ウグイス

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cettia_diphone_(on_branch).JPG

「ホーホケキョ!」
耳ごこちのいい鳴き声のウグイスは、春の風物詩として誰しも知る鳥です。美しい鳴き声は、わたしたち人間の間でも「ウグイス嬢」といった比喩に使われます。
そんな有名なウグイスですが、鳴き声以外の特徴を知っている人は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、ウグイスの生態について深掘りします。もっと詳しい鳴き声の秘密や意外な天敵などを見ていきましょう。

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〜基本情報〜

鳥綱(ちょうこう)スズメ目ウグイス科ウグイス属

体長 オス:約16cm メス:約13cm

翼開帳 オス:約21cm メス:約17cm

ウグイス属は世界中に分布し、特に東南アジアに多く生息しています。しかし、日本で一般的なウグイスは「ウグイス属のウグイス」という種類です。これは日本にしか生息していません。

日本のウグイスは、全国の平地から山林、その周辺の藪(やぶ)でおもに生活しています。留鳥(りゅうちょう)なので基本的に同じところに留まりますが、寒冷地の個体は冬季にあたたかい場所に移動します。

普段は、藪の中に隠れてなかなか姿を見せません。声ははっきりと聞こえても、警戒心が強いため見つけることは困難です。

夏は山林につがいで生活しますが、冬は平地に下りてきて1匹ずつ藪の中で生活します。

ウグイス餅という色鮮やかなお菓子がありますが、実際のウグイスは褐色がかった緑色で、全体的に地味な色合いです。オスメスは同色なので、色だけでは簡単に判別できません。

大きさに差があるので、そちらで判別可能です。オスのほうがメスより大きく、オスはスズメより大きい・メスはスズメより小さいと言われています。

尾は長く、くちばしと脚は肉褐色です。また、上のくちばしは黒みがかっています。

ウグイスは野鳥に指定されているため、ペットとして飼育できません。うかつに保護することがないように気を付けましょう。

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cettia_diphone_(back).JPG

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ウグイスのQ&A

ウグイスはどんなときに鳴くの?

ウグイスの最大の特徴と言えば「ホーホケキョ」と表現される鳴き声です。

鳴いているのはオスで、ほかの鳥に対するナワバリの宣言やエサを運ぶメスへ安全を知らせるときに鳴いています。「ホー」は吸う息で、「ホケキョ」は吐く息です。

一方で、地鳴きは「ジャジャ」と表現され、ナワバリに侵入した敵への威嚇に使われます。

地鳴きを聞いたメスは自身と巣の安全のために、エサの運搬を中止して身を隠すのです。「谷渡り」とも呼ばれます。

人間の活動圏内では早春に聞けますが、巣作りをする山では春先から夏頃まで聞けます。早春はまだぎこちなく、練習をしていると言えます。そして繁殖期に入る夏頃、山で鳴き声を披露する本番を迎えるのです。

オスのウグイスは1日の大半をパトロールに費やし、その間は泣き続けるため、1日に1000回以上も鳴くと言われています。

ちなみに、その年にウグイスが初めて鳴いた日は「初鳴き日」と言われ、春の訪れを告げる指標となっています。

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cettia_diphone_(crying_s2).JPG

ウグイスの名前の由来は何?

ウグイスの名前の由来は諸説ありますが、やはり特徴的な鳴き声に由来するものが多く見られます。

現代では「ホーホケキョ」と表現されますが、昔は「ウーグイス」であったとする説。

また、「ウグイ」という鳴き声に鳥を表す接尾語の「ス」を組み合わせた説もあります。ちなみに、接尾語「ス」を持つ鳥は、カラスやカケスが有名ですね。

鳴き声以外にも、春に谷の奥から姿を現すことから、「奥出づ」が転じて「ウグイス」になったとする説もあります。

別名の春告鳥は「平地で鳴き始める季節が早春」であることから名付けられました。ほかにも「春鳥(しゅんちょう)」や「春知らせ鳥」といった春にまつわる別名を多く持っています。

「鶯(うぐいす)」という漢字は中国から入ってきたものですが、中国の「鶯」はコウライウグイスを指します。日本のウグイスとは別種で、鳴き声も外見も違うのです。

なお、英名の「Bush Warbler」は「藪の中でさえずる鳥」を意味し、ウグイスの生態に由来しています。

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cettia_diphone_on_bud_s2.JPG

ウグイスは何を食べているの?

