ゾウ

出典:https://pixabay.com/images/id-55255/

ゾウといえば動物園でも人気のある生き物ですね。
長い鼻を器用に使いこなし、圧倒される大きさの体を持っています。
そして、賢い頭に優れた記憶力も兼ね備えています。
ゾウには他にも優れた部分があるのか探りにいきましょう!

Ads

動物完全大百科記事へコメント

~基本情報~

長鼻目-ゾウ科

アフリカゾウ 身長:6~7.5m 体重:4~7t

       生息地:アフリカ東部・アフリカ南部

マルミミゾウ 身長:4~6m 体重:2.5~6t

       生息地:アフリカ中央部

アジアゾウ  身長:5.5~6.5m 体重:2.5~6.5t

       生息地:インド・インドシナ半島・セイロン島・スマトラ島・ボルネオ島

ゾウの群れはメスと子供で暮らしており、その群れは血縁のある家族から構成されています。
群れの中で一番大きくて高齢のメスのゾウがリーダーとなります。

リーダーとなったゾウの役割は、行き先を決めたり敵が襲ってきたときには先頭に立って戦ったりするのです。
高齢のゾウなのにとてもたくましいのですね。

群れの中で生まれた子供のゾウは、群れのみんなで子育てをして守ります。
オスは大人になると独り立ちをして、群れから離れ単独行動(たんどくこうどう)または若いオスのゾウが集まって群れを作ります。

オスのゾウは単独行動をして、メスの発情期が始まると色んな群れを転々として交尾をして回ります。
動物園でもゾウの繁殖(はんしょく)に力を入れていますが、
メスのゾウの発情周期(はつじょうしゅうき)が長いためいつ交尾させていいのか判断が難しいとされています。

妊娠したゾウは22カ月もの時間をかけてお腹の中で子供を育てます。
この妊娠期間は動物の中で一番長いといわれています。
生まれてきた赤ちゃんゾウはすでに120㎏もの重さがあるのです。
子供なのに人間の大人よりも大きいのですね。

出典:https://pixabay.com/images/id-1081749/



ゾウの寿命は野生では60~70年ほど、飼育されているゾウは20年ほどです。
飼育されている方が長生きをする動物が多いですが、なぜゾウは野生の環境の方が長生きなのでしょうか?

実は、飼育されているゾウが短命の理由はストレスと運動不足によるものだといわれています。
野生のゾウよりも栄養価の高い食事を食べていますが、自由に動けるスペースは自然界と比較すると少ないですよね。
それに加えて、他の動物園に移動させたりすることでストレスもたまります。
このような原因から、飼育されているゾウの方が短命だと考えられているのです。

出典:https://pixabay.com/videos/id-6447/

Ads

動物完全大百科記事へコメント

ゾウのQ&A

ゾウの鼻はどうして長いの?

ゾウの鼻が長い理由は2つの仮説があります。

仮説➀体が大きくなるにつれて鼻が長く進化した。
ゾウの体は大きくなるにつれて、地面にある水や食べ物を取るために膝を曲げて地面に口を付けるのは大変な作業です。

なぜなら、体が大きいということは脳の大きさも巨大です。
ゾウの脳の大きさは5㎏を超える大きさをしています。
そんな大きさの脳を持っていたら頭を下げるのも大変ですよね。

そこでゾウの鼻を長くすることで楽に食事を取れるように進化しました。
環境に合わせて体を進化したのですね。

出典:https://pixabay.com/images/id-4791438/

仮説②ゾウの祖先は水中で暮らしていたことで鼻が長く進化した。
ゾウは水中に生息していて、呼吸をするたびに顔を出し入れするのは効率的ではありません。
ゾウは鼻を長くすることで、顔を出し入れせずにスムーズに呼吸することができるように進化したという考えです。

ゾウといえば陸で生息しているイメージが強いので、水中で生息していたということが信じられませんね。
しかし、この仮説はゾウの祖先の骨が海辺近くで発見されることが多いことが根拠となったそうです。

ゾウは大きな体をしているので、水中だと沈んでしまいそうですが実は泳ぎも得意な動物なのです。
泳ぐスピードは速くありませんが、長時間泳ぎ続けることも可能です。

ゾウの鼻が長い理由はハッキリと解明されていません。
考え方を変えると理由は1つだけではないのかもしれません。

陸と海のどちらでも生活できるように対応したとも考えられます。
これから解明されることを願います。

ゾウの鼻は人間の鼻と同じなの?

ゾウの鼻は人間でイメージをすると、鼻だけでなく上唇(うわくちびる)も合わさって伸びた状態です。
鼻には骨は無くて全て筋肉で作られており、骨や関節(かんせつ)が無いことで柔軟に動かすことができるのです。
その筋肉質(きんにくしつ)な鼻で約200~300キロの物を持ち上げることもできてしまいます。

それだけでなく、ゾウの鼻は嗅覚も優れているのです。
ニオイを感じ取る遺伝子(いでんし)を犬の2倍ほど持っているという研究結果も出ています。

ゾウはお互いの鼻を絡ませてコミュニケーションをとることもあれば、
人間が子供の頭を撫でるように子供のゾウに優しく触れることもできます。

ゾウの鼻は物を持ち上げるだけでなく、色んな場面で欠かすことのできない重要な体の部分だということが分かりますね。

出典:https://pixabay.com/images/id-241620/

ゾウの耳はどうして大きいの?

