キングペンギン
キングペンギン
キングペンギン
今回このページでご紹介するのは、世界で2番目に体が大きいといわれている「キングペンギン」です!日本各地の水族館で見られるキングペンギンですが、その生態や秘密についてたくさんまとめてみました。 「なんでキング(王様)っていう名前なの?」「ヒナがずんぐりむっくりで可愛い!けど、理由はあるの?」などなど。 そんなキングペンギンの秘密について、早速覗いてみましょう!
キングペンギン 基本情報
鳥網-ペンギン目-ペンギン科-オウサマペンギン属
85~95cm
オス:約16kg
メス:約14.3kg ※サウス・ジョージア島で暮らす成鳥の場合
オス:34.3cm メス:33.1cm ※サウス・ジョージア島で暮らす成鳥の場合
オス:13.7cm メス:12.9cm ※サウス・ジョージア島で暮らす成鳥の場合
不明
キングペンギンは別和名「オウサマペンギン」や「オオサマペンギン」と呼ばれていますが、このページでは基本的にキングペンギンと名前を統一してご紹介します。
キングペンギンの外見は頭部から喉にかけては黒色、首にはオレンジ色の斑紋(はんもん)があるのが特徴です。腹側は白、背中側は銀灰色におおわれ、足は黒っぽい灰色。くちばしの上部は黒ですが下部はピンク、もしくはオレンジ色です。オスもメスも全く同じ外見をしているため見分けがつきにくいですが基本的にオスの方が体が大きいとされています。
キングペンギンは11月頃になると繁殖を行なうため、亜南極の島々に上陸します。その後、ルッカリー(コロニー)と呼ばれる集団を作り、お互い気に入った相手と繁殖行為にうつります。つがいの絆は比較的弱く、決まった巣を作らないのも特徴といえるでしょう。メスは12~2月の間に大きな卵を1個だけ産み、抱卵はオスとメス交代で行ないます。このとき足の上にのせて卵を温めますが、この行動はキングペンギンとエンペラーペンギンだけにみられる光景です。
抱卵期間は約54日間といわれ、この期間をこえると無事にヒナ誕生です。生まれてから約30~40日間は親鳥がお腹で包みながら育て、交代でエサを与えます。ある程度大きくなると、ヒナはクレイシ(共同保育所)と呼ばれる集団に預けられますが、その期間も親鳥は海へエサを探しに行き食事を与え続けます。
生後3ヶ月を迎える頃には親鳥とほぼ体重が同じぐらいまでに成長し、次の12月~1月ごろに巣立ちを迎えます。ふわふわの綿毛に覆われていたヒナの体は少しずつ羽が抜け換わり、最終的には大人と同じ姿に変化するのです。抱卵から巣立ちまでの子育て期間は約14ヶ月~16ヶ月といわれており、他のペンギンと比べて巣立ちの期間が長いのも、キングペンギンの特徴といえます。
キングペンギン Q&A
キングペンギンの名前の由来は?
18世紀頃、ある探検家がサウスジョージア島を発見し、そこでとても大きなペンギンも目撃します。このペンギンは今まで見てきた種類のなかで最も大きいことから、王様(キング)ペンギンと名づけられました。これがキングペンギンの由来です。
キングペンギンはどうしてそこに住んでいるの?
キングペンギンは比較的暖かい亜南極を繁殖地とし、さらにそのなかでも南緯45度~55度の島々を選びます。サウス・ジョージア島やフォークランド諸島、ケルゲレン島、クロゼ諸島、プリンス・エドワード諸島やマリオン島、ハード島、マッコリー島などです。また南アフリカやニュージーランド、オーストラリアでもキングペンギンの姿が目撃されていますが、亜南極以外で確認されているのは漂着してしまった可能性が高いようです。
このようにキングペンギンは、流氷があまりない場所を好んでいるようですが、はっきりとした理由は見つかりませんでした。しかし、エサであるイカやタコなどが島周辺に多く生息しているからキングペンギンもその近くで繁殖する。といった可能性はあげられます。
キングペンギンは何を食べているの?
海に潜ってイカやタコ、ハダカイワシなどの発光生物を食べています。ヒナの場合は、親が消化した魚などを口移しでもらっています。
キングペンギンのヒナはどうしてあんなに大きいの?
キングペンギンのメス?もしくはオス?と見間違えてしまうほど大きな体をしているヒナ。これにもいくつか理由があるのでご紹介します。
比較的暖かい亜南極で繁殖するキングペンギンですが、ときには冷たい雨風がヒナの体を襲うことも。そんなとき、ふわふわの綿毛が防寒具のような働きをし、ヒナの体を守ってくれるのです。
3~8月、つまり亜南極が冬を迎えるとエサの数も減ってきます。最初は交代でエサをあげていた親鳥も段々と自分たちの分を確保するのが精一杯となり、ヒナにエサを与えることができなくなるのです。ヒナたちはそんな辛い絶食期間を乗り越えるため、今まで蓄えていた脂肪を養分として使います。その結果、体重は夏の時期より約2/3まで減少。9月頃から親鳥もヒナへの給餌(きゅうじ)を再開するのですが、しかし絶食期間を乗り越えられず死んでしまうヒナも少なくないようです。
ちなみに、ヒナが首をすくめて体を小さくしながら親鳥の後ろをくっついて回る光景を見たことはありますか?あれは「まだこんなに体が小さいんだから、もっとご飯ちょうだい!」といった感じでエサを多く貰うためのアピール作戦だそうです。
キングペンギンとエンペラーペンギンの違いは?
