モモンガ
モモンガ
モモンガ
モモンガといえば、手足を広げて飛ぶイメージがありますね。最近では、ペットとしても人気のある動物です。 皆さんの中には、モモンガと聞くと「フクロモモンガ」を想像する人もいるのではないでしょうか?実は、モモンガとフクロモモンガは仲間ではなく別の種類の動物です。 モモンガに近い仲間はリスで、フクロモモンガに近い仲間はカンガルーです。見た目が似ている動物なので、勘違いしてしまいますね。 モモンガはどのような動物なのか詳しく探ってみましょう!
モモンガ 基本情報
哺乳網-ネズミ目(齧歯目)-リス科-リス亜科-モモンガ属 アメリカモモンガ 体長:約13~15㎝ 体重:約45~113g 尻尾:約8~12㎝ モモンガは種類によって、生息地も幅広く分かれています。 アメリカモモンガは、カナダ・アメリカ・メキシコに分布。 タイリクモモンガは、ロシア・シリア・アジア東部に分布。 日本に生息しているのは、「二ホンモモンガ」と「エゾモモンガ」です。 森林地帯に住んでおり、木の樹洞(じゅどう)やキツツキがあけた穴を住処(すみか)として使っているのです。 単独で生活をしているモモンガもいれば、家族単位で一緒に暮らしていることもあります。 モモンガは夜行性なので、日中は樹洞の中で過ごし夜になってから行動します。 モモンガの繫殖期は、5~7月ころに交尾をして妊娠期間は30日ほどで出産を迎えます。 1回の妊娠で2~3匹ほど生まれますが、多いと5匹生まれます。 モモンガは、樹洞(じゅどう)など住処の中で出産から子育てを行います。 そのため、中を観察することが難しく詳しく分かっていない部分もあるのです。
可愛らしく人気のあるペット
クリっとした大きな目をしていて、まるでぬいぐるみのような可愛らしさを持っています。 エサを両手で抱えている姿は、リスにそっくりです。 見ているだけで癒しを与えてくれる存在です。 飼育することができるモモンガは、「アメリカモモンガ」1種類のみです。 しかし、アメリカモモンガは2005年以降から輸入に規制(きせい)がかかってしまいました。 その原因は、「レプトスピラ症」という感染症です。 この感染症は、げっ歯類の動物が感染源(かんせんげん)となり、動物だけでなく人間にも感染してしまいます。 そのため、現在は海外からのげっ歯類の動物は輸入に制限がかかっています。 アメリカモモンガも含まれているため、今では手に入れるのが難しいペットです。 それでも、アメリカモモンガを飼育したい気持ちを持っている方もいると思います。 そんな方に向けて、モモンガの飼育方法をご紹介します。
エサは何をあげたらいいの?
4種類のエサをバランスを考えて与えるようにしましょう。 1)リス用のフード アメリカモモンガ専用のフードもありますが、あまり販売されていません。 そのため、リス用のフードを与えるようにしましょう。 2)野菜 チンゲンサイ・小松菜・キャベツ・ニンジンなど 3)果物 リンゴ・イチゴ・完熟バナナ・ブルーベリーなど 4)動物性タンパク質 ミルワーム・コオロギ・ヨーグルト・卵など 毎回の食事を同じ物にするのではなく、色んな組み合わせを試してみてください。 飼育しているモモンガの好みも分かるようになると良いですね。
飼育環境について
・飼育ケージ モモンガは夜に活発的に動くので、縦長の広いケージを選ぶようにしてあげてください。 ケージが狭いと運動不足になってしまい、ストレスを与えることにもなります。 ・コーナーステージ ケージ内を移動するために使ったり、食事や休憩場所として使ったりもします。 複数のコーナーステージを、段差を付けて配置してあげるのがおすすめです。 ・巣箱orポーチ モモンガは日中は寝て過ごすため、安心して寝られる場所が必要です。 巣箱やポーチの中をフンで汚してしまうので、定期的に掃除をするために複数用意しておくようにしましょう。 ・エサ皿 陶器(とうき)やステンレス製の入れ物だと、傷つきにくく洗いやすいです。 ・給水ボトル 新鮮な水が飲めるように、補充しやすい給水ボトルを用意してあげてください。 モモンガの中には給水ボトルでは上手く飲めない子もいるので、その場合はお皿に入れてこまめに交換してあげましょう。 ・ペットシート モモンガは、トイレ訓練ができませんのでペットシートを敷くようにしてください。 飼育していくうちに、よくトイレをする場所が分かるようになります。 ・温度計 モモンガが過ごしやすいように、温度計を見て管理をしましょう。
飼育する際に注意する点は5つあります!
