アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア

皆さんは「アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア」という犬種を知っていますか？とても長い名前なので「ウィートン」と呼ばれることもあります。日本ではほとんど見られない犬種なので知っている方は少ないかもしれません。そんなアイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアのことを紹介していきます！

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア基本情報

〜基本情報〜

原産国：アイルランド体高：46〜48cm 体重：16〜20.5kg アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは中型犬ですが、テリア種の中では大型で、アイルランド原産の大型テリア三犬種の１つとなっています。体型はスクエア型でがっしりとした体を持っていて、頑丈で力強いです。他のテリア種は毛が硬いイメージがありますが、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは絹のように柔らかく、カールしています。しかもこの毛は人間の髪の毛と同じように伸び続けるんです。他の犬種だとプードルも同じですね。なので抜け毛があまりありません。毛の色は小麦色や赤みの強いゴールドなどがいます。ただ、これは成犬の色で、子犬の時は色が違うんです。子犬の頃はブラウンやレッドなどの暗い色かホワイトで、耳や口元の毛がブラックかダークブラウンになっています。成長するにつれて淡い色に変化していくんですね。国によっては断尾することもあるので、尻尾が短くなっている子もいます。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの歴史

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはアイルランド原産のテリア種の中で、最も古くからいた種類だと言われています。残っている文書によれば、少なくとも200年以上前には存在していたことが推測できるそうです。「ケリー・ブルー・テリア」という種類の祖先だという説もありますが、はっきりとはわかっていません。アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、家畜の見張りや害獣の番犬、家畜を管理する牧畜犬、家庭の番犬などいろんな仕事をこなせる万能犬として活躍していました。昔から人間の近くでたくさんの仕事をしてきたにも関わらず、アイルランド国内の犬の種類の認定などを行っている「アイリッシュケネルクラブ」に1937年になってやっと認定されました。同じくイングランドのケネルクラブにも1941年に認定されたんです。200年以上前から一緒に働いてきたのに認定が遅かったんですね。アメリカには1946年に初めて輸出されましたが、まだまだ注目されていませんでした。1973年、アメリカケネルクラブに認定され、ペットとして、またドッグショーに出る犬として人気が出て、今でもいろんな場所で活躍しています。アイルランド国内や世界で注目されるには時間がかかりましたが、そんなに大きくはない体にたくさんの能力とパワフルなスタミナ、可愛らしい顔をしたアイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは1度見たら忘れることはないでしょうね。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリア Q&A

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの名前の由来は？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの名前の由来は、分けて考えてみるとわかりやすいです。「アイリッシュ」は「アイルランドの」という意味、「ソフトコーテッド」は「絹のように柔らかい」という意味、「ウィートン」は「小麦色の」という意味、「テリア」は「テリア種」ということですね。繋げると「アイルランドの絹のように柔らかく小麦色の毛を持つテリア種」という意味になります。柔らかく綺麗な色の毛が由来になっているんですね。最初にもお話ししましたが、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアという名前は長すぎるので、「ウィートン」という愛称で呼ばれることがあります。ウィートンだけで特徴がよく表されていますね。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの性格は？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、賢く勇敢で元気が有り余っています。飼い主さんに従順で愛情深く、子どもや他の犬とも仲良くなることができます。一般的にテリア種というのは、小動物などを狩猟していた歴史があるので、気性が荒く独立心の高くなっていますが、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、狩猟犬ではなく番犬や牧畜犬として活躍していたので、攻撃的になることはなく逆に人や動物に対して愛情深くなっているのかもしれませんね。警戒心が強く、知らない人が来ると家族を守ろうとしてくれるので番犬としても頑張ってくれます。人を喜ばせることが大好きなので、仲良くなるといろんな姿を見せて和ませてくれますよ。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはある人たちに注目されているの？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアを注目している人たちは、アレルギーやぜんそくを持っている方々です。アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、アレルギーなどの人間に対する刺激が少ない犬なのではないかと考えられていて、アレルギーがあるけど犬と暮らしたいという方々に注目されている犬種なんです。抜け毛が少ないという点もアレルギー症状が出にくい要因と思われます。ただ、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、日本ではとても珍しい犬種で、日本で飼われている数もとても少ないです。なので、日本にはブリーダーがおらず、アイルランドを含めたヨーロッパなどから輸入するしかありません。しかもアイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはヨーロッパやアメリカではとても人気で倍率が高いので厳しい審査があります。日本というだけで、「ウィートンは出せない」と言われてしまった飼い主さんもいるほどなんです。何度もコンタクトを取ったり、コネクションを作ったり、熱意を伝えてなんとか輸入してもらえるように努力するしかありませんね。ただ、それだけ苦労してお迎えした子はとても可愛いと思いますよ。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは室内で飼うの？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、飼い主さんと過ごすのがとても好きな犬種です。家の中で飼う方が快適に過ごせるかもしれません。それに暑すぎるのも寒すぎるのも苦手なので、温度管理ができる室内の方がいいですね。中型犬用のサークルやケージを用意してあげてください。飛び越える可能性もあるので屋根のついたもののほうがいいかもしれません。家の中では常に温湿度を一定にしてあげて、夏は室内でも熱中症になる可能性があるので注意してあげてください。アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは優しい性格なので、お子さんがいる家庭でも飼うことができ、遊び相手にもなってくれます。はしゃぎ過ぎてしまう時もあるので注意してみてあげましょう。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはたくさん運動するの？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、もともと番犬や牧畜犬として働いていたのでスタミナがあります。なので毎日2回、それぞれ30〜60分ほど散歩させてあげる必要があります。散歩の他にもドッグランで走らせたり、ボールやフリスビーを投げて取ってくるゲームなどで運動させてあげてください。他にも重いものを引っ張る作業も好きなので飼い主さんと一緒に引っ張り合いなどもできるかもしれません。アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、好奇心のある犬種なので、動くものに反応してしまうことがあります。しつけも必要ですが、急に動いた時にきちんとリードを引っ張れる力も飼い主さんには必要になってきます。体力と腕の力がある方が散歩をしてあげたほうがいいかと思います。暑い日の散歩は熱中症になる可能性があるので、朝や夕方の涼しい時間に散歩させてあげてください。水分補給も忘れないようにしてくださいね。運動量が足りないとストレスが溜まったり、太ってしまう可能性があります。たくさんの運動量が必要になりますが、心と体の健康のために運動欲求を満たしてあげましょう。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはどんなご飯を食べるの？

