カモシカ
カモシカ
カモシカ
あなたはカモシカという動物を知っていますか?「シカ」という名前が入っているのでシカの仲間のような気がしますよね。実はウシやヤギと同じ仲間なんです!そんなカモシカの他にもまだまだ知らないことを紹介していきます。
カモシカ 基本情報
分類 哺乳綱(ほにゅうこう)ウシ目ウシ亜目ウシ科ヤギ亜科のヤギ以外
大きさ [ニホンカモシカ]頭同長(とうどうちょう):100〜120cm
肩高(けんこう):68〜72cm
体重:約20kg
[タイワンカモシカ]頭胴長(とうどうちょう):70〜80cm
肩高(けんこう):50〜60cm
[スマトラカモシカ]頭胴長(とうどうちょう):130〜180cm
肩高(けんこう):97〜105cm
体重:約70kg
カモシカは世界の各地に住んでいて日本でも見られています。ではどこに住んでいるのでしょう。
海外では、ヒマラヤ、カシミール、中国南部、ミャンマー、マレー半島、台湾などに住んでいます。
日本では、山形県、栃木県、山梨県、長野県、富山県、三重県で見られています。
「氷河期からの生き残り」とも言われているカモシカは体がとても頑丈で黒い角を持っています。ひづめが幅広いので岩場でも楽々歩くことができるのです。
カモシカ Q&A
カモシカの名前の由来は?
冒頭でもお話しした通り、カモシカには名前に「シカ」が入っていますが、シカの仲間ではありません。ウシやヤギと同じ仲間なんです。
ではなぜ「カモシカ」という名前になったのでしょう?
カモシカは本来漢字で「氈鹿」と書きます。「氈(かも)」というのは「毛氈(もうせん)」という毛織(けおり)の敷物のことで、その毛氈(もうせん)を作るのに適した毛の鹿、という意味で「氈鹿」という名前になったと言われています。
他にもカモシカは「にく」とも呼ばれていたそうです。にくは漢字で「褥」と書いていて、これは毛の織物「しとね」の事でした。意味は先ほどの由来と同じですね。
その他、「鴨」に味が似ていることから、という説もあります。
「氈鹿」以外にも「羚羊」とも書くそうですが、「羚羊(レイヨウ)」という名前の動物がいるので厳密にはカモシカのことではないそうです。
よくスラッと伸びて綺麗な足のことを「カモシカのような足」と表現することがあります。言われたり言ったことがある人もいるのではないでしょうか。この表現に出てくるカモシカ、実は「羚羊(レイヨウ)」のことなのです。羚羊(レイヨウ)をカモシカと呼ぶように変化していったことから「カモシカのような足」と表現するようになったと言われています。
実際のカモシカの足は太くしっかりしているので、知ってしまうと複雑な気分になりますね。
カモシカはどうしてそこに住んでいるの?
カモシカは世界や日本でも点々としたところに住んでいます。それは種類よって住んでいる環境が違ってくるからです。まずは日本のカモシカ、ニホンカモシカの住んでいるところを紹介していきます。
ニホンカモシカは山地の森林や丘に生息しています。岩場が多いところに縄張りを作って住んでいます。巣を作るわけではなく、岩場に寝て過ごしています。敵が近づくと険しい場所に逃げ込み敵が近づけないようにします。生きていくための知恵ですね。
昔は標高の高いところでしか見られなかったのですが、最近では500m未満の標高で見られることが多くなってきたそうです。それは住宅街や田畑が近くにあり、エサを求めて低いところに暮らし始めたということです。だんだんとエサが森になくなっているのかもしれません。
全てのカモシカが低いところに暮らすようになったわけではなく、1200〜1500mの標高に住んでいるニホンカモシカもいます。タテガミカモシカという種類は標高3000〜4000mの峡谷(きょうこく)に住んでいます。湿度が高い森林の小枝や葉っぱを食べて暮らしています。
青森県下北半島にいるカモシカは海岸線に生息しているものもいます。この地域には落葉樹(らくようじゅ)と針葉樹(しんようじゅ)が入り組んでいる森林があり、海岸と森林を使い分けて生活しています。雪が積もる季節は雪崩(なだれ)の起こらない落葉樹林(らくようじゅりん)でエサを食べ、雪のない季節には柔らかい草が多い沢でエサを食べています。針葉樹林(しんようじゅりん)では岩場や傾斜が急なところがあるので、そこで寝たり休息をとっています。
熱帯のスマトラ島にいるカモシカは丘や陸に住んでいますが、そこにも必ず森林や険しい岩場があります。
台湾にいるカモシカも同じようなところに住んでいますが、標高が3500mのところで暮らしています。
どのカモシカも住んでいる場所が違えど、岩場やエサを見つけて工夫しながら暮らしているんですね。
カモシカは何を食べているの?