ウグイスは雑食性で、季節により異なったものを捕食します。

夏場は生物が多いため、小型の昆虫や幼虫、クモなどをおもに捕食しています。一方で、冬場は生物が少なく、植物の種子や木の実がおもな栄養源です。

ウグイスの繁殖期はいつ?

ウグイスの繁殖期は初夏です。

早春に人の住んでいるところで鳴き声の練習をし、繁殖期に入ると山で求愛行動と巣作りを開始します。笹の枯れ葉などを使って巣を作り、一度の産卵で産むのは4-6個ほどです。メスが半月ほど抱卵(ほうらん)し、ふ化したヒナは14日ほどで巣立ちます。

また、ウグイスは一夫多妻制で、複数のメスが巣を作ります。害敵に襲われて卵やヒナを失いやすいため、より多くの子孫を残そうとしているのです。

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cettia_diphone_(crying).JPG

ウグイスとメジロは親戚なの?

ウグイスとメジロは、よく混同されます。しかし、ウグイスはウグイス科、メジロはメジロ科なので別の種類です。

ではなぜ混同されるのでしょうか。それは、さまざまな偶然が重なったからといえます。

ウグイスは、花札を始めとして梅との組み合わせがよく見かけられます。ただし、実際のウグイスは、梅と関わりはありません。一方で、メジロは梅の蜜を吸うのです。

出典:https://pixabay.com/images/id-6036530/

続いて、体色です。

食べ物であるウグイス餅の色は、鮮やかな緑色ですが、ウグイスの体色は褐色気味の少しくすんだ色。加えて、メジロの体色は鮮やかな緑色で、ウグイス餅の色とよく似ています。

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cettia_diphone.jpg

また、ウグイスとメジロは、両方とも春に見かける鳥です。

このような偶然が重なって、ウグイスとメジロを混同するようになったと言われています。

また、ムシクイやヤブサメもウグイスと似ていますが、小さくて尾が短い点で判別可能です。

そもそも鳴き声はまったく違うので、見た目ではなく鳴き声で判別するのがよさそうですね。

ウグイスの天敵は?

ウグイスの天敵は、小型の猛禽類(もうきんるい)やヘビなどです。卵やヒナを捕食されてしまいます。

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Japanese_sparrowhawk_FemInTheNest02.jpg

さらに、ホトトギスもウグイスにとって大きな脅威です。ホトトギスは、ほかの鳥の巣に卵を産み、そのまま育てさせる托卵(たくらん)と呼ばれる習性を持っています。

出典:https://unsplash.com/photos/ciTW28mpqtw

ウグイスの卵とホトトギスの卵はよく似ているため、親鳥も気付きづらいのです。そして、ホトトギスの卵がふ化すると、ウグイスの卵やヒナを巣から落として全滅させてしまいます。

しかし、近年の研究ではウグイスがホトトギスを撃退し、托卵を回避することがわかりました。 すべての個体ができるわけではないようですが、ある程度はホトトギスへの対抗手段を持っているようです。

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ウグイスの種類

  • フィリピンウグイス
  • ウグイス
  • チョウセンウグイス
  • ナンヨウウグイス
  • タニンバルウグイス
  • サンクリストバルウグイス
  • フイジームシクイ
  • タイワンコウグイス
  • ミヤマウグイス
  • スンダウグイス
  • キバラウグイス
  • ハシナガウグイス
  • ダイトウウグイス
  • リュウキュウウグイス
  • カラフトウグイス
  • マンシュウウグイス

参考文献

サントリーの愛鳥活動
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1384.html

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウグイス
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウグイス科

CANON BIRD BRANCH PROJECT
https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/uguisu/index.html

BIRD FAN
https://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1713/spe171301/

鳥ずかん
https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/docs/pages/rika/guide/bird/uguisu.html

国土交通省 中国地方整備局 太田川河川事務所(太田川生物誌)
https://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/Bio/birds/index392.htm

JapanKnowledge
https://japanknowledge.com/articles/kkotoba/21.html

目に見えるいきもの図鑑
https://orbis-pictus.jp/article/uguisu.php

国立科学博物館 私の研究-私の科学博物館の研究者紹介- 濱尾章二
https://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/zoology/hamao/index.html

語源由来辞典
https://gogen-yurai.jp/uguisu/

ウグイスの知って楽しむ
http://uguisu-bird.com/archives/275

アイキャッチ画像
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Chousenuguisu_230507_9728web.jpg