メインクーン

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さていきなりですが問題です。「ジェントルジャイアント」や「世界一大きいネコ」といわれている品種のネコといえば何でしょう?
答えは「メインクーン」です!よく「メークイン」と間違われることがあるのですが、メークインはじゃがいもの種類になります。ちなみにこの2つは特に関係性はありません。
そんなネコの「メインクーン」ですが、最近日本でも人気が出てきている品種のひとつになります。
意外な性格や特徴など・・・不思議がつまったメインクーンのひみつを見ていきましょう!

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~基本情報~

原産国 アメリカ

体長 100cm 

体重 オス:3.5~6.5kg メス:3~6kg

メインクーンの歴史は古く、祖先といわれているネコは1600年代ごろよりネズミ捕りをする「ワーキング・キャット」として活躍していたようです。

メインクーンという品種が定着し出したのは、ヨーロッパからやって来たネコが、アメリカに住んでいた土着(どちゃく)ネコと交雑を始めたからといわれています。

またひとつ面白い説を紹介すると「マリー・アントアネット」がフランスから亡命しようとした際、飼っていたネコ6匹だけがアメリカのメイン州へ逃げることができ、そのネコがアメリカの土着ネコと交雑をし始めた結果、メインクーンが誕生したという話もあるようです。

あまりはっきりしたことは分かっていないメインクーンですが、その魅力に惹かれたブリーダーたちの手により、1861年には初めてのキャットショーに出場することとなりました。

1895年に開催されたキャットショーでは最高賞を受賞するなど、少しずつ人気が高まっていきました。古い歴史があるメインクーンですが、意外にも品種登録されるまでには時間がかかったようです。

理由のひとつとして、1900年代に入るとペルシャの方に人気を取られてしまったことが関わっています。

これに危機感を覚えたブリーダーや愛好家たちが、1968年に「MCBFA(メインクーン・ブリーダー・ファンシャーズ・アソシエイション)」メインクーン協会を設立後、メインクーンは少しずつ人気を取り戻していきました。そして1985年「CFA」にて正式に品種登録されました。

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メインクーンのQ&A

メインクーンの名前の由来は?

アメリカのメイン州で、ネコとアライグマ(英語でラクーン)を交配した結果、生まれたネコだからと考えられています。ですがこの話は遺伝子的にも否定されており、都市伝説化しているため信憑性(しんぴょうせい)はほぼ無いといえます。

どちらかといえば「体のタビー模様がアライグマとよく似ていたためメインクーンと名付けられた」この説が有力です。

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メインクーンのカラーバリエーションは?

■ボディカラーの種類

ブルー、ブラック、クリーム、ホワイト、チョコレート、レッド、シナモンがあります。

■模様や配色の種類

・ソリッドカラー
顔や体、脚やしっぽなど体全体が単色

・タビー
全体的にしま模様や斑点(はんてん)模様がある

・シルバー&ゴールデン
毛先のみに色がつき、根本は白色もしくは淡い色の構成

・スモーク&シェーデッド
オーバーコートの先端1/2に色がつき、残りの1/2は白色の構成

・パーティーカラー
2色の毛色がランダムに入っている

・キャリコ&バイカラー
体の1/2、もしくは1/3が白色で残りは2色以上の毛色構成

・タビー&ホワイト
体の1/2、もしくは1/3が白色で残りはしま模様や斑点模様の構成

■アイカラーの種類

ブルー、ゴールド、グリーン、カッパー、オッドアイがあります。

■毛種

メインクーンは長毛種(ちょうもうしゅ)のみです。

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メインクーンの外見はどんな感じ?

頭の形は縦長のくさび型、そして体型はロング&サブスタンシャルとよばれています。たまご型の大きい目はややつり上がり気味、大きな耳は「タフト」とよばれる飾りの毛束が先端についているのもポイントです。

脚は中くらいの長さで胸元が広い中型~大型体型、筋肉質な体格をしています。そして何といっても特徴的なのは、モフモフしたボリュームたっぷりの被毛です。

手触りはとてもなめらかで、まるでシルクのようだといわれています。生え方は不揃いのため肩に生えている毛は短く、背中からしっぽにかけて生える毛は長めとなっています。

また不思議なことにメインクーンは、1歳を過ぎても成長し続けます。他のネコだとだいたい生後8ヶ月から1年で大人になりそこで成長は止まるのですが、メインクーンは2~3年かけてゆっくりと大人になっていくイメージです。

ネコは1歳になるとだいぶ体が大きくなりますが、それでもメインクーンの成長はまだ止まらない!ということになります。

ちなみに、スローペースで成長するネコは他にもサイベリアンがいます。サイベリアンの場合、なんと5年もかけて成長していくようです。

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メインクーンの体はどうしてとても大きいの?

世界一大きいともいわれているメインクーンは、大人になるとなんと体長が100cmになることもよくあります。

一体どうして他のネコより体格が大きいのかというと、恐らくですがまだアメリカで暮らしていた際、厳しい環境に耐えることができ、さらに狩猟能力(しゅりょうのうりょく)が高いネコだけが交雑に選ばれていった結果、

自然と大きな体をしているメインクーンだけが生き残った、もしくは繁殖する際、体が大きくて丈夫なメインクーンが交配相手として選ばれ続けたのではないかと考えられています。

現在でもメインクーンの繁殖はおこなわれていますが、その遺伝子はしっかりと受け継がれているようです。

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メインクーンを購入するにはどれくらいかかるの?