1)身の回りの水に注意しましょう モモンガは、少しの水でも溺(おぼ)れてしまい死んでしまう可能性もあります。 また、毛が水に濡(ぬ)れてしまうと乾かすのが大変です。 モモンガを部屋で散歩させる際には、目を離さないように気を付けましょう。 2)温度管理をしっかりしましょう モモンガの適温は、22~28℃くらいです。 暑すぎても寒すぎてもいけませんので、適温をキープできるようにしましょう。 3)脱走しないように気を付けましょう モモンガは賢(かしこ)くて器用な動物です。 ケージの開け方を覚えてしまう可能性があるので、ナスカンなどを付けて開かないように対策をしておきましょう。 4)モモンガに合った生活を心がけましょう モモンガは夜行性で、人間とは生活リズムが異なります。 日中は寝ているので触ったりしないようにしてください。 ストレスの原因になってしまいます。 モモンガと遊ぶ場合は、モモンガの生活リズムに合わせて夜に触ってあげましょう。 5)エキゾチックアニマル専門の動物病院を事前に探しておきましょう モモンガを診てもらえるのは、エキゾチックアニマル専門の動物病院です。 一般の犬猫用に動物病院よりも数が少ないので、モモンガを飼い始める前に調べておきましょう。
モモンガ Q&A
モモンガの名前の由来は?
モモンガは日本に古くから存在している動物です。 平安時代の頃には、モモンガとムササビは同じ生き物であると認識されていたので、 まとめて「モミ」や「ムササビ」と呼ばれていました。 この「モミ」というのは、漢字にすると「毛美」と書きます。 毛が美しいことから付けられました。 それから、時代とともに呼ばれ方が変化していきます。 「モミ」から「モモ」に変わり、鳴き声の「グァ」を加えて「モモングァ」に変化。 音変化を繰り返して、現在の「モモンガ」に辿りつきました。 モモンガの名前は、美しい毛並みと鳴き声が合わさって作られたのですね。
モモンガはどうしてそこに住んでいるの?
モモンガは森林地帯に生息しています。 なぜ森林で暮らしているのかというと、住処と食事を確保することができるからです。 モモンガの住処の多くは、木の樹洞(じゅどう)を利用したり、キツツキのあけた穴を再利用したりして使います。 夜の活動時間まで寝て過ごしているので、1日の大半は住処にいる時間です。 モモンガの生活に欠かすことのできない場所なのですね。 また、住処の周りにある木々はモモンガにとってエサ場でもあります。 木の実・花・樹皮(じゅひ)など食べられるものが多く存在しています。 野生のモモンガにとって森林地帯は、生きていくために必要な場所であることが分かりましたね。
モモンガは何を食べているの?
モモンガの食事は、雑食(ざっしょく)のため幅広く食べることができます。 野生のモモンガの場合は、木の実・果物・花・樹皮・昆虫などを食べているのです。 住処の近くにある物を食べる傾向があります。
モモンガはどうして飛ぶの?
モモンガが移動する際に飛ぶ理由は、他のモモンガよりも早くエサを手に入れるためです。 エサを手に入れることは、生きていくために必要なことです。 他のモモンガが近くにいる可能性もあるので、エサを取られないように見つけたら早く確保しなくてはいけません。 エサを手に入れるために「飛ぶ」という方法が選ばれたのですね。
モモンガはどうやって飛んでいるの?
モモンガは飛ぶことができると言われていますが、鳥のように自分の力で飛んでいるわけではありません。 正確には「滑空飛行(かっくうひこう)」をしているのです。 滑空飛行とは、高い場所から徐々に落ちていく飛び方です。 身近なもので例えると、紙飛行機のような飛び方だといえます。 モモンガは、手と足の間に「皮膜(ひまく)」と呼ばれる膜を持っています。 飛ぶ際に手足を広げることによって、皮膜を伸ばし風を調節(ちょうせつ)して目的地まで飛んでいるのです。
モモンガはどのくらい飛ぶことができるの?
