イルカ

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水族館ショーで目玉のひとつにもなっている、大人気のイルカです!
水中を泳ぎまわる姿は美しく、ボール遊びをする姿はかわいいですよね。
穏やかそうに見える性格のイルカなのですが、実は凄いパワーの持ち主だってことを知っていましたか?
あなたの知らなかったイルカの世界、のぞいてみましょう!

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~基本情報~

哺乳綱-鯨偶蹄目-クジラ類-ハクジラ亜目

体長 1.3m~10m 体重 30~300kg

イルカは主に海で暮らしていますが、淡水の川に住んでいる品種も存在(そんざい)しています。

よく知られているハンドウイルカは南極、北極海域(ほっきょくかいいき)以外の海や、温帯もしくは亜熱帯海域(あねったいかいいき)に住んでいます。

イルカは基本的に群れ(むれ)で行動する動物です。群れを作る理由は繁殖(はんしょく)しやすくるため、エサを探しやすくするため、そしてシャチなどの天敵(てんてき)も見つけやすくなるので、万が一の時は素早く逃げられるということがあげられます。群れの数は数頭~数千頭になるまで大小さまざまです。

イルカのオスとメスは、外見だけではっきり見分けをつけることができません。ではどのようにして判別するのかというと、仰向けにしておへその下にある生殖器(せいしょくき)を探します。オスの場合、生殖器のある「みぞ」と「おしりの穴」が縦にならんでいて、「!(ビックリマーク)」のようにも見えます。一方メスの場合、みぞがあるのは同じですがよく見ると漢字の「小」にも見えるのが特徴的です。

繁殖期(はんしょくき)は品種によってバラつきがあるので、特定の時期は決まっていません。また妊娠期間(にんしんきかん)もそれぞれ異なります。

平均すると10ヶ月~15ヶ月の間が多いようです。イルカが1度の出産で産む子どもの数は基本的に1頭です。

そして寿命は30~35年といわれており、なかには50年というとても長生きをしたイルカもいました。

主に魚やエビなど、魚介類(ぎょかいるい)や甲殻類(こうかくるい)を食べます。魚などは噛まずに丸のみするのですが、この時必ず頭の方から口に入れます。そうしないと魚のウロコやヒレが喉に引っ掛かってしまう恐れがあるためです。

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イルカのQ&A

イルカは超音波でコミニュケーションをとるって本当?

実はイルカの嗅覚(きゅうかく)はほとんどなく視力(しりょく)もあまりよくありません。

その代わり聴力(ちょうりょく)の機能が特化(とっか)して進化しました。そして仲間とコミニュケーションをとる時には、超音波(ちょうおんぱ)を使うようになったのです。

この超音波を「エコロケーション」といいます。このエコロケーションを使うことにより、エサの場所や周りの状況も常に把握(はあく)することができます。

イルカの不思議なコミュニケーション方法ですが、まず頭に噴気孔(ふんきこう)とよばれる部分があります。そこを震わせると「クリック音」という音が発生します。

そして同じく頭には「メロン器官」という脂肪組織(しぼうそしき)があり、そこににクリック音を集めます。そこから発した超音波が物などにぶつかって反響音(はんきょうおん)として戻ってきます。最後にその反響音を下あごの骨でキャッチし確認するのです。

ちょっと難しいかも知れませんが、ひと言で表わすなら骨伝導(こつでんどう)によって反響音を骨でキャッチしているのです。これがエコロケーションの仕組みです。

※骨伝導とは骨導音(こつどうおん)を聴く技術です。骨に振動を伝えることで、音を聴くことができます。その音は自分だけに聴こえるのが特徴です。

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イルカの体はなぜツルツルしているの?

水族館でイルカに触ったことがある人なら分かるかも知れませんが、イルカの体はさわるとゴムのようにツルツルしていて弾力性(だんりょくせい)もあります。

これにはちゃんとした理由があります。ひとつめは、海の中で早く泳ぐためにツルツルになったといわれています。水には水中で物が動くと物体の表面に空気などの「うず」が発生する性質があります。

通常はそれが抵抗力となり思うように身動きが取れなくなってしまうのですが、イルカの体はツルツル&弾力性があるので、そのような抵抗を受けることがほとんどありません。

そしてふたつめは、イルカの皮膚は新陳代謝(しんちんたいしゃ)の周期がとても早いです。いつも新しい皮膚をまとっている状態なので体もツルツルしているのです。人間の新陳代謝は28日~40日なのですが、イルカは2時間に1回新しい皮膚が作られています。

※新陳代謝(しんちんたいしゃ)とは古いものが新しいものに次々と入れ替わることをいいます。

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イルカの頭が良いって本当?