キングペンギンとエンペラーペンギンを見た経験がある方ならお気づきかも知れませんね!この2種は外見がとてもよく似ているため、ぱっと見では区別がつかないことも。ここでは具体的にどのような違いがあるのか、比較しながらご紹介します。
キングペンギンは主に暖かい亜南極の島々で暮らしているのに対し、エンペラーペンギンは冬になると極寒へ変化する南極大陸で生息しています。ですのでこの2種が顔を合わせるということはまずないといえるでしょう。
キングペンギンは体長85~95cmなのに対し、エンペラーペンギンは体長100~130cmです。つまりキングペンギンは、エンペラーペンギンよりひと回り小さいといえます。人間で例えるとキングペンギンの最大体長は3歳児とほぼ同じ高さ、エンペラーペンギンの最大体長は8~9歳の子どもとほぼ同じ高さです。
さらに両者には首のあたりに黄色味、もしくはオレンジがかった斑紋があるのも特徴です。キングペンギンの模様はくっついているのに対し、エンペラーペンギンの模様はよく見ると離れています。一番見分けやすいポイントになるのはこの斑紋かも知れませんね。
キングペンギンのヒナはふわふわした茶色の綿毛に覆われていますが、エンペラーペンギンのヒナはふわふわした灰色の綿毛と頭部に黒い模様が入っています。成鳥と違い、ヒナは簡単に見分けがつきます。
キングペンギンの性格について詳しく知りたい!
ひとことで表わすなら「穏やかで大人しい鳥」といったところでしょう。ときどき、自分の縄張りに他のキングペンギンが入ってくると翼でペチペチはたいてどかそうとしますが、激しいケンカはほとんどしないようです。恐らくキングペンギンは普段から群れで生息しているため、集団生活にも慣れているのだと思われます。
キングペンギンが見られる場所はあるの?
2021年11月現在、日本でキングペンギンを飼育している場所はたくさんあるので地方別にご紹介します。
旭山動物園(北海道旭川市)、登別マリンパークニクス(北海道登別市)
仙台うみの杜水族館(宮城県仙台市)
鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)、東武動物公園(埼玉県宮代町)、葛西臨海水族館(東京都江戸川区)、マクセルアクアパーク品川(東京都港区)、八景島シーパラダイス(神奈川県横浜市)、箱根園水族館(神奈川県箱根町)、下田海中水族館(静岡県下田市)
下田海中水族館(静岡県下田市)、東山動植物園(愛知県名古屋市)、南知多ビーチランド(愛知県美浜市)、豊橋総合動植物公園-豊橋のんほいパーク(愛知県豊橋市)、越前松島水族館(福井県坂井市)
海遊館(大阪府大阪市)、天王寺動物園(大阪府大阪市)アドベンチャーワールド(和歌山県白浜市)城崎マリンワールド(兵庫県豊岡市)
しまね海洋館アクアス(島根県浜田市)
とべ動物園(愛媛県砥部町)
長崎ペンギン水族館(長崎県長崎市)
また、野性下でのリアルなキングペンギンを見てみたい!という本格派の方には、南極クルーズに参加するという方法もあります。旅費は高額になってしまいますが、旅行代理店を通じて申し込むことができます。ひとつの参考にしてみてはいかがでしょうか。
キングペンギンには天敵がいるの?
キングペンギンにも敵は存在し、主にシャチやヒョウアザラシなどです。また、カッショクオオトウゾクカモメという鳥はヒナを狙ってきます。しかし、キングペンギンにとって一番の敵は人間かも知れません。
キングペンギンは現在、IUCN(国際自然保護連合)によって絶滅危惧度を「軽度懸念(けいどけねん)」に指定されています。主な原因は「海面温度の上昇によるエサの減少」です。
温暖化により氷が溶け海面温度が上昇すると、生息しているプランクトンの数が減り、プランクトンをエサとしているハダカイワシなど魚の数も減ってしまいます。そして魚を食べているキングペンギンも、エサの減少という影響を受けてしまうのです。
さらに魚だけでなくイカやタコも気候変動により生息場所を変えているため、そうなるとエサを捕まえる場所が陸地からどんどん遠くなってしまう恐れがあり、クレイシでお腹を空かせたヒナを長時間待たせることになってしまうのです。そうなるとヒナが餓死する可能性も出てきます。
このように、近年の地球は地球温暖化によって昔では考えられなかった現象が起きるのでは?と心配の声があがっています。この機会にぜひ、人間とペンギンとのより良い関係作りを一緒に考えてみませんか?
キングペンギンの寿命は?
厳しい自然界で生きるキングペンギンの寿命は、最高で約20年です。
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キングペンギン 参考文献
- ペンギンガイドブック 著者:藤原幸一
- ペンギンライブラリー ホシザキ株式会社 https://www.hoshizaki.co.jp/penguin_island/penguin/
- Akiko KATO’s page http://docyaounde.free.fr/akatoHP/
- 南極動物図鑑 http://polaris.nipr.ac.jp/~penguin/oogataHP/zukan/zukan.htm
- Pew Charitable Trusts世界のペンギンの保護 https://www.pewtrusts.org/-/media/assets/2015/05/penguinoverviewfinaljp.pdf
- BirdLife International Tokyo もっとも絶滅リスクの高いペンギンはどの種でしょうか? https://tokyo.birdlife.org/archives/world/13126
- 宇宙地球環境研究所 極地50のなぜ https://www.isee.nagoya-u.ac.jp/50naze/kyokuchi/38.html
キングペンギン 使用メディア紹介
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