モモンガは、約数十メートル飛ぶことが可能です。 記録では、最大で約100メートル飛んだこともあります。 飛び始めた木の高さと、風の強さによってはかなり遠くまで飛ぶことができるのですね。
モモンガは紫外線(しがいせん)によって毛が光るのは本当?
モモンガは暗闇で紫外線を当てると、お腹あたりが明るいピンク色に光ります。 この現象は「生物発光(せいぶつはっこう)」と呼ばれています。 生物発光とは、紫外線など一定の波長(はちょう)の光を毛皮が吸収して、別の色に変えて放出する性質のことです。 モモンガは、ピンク色に変化させて発光していたのですね。 生物発光をするのは、モモンガだけなのでしょうか? 実は、カモノハシ・ウミガメの甲羅(こうら)・菌類なども発光することが分かっています。 色合いはピンク色だけでなく、緑色・赤色・オレンジ色・青色など意外とカラーバリエーションがあります。 どうして発光しているのでしょうか? その理由は、まだ解明されていません。
仮説として挙がっているのは、擬態(ぎたい)をしている説や仲間とのコミュニケーションに使われているのではという説などがあります。 これから解明されるかもしれませんね。
モモンガの寿命はどれくらいなの?
モモンガの平均寿命は、5~10年ほどだといわれています。 野生のモモンガは天敵に狙われるなどの危険があるため、飼育しているモモンガよりも短命です。 飼育しているモモンガは、環境が適していると10年以上長生きする可能性もあります。
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モモンガ 種類
モモンガ族 【ミゾバムササビ属】 ・ミゾバムササビ 【クロムササビ属】 ・クロムササビ ・トマスクロムササビ 【ケアシモモンガ属】 ・ケアシモモンガ 【ナムダファモモンガ属】 ・ナムダファモモンガ 【ウーリームササビ属】 ・ウーリームササビ 【アメリカモモンガ属】 ・アメリカモモンガ ・オオアメリカモモンガ 【ムササビ属】 ・カオジロムササビ ・シロフムササビ ・ホジソンムササビ ・ホオジロムササビ ・オオアカムササビ ・Bhutan Giant Flying Squirrel ・Indian Giant Flying Squirrel ・Chinese Giant Flying Squirrel 【モモンガ属】 ・タイリクモモンガ ・エゾモモンガ ・二ホンモモンガ ・ゴリュウモモンガ 【アカハラモモンガ属】 ・アカハラモモンガ 【クサビオモモンガ属】 ・ソメワケクサビオモモンガ ・バベルクサビオモモンガ ・バーテルスクサビオモモンガ ・ハイナンクサビオモモンガ ・カシミールクサビオモモンガ ・オレンジクサビオモモンガ ・ミンダナオクサビオモモンガ ・クロアシククサビオモモンガ ・(シロミミ)クサビオモモンガ ・ホオジロクサビオモモンガ 【ハネオモモンガ属】 ・バシランハネオモモンガ ・インドハネオモモンガ ・ヒゲハネオモモンガ ・ハーゲンハネオモモンガ ・ジャワハネオモモンガ ・シロハラハネオモモンガ ・フォルデルマンハネオモモンガ 【ミミゲモモンガ属】 ・ミミゲモモンガ 【ケムリモモンガ属】 ・ケムリモモンガ 【コビトモモンガ属】 ・ホースコビトモモンガ ・マレーコビトモモンガ
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モモンガ 参考文献
- Pet Pedia「つぶらな瞳がかわいい空飛ぶリス?アメリカモモンガの特徴や飼い方を解説」
- Pepy「モモンガはどこに住んでるの?動物園で会える?餌は?」
- Private Zoo Garden「モモンガ(二ホンモモンガ・ホンシュウモモンガ)プロフィール」
- 生き物NAVI「モモンガの名前の由来や英語の読み方について」
- 生き物情報ナビ「アメリカモモンガについて解説!飼育法、餌、寿命、性格など」
- BuNa「ムササビ・モモンガ入門 今さら聞けない2種の違いと野外観察のコツ」
- National Geographic「モモンガは紫外線でピンクに光る、目的は不明」
- ナショジオ生物「発光する毛皮をまとうカモノハシ なぜ紫外線で青緑に」
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