
メジロ
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皆さんは「メジロ」という鳥を知っていますか?メジロを見ると春を感じるという方も多いのではないでしょうか。春の鳥といえばウグイスもいますが、ウグイスとメジロの違いがわからない方もいるかもしれません。違いも含めてメジロの生態を紹介していきます。
メジロ 基本情報

項目名 | 内容 |
---|---|
保全状況 | Least Concern |
綱 | 鳥綱 |
分類地位 | 受理されている種 |
科 | メジロ科 |
記載 | メジロは、鮮やかな緑色の背中と翼、黄色い胸と腹部が特徴で、目の周りに白い輪があります。主に昆虫、花の蜜、果実を食べます。 |
生息地 | 東アジア、日本、東南アジアの一部 |
属 | メジロ属 |
ランク | 種 |
科学名 | Zosterops japonicus Temminck & Schlegel, 1845 |
門 | 脊索動物門 |
一般名 | Japanese White-eye |
界 | 動物界 |
目 | スズメ目 |

鳥綱(ちょうこう)スズメ目メジロ科メジロ属
全長:約11.5〜12cm
翼開長:約18cm
メジロはインドネシアや大韓民国、フィリピン、東ティモール、そして日本に住んでいます。特に日本では全国に住んでいて、日本人に身近な鳥です。「メジロ」という種類の鳥は北海道から九州、対馬、壱岐(いき)など幅広く住んでいて、もちろん日本にある島にも住んでいるのですが種類が少し変わってきます。「イオウトウメジロ」は硫黄列島(いおうれっとう)、小笠原諸島(おがさわらしょとう)、「ダイトウメジロ」は南大東島(みなみだいとうじま)、北大東島(きただいとうじま)、「シマメジロ」は種子島(たねがしま)、屋久島(やくしま)、「リュウキュウメジロ」は奄美大島(あまみおおしま)より南の島、「シチトウメジロ」は伊豆大島(いずおおしま)、鳥島、と住んでいるところによって名前も種類も少し変わってきます。
メジロは1年中同じ場所に住んでいる留鳥(りゅうちょう)ですが、北海道や山に住んでいるメジロは、冬になると暖かい場所や低い山に移動します。スズメよりも小さいその体は、頭や背中が黄緑色で、羽がグレーになっています。メジロの特徴の1つである目の周りは、白い羽で目を囲むようにおおわれています。目は黒いので、遠くから見ると人間と同じように黒目と白目があるように見えますね。お腹は白く、胸や体の横が薄い赤色をしています。オスとメスはほぼ同じ色の羽になっていますが、オスはお腹に黄色の線が入っています。上から見るとどちらも同じ色なので見分けがつかないですね。くちばしは細く尖っていて、体は小さいですが丸っこいので、そんなに細いくちばしで足りるのかなと思ってしまいますね。
先ほどお話ししたメジロの種類ですが、見た目も種類によって変わってきます。イオウトウメジロはくちばしが太く、ダイトウメジロはおでこが黄色く大きいです。シマメジロはメジロよりも緑色が強く、胸や体の横の赤色が濃ゆいです。逆にリュウキュウメジロはその赤い部分がありません。シチトウメジロはくちばしが太く長いなど、住んでいる場所が違うと、その場所に適した体になるのかもしれませんね。
メジロ Q&A

メジロの名前の由来は?
メジロはその名の通り、目の周りが白いので「メジロ」と名付けられました。見たまま名付けられている気がしますが、1番の特徴なので覚えやすいですよね。
中国でメジロは「繡眼鳥」と書きます。「繡」という漢字が布や、刺繍(ししゅう)という意味があるので、目の周りを白く縫われたようだという意味があるのかもしれません。そこからとって日本語の漢字では「繡眼児」と書かれています。「児」というのは「小さいもの」という意味があるそうなので、目の周りを刺繍された小さいもの意味なのかもしれません。
英語では「White-eye(ホワイトアイ)」と言います。実際には目は黒で、目の周りが白いのですが、欧米にはメジロはいないので、日本語を直訳した結果ホワイトアイになったのかもしれませんね。

メジロはなぜそこに住んでいるの?
メジロが住んでいる場所は、季節によって落ち葉になることのない、常に緑の葉っぱが付いている木が多いところです。メジロは黄緑色の体なので、1年中葉っぱの色が同じ場所の方が隠れやすいのかもしれません。
ただメジロが住んでいるのは、山や林ばかりではなく、私たちが住んでいる家や公園にも姿を現しています。
メジロは繁殖期(はんしょくき)ではない時は群れで行動していて、他の鳥と一緒に群れになることもあります。他の鳥とも仲が良いんですね。
寝る時にも群れで枝に止まって寝るのですが、自分が先に枝に止まるんだ!と競争するので、結果、枝にぎゅうぎゅう詰めで寝ることになるんです。
この姿から生まれた言葉もあります。「目白押し(めじろおし)」という言葉を聞いたことがありますか?混み合っている、たくさんあるという意味ですが、枝にたくさんメジロが止まっている様子からこの言葉ができたそうです。
そんなにいっぱいだと落ちてしまいそうですが、想像するとぎゅうぎゅう詰めになっているメジロがたまらなく可愛いですよね。
繁殖期(はんしょくき)になると夫婦で行動します。群れの時とは違って2羽だけで危険を察知しなければならないので、交互に見張り番を交代しながら生活します。羽づくろいもお互い相手にやってあげるんです。他の鳥は羽づくろいを自分でやりますが、メジロは相手にやってもらっていて、これを「相互羽づくろい」と言います。夫婦でとても仲が良いんですね。

