フレンチロップ

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たれ耳&ずんぐりむっくり体型が特徴的のフレンチロップです!垂れ耳ウサギは他にも数種類いますが、フレンチロップは一番大きい垂れ耳ウサギと言われています。
ホーランドロップのような小型うさぎもかわいいですが、フレンチロップはまるで大きなぬいぐるみ!隠されたその魅力について探ってみませんか?

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~基本情報~

原産国 フランス

シニア/オス 8ヶ月以上4.76kg以上

シニア/メス 8ヶ月以上4.99kg以上

インターミディエイト/オス 6ヶ月~8ヶ月5.22kg未満

インターミディエイト/メス 6ヶ月~8ヶ月5.44kg未満

ジュニア/オス・メス 6ヶ月未満 4.76kg未満 最低体重2.38kg
※アメリカウサギ協会(ARBA)基準

1850年代、フランスに住んでいたブリーダーが「イングリッシュロップよりも大きなウサギを作りたい」という発想がきっかけで誕生したウサギといわれています。

交配種に選ばれたのはイングリッシュロップと大型のバタフライラビットという品種で、バタフライラビットはフレミッシュジャイアントによく似ていますが、体が短めのウサギです。

1850年から1910年にかけてイギリスなどにも広まり、当時は「キング・オブ・ファンシー」と呼ばれ非常に人気があったようです。

なお、アメリカウサギ協会(ARBA)にて正式に登録された年度は不明ですが、1970年から1971年にアメリカへ渡ったとされる記録があるので、恐らく1970年以降に品種登録されたのでは?と考えられています。

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フレンチロップのQ&A

フレンチロップの名前の由来は?

フレンチは生まれ故郷の「フランス」という意味があり、そこに「垂れた」という意味のロップをつないで名づけられたといわれています。

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フレンチロップのカラーバリエーションは?

■ボディカラーの種類

・セルフ(全体の色がほぼ単色である)
ブラック、ブルー、チョコレート、ライラック、ブルーアイドホワイト、ルビーアイドホワイト


・シェイテッド(耳、鼻先、しっぽ、足先の色が濃くグラデーションになっている)
セーブルポイント、セーブル、スモークパール、シール、トータスブラック、トータスブルー、トータスチョコレート、トータスライラック、フロスティーブラック、フロスティーブルー、フロスティーチョコレート、フロスティーライラック


・アグーチ(1本の毛が3色以上に分かれている)
チェスナットアグーチ、チョコレートアグーチ、チョコレートチンチラ、チンチラ、リンクス、オパール、


・ブロークン(ベースカラーがホワイトであり、ぶち模様が入っている)
ブロークン、トライカラー

・チックド(体に異なる毛色が混じっている)
スティールブラック、スティールブルー、スティールライラック、スティールチョコレート、シルバーフォックスブラック、スティールセーブル

・ワイドバンド(頭から足の毛が同じ色で、目の周りやお腹などが異なる毛色)
クリーム、フォーン、オレンジ、レッド

■アイカラーの種類

ブラウン、ブルーグレー、ルビーレッド、ブルーがあります。

■毛種

フレンチロップは短毛種(たんもうしゅ)のみです。

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フレンチロップの外見はどんな感じ?

幅のある頭部に短めの首、そしてなんといっても目を引くのがむっちりとした大きな体に約40cmもある垂れた耳が特徴のウサギです。イメージとしてだいたいどのくらいの大きさなのかというと、個体差はありますがおよそ小型犬のパグ(成犬)とほぼ同じぐらいだと思って良いでしょう。

そのため人によってはフレンチロップを抱っこすると大きなぬいぐるみ、もしくは人間の赤ちゃんや子どもを抱いているような感覚に近いという方もいるようです。フレンチロップのような体型はコマーシャルと呼ばれ、被毛はモフモフと厚みがあり、そして光沢(こうたく)もあるロールバックです。ちなみに毛の長さは全体的に約3.2cmでまとまっているのが理想とされています。

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フレンチロップはどのくらいの大きさまで成長することがあるの?

基本情報でも紹介したとおり、大型種のフレンチロップは大人になると約5kg以上の体重まで成長します。ですがそこで成長が止まるのではなく、個体差もありますが10kg近くにまで大きくなった事例もあるようです。

これが肥満にあたるのかどうかは、動物病院で確認してもらわないと判別できませんが、10kgというと1歳の男の子と同じぐらいの体重なので、そう考えると相当大きくなったことが分かりますね。

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フレンチロップを購入するにはどれくらいかかるの?

およそ6~10万円です。フレンチロップの流通量は少ないため、他のウサギと比べると少し高めの値段になります。

また、ラビットショーで入賞できる可能性があるウサギを「ショータイプ」、お家で飼う分には何の問題もないウサギを「ペットタイプ」とよびますが、ショータイプのフレンチロップになると、もう少し高額になる場合があります。

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フレンチロップの性格について詳しく知りたい!