イルカショーでトレーナーの指示を確認しながらジャンプしたり、ボール遊びをしたりする姿はとても見ごたえのある光景ですよね。

与えられた指示を正確にこなすのだから、やっぱり頭も良いのでは?と思った人も多いはず。

結論からいうと、人間についでイルカの頭は優れていると確認されています。脳化指数(のうかしすう)という体の重さに対して脳の割合はどれくらいあるのかを表したデータがあるのですが、犬は0.14、人間は0.89、イルカは0.64と、人間に近い数字が出ています。

実際に数字で表わしただけではまだ不明な点も残っているのですが、イルカショーで繰り出す技の数々を見ると、頭が良いからこそ内容も理解しているのでしょうね。

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イルカの名前の由来は?

私たちは普段何気なく「イルカ」が海にいる!などとよんでいますが、そもそもどのような由来があるのでしょうか?

名前の由来にはいくつか諸説あり有名なものを紹介すると、その昔は魚のことを「イヲ」とよんでいました。また食用獣(しょくようじゅう)のことを「カ」とよび、姿が魚に似ているから「イヲ」そして食用獣の「カ」をたして「イヲカ」さらに転じて「イルカ」になったと考えられている説や、

入江(いりえ)という場所によく来ていたから「イルエ」が「イルカ」になったといわれている説もあります。

他にも「行く=ユルキ=イルカ」になったもの、イルカ漁をすると船が血のにおいでいっぱいになったことから「チノカ=イルカ」になったという話まで数多くあるようです。

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イルカはどうやって眠っているの?

私たちがよく目にするのはプールや海で泳いでいる姿が多いと思います。陸に上がって休んでいるところも見たことがないですよね。

ではそんなイルカが普段どのようにして眠っているのかというと、イルカは脳を片方ずつ休ませながら睡眠をとっています。

これを「半球睡眠法(はんきゅうすいみんほう)」とよびます。例えば左脳(さのう)を休ませているときは右目を閉じ、右脳(うのう)を休ませているときは左目を閉じて寝ています。

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なぜこのような眠り方をするのかというと、右脳も左脳も休ませると脳は熟睡(じゅくすい)状態になります。

脳が完全に休憩している状態だと、起きた時に素早く動くことができないので、敵に見つかったときすぐに逃げ出せなかったり、寝ぼけておぼれてしまう危険があります。このようなことを防ぐため片方ずつ脳を休めながら眠っているという訳です。

そうすれば半分は頭が起きている状態なので常に外敵が来ないかチェックできますし、赤ちゃんがいる場合はどこかに行ったりしないか見守っていることができるのです。眠る時は水中にいるのですが、呼吸をする時水面に上がってきます。




イルカを食べちゃうイルカがいるって本当なの?

とてもびっくりすることですがこれは本当です。

まず有名なのはシャチですが、シャチはマイルカ科に属しているイルカの仲間です。

他にもマイルカ科のオキゴンドウや、ユメゴンドウもイルカを捕食(ほしょく)することがあるようです。

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日本でイルカ漁をしているって本当?

本当です。

ニュースでこの話を聞いたことがある人もいるかも知れませんが、日本は昔からイルカ漁がさかんな国です。イルカ漁を行なっている地域はずいぶんと少なくなりましたが、今でもイルカ漁が行われている場所があります。2023年時点で有名なのは、和歌山県太地町(わかやまけんたいじちょう)でおこなわれているイルカ漁になります。

イルカ漁自体に関しては日本だけではなく、過去には欧米の国でも行われていた歴史が残っているのですが、戦後イルカ漁を辞める国が次々と出てきました。そのため今でもイルカ漁を行っている日本の事をニュースで取り上げたり、映画の題材にもなったことで批判が増えてしまいました。

ですがむやみに乱獲(らんかく)しないように法律は守っていますし、昔からこの地域の発展を支えてきた漁業のひとつです。牛や豚は食べてもいいのに、イルカは人懐っこくてかわいいから食べちゃいけない!というのは差別ではないのかという意見もあります。

なかなか難しい問題ですが、私たち人間が穏便(おんびん)に解決しなければならない課題のひとつかも知れませんね。

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イルカはサメより強いって本当?

