カワセミ
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カワセミ
カワセミは私たち人間にとっても身近な鳥で、人間の生活圏で観察できます。スズメやカラスと違って、鮮やかな体を持つカワセミは愛好家の間でも人気がある鳥です。 そんなカワセミが、実は宝石のヒスイと深い関わりがあることをご存じですか?鮮やかな青色の体ですが、実は青くないということをご存じですか? 本記事ではカワセミのさらなる魅力に迫ってみたいと思います。
カワセミ 基本情報
ブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属
カワセミ科全体を指して「カワセミ」ということもありますが、本記事ではカワセミ属に分類される単独種のカワセミを紹介します。
体長:15-20cmほど
くちばし:3.3-4.3cmほど
翼を広げたとき:24-25cmほど
全長はスズメより大きいですが、長いくちばしがなければ体の大きさは同じくらいです。
鮮やかな青色の体が特徴で、ほかにも白、オレンジ、赤色を体に持ちます。その美しさは見る人の目を奪うほど。「渓流の宝石」などと呼ばれていますが、その理由も納得です。
長いくちばしもカワセミらしいポイントで、性別を見分けるのにも役立ちます。オスのくちばしは真っ黒ですが、メスは下側が赤いのです。カワセミの性別を見分けるときは、くちばしを参考にするといいでしょう。
また、カワセミ科の中では最小と言われています。
世界中に分布しており、ヨーロッパやアフリカ北部、インド、東南アジアにかけて見られます。日本でも見られ、その美しさから愛好家も多いです。
水辺に生息していて、基本的には川や湖などの淡水を好みます。しかし、海岸に見られることも少なくありません。以前は街中でも見られましたが、水が汚れて魚がいなくなったため、カワセミも姿を見せなくなりました。しかし、近年では水質改善が進んだため、ふたたび街中でカワセミを見る機会が増えています。
また、カワセミは基本的に単独で行動します。繁殖期はつがいとなって子育てをしますが、それ以外の期間は群れることをよしとしません。ナワバリ意識が強いため、侵入されるとオスメスを問わず追い払います。
カワセミ Q&A
カワセミの名前の由来は何?
カワセミの名前の由来は、「川に棲むセミ」からきています。かなりストレートなネーミングですね。
ただし、間違えやすいのは「セミ」は虫の蝉を指していないこと。カワセミは古名を「ソニ」といい、それが転じて「セミ」になったと考えられています。もともとの名前が現代風に転じるのは、よくあることです。
ちなみに、メスの鳴き声が虫の蝉に似ているからという説もあります。実際に聞いてみるとわかりますが、あまり似ていないように感じました。機会があればぜひ聞き比べてみてくださいね。
さらに、カワセミの漢字についても触れておきましょう。カワセミには、いくつかの漢字があてられているので、おもしろいものを紹介します。
まず、「翡翠」という漢字について。
「宝石のヒスイじゃないの?」と思った人もいるのではないでしょうか?実は出自が逆で、カワセミをもとに宝石の名前が付けられました。「カワセミのように美しい宝石だ」ということですね。そう思ってカワセミを見てみると、さらに色鮮やかさが増したように見えるので不思議です。
さらに、「魚狗」という漢字もあてられています。
これはエサである魚を捕らえるのが、あまりにも巧みだから。ほかにも「水狗」や「魚虎」のように、魚にちなんだ漢字が多くつけられています。
カワセミは青くないって本当?
カワセミといえば鮮やかな青色が特徴ですが、実はカワセミに青い色素は含まれていません。光の当たり方で青く見えています。
専門的な言い方では、構造色と呼ばれるものです。したがって、光の当たり方によっては青ではなく緑に見えることも。
カワセミを漢字で表すと「翡翠」。「翠」という漢字は「みどり」とも読めるので、なんともカワセミらしいですね。
ちなみにこの構造色はシャボン玉やCDと同じです。両方とも、そのもの自体に色はありませんが、光をあてるとカラフルに反射します。
構造色をもつ生物では、クジャクやタマムシなどが有名です。自然界で構造色を持つ生物は珍しくなく、生物の神秘を感じられますね。
カワセミは何を食べているの?
