ダイオウグソクムシ
ダイオウグソクムシ
ダイオウグソクムシ
ダイオウグソクムシは、エイリアンのような見た目をしていますが、深海にすむダンゴムシの仲間の生き物です。 ダンゴムシといっても、ダイオウグソクムシは想像よりももっと大きく、実物を見るとびっくりしてしまう人もいるかもしれません。 不気味なところもあるけどちょっとくせになる魅力のあるダイオウグソクムシは今、深海生物の中でも注目を集めています。 そこで、ダイオウグソクムシの生態や特徴について詳しく調べてみたので紹介していきたいと思います。
ダイオウグソクムシ 基本情報
節足動物門等脚目(せっそくどうぶつもんとうきゃくもく)スナホリムシ科
体長約40cm 体重1.7kg
ダイオウグソクムシは、水に生息する等脚類(とうきゃくるい)の中では一番巨大な生物です。
ダイオウグソクムシの仲間には、エビやカニなどがいます。
世界中の深海の水深約170m~2,140mあたりのところに生息していますが、主に大西洋の水深200m~800mのところでよく発見されることが多いです。
普段私たちがよく目にするダンゴムシは体長約1~1.5cm程度の大きさで、その仲間のオオグソクムシはその10倍の体長10~15cm程度ですが、ダイオウグソクムシはそれよりさらに大きく、巨大なものだと体長約50cmのものもいます。
ダイオウグソクムシの生態は、科学者でもまだよく分からない部分が多いようです。
深海の生物を調べるのはとても難しく、深海の研究は月の表面の研究よりもまだ進んでいないと言われています。
ダイオウグソクムシ Q&A
ダイオウグソクムシの名前の由来は?
ダイオウグソクムシの名前の「グソク」というのは鎧兜(よろいかぶと)という意味の「具足」の意味合いがあります。
ダイオウグソクムシは、鎧兜(よろいかぶと)のような見た目や、強靭(きょうじん)な甲羅を持っていることからこのような名前がつけられました。
グソクムシに、「ダイオウ」という「巨大な」という意味を組み合わせて「ダイオウグソクムシ」と呼ばれるようになったんです。
ダイオウグソクムシはどうしてそこに住んでいるの?
ダイオウグソクムシは、硬い甲羅(こうら)で全身を覆っています。
深海というのはとても水圧が高く、水深が深くなればなるほど重圧がかかるようになってるんです。
水深500m程度で、金属バットが潰れてしまうぐらいの水圧がかかっていることが分かっています。
ダイオウグソクムシはそんな水圧にも耐えられるほどの強い甲羅(こうら)に覆われているので、深海でも生きていけるのです。
また、ダイオウグソクムシは食べ物をあまり食べなくても生き続けられるという特徴があります。
深海というのは食べ物が少なく、エサに困ってしまうこともありますがダイオウグソクムシは食べなくても生きていけるので深海でも生き続けることができるんです。
ダイオウグソクムシは何を食べているの?
ダイオウグソクムシは、クジラや魚の死がいなどを食べて生きています。
死んだ生き物というのは、海底にどんどん沈んでいきます。
ダイオウグソクムシは、沈んできた生き物の死がいを強靭(きょうじん)な顎(あご)で食いちぎって食べているんです。
死がいを食べて分解してくれることから、ダイオウグソクムシは「深海のそうじ屋」とも呼ばれています。
また、このほかにも生きた海綿動物(かいめんどうぶつ)やナマコを食べるという説もあるようです。
ダイオウグソクムシとオオグソクムシの違いは?
ダイオウグソクムシは、ただオオグソクムシの大きいバージョンだと思われがちですが、すこしずつ生育環境の違いがあります。
オオグソクムシはダイオウグソクムシよりも水深が浅いところでも生きられたり、水温が高くても生きられたりします。
また、給餌(きゅうじ)の頻度も、ダイオウグソクムシは1ヶ月に一回程度でいいところを、オオグソクムシは2〜3日に一度は餌を食べるという違いがあります。
威嚇(いかく)方法も、オオグソクムシは尻尾についたトゲを持ち上げて威嚇(いかく)しますが、オオグソクムシは黒い汁を出します。
ダイオウグソクムシとオオグソクムシは、単に大きさが違うだけの生き物というわけではないようです。
ダイオウグソクムシはどうして大きいの?
ダイオウグソクムシはとても巨大な生き物です。
これは、深海の生物に共通して言えることですが、深海は海の中でも敵が少なく、襲われて死んでしまうという可能性が極めて低い場所です。
ですから、生き延びられる可能性も高まり、どんどん大きくなっていくのでは?と言われています。
また、体が大きいことで冷たい水の中でも体温調節がしやすく、長生きできるんです。
ダイオウグソクムシも丸くなる?
ダイオウグソクムシはダンゴムシの大きいバージョンというイメージがあります。
では、ダイオウグソクムシもダンゴムシのように丸くなるのでしょうか?