メジロは何を食べているの?
メジロは雑食ですが、主に花の蜜や果物、木の実を食べています。甘いものが好きなんですね。育児をする時などは、たくさん栄養を取らなければいけないので虫を食べたりします。「メジロはそうしてそこに住んでいるの?」でも、家や公園にも姿を現すとお話ししましたが、花は山だけではなく家の庭や公園にもあるのでそれを食べにきているんでしょうね。
春にはサザンカや椿、梅、桜、アセビなどの花の蜜を吸うことが多く、秋には果物の柿やアケビ、木の実のサンザシ、ナンキンハゼなどを食べています。
では、メジロはそれらをどうやって食べているのでしょうか。
メジロのくちばしは細く尖っているので、花の中に入れやすい形になっていますが、ただ花の中に突っ込んでいるわけではないんです。メジロには先端が枝分かれした舌が付いていて、その舌に蜜を染み込ませて食べているんです。書道や絵を描くときに使う筆を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。筆に墨や絵の具を染み込ませてから書きますよね。それと同じように舌に染み込ませているんですね。果物の場合はどうしているのでしょうか。
メジロは果物を自力では食べることができません。なぜならつつく力がないからです。鳥が果物を食べる時には、くちばしでつついたりむしったりして食べるのですが、メジロにはその力がないので、他の鳥がむしった後を食べているのです。小鳥からすると柿などの果物は大きいので、むしっても最後まで綺麗に食べるということはないのかもしれません。メジロは他の鳥の力も借りて食べているんですね。

メジロはどうやって増えるの?
メジロは4月〜7月が繁殖期(はんしょくき)で、夫婦で一緒に巣を作ります。巣は敵に見つからないように、枝や葉っぱが密集しているような場所にコケや木の皮、クモの糸、ビニールなども使って巣を作ります。その土地にあるものを利用しているのでしょうね。巣が出来上がるとそこに3〜5個の、うずらよりも小さい卵を産みます。その卵を約10日〜12日ほど温めると、卵からヒナが産まれてきます。ヒナはたっぷり栄養を取らなくてはならないので、親は花の蜜ではなく虫を食べさせます。この育児をしている間のメジロはとても警戒心(けいかいしん)が強いので、人間は近づくことができません。ヒナを守るために必死なのでしょうね。
親はヒナにエサを食べさせたり、パトロールしたりしていますが、他にも巣のお掃除をしています。メジロはとても綺麗好きなので、ヒナがエサを食べた後やフンをした後など、食べ残しやゴミ、フンも捨てて巣の中をキレイな状態に保っているんです。
こうしてキレイな環境で栄養もたくさんとったヒナは約11〜14日ほどで巣立っていきます。とても早いですよね。そんなに早くて大丈夫なのでしょうか。
先ほどもお話ししたように、育児をしている時のメジロはとても警戒心(けいかいしん)が強いです。何より小さいので敵が多くなります。そのため、育ち切る前に巣立つことが多いのです。ずっと同じ場所にいるのは見つかるリスクが高いからかもしれません。まだ飛べなくても巣立つことになることもあるので、自力で生きていくしかないのです。小鳥は成長のスピードが比較的早いですが、その中でもメジロは早い方なので、なんとかして生き残ってほしいなと思いますね。