基本的にはフードと水だけで栄養バランスが取れる、「総合栄養食」と書かれているものを選ぶといいと思います。子犬、成犬、シニア犬と年齢に合った物と量をあげてください。ただ、アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは活発に動きますがその反面消化器官が弱いので、消化のいいフードを選ぶといいと思います。特に子犬の時は免疫機能が発達する時なので、ビタミンEやカルシウム、リン、マグネシウム、EPA、DHAなどが含まれていてバランスがいいフードを選んであげるといいと思います。その中でカルシウムは与えすぎてしまうと逆効果なのでバランスを大事にして健康を守ってあげましょう。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアはしつけやすいの？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは賢く飼い主さんの言うことをよく聞いてくれる犬種なので、しつけはしやすいと思います。子犬の頃から飼い主さんの言うことを聞かなきゃならないと思わせることが大事になってきます。みんなを喜ばせることが大好きなので、飼い主さんが楽しそうにしていたり喜んでくれると嬉しくなります。怒ることなく、褒めてしつけるようにしましょう。もしもいけないことをしてしまった時に、「これはダメだよ」と教えてあげるとちゃんと理解ができる犬なんです。番犬として害獣を追い払っていたこともあり、本能で噛む行為をすることがあるかもしれません。本能なので完全にやめさせることはできないかもしれませんが、子犬の頃からこれくらい強いと痛いんだと言うことを教えてあげて、甘噛み以上の強さにならないように教えてあげましょう。散歩中、動くものに反応してしまった時などに役立つのが「待て」です。子犬の時から「待て」を教えて、社会生活の中で自分の行動をコントロールできるようにしてあげましょう。しつけは子犬の時から教えるのが大事になってきます。頭のいい犬種なので、きちんと理解してくれると思いますよ。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアのお手入れは大変なの？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの毛は柔らかくカールしているので、2日に1回、ブラッシングしてあげてください。特に内股からひざまでは毛が長く絡まりやすいので、丁寧にブラッシングしてあげてください。散歩から帰ってくると、ゴミなどがついている可能性もあるので、よく観察して軽くブラッシングしてあげてください。抜け毛は少ないですが、毛が伸び続けるので1ヶ月に1回のペースでシャンプーやトリミングをしてあげてください。ショードッグにするなら美しい見た目を保てるようにカットしたほうが良いかもしれませんが、家庭犬であればお手入れをしやすい長さにしても良いと思いますよ。耳は折れ耳なので、通気性が悪く病気になってしまう可能性もあります。定期的に耳の掃除をしてあげましょう。シャンプーが終わった後にも、耳に水が残ってないか確認してあげましょう。ブラッシングやシャンプーは体を清潔に保つだけでなく、愛犬との大事なコミュニケーションでもあります。ブラッシングの回数が多いので大変かもしれませんが、触れ合いながら健康を守ってあげましょう。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアのかかりやすい病気は？

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアだけではなく、動物はそれぞれかかりやすい病気があります。防げるものもあるので紹介していきます。「筋ジストロフィー」筋肉の形が変わったり壊死（えし）してしまい、オスのみがかかる病気です。遺伝性なので家族に迎え入れる前に、親を確認しておくことが大切です。「網膜形成不全（もうまくけいせいふぜん）」網膜（もうまく）がうまく作られない目の病気で、遺伝性なので、この病気も親を確認しておく必要があります。「若年生白内障（じゃくねんせいはくないしょう）」水晶体が白く濁って、視力が落ちる病気です。この病気は症状を遅らせることはできますが、完全に治すことはできません。遺伝性なので、この病気も親を確認しておく必要があります。「外耳炎（がいじえん）」折れ耳や垂れ耳の犬に多い病気で、耳の通気性が悪くなるのでかかりやすくなってしまいます。ただこの病気は定期的に耳の掃除をすることで防ぐことができるので、ケアしてあげてくださいね。アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアの平均寿命は12〜15歳と、中型犬の中でも平均的な寿命です。人間よりも寿命が短いので、大切に楽しい生活をしてあげましょう。