ダイオウグソクムシは、危険を感じるとU字形に体を丸めて身を守ります。
しかし、ダンゴムシのように体全体をキレイに丸めることはできないようです。
ダイオウグソクムシはどうやって増える?
ダイオウグソクムシにも、オスとメスの違いがあります。
生殖突起を持っている方がオスです。
しかし、ダイオウグソクムシがどうやって繁殖するかというのは、実はよくわかっていません。
捕獲したダイオウグソクムシが交尾をして繁殖したという例がまだないからです。
ダイオウグソクムシはエサを食べなくても生きられる?
三重県の鳥羽水族館にいたダイオウグソクムシは、アジを50g食べた後、5年と43日間何もエサを食べなくても生き続けることができたという例があります。
死んだダイオウグソクムシの胃の中を調べたところ、胃の中は空っぽだったものの、胃液でいっぱいになっていて「酵母様真菌(こうぼようしんきん)」という謎の液体が残っていたそうです。
さらに、体重も増えていたということから、餓死(がし)ではないとも言われています。
しかし、酵母と体重の関係はまだ明らかにされていません。
死因が餓死(がし)ではないのであれば、もっと食べなくても生きていられたかもしれないということになりますね。
ダイオウグソクムシは脱皮する?
鳥羽水族館で飼育されていたダイオウグソクムシは、2匹のオスが脱皮したという例があります。
脱皮は、体の後ろを半分先に脱皮し、その数日後に前半分の脱皮を行ったということです。
脱皮の方法はダンゴムシと同じですが、体のサイズが大きい分、時間がとてもかかるんですね。
ダイオウグソクムシは泳げる?
ダンゴムシによくにたダイオウグソクムシですが、普段は深海の海底をのそのそと歩いています。
しかし、後ろに板のような脚と尾がついていて、素早く遊泳することもできるんです。
しかも、ダイオウグソクムシは泳ぐときにお腹を上にして泳ぎます。
水族館などでは泳いでいる姿はあまり見られませんが、じっとしているイメージのあるダイオウグソクムシの姿とは大きく違うので驚くかもしれません。
また、前脚は深海の底に穴を掘って隠れるときにも使います。
ダイオウグソクムシの節(ふし)はいくつある?
ダンゴムシの体は14節(ふし)ですが、ダイオウグソクムシの背中には全部で13枚の甲羅(こうら)がついています。
ダンゴムシよりも1枚少ないですが、大きくて硬い甲羅(こうら)が並んでついているのは圧巻です。
ダイオウグソクムシの目は3,500個もある?
ダイオウグソクムシを正面から見てみると頭の部分に目があります。
ダイオウグソクムシの目は複眼(ふくがん)になっていて、3,500個もの個眼(こがん)が集まって形成されているんです。
これは、節足動物(せっそくどうぶつ)の中では最大級の大きさだと言われています。
ダイオウグソクムシの寿命は?
ダイオウグソクムシが深海の環境下でどのぐらい生き続けられるかというのはまだよく分かっていません。
しかし、寿命は長いもので約50年は生きるのではないかとも言われています。
しかし、これも憶測でしかなく正確なデータはないようです。
ダイオウグソクムシは美味しい?
ダイオウグソクムシは、海のとても深いところにいるのでなかなか釣り上げることができません。
もし捕まえられたとしても、海上に引き上げられる前に死んでしまい、他の生き物に食べられてしまうからです。
しかし、ごくまれに引き上げられたダイオウグソクムシは、市場で売られ食べる地域もあるんだとか。
ダイオウグソクムシの味は、とても濃いカニやエビのような味がするそうです。
でも結構臭みも強いみたいで、好みは分かれそうですね。
ダイオウグソクムシのお値段は?
ダイオウグソクムシが欲しい!と思ったら、いくらで買うことができるのでしょうか?
ダイオウグソクムシは専門的なお店なら購入できるところもあるようです。
お値段は20万円程度で販売されています。
深海の生物を一般家庭で飼育するのはとても難しいことですが、ダイオウグソクムシが欲しいという方は参考にしてみてくださいね。
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ダイオウグソクムシ 種類
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ダイオウグソクムシ 参考文献
- ・超キモイ!ブキミ深海生物のひみつ100 2017年8月1日 第1刷発行
- ・深海生物大集合 超ふしぎなダイオウグソクムシとびっくりエビたち 2014年12月19日初版第1刷発行
- ・学研の図鑑 LIVE(ライブ)ポケット 深海生物 2022年7月26日初版第1刷発行
- ・深海の生物 株式会社ポプラ社 2016年6月第1刷
- ・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/ダイオウグソクムシ
- ・深海生物説明書 https://deepseafish.biz/archives/376
- ・るるぶKids https://kids.rurubu.jp/article/15379/#:~:text=深海魚は浅いところで,徐々に深いところへ。
- ・サンシャイン水族館 https://sunshinecity.jp/aquarium/animals/gusokumushi.html
- ・AQUA PICKS https://aquariumpicks.com/deep-sea-isopod
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