カエル
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カエルは、両生類の中でも私たち人間にとってとても身近な存在のものでもあります。 梅雨の時期になると鳴き声をよく耳にするという人や、雨の日に道路にカエルがとんでいるのを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか? そんな親しみ深いカエルですが、実際にどんな生態をしているのか知っている方は少ないと思います。カエルの生態について詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
カエル 基本情報
脊椎動物亜門・両生綱・無尾目(カエル目)
体長3~80cm 体重2g~3Kg
カエルは、南極大陸を除く全大陸や島に生息しています。
一口にカエルと言っても種類はとても多く、6,579種ほどの種類が確認されています。
カエルのほとんどは水辺に生息しており、陸と水中の両方で生活する種類のものが多いことで知られています。
しかし、陸上だけで生活するものや樹の上にまでのぼって生活するものなどもいて、完全水中のものというのは多くないのです。
後肢が特に発達していて、ジャンプをするのが得意です。
また、指の間には水かきもあり、泳ぐのもとても上手だという特徴があります。
カエルは肉食で、昆虫などを食べて生きています。
日本では、カエルが生活するのに丁度よい水辺や水田が多くあったことから、昔から人々にとってなじみ深い存在として親しまれている生き物なのです。
カエル Q&A
カエルの名前の由来は?
カエルの名前の由来は所説あります。
カエルは、元の場所へ必ず「帰る(かえる)」や、卵から「孵る(かえる)」、冬に冬眠をするけれど、春になるとまた目を覚まして「蘇る(よみがえる)」という意味から来ていると言われています。
カエルには、色々なところを徘徊しても必ず巣に帰ってくる習性がありますので、この説が一番有力と言われています。
カエルはどうしてそこに住んでいるの?
カエルは、両生類なので水中でも陸上でも生活することができます。
おたまじゃくしのうちは水中で過ごしますが、カエルになると陸に上がって暮らすようになります。
しかし、陸で暮らすようになってもカエルは水が必要です。
カエルは肺だけでなく、体全体の皮膚でも呼吸をしているからです。
体が乾いてしまうと皮膚呼吸ができなくなってしまいます。
ですから、カエルは体が乾くとすぐに水の中に入って体を濡らすようにしています。
カエルの中には、山や木の上で暮らしているものもいます。
このカエルたちは、土の中に染み込んでいる水分や夜露(よつゆ)、沼、たまり水などで体の湿り気を補っているのです。
カエルは何を食べているの?
カエルは、動いている小さな生き物を探して舌で捕まえて食べます。
カエルが生活している地面には、人間の目には見えるか見えないか程度の小さなカニムシ、トビムシ、ダニ、ヤスデなどがたくさん生息しています。
小さいカエルは餌を採るのも下手なので、最初のうちはそういった小さな生き物を食べて生きているのです。
少し大きくなってくるとアブラムシやショウジョウバエやイエコオロギなどを食べて生きています。
どれだけ好きな生き物でも、死んでいるものは食べません。
カエルの体のつくりはどうなってる?
カエルは、脊椎動物(せきついどうぶつ)の両生類の仲間です。
体の中に骨があり、体全体を支えて内臓を守っています。
前足と後ろ足が2本ずつあり、後ろ足は筋肉が発達して太く長くなっています。
指もあり、前足に4本、後ろ足に5本です。
水の中を泳ぐための水かきもありますが、後ろ足の水かきはあまり発達していません。
おたまじゃくしの時は上手に動き回っていますが、カエルになると陸地で歩き回るほうが得意のようです。
カエルには毒がある?
カエルは、敵から攻撃されたとき耳腺(じせん)という耳の部分から白い毒の液を出します。
この毒を、「ガマの油」と呼びます。
耳腺から出る液は、ミルク色でべたべたしています。
哺乳類の心臓に毒になるもので、犬や猫には効果的です。
人間にとっては致命傷にはなりませんが、目に入ったりすると赤くなったり病院に行かなければならなくなることもあります。
カエルを触ったあとは必ず手を洗いましょう。
カエルのオスとメスの見分け方は?
カエルのオスとメスを区別できる違いはほとんどありません。
しかし、オスとメスを比べてみるとその違いが分かります。
オスの鼻先は少し前に伸びてとがったようになっていますが、メスは丸っこくなっています。
また、メスの口はオスより大きく裂け、耳の後ろまであります。
カエルの成体では、メスのほうがサイズが大きいです。
生殖器官(せいしょくきかん)が働き始める時期が違い、オスのほうが早く大人になります。
カエルはエサを食べるとき目を閉じる?
カエルは、口の中に入れたものを飲み込むときに目玉を使用しています。
目を閉じることで上あごの中に目玉がでっぱり、口の中のエサを押さえて喉の奥に送り込むようになっています。
カエルは目が開いているときは出ていますが、閉じているときは引っ込んでいます。
カエルは胃を吐き出す?
カエルは、動くものを見るとエサだと思ってなんでも食べてしまいます。
しかし、食べられないものを口に入れてしまった場合、自分の胃をひっくり返して吐き出し、前足でこすって取り除きます。
そして、再びその胃を飲み込み、体内に戻します。
カエル合戦って何?