ブリーダーやキャッテリーから購入する場合は、20~30万円ほどかかります。どんな環境で育ってきたのか、両親はどんなネコなのか確認できるのがメリットです。

またブリーダーとの人柄にもよって信頼度が変わるので、予約してから見学に行くのが望ましいです。

ペットショップの場合は15~20万円と、ブリーダーから購入するより若干価格を抑えることができます。ですが、なかにはむやみやたらに繁殖させている場合もあるので、繁殖元がはっきりしないお店からの購入は避けた方がいいかも知れません。

ちなみに値段に幅が出てしまう条件についていくつか紹介します。

・子ネコであること
・血統が優秀であること
・珍しいカラーや模様を持っていること

他にも条件はあるのですが、主に上記の条件に当てはまると値段が高くなってしまう傾向があるようです。

メインクーンの性格や特徴をもっと詳しく知りたい!

メインクーンは穏やかで温厚な性格をしています。人懐っこいので、飼い主さんにもよく懐いてくれます。賢いのでしつけもしやすいネコといえるでしょう。

① ひとことでいうなら「イヌのようなネコ!」

適応能力も高いので、小さなお子さんがいるお家や他の動物と一緒に暮らすことも可能です。

遊ぶことも大好きなメインクーンは、ボールを投げるとくわえて持ってきたり、名前を呼ぶと駆け寄ってきたりと、まるで「イヌのようなネコ」といわれています。体の大きさの割に、高めのか細い声で鳴きます。

②ネコだけど、水に興味深々

めずらしいことに、メインクーンは比較的水をあまり怖がりません。水道の蛇口から出る水で遊んでみたり、お風呂場にも平気で近づいていくことも多いようです。前足を器用に使うので、少しの隙間があればドアを簡単に開けることができます。

お風呂場の浴槽に落ちてしまうと大変なことになるので、ドアは忘れずに閉めるといった注意が必要です。

③甘えん坊なところもかわいい

そしてメインクーンのオスは甘えん坊な性格の場合が多いようです。まさにイヌのような従順の姿を見せてくれるでしょう。特に去勢手術後はその傾向が強くなります。

一方メスはオスと比べると少々気分屋な部分があります。常に一緒が良いという訳ではなく、遊びたいと思ったときには自分の方からアピールしてくるようです。

ツンデレ気質が強いのはメスといえます。もちろん性格には個体差があるので、オスとメスの性格違いは参考程度に覚えておくのがオススメです。

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メインクーンのかかりやすい病気ってなに?

メインクーンのかかりやすい病気は、「毛球症(もうきゅうしょう)」、「肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)」、「多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)」があります。

①毛球症

毛づくろいで飲み込んでしまった毛が胃や腸といった消化器官に溜まってしまい、嘔吐(おうと)といった症状を引き起こす病気です。通常、飲み込んだ毛は少量であればうんちと一緒に排泄されるのですが、毛量が多くなると排泄するのが難しくなります。

その結果、排泄しきれなくなった毛玉は嘔吐でしか出せなくなるのです。もともとネコは1ヶ月~数ヶ月に一度、毛玉を吐く行動をします。これは健康なネコでも見られる現象なので、過剰に心配する必要はないのですが、観察していて「毛玉を吐く回数が増えた。もしくは吐こうとする行動が増えた。」このような場合は毛球症にかかっている可能性があるので、病院を受診した方が良いでしょう。

特に面クーンのような長毛種のネコは、毛を飲み込む量が多いので注意が必要です。

また、毛球症は飼い主さんによるブラッシングで予防可能ともいわれています。大切なスキンシップにも繋がるので、ぜひ定期的なブラッシングを心掛けてみてくださいね。ただし、なかにはブラッシングを嫌がる子もいるので、その場合は様子を見ながら少しずつ行なうのが良いでしょう。

②肥大型心筋症

心臓の筋肉が厚くなり、それによって心臓の収縮が上手くいかなくなってしまう病気です。遺伝が原因で発症することが多いため、具体的な予防法はまだ見つかっていません。

発病後、目立った症状が出ない場合もあるため、気づいた時には血栓症(けっせんしょう)を併発していることもあり、最悪の場合死に至るケースもあります。

では、病気を早期発見するためにはどうすれば良いのでしょうか?結論としては定期健康診断を受けるのが重要になります。肥大型心筋症はまだ画期的な治療法がないので完治は難しいですが、早ければ早いほど対症療法(たいしょうりょうほう)によって病気の進行を遅らせることは可能です。

③多発性嚢胞腎

嚢胞がたくさん出来る病気で、最悪の場合「腎不全(じんふぜん)」を引き起こしてしまう可能性があります。

多発性嚢胞腎についても具体的な予防法は見つかっていません。特に高齢ネコの罹患率(りかんりつ)が高いので定期健康診断を受けることで早期発見につながります。こちらも早ければ早いほど、対症療法によって病気の進行を遅らせることが可能です。

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メインクーンの寿命は?

メインクーンの寿命は11~14年といわれています。一般的なネコの寿命は12~16年なので、気持ち少しだけ短いといったところでしょう。

ですが、かかりやすい病気にはどんなものがあるのか把握して気をつけてあげれば、長生きしてくれる可能性は十分にありますよ。

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参考文献

まるごとわかる猫種大図鑑 監修:CFA公認審査員 早田由貴子

世界中で愛される美しすぎる猫図鑑 監修 今泉忠明

The Cat Fancier’s Association, Inc.
https://cfa.org/maine-coon-cat/

猫との暮らし大百科
https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/

みんなの猫図鑑
https://www.min-nekozukan.com/

Pet Smile news forネコちゃん
http://psnews.jp/cat/

子猫のへや
https://www.konekono-heya.com/sitemap.html

公益社団法人 埼玉県獣医師会
https://www.saitama-vma.org/topics/猫の遺伝性疾患について

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