ゾウは体が大きいので、太陽の日差しに当たりやすく体に熱がこもってしまいます。
その熱を冷ます役割をしてくれているのが大きな耳です。

ゾウの耳にはたくさんの血管が張り巡らされています。
耳をパタパタと扇ぐように動かすことで、血液を冷やして全身に巡らせ体を冷やしているのです。

耳の大きさはアジアゾウよりもアフリカゾウの方が大きい傾向があります。
その理由は、アフリカゾウの生息地は日陰が少なく日差しに当たりやすい環境が多いからです。
アジアゾウの生息地には日陰が多いため、耳が少し小さくても体を冷ますことができます。

環境によって耳の大きさも変わるのですね。

出典:https://pixabay.com/images/id-2668679/

ゾウはどれくらいの量の食事をとるの?

ゾウは草食動物なので野生のゾウの食事は草や葉、木の皮などを食べて生活をしています。
1日の食事量は200〜300kgほど食べて、水分は100リットルほど飲みます。
体が大きいだけに食事の量も大きいのですね。

動物園で飼育させているゾウの食事は、
主食に牧草を与えて副食にりんご・にんじん・さつまいもなどの栄養価の高い食べ物に加えて、ペレットなども与えているようです。

飼育されているゾウの食事の方がバリエーションが豊かで栄養も良さそうですね。

出典:https://pixabay.com/images/id-5246318/

ゾウの糞にはどんな役割があるの?

ゾウはさまざまな種類の植物を食べていますが、食べた植物の3分の2は消化吸収されずに排泄(はいせつ)されます。

排泄された糞(ふん)には植物の種が含まれているのです。
ゾウの糞は植物を運んでくれたり植物を育てたりする重要な役割をしています。

その他にも、ゾウの糞の使い道は他もあります。
糞から繊維質(せんいしつ)を取り出して紙を作成したり、
ゾウにコーヒー豆を食べさせて糞から取り出す高級品のコーヒー豆を作ったりもしています。

出典:https://pixabay.com/images/id-334456/

ゾウの天敵は存在するの?

ゾウの天敵は動物だとライオンやトラがあげられます。
しかし、大人のゾウの敵ではなく子供のゾウにとっての敵です。

大人のゾウは体が大きいだけでなく力も強いので、
ライオンやトラは怪我をする可能性が高いので襲うことは滅多(めったに)にありません。

出典:https://pixabay.com/images/id-5471714/



大人のゾウの天敵といえば「人間」です。
大人のゾウは野生界に天敵はいませんが、年々数が減少してきています。
その原因は、ゾウの牙(きば)が高く売れるため人間が密猟(みつりょう)を行っているからです。

昔は1000万頭ものゾウが存在していましたが、100年の間に35万頭にまで減少してしまいました。
これは、15分に1頭のペースでゾウが亡くなり、1日で考えると96頭にもなります。
具体的な数で知ると想像以上の早さでゾウが亡くなってしまいことが分かります。

日本から遠い国で起きているので関係のないことに感じるかもしれませんが、実は日本も大きく関わっているのです。
ゾウの牙を消費している国の中に日本はトップで含まれています。

日本ではゾウの牙を何に使っているのでしょうか?
輸入したゾウの牙のうち80%は「印鑑」に使用されています。

ゾウの牙の出所は証明しなくていいので、輸入したものの中には密猟された牙が混ざっている可能性があります。
私たちの身近にゾウの牙が使われているとは驚きです。
知らなかったとはいえゾウの密猟に関わってしまっていることを忘れてはいけませんね。

出典:https://pixabay.com/images/id-3292752/

ゾウは「悲しみ」という感情を持っているのは本当なの?

ゾウは仲間が亡くなると亡骸(なきがら)に葉を被せるなど敬意(けいい)を払います。
同じ群れではないゾウであっても同じように行動をします。
そして、仲間が亡くなった場所を記憶しているので通りかかるたびに立ち止まるといった行動をします。

そういうゾウの行動から、英語のことわざでこんな言葉があります。
「Elephants never forget」ゾウは決して忘れない。
ゾウの記憶力が良いという意味でもありますが、決して忘れないという意味でもあります。
使われ方としては、ゾウに対して酷いことを行うとゾウは決して忘れないという意味で使われることも多いです。
ゾウだけでなく動物には親切に接しないといけないですね。

出典:https://pixabay.com/images/id-1526709/

Ads

動物完全大百科記事へコメント

ゾウの種類

【アフリカゾウ】

・サバンナゾウ

【マルミミゾウ】

・マルミミゾウ

【アジアゾウ】

・インドゾウ

・セイロンゾウ

・スマトラゾウ

・マレーゾウ

参考文献

ウィキペディア「ゾウ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゾウ

Yahoo!知恵袋
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1316037818

うきうきExpress「象の鼻!長いのはどうして?」
https://ukiuki-express.com/archives/2140.html

Discovery「ゾウは意外と速く走る…大きくて賢い、人に近い頭脳を持つ生き物の秘密」
https://www.discoverychannel.jp/0000093831/

東京ズーネット「アフリカゾウ豆知識」
https://www.tokyo-zoo.net/topics/profile/profile23.shtml

ALIVE「動物園のゾウの死亡原因はストレスと運動不足」
http://www.alive-net.net/world-news/wn-zoo/85-1.html#

SEKAI「ゾウのフンから見える人間社会」
https://www.toshin.com/sekai/interview/06/

アフリカゾウの涙「取り組む課題-絶滅に向かうアフリカゾウ」
https://www.taelephants.org/commitment/index.html

大紀元時報「300頭のゾウの群れのリーダーに最後のお別れ」
https://www.epochtimes.jp/p/2019/09/47206.html

アイキャッチ画像
https://pixabay.com/images/id-2923917/