メジロとウグイスは違う鳥なの?
メジロとウグイスは違う鳥です。ですが昔からどちらかわからないという人も多いのです。そんなに似ているのでしょうか。
見た目の違いから説明すると、メジロは先ほどもお話ししたように黄緑色ですがウグイスはオリーブ色や茶色です。もう全然違いますよね。ウグイスは警戒心(けいかいしん)が強く、人間の前にあまり姿を現しませんが、メジロは育児中以外だと警戒心(けいかいしん)があまりないので、人間の近くにきてエサを食べたりします。また、ウグイスが花の蜜を吸うことはほとんどありません。見た目や食べるものがこんなにも違うのに、なぜ勘違いしている人が多いのでしょうか。
その理由は昔にさかのぼります。メジロとウグイスは共に春を告げる鳥として昔から親しまれていました。ウグイスは「ホーホケキョ」と鳴くことで知られていますが、警戒心(けいかいしん)が強いので姿を現しません。一方、メジロは「チーチュルピーチュル」と鳴きますが、同じ時期に鳴いているとウグイスの鳴き声の方がなじみがあったのでしょうね。そしてメジロはよく姿を現すので、「ホーホケキョ」と鳴いているのは、あの黄緑色の鳥だと勘違いしてしまうことが多かったそうです。
それもあってか、絵などに梅とともにウグイスが描かれていることが多いのですが、その色が黄緑色になっていたり、花札でも梅と共に描かれているのは黄緑色のウグイスなのです。
絵の印象が強くなってしまい、ウグイスはメジロと同じ黄緑色の体をしていると勘違いしてしまったのでしょうね。
和菓子で春に出される「ウグイス餅」というお菓子も、緑色のきな粉がかかっているので勘違いする人がいてもおかしくないですよね。
ちなみに春を告げる言葉として「梅に鶯(ウグイス)」という言葉がありますが、この言葉は梅の木にやってくるメジロをウグイスと勘違いしてできた言葉ではありません。梅の木とウグイスの声が調和されていて風情があるという意味になっています。
メジロとウグイスはこんなにも違いますが、昔の勘違いが今でも続いているんですね。

メジロが密猟されていたって本当?
メジロは昔から人間にとって身近な鳥として親しまれてきました。特にさえずりが美しいことから、明治17年からメジロのさえずりの美しさや回数を競う「鳴き合わせ会」という大会が行われてきました。今でいう「ミス・コンテスト」のようなものでしょうか。
今ではメジロを捕獲(ほかく)することは禁止されているのですが、密猟(みつりょう)をして鳴き合わせ会を行なっているところがあるというのです。はっきりとはわかっていないようですが、優秀なメジロは高値で取引されたり、どのメジロが勝つかお金を賭けていたりしているのではないかと言われています。
密猟は網などで捕まえているようなのですが、群れでいるところを捕まえるとたくさんのメジロが捕まります。たださえずるのはオスだけなのでオスを目的としているのですが、その網に捕まっているメスはどうなるのでしょうか。
メスはその場で殺されてしまうのです。いらないものだと。
このことは問題になり、規制が強化され、メジロを獲ることも飼うことも禁止されています。ですが、海外で捕まえたメジロはこの法律に入っていないため、別の種類を海外から輸入して売られている場合もあるそうです。
人間の欲で、見せ物にされ命を奪われることはとても悲しいです。日本だけではなく、地球全体でメジロや他の動物も守っていきたいですね。

メジロは絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に指定されているの?
メジロは住んでいるところが広く数も多いです。エサも花の蜜だけではなく、果実や木の実などいろんなものを食べることができるので絶滅(ぜつめつ)の恐れは今のところ低いと言われています。ただ、鳥獣保護法(ちょうじゅうほごほう)では守られていて、捕獲したり飼うことは禁止されています。
ただ「ダイトウメジロ」という種類は、沖縄県のレッドリストに準絶滅危惧種(じゅんぜつめつきぐしゅ)に指定されています。今すぐ絶滅(ぜつめつ)するというわけではありませんが、絶滅(ぜつめつ)の危険性が高いということです。
メジロの住む緑の多い場所がなくなってきたり、密猟をされたりということもあるので、みんなで守っていきたいですね。

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メジロ 種類

- メジロ
- イオウトウメジロ
- ダイトウメジロ
- シマメジロ
- リュウキュウメジロ
- シチトウメジロ
- チョウセンメジロ
- フィリピンメジロ
- ハイバラメジロ
- セイロンメジロ
- マリアナメジロ
- カロリンメジロ
- ムジメジロ
- エンガノメジロ
- ズグロメジロ
- キムネメジロ
- フィリピンキメジロ
- ヤマメジロ
- ウォーレスメジロ
- ジャワメジロ
- マングロープメジロ
- シロハラマングロープメジロ
- セレベスハントウメジロ
- ケイメジロ
- オグロメジロ
- セレベスマカッサルメジロ
- モルッカメジロ
- クロビタイメジロ
- セラムメジロ
- ニューギニアメジロ
- ノドジロメジロ
- ビスマルクメジロ
- ビアクメジロ
- キバラヤマメジロ
- ブルメジロ
- アンボンメジロ
- パプアメジロ
- キノドメジロ
- クリスマスメジロ
- キバラメジロ
- ルイジアードメジロ
- レンネルメジロ
- ベララベラメジロ
- ユウビンソロモンメジロ
- ガノンメジロ
- ソロモンメジロ
- クランバングラメジロ
- レンドバメジロ
- マライタメジロ
- サンタクルーズメジロ
- サモアメジロ
- フィジーメジロ
- キビタイメジロ
- リフコメジロ
- カレドニアメジロ
- ハイムネメジロ
- ハシボソメジロ
- ノーフォークメジロ
- リフメジロ
- ネズミメジロ
- ウスグロメジロ
- ミヤマメジロ
- シロハラメジロ など
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