オシドリ
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オシドリはその生態から日本では仲の良い夫婦のことを「おしどり夫婦」と呼ばれるほど特徴的な求愛行動をすることで有名です。 今回はオシドリの生息地や特徴などの生態を始め、オシドリの様々な魅力についてご紹介していきます。
オシドリ 基本情報
鳥綱(ちょうこう)カモ目‐カモ科‐オシドリ属 体長約41~48cm 翼開長約68~74cm 体重0.5~0.6kg くちばしの先端は白くなっており、オスとメスでくちばしの色や体毛色が異なります。 繫殖は卵生であり、卵の大きさは長径5.3cm、短径3.7cmと手のひらサイズです。
オシドリ Q&A
オシドリの名前の由来は?
オシドリの名前の由来は仲睦まじい姿でオスとメスが互いに愛し合うため、ヲシ(愛)という意味でオシドリと名付けられました。 英語では「Mandarin duck」と呼ばれており、意味は「マンダリン色のカモ」という意味です。 学名は「Aix galericulata」と呼ばれています。「Aix」はラテン語で水という意味で、「galericulata」は小さな帽子をかぶったという意味です。
オシドリはどうしてそこに住んでいるの?
オシドリの生息分布はロシア南東部、日本、中国、朝鮮半島などの東アジアです。 日本では、北海道や本州中部から北の地域で繁殖し、冬になると本州南部へ南下して越冬します。 生息地は渓流や湖沼、上高地周辺の水辺で主に生息しています。水辺の木陰を好む習性があり、影のない開けた水面にはあまり行きたがりません。木の枝で過ごすこともあります。
オシドリは何を食べているの?
オシドリは植物食傾向が強い雑食性であり、果実や種子、水生植物、昆虫、陸に住んでいる貝類などを餌として食べます。陸上にいても水面にいても採食を行います。 野生のオシドリに餌をやる場合はドングリやくず米、古米、古豆などを与えると喜びます。
オシドリはオスとメスで見た目が違う?
オシドリはオスとメスでくちばしの色や体色が異なります。 オスのくちばしは赤色です。繁殖期のオスは冠羽と頬から頸部にかけての羽毛が伸び、頸部側面には左右二本ずつの白い筋模様が入ります。顔の羽衣は淡い黄色や白色で、胸のあたりの羽衣は紫色をしています。お腹の羽衣と尾羽基部の下の部分を覆う羽毛は白色です。 メスのくちばしは灰黒色です。繁殖期を終えたオスやメスは全身の羽衣の色は灰褐色をしており、眼の周りから後頭部にかけて白い筋模様が入ります。
オシドリは木の上で卵を産んで育てる?
オシドリは出産の際は地表から10m以上の高さがある大木の樹洞に巣を作って、巣の中で9〜12個程度の卵を産みます。オスは抱卵せずにメスのみが抱卵します。抱卵期間は約28〜1か月前後です。 木の上で生まれたヒナがどうやって地表までたどり着くかは長年の疑問とされていましたが、のちにヒナが巣から自分で地表に飛び降りていく姿が目撃されたことが判明しました。 卵から羽化したヒナは40〜45日前後で飛べるようになり、一番寒い時期には数十羽から数百羽の群れを形成することもあります。
オシドリのオスは夏になると地味な姿になる?
オシドリのオスは求愛時期になると、メスの気を引くために派手でカラフルな姿に変わりますが、求愛時期・繁殖時期を終えたオスは非常に地味な姿になります。 その見た目はメスと同様の姿をしており、見かけからオスメスの判断がつかないほど似た姿に変わります。 夏にオスメスの区別をつける方法はくちばしの色で見分けられます。夏のオスは一年を通してピンク色をしているため、くちばしの色を見ればオスメスの判断が付きます。
オシドリのオスは一途ではない?
日本では仲睦まじい夫婦の姿をおしどり夫婦と呼びますが、その語源はオシドリが由来となっています。 しかし、実際のオシドリのオスは一匹のメスと生涯を過ごすのではなく、繁殖のたびにメスの相手を変えて繁殖します。 子育ての際もメスのみで行い、オスは繁殖を終えると地味な姿に戻るため、実際のオシドリは繁殖のたびにパートナーを変え、子育てにも参加しない習性です。 繁殖のたびにパートナーを変える理由はオシドリは天敵が多く、出来るだけ長く生き延びるために関係性を長期にわたって続けられないためと言われています。
どうしてオシドリはおしどり夫婦の由来となったの?
実際のオシドリの習性はおしどり夫婦の姿とは全く異なるものでしたが、どうしておしどり夫婦の由来となったのか気になりますよね。 おしどり夫婦の由来は中国の故事である「鴛鴦(えんおう)の契り」と言われています。 この故事は中国の王が家来の美しい妻を奪い取ったことが原因で、その家来は自殺してしまいました。奪い取られた家来の妻も夫と同じ墓に入りたいと遺言を残して自殺してしまいました。しかし、性格の悪い王はわざと同じ墓に入れずに別々の墓を作って隣同士にさせました。そうしている内に不思議なことにそれぞれの墓から枝や根が生え始め、オシドリのつがいが巣を作って、寄り添い二人の死を悼むかのように鳴き続けたそうです。 そのエピソードからオシドリは実際の習性とは異なりますが、おしどり夫婦の由来となったのです。
オシドリはカモの仲間だけど渡り鳥ではない?
カモの仲間の多くは「渡り鳥」であり、冬は越冬するために寒い北国から暖かい日本へと飛来します。 しかし、カモの仲間であるにもかかわらずオシドリは渡り鳥ではありません。 1年を通して日本で見られる希少なカモであり、夏は山の渓流や湖に生息し、冬は公園の池などの低地で過ごします。 しかし、1年を通して日本にとどまる留鳥であるオシドリですが、繁殖は夏場が比較的涼しい東日本で行い、越冬は冬場の気温が高い西日本で過ごします。
オシドリの天敵はどんな動物なの?寿命はどれくらい?
オシドリの天敵はカラスやテンと言われています。オシドリのヒナはヘビやイタチに襲われやすく、木の上の巣で生活しているときは空中の天敵であるカラスに、地表に降りてきたときはイタチ類やヘビの格好の餌食になりやすいです。 オシドリは現段階では絶滅危惧種に認定されてはいませんが、絶滅が心配されている動物の一種でもあります。理由は生息地自体が減少しており、個体数が減少しているからです。 オシドリの寿命は野生化で10〜20年生きると言われており、カモ類の平均寿命は5〜10年程度ですので比較的長生きする動物でもあります。
オシドリを飼育している動物園はどこなの?
オシドリは比較的飼育しやすい動物であるため、北は北海道から南は九州まで幅広い地域の動物園で飼育されています。 動物園によっては、オシドリにおやつをあげるといったふれあい体験を実施しているところもあり、オシドリの生態を身近に観察することが出来ます。 動物園で与えられているエサは小松菜や白菜といった野菜類、水禽用ペレット、鳥用人工飼料を与えています。
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オシドリ 参考文献
- Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/オシドリ
- オシドリ:おしどり夫婦の真実?|野生写真図鑑‐Canon Global https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/oshidori/index.html
- おしどり夫婦ではないおしどりがどうして仲睦まじい夫婦の象徴なのか? https://biome.co.jp/biome_blog_196/
- 【オシドリ(野鳥)の生態!】生息地や鳴き声の特徴について等8個のポイント! https://sekainotori.com/3737.html
- 福岡市動物園|オシドリ https://zoo.city.fukuoka.lg.jp/animals/detail/67
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