴァリス地方のサース・フェーからレングフルー展望台に上る途中の「シュピールボーデン」にいくと、人間になれたマーモットがたくさんいます。シュピールボーデンのレストランにはマーモットのえさも売っているので、マーモットに餌をあげることもできますよ。
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マーモット 種類
マーモット亜属
【ユーラシア大陸に住むマーモット】
☆ユーラシア大陸の山岳地帯や高原に住むマーモット
・ズグロマーモット(ブラックキャップマーモット)
シベリア東部。ロシア・バルグジン自然保護区、海抜近くから標高2,000 mまでの北極圏のツンドラや高山に生息。
・シベリアマーモット
中国、シベリア、モンゴルのアルタイ山脈に生息。
・グレーマーモット
シベリアなどに生息。
・ヒマラヤマーモット
ヒマラヤ山脈に生息。
・オナガマーモット(ロングテールマーモット)
中央アジア・パミール高原の標高3,200m~5,000mほどの、草原や岩のある場所に生息。
・メンツビアマーモット (ティエンシャンマーモット)
中央アジア、天山山脈などに生息。
・アルプスマーモット
ヨーロッパアルプス、ピレネー山脈、アペニン山脈北部、カルパティア山脈、タトラ山脈などに生息。
☆ユーラシア大陸の森林や草原に住むマーモット
・フォレストステップマーモット
ロシア南部の森林や草原に生息
・ボバクマーモット(別名ステップマーモット、タルバガン)
東ヨーロッパと中央アジアの草原に生息
【アメリカ大陸に住むマーモット】
☆アメリカ大陸の山地に生息するマーモット
・アラスカマーモット
ブルックス山脈、アラスカに生息
☆アメリカ大陸の平野に生息するマーモット
・ウッドチャック(別名 グラウンドホック)
カナダおよびアメリカ北東部および中央部、北はアラスカから南東はジョージア州までの平野や森林地帯の端に生息。
ペトロマルモタ亜属
・シラガマーモット
アラスカとカナダ北西部の主に標高2,500メートルの山岳地帯に生息
・オリンピックマーモット
アメリカワシントン州のオリンピック半島に生息。高い山脈によって孤立した半島のためこの地域のみに生息。
・バンクーバーマーモット
カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるバンクーバー島だけに生息。絶滅危惧種に指定されている。
・キバラマーモット
ロッキー山脈とシエラネバダ山脈を含むアメリカ西部、カナダ南西部の草原や産地に生息。
絶滅したマーモット
・マーモットロブスタ(中国)
・マーモットアリゾナエ(アメリカ・アリゾナ州)
・マーモットマイナー(アメリカ・ネバダ州)
・マーモットベタス(アメリカ・ネブラスカ州)
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