
皆さんは「フレミッシュジャイアント」というウサギを知っていますか?世界には大きさも色もさまざまなウサギが存在していますが、フレミッシュジャイアントは最も大きなウサギのひとつとして数えられています。
基本的にウサギは、一度の出産で8匹前後の赤ちゃんを産みますが、フレミッシュジャイアントはなんと、一度に18匹もの赤ちゃんを出産した記録が残っているんだとか。
そんなビッグウサギの秘密について、早速覗いてみましょう!
~基本情報~
原産国 ベルギー
シニア/オス 8ヶ月以上 5.90kg以上
シニア/メス 8ヶ月以上 6.35kg以上
インターミディエイト/オスメス共に 6ヶ月~8ヶ月
ジュニア/オスメス共に 6ヶ月未満 最低体重2.95kg
※アメリカウサギ協会(ARBA)基準
フレミッシュジャイアントの歴史はとても古く、時代は16~17世紀ごろ。当時アルゼンチンに生息していたパタゴニアンラビットをヨーロッパに輸入し、新しいウサギを作るため数種類の大型ウサギと交配を行ないました。その結果、1860年代に初めてのフレミッシュジャイアントが誕生したのです。
その後アメリカにも輸入され知名度も少しずつ上昇し、1924年にはARBA(アメリカウサギ協会)にて正式な公認種となりました。

フレミッシュジャイアントのQ&A
フレミッシュジャイアントの名前の由来は?
ベルギー北部(フランダース)で生まれたため、そこから名づけられました。ちなみに、フレミッシュジャイアントには「フランダースの巨人」という意味もあります。

フレミッシュジャイアントのカラーバリエーションは?
■ボディカラーの種類
・ブラック
・ブルー
・フォーン
・ライトグレー
・サンディ
・スティールグレー
・ホワイト
■アイカラーの種類
ブラウン、ブルーグレー、ルビーレッドがあります。
■毛種
フレミッシュジャイアントは短毛種(たんもうしゅ)のみです。

フレミッシュジャイアントの外見はどんな感じ?
セミアーチと呼ばれる体型。幅のある大きな頭部。どちらかというと、オスの顔はメスよりもがっしりしています。しっかりとした付け根を持つ耳は6ヶ月以上の場合、約15cmが理想とされているようです。被毛は密生して生えるロールバックになります。大型種なので全体的にとても肉づきが良く、大きければ大きいほど魅力的なんだとか。なかには体重13kgのフレミッシュジャイアントもいたそうです。

フレミッシュジャイアントは肉用種として作られたって本当?
結論からいうと、本当です。フレミッシュジャイアントに限らず、ほとんどの大型ウサギが食肉用もしくは、毛皮用として品種改良された経緯があります。食肉用がメインだったフレミッシュジャイアントも最近では毛皮用やペット用、ラビットショーといったさまざまな目的に対応するウサギとなりました。ラビットショーではその大きさに注目が集まることも多く、人気品種のひとつです。ときには「ユニバーサル・ラビット(全てのものにあてはまる)」なんていう風に呼ばれることもあるんだとか。

フレミッシュジャイアントはどこで巡り会えるの?
ペットショップでもウサギを専門に扱っているお店や、ブリーダーを通じて出会えることがあります。その一方流通量はあまり多くないので、自分の住んでいる地域のみだと見つけにくいかも知れません。ですが、遠方で専門店やブリーダーに巡り会えるケースもあるので、どうしてもフレミッシュジャイアントを飼育したい方は、焦らず気長に探すことをオススメします。

フレミッシュジャイアントを購入するにはどれくらいかかるの?
およそ8万円です。ちなみに、ラビットショーで入賞できる可能性があるウサギを「ショータイプ」、お家で飼う分には何の問題もないウサギを「ペットタイプ」と呼びます。ショータイプのフレミッシュジャイアントだと、より高値になることもあるんだとか。

フレミッシュジャイアントの性格について詳しく知りたい!
フレミッシュジャイアントは温厚で穏やかな性格、そして好奇心旺盛なのでペットにも向いているウサギです。世界の地域によっては、紳士的で従順な性格にちなんで「ジェントル・ジャイアント」と呼ばれたりするほどです。しかし、体が大きいということはそれだけ広いスペースが必要ですし、ブラッシングや爪切りといったお手入れも、小型ウサギに比べるとかなり重労働です。そのため、初心者の方には飼育が難しい品種といえるでしょう。

フレミッシュジャイアントのかかりやすい病気ってなに?
フレミッシュジャイアントのかかりやすい病気は「ウサギ消化器症候群(うさぎしょうかきしょうこうぐん)RGIS」、「不正咬合(ふせいこうごう)」、「ソアホック(足裏足底炎)」があります。
①ウサギ消化器症候群
ウサギは毛づくろいの後、誤って抜け毛を飲み込んでしまうことがあります。このとき飲み込んだ毛がうんちと一緒に出てくれば問題ないのですが、大量の毛が消化管につまると食欲不振を引き起こしたり、排便できなくなる場合もあるのです。
この病は以前、抜け毛が原因であることから「毛球症(もうきゅうしょう)」と呼ばれていましたが、最近のの研究によると消化管を詰まらせるのは被毛だけではないことが判明し、分かりやすくするため総称して「ウサギ消化器症候群」と呼ばれるようになりました。
ウサギ消化器症候群は全てのウサギがかかる可能性があるので、繊維質のチモシー(牧草)を食べさせる、運動をさせる、水分不足にならないよう、水をしっかり与える、そして飼い主さんがブラッシングをしてあげる。以上が予防するための注意点です。
②不正咬合
エサが上手く食べられない、水を飲むのが下手になった。などの症状があります。ウサギの歯は一生伸び続けるため、通常はかじり木や繊維が豊富なエサを食べて歯の伸びすぎを予防していますが、何らかの原因で歯が削られなくなると、噛み合わせが悪くなってしまうことがあるのです。
不正咬合が進行すると、食欲不振を招いたり、鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)といった病気にかかってしまう恐れもあるため、エサの食べ方がいつもと違っていたり、歯の伸び方に異常が見られたら、動物病院での相談をオススメします。
③ソアホック(足裏足底炎)
足裏がただれ、皮膚炎を引き起こしてしまう病気です。フレミッシュジャイアントはとても体重が重いので、ケージ内にはすのこ、フローリングにはカーペットやマットなどを敷いてあげると足の負担を軽減できます。これはソアホック予防だけでなく、お昼寝するとき体を預けるリラックス効果もあるので、ぜひストレスフリーな環境を作ってあげてくださいね。

フレミッシュジャイアントの寿命は?
8年ほどです。一般的なウサギの平均寿命は6~8年なので、平均的といえます。

参考文献
うさぎの品種大図鑑 監修:町田修
NATIONAL FEDERATION OF FLEMISH GIANT RABBIT BREEDERS
https://nffgrb.org/
うさぎ総合辞典
http://www.usagi-jiten.co.jp/
うさぎとの暮らし大百科
https://www.anicom-sompo.co.jp/usagi/
うさぎタイムズ
https://www.ferret-link.com/usagitimes/
もねペットクリニック
http://www.mone-pet.com/