基本的に穏やかで優しい性格のフレンチロップ。そのため飼い主さんにも懐きやすく、ウサギ飼育の初心者でも飼いやすい品種です。ただし体が大きいのでその分蹴る力やかじる力も強く、またブラッシングや爪切りといったお手入れを行なう際、抱っこする場合もあるので、人によっては少々力が必要になる可能性はあります。

垂れ耳ウサギは比較的おっとりしているため、他品種との同居や多頭飼いも可能といえるでしょう。ですが、フレンチロップ1羽だけでも広い飼育スペースを要するため、多頭飼いをすることは滅多に無いと思われます。そういう気質がある。ということだけ覚えておくのがベターです。

体重が重いので、フローリングなど滑りやすい床では足の裏に負担がかかりやすい場合があります。できればカーペットやマットを敷いてあげるのが良いでしょう。

体が大きいフレンチロップにとって、小さな頃から始めるしつけはとても重要です。

大きくなってからのイタズラや破壊行動、おしっこをあちこちに飛ばしてしまうといった行為は、後片付けが非常に大変です。

かわいいからちょっとしたイタズラも許しちゃう!といった風ですと後々困るのは飼い主さん自身なので、ときには心を鬼にしてルールを覚えさせるのも必要といえます。

大型種は屋内飼育だけですと、運動不足になりやすく肥満の原因になってしまうことがあります。ですので、時々うさんぽ(ウサギの体にリードをつけて外を歩くこと)をさせてあげると肥満予防にもつながるのでオススメです。

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フレンチロップのかかりやすい病気ってなに?

フレンチロップがかかりやすい病気として「ウサギ消化器症候群(うさぎしょうかきしょうこうぐん)RGIS」、「中耳炎(ちゅうじえん)」、「不正咬合(ふせいこうごう)」「ソアホック(足裏皮膚炎)」があります。

①ウサギ消化器症候群

以前は「毛球症(もうきゅうしょう)」とよばれていた病気でした。ウサギは毛づくろいの後、誤って抜け毛を飲み込んでしまうことがあります。飲み込んだ毛がうんちと一緒に出てくれば問題ないのですが、大量の毛が消化管につまると食欲不振を引き起こしたり、排便が出来なくなってしまうことがあるのです。

当時は原因が被毛であることから、毛球症といわれ続けてきましたが、最近の研究によると消化管を詰まらせるのは被毛だけではないことが分かり、分かりやすくするため総称してウサギ消化器症候群とよばれるようになりました。

この病気はほとんどのウサギがかかる可能性があるといわれていますが、特に長毛種(ちょうもうしゅ)の場合、飼い主さんがより丁寧なブラッシングをしてあげることが予防のポイントになります。

それ以外にも、繊維質のチモシー(牧草)を食べさせる、運動をさせる、水分不足にならないよう、水をしっかりと与えるといったことに注意するのも大切です。

②中耳炎

垂れ耳のフレンチロップは耳の穴に湿気が溜まりやすく、最近も繁殖しやすいことから、こまめなお手入れが欠かせません。

耳をかゆがったり、膿が出ているなどといった症状を見つけたら、早急に病院へ連れて行ってあげるのが望ましいです。

耳の病気なら直接命に関わる訳ではないと思われがちですが、悪化すると神経系まで侵されてしまい、斜頸(しゃけい)といって首が傾いてしまう病につながる場合もあります。

斜頸がきっかけで介護が必要になる可能性もあるため、少しでも違和感を感じたら迷わず動物病院を受診してください。

また、耳のお手入れ方法が分からなくて自信がない時は、動物病院で耳掃除の仕方を教えてくれることもありますので、一度相談してみるのが良いかも知れませんね。

③不正咬合

ウサギの歯は一生伸び続けるため、通常はかじり木や繊維が豊富なエサを食べることで歯の伸びすぎを予防できますが、何らかの原因で上手く歯が削られなくなり、噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。

歯の調子が悪いと食欲不振になったり、鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)といった病気を引き起こす可能性もあるので、歯のチェックやエサの食べ方で気になることがあれば、動物病院で相談するのもオススメです。

④ソアホック(足裏皮膚炎)

足裏の皮膚炎と呼ばれ、足に負担がかかる生活を続けていると発症する可能性があります。特にフレンチロップのような大型ウサギは、体重が重いためソアホックになりやすいです。

ケージ内にはすのこ、フローリングなどの床にはカーペットやマットなどを敷いてあげると足の負担を軽減出来るので、是非ストレスフリーな環境を作ってあげてくださいね。

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フレンチロップの寿命は?

5~10年ほどといわれているので、一般的なウサギの平均寿命と同じぐらいです。

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参考文献

うさぎの品種大図鑑 監修:町田修

うさぎ総合辞典
http://www.usagi-jiten.co.jp/columns/114

うさぎ専門店 うさぎ舎
http://www.usagiya-shop.com/

PetPedia
https://petpedia.net/

うさぎタイムズ
https://www.ferret-link.com/usagitimes/

もねペットクリニック
http://www.mone-pet.com/

うさぎの丘
https://www.usaoka.com/index.html

アイキャッチ画像
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rabbit_-_French_Lop.jpg