春や夏の暖かい季節にはさまざまな低い木の葉っぱや芽、花や果実を食べています。秋や冬の寒い季節になると、小枝や木の皮を食べて暮らしています。
葉っぱや果実は分かりますが、木の皮など消化しにくいものでも大丈夫なのはなぜなのでしょうか。
それは牛と同じように胃袋が4つに分かれていて「反芻(はんすう)」をしながら食べるからです。反芻(はんすう)とは一度飲み込んだものを胃からまた口の中に戻して食べることです。これで消化しにくいものでも食べることができるのです。
早朝にねぐらから出てきて、エサを胃に入れていきます。10時ごろに見晴らしが良くて敵が近づきにくいところで、時間をかけて反芻(はんすう)します。
これで安心して食べられますね。
動物園にもカモシカはいます。動物園では何を食べているのでしょうか?
エサには人参、キャベツ、りんごなどの野菜や果物の他に牧草も与えられています。
カモシカはどうやって育つの?
カモシカは4月〜6月が出産のシーズンで、子育て期間は1年間です。その1年間は母親と一緒に暮らしていきます。行動をするときもたくさんの群れで動くのではなく、親と行動します。基本的にはオスもメスも単独行動なので、1年間が過ぎると単独で行動していきます。たった一年しか母親といられないのは少し寂しい気もしますね。
カモシカの寿命はどれくらいなの?
カモシカの寿命は約15年と言われています。
カモシカは特別天然記念物って本当?
その昔、カモシカは狩猟(しゅりょう)の対象でした。ですがカモシカは他の動物と違って一夫一妻制なので数が増えにくく、段々と減少していきました。
1925年に狩猟法(しゅりょうほう)か改正され、カモシカは狩猟獣(しゅりょうじゅう)の対象から外されました。そして1934年に「天然記念物」に指定されました。
その後密猟もありましたが全国的に密猟の取り締まりが強化されて、1955年に国の「特別天然記念物」に指定されました。とても貴重な動物ですね。
その反面(はんめん)、九州や四国地方ではカモシカの数がとても少なく、2015年には「絶滅のおそれのある地域個体群」に区分されています。
貴重な動物だからこそ守っていきたいですね。
守っていきたい・・・そう思いますが、人間にとっては悲しいこともあります。
先ほど書いていたエサを求めて低い標高の森林に住んでいるカモシカのことです。植林地(しょくりんち)のまだ育ちきってない木を食べたり、田畑を荒らして30種類近くの野菜や果樹(かじゅ)を食べてしまうのです。しかし特別天然記念物なので捕獲(ほかく)することも、ましてや駆除(くじょ)することも出来ないので、農家の方々は対応に困っています。
カモシカにはどこで会えるの?
首都圏では「多摩動物公園」、「井の頭自然文化園」、「大島公園動物園」、「埼玉県こども動物自然公園」などで飼育されています。
カモシカの種類はどれくらいいるの?
カモシカの分類としては「シャモア族」「ジャコウウシ族」「サイガ族」の3つに分けられます。とても複雑なのでひとつひとつ分けて紹介していきます。
[シャモア族]
・シャモア属:シャモア
・シロイワヤギ属:シロカモシカ、シロイワヤギ
・ゴーラル属:ゴーラル
・カモシカ属シーロー亜属:スマトラカモシカ、シーロー、ヒマラヤカモシカ
・カモシカ属カモシカ亜属:ニホンカモシカ、タイワンカモシカ
[ジャコウウシ族]
・ジャコウウシ属:ジャコウウシ
・ターキン属:ターキン
[サイガ族]
・サイガ属:サイガ
・チルー属:チルー、チベットカモシカ
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