イルカは水族館の人気者でショーにも出られるほどの知能の高さや穏やかなイメージがある一方、サメは映画で人を襲っているイメージが強いせいか、とても凶暴で怖い動物といった感じがしますね。

まるで正反対の性格といってもいいほどのイルカとサメなのですが・・・実はイルカって結構強い動物なのです。

ここでは水族館でよく見かけるハンドウイルカの実例をお話します。大型のサメはハンドウイルカの子どもを狙って食べようとするのですが、それに気づいた大人のイルカがサメに体当たりを仕掛けて追い払おうとすることがあります。

驚きなのがイルカの体当たりはまともに受けてしまうと、サメの内臓を破裂させ殺してしまうほどのパワーがあるのです。

これにはサメとイルカの体のつくりが異なることが関係していて、サメの体は軟骨(なんこつ)でできているため内臓を守ってくれる肋骨(ろっこつ)がありません。

それに対してイルカの体は肋骨が存在しており、骨格も丈夫にできているのでサメが体当たりされたら死んでしまうのも無理ありません。

さらにイルカは頭がいいので、サメのどの部分に攻撃をしたら死んでしまうということも理解しているのでは?といわれています。中には頭脳プレーにてサメがイルカの集団に襲われる事例もありました。

そして泳ぐスピードもかなり速く、大型のサメは35km~50km、それに対してイルカは最高速度70kmです。遠くでサメを見つけた場合なら十分に逃げ切れるスピードといえますね。

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イルカの種類

・ハンドウイルカ(バンドウイルカ)
・ミナミハンドウイルカ
・マイルカ
・ハセイルカ
・アフリカウスイロイルカ
・シナウスイロイルカ
・ウスイロイルカ
・マダライルカ
・タイセイヨウマダライルカ
・ハシナガイルカ
・クライメンイルカ
・スジイルカ
・サラワクイルカ
・シワハイルカ
・コビトイルカ
・セミイルカ
・シロハラセミイルカ
・イロワケイルカ(パンダイルカ)
・ハラジロイルカ
・コシャチイルカ
・セッパリイルカ
・シャチ
・カワゴンドウ
・ハナゴンドウ
・オキゴンドウ
・ユメゴンドウ
・カズハゴンドウ
・ヒレナガゴンドウ
・コビレゴンドウ
・ダンダラカマイルカ
・ミナミカマイルカ
・カマイルカ
・タイセイヨウカマイルカ
・ハナジロカマイルカ
・オーストラリアカワゴンドウ
・イシイルカ(イシイルカ型)
・イシイルカ(リクゼンイルカ型)
・イシイルカ
・スナメリ
・コハリイルカ
・ネズミイルカ
・コガラシネズミイルカ
・メガネイルカ
・アマゾンカワイルカ
・ラプラタカワイルカ
・ヨウスコウカワイルカ
・ガンジスカワイルカ
・インダスカワイルカ
・イッカク
・シロイルカ



参考文献

大日本百科全書(ニッポニカ)

Petpedia
https://petpedia.net/article/623/dolphin

pepy
https://pepy.xsrv.jp/29172

和歌山県
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/071500/iruka/index.html

イルカはかせになろう!
https://dolphinkids.heteml.net/

国立科学博物館
https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/marmam/pictorial_book/index.html

伊豆シュノーケリングクラブ
https://izu-snorkeling.info/category/イルカと泳ぐ/

ペットのなまえ
https://pet-name.com/dolphin/

新江ノ島水族館
https://www.enosui.com/diaryentry.php?eid=02306#:~:text=イルカ

万物の寿命まるわかり事典
http://www.lance4.net/banbutuno-jumyo/z0044.html

アイキャッチ画像
https://pixabay.com/images/id-1974975/