カワセミは肉食性で、おもに魚や昆虫、エビ、カエルなどを捕食しています。特に魚が大好物です。
ヒナのときから魚を食べるので、生涯を通して魚を食べています。
ちなみに食べ方が豪快で、頭からゴクリと丸呑み。大きな獲物の場合は、足場にたたきつけて骨を砕いてから丸呑み。美しいカワセミからはちょっとイメージできませんね。
カワセミが水の中に入るときにゴーグルをするって本当?
カワセミの主食は魚なので、水中にいる獲物を捕らえる必要があります。長いくちばしは魚を捕らえるのに適した形状です。
狩猟方法を簡単に紹介します。
まずは、水辺の石や枝で待機。手頃な足場がない場合は、ホバリングして空中で待機します。
ちなみにホバリングとは、空中で停止すること。ヘリコプターやドローンが有名ですが、カワセミも羽ばたきながらその場で停止できるのです。
そして、獲物を見つけたら素早く水面に飛び込んで、しっかりと魚をくわえます。一瞬で捕まえるその姿は、名漁師と言っても過言ではないでしょう。
また、水中に潜るときは目からゴーグルのようなものを出して、水中でも的確に獲物を捕らえます。水泳選手や飛び込み選手に例えてもいいかもしれませんね。
カワセミに天敵はいるの?
カワセミの天敵は、小動物を狙う肉食動物全般です。特にヘビやイタチ、キツネが有名です。成鳥になってからも狙われますが、ヒナのときに襲われることも少なくありません。
また、天敵が近づくと細くなるカワセミが確認されています。
フクロウは危険を感じたときに身を細くして、枯れ木に擬態しますが、カワセミも同じような行動をとるのです。「身を細くしたところで、鮮やかな色をしているからバレるんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
動物の目は人間のように細かく色を識別できないので、細くするだけでも擬態と言えます。トラのしま模様が保護色になっているのと、同じ理由ですね。
カワセミはどうしてそこに住んでいるの?
カワセミは水辺に近いところを好みますが、巣を作るのは傾斜のきつい崖などです。横穴を掘って巣を作ります。
なぜあえて崖を選ぶのか?
それは天敵の襲撃を避けるためと言われています。もちろん完全にゼロにはできないと思いますが、厳しい自然で生き抜くためにカワセミが会得した習慣なのでしょう。
また、カワセミは世界的にも広く生息しており、日本でも全国的に見られます。一般的には一年中同じ地域に生息する留鳥として知られていますが、北海道などの寒い地方では冬場に南下します。
その理由は、冬場になると水面が凍ってしまうから。いくら名漁師と言えども、凍った水面を破壊して獲物を捕らえることはできないようです。
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カワセミ 種類
カワセミには7つの亜種が存在します。
- Alcedo atthis atthis
- Alcedo atthis ispida
- Alcedo atthis bengalensis
- Alcedo atthis taprobana
- Alcedo atthis floresiana
- Alcedo atthis hispidoides
- Alcedo atthis salomonensis
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カワセミ 参考文献
- Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カワセミ
- サントリーの愛鳥活動 https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1408.html
- BIRD FAN https://www.birdfan.net/pg/kind/ord15/fam1500/spe150006/
- CANON BIRD BRANCH PROJECT https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/kawasemi/index.html
- 森と水の郷あきた http://www.forest-akita.jp/data/bird/03-kawasemi/kawasemi.html
- 国土交通省 中国地方整備局 太田川河川事務所(太田川生物誌) http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/birds/index374.htm
- 鳥ペディア https://bird-pedia.com/archives/878
- Omaly's House https://blog.goo.ne.jp/rameca-omaly/e/23e1efddc0a9920dea04ce7d86462d45
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