カエルが水べに集まり、抱接(ほうせつ)することをカエル合戦と呼びます。
これは戦うわけではなく、オスがメスの背中にのり、前足でメスの腹を抱え込んで締め付け、産卵を助けることです。
池の周りでメスを待つオスは、メスの数よりもかなり多いです。
ですから、メスに抱接したいオスが何匹も乗っかり、どかすために蹴とばしたりして争うこともあります。
昔の人がこの様子を見て、カエル合戦と呼ぶようになったそうです。
カエル合戦はどこで見られる?
ヒキガエルの卵やオタマジャクシが取れる水辺なら、カエル合戦を見ることができます。
公園の池、田んぼなどでカエルが生息しているようであれば見てみましょう。
カエル合戦は夜7時ごろから始まります。
昼間も、産卵中のカエルや水辺で待つオスのカエルを見ることができるかもしれません。
カエルの天敵は?
カエルの天敵は、モズやカラスなどの鳥、ネコなどがいます。
カエルの寿命は10年ほどと長いですが、ほとんどのカエルは天敵に襲われて寿命まで生きることはできません。
カエルになる前の卵の状態の時から、鳥やヘビ、水生昆虫(すいせいこんちゅう)などの餌食になりカエルになれないこともあります。
そして、一番の天敵は人間です。
池や沼が埋め立てられ、カエルの産卵場所が激減しています。
また、カエルが道路で轢(ひ)かれている姿を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
卵をとってしまう人間の子供も、カエルにとっては天敵です。
カエルも溺れることがある?
水かきがあり上手に泳げるイメージのあるカエルですが、おぼれることもあります。
オタマジャクシのころはエラ呼吸でも、前足が出てくると肺呼吸に変わります。
この時期のカエルというのは、おたまじゃくしの尾が短くなっているのに足はまだ完成していない状態なので、うまく泳げなくなってしまい、鼻から水を吸い込み溺れて死ぬことがあるのです。
カエルはどうして冬眠するの?
カエルは、変温動物(へんおんどうぶつ)です。
周りの温度が低くなると、体温が下がってしまい動きが鈍くなります。
気温が0度以下になると、体の水分が凍ってしまい、死んでしまいます。
ですから気温が10度以下になると土をほって土の中に潜り冬眠するのです。
カエルは体の色を変える?
カエルは、棲(す)んでいるところや季節によって体の色を変えます。
周りの色や温度、明るさなどを感じ取り、敵から目立ちにくいように保護色になるのです。
カエルが保護色になる仕組みは、まだよくわかっていません。
カエルはどうやって鳴く?
カエルというと「ゲロゲロ」と鳴くのが特徴的です。
カエルの鳴き方には、頬の鳴き袋を膨らませるものと、喉の鳴き袋を膨らませるものがあります。
空気を吸い込み、肺と鳴き袋の間を往復させて鳴き声を出します。
ヒキガエルには鳴き袋はありません。
カエルは脱皮する?
カエルは、成長するまでの間に何度か皮がむけます。
しかしこれは脱皮ではなく、人間の皮膚と同じようにいらなくなったアカのような皮がむけていくイメージです。
皮はとても薄く、皮を脱いだ後はカエルはその皮を食べてしまいます。
カエルの卵は何個入ってる?
カエルの卵というと、透明なぶよぶよのひもの中に黒い粒粒がいっぱい入っているものが想像できますよね。
その卵は平均約5~6mほどの長さで、中にはなんと7500~8000個もの卵が入っているんです。
卵の膜はとても強く、水温の変化や動きなどにも耐えることができます。
カエルは水を飲まない?
生き物だからエサを食べたり水を飲んだりするのでは?と思いますが、カエルは口から水を飲みません。
カエルは、腹の皮膚から水を吸収しています。
口から飲むのではなく、お腹から水分補給しているというわけです。
世界最大のカエルはどれ?
カエルは種類がとても多いですが、世界で一番大きなカエルは「ゴライアスガエル」です。
ゴライアスガエルはカエルと言っても小型犬ぐらいの大きさがあり、大きいもので体長約32cm、四肢(しし)を伸ばした状態で約80cmで、体重は3kg異常もあります。
寿命も長く、約10〜20年ほど生きると言われており、ギネス世界記録にも大きいカエルとして認定されているんです。
ゴライアスガエルは絶滅危惧種に認定されています。
世界最小のカエルはどれ?
世界最小のカエルは、「パエドフリン・アマウンシス」という種類です。
体長は約7.7mmで1cmもないぐらいの大きさです。
カエルの中で最小なだけでなく、脊椎動物の中でも世界最小サイズとなっています。
このカエルは、オタマジャクシの段階がなく、生まれたときからカエルの形をしています。
パエドフリン・アマウンシスの生息している地域は熱帯雨林ですが、水がないので泳ぐことができず、オタマジャクシの段階がなくなるように進化したと言われています。
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カエル 参考文献
- ・かえるよ!カエル 2001年4月16日初版第1版発行 株式会社リブリオ出版
- ・カエルのたんじょう 2005年7月新装版第2版 株式会社あかね書房
- ・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カエル#:~:text=2011)に基づく。-,生態,で、昆虫などを食べる。
- ・あわしまマリンパーク みんなの日 http://www.marinepark.jp/blog/index.php?itemid=4891#:~:text=答えは意外とシンプル。,蘇ったかのように現れる。」
- ・語源由来事典
- ・意味や由来違いの情報 https://xn--n8j320ixuiolgtssen2b.com/動植物/kaeru-imi-yurai.html
- ・いきふぉめ~しょん https://ikimall.ikimonopal.jp/blog/post-2904/
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