アザワク
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アザワク
皆さんは「アザワク」という犬種を知っていますか?日本で飼っている人はとても少なく、ペットショップなどでも見かけないので、聞いたことも見たこともないという方が多いと思います。スリムでかっこいい印象のアザワクを紹介していきます!
アザワク 基本情報
〜基本情報〜
原産国:西アフリカ マリ共和国 体高:オス 64〜74cm メス 58〜70cm 体重:オス 20〜25kg メス 15〜20kg アザワクは活発で、弾むように軽やかな歩き方をしています。頭が小さくスリムな体は、皮膚が薄いのであばら骨が見えてしまうほどですが、とても筋肉質です。鼻は前に突き出していて、脚もしっぽも長いのでモデルさんのように綺麗な印象があります。 毛は短く密集していて、色は金色っぽいフォーンや少し暗めのダークフォーン、薄い茶色っぽいクリア・サンドなどさまざまです。ブラックの縞模様があったり、胸や足にホワイトの模様がある子もいます。足のホワイトは靴下を履いているみたいで可愛いです。目のふちと爪はブラックで、目の上に眉毛のようにブラックの模様があります。 綺麗な印象や、エレガントな印象を持ちますが、垂れ耳なので可愛らしい顔をしています。
アザワクの歴史
アザワクは、何千年も前にマリ共和国に住んでいる「トゥアレグ族」が生み出した犬種で、サハラ砂漠中央の壁画に描かれているアフリカン・サイトハウンドの子孫であると言われています。 アザワクはトゥアレグ族という遊牧民に飼われていて、ガゼルや野ウサギ、ダチョウなどの狩りをして、ハイエナやジャッカル、ライオンなど危険な動物を追い払っていました。トゥアレグ族にとってアザワクは「宝」なので家族の一員として、人間と一緒に食事をして、一緒に寝ていたそうです。 狩りをする時には、狩る場所に着くまで体力を温存するために、人間と一緒にラクダに乗って移動していました。そんなアザワクが獲物(えもの)を狩る方法は、目で獲物(えもの)を見つけ、とにかく追いかけ回します。追いかけ回して獲物(えもの)の体力がなくなったところで仕留める、という狩りをしていました。余りあるスタミナを持っているアザワクにしかできない狩猟(しゅりょう)方法かもしれませんね。 トゥアレグ族にとって、大切なパートナーなので狩りを一緒にするアザワクの犬質管理は徹底されていました。オスの子犬が産まれると「毛色・容姿・能力」によって選別し、それらに満たないオス犬は、成犬になると去勢され子孫を残さないようにしていました。こうして徹底することによって、アザワクは何千年も前から今まで、スタミナや見た目、能力を崩すことなく保たれてきたんですね。 では去勢したオスはどうなるのでしょうか。 トゥアレグ族にとってアザワクは「宝」です。そんな宝を去勢したからといって見放すことはありません。そのまま狩猟犬(しゅりょうけん)として育てられたり、ペットとして大切に最後まで飼われます。メスは繁殖(はんしょく)してくれる大切な家族なので、そのままペットとして大切に育てられるんです。 アザワクはトゥアレグ族にとって大切な宝、そして家族だったので、他の地域に出されることはありませんでした。なので長い間アザワクは、トゥアレグ族しか知らない犬種だったんです。では一体どのようにしてアザワクの名前が知られるようになったのでしょうか。 1970年代、トゥアレグ族が凶暴なアフリカゾウに襲われる事件がありました。そんなアフリカゾウをユーゴスラビアの医師が倒し、トゥアレグ族を救ったのです。救ってくれたお礼として、数頭のアザワクをユーゴスラビアの医師に贈りました。 そうしてユーゴスラビアに持ち帰られたアザワクは繁殖(はんしょく)をして増えていき、知られるようになったそうです。 その後、ヨーロッパの愛好家によってヨーロッパを中心にアザワクの存在が広まっていったのです。 現在でも、トゥアレグ族と一緒に生活をしており、そのエレガントな体とスタミナを武器にドッグレースにも出場しています。元々脚の速い動物を追いかけ回していた犬種なので、スピードが速く最高速度は約65kmにも達していて、ドッグレースでは注目の的ですね。
アザワク Q&A
アザワクの名前の由来は?
アザワクの名前の由来は、住んでいた土地の名前からなんです。 トゥアレグ族とアザワクが住んでいたサハラ砂漠は、乾燥化になり住みづらくなりました。そこで過ごしやすい土地に移り住んだのです。その場所が「アザワク渓谷(けいこく)」だったんです。その土地の名前から、アザワクという名前になったのだそうです。 アザワクは別名もあり「Tuareg Sloughi(トゥアレグ・スルーギ)」と呼ばれることもあります。現地の言葉で「スルーギマグレブ」という言葉があります。これは「北アフリカのサイトハウンド」という意味です。そしてトゥアレグ族が飼っているので、「トゥアレグ・スルーギ」という別名がついたのではないかと思われます。 日本では聞きなれない言葉ばかりですが、トゥアレグ族と共に過ごしていた場所が、名前になっているんですね。
アザワクはプライドが高くてクールなの?
アザワクの性格は、プライドが高くてクール、そして束縛を嫌います。独立心が高く用心深いので、知らない人には無関心で近づこうとはしません。逆に「近づかないで」というオーラも出ているので、なかなか近づけません。 なので、たとえばアザワクや同じ種類のサイトハウンドが集まってしまうと、自分が1番であると証明するかのようにケンカが始まってしまうこともあるんです。 そんなクールなアザワクですが、心を許した人間や家族にはとても穏やかで愛情深いんです。もしかしたら人見知り、犬見知りなだけなのかもしれませんね。
アザワクは日本で飼えるの?
アザワクは日本のみならず、世界でもとても希少な犬種です。なので日本のペットショップにはおらず、ブリーダーもほとんどいません。もし飼いたいと思うのであれば、輸入するしかないようです。 海外のブリーダーを見つけて、コンタクトをとり、なんとか輸入してもらえるように頼み込むしかないと思います。絶対に飼いたいという熱意を相手にアピールすることが大切になってくるかもしれませんね。 無事にアザワクを輸入できたとして日本で飼う場合には、広い部屋が必要になってきます。アフリカのマリ共和国原産の犬種なので、暑さには強いですが寒さにはとても弱いです。なので温度と湿度が管理できる室内で飼う方が、アザワクも快適に過ごせると思います。 そしてアザワクは、大型犬ということもありますが、自由に生活したい犬種なので狭い部屋は嫌います。広々とした空間が必要になってくるので、広い家がいいと思われます。 あとは子どもや他の動物がいない家庭の方がいいと思います。アザワクはリーダーだと認めた人の言う事しか聞きません。それ以外の人には攻撃する可能性もあります。行動をコントロールすることのできる大人と一緒にいた方が安心かもしれませんね。
アザワクはたくさん運動をするの?
アザワクはかなりのスタミナがあるので、たくさん運動させる必要があります。毎日2回、最低1〜2時間は散歩させてあげましょう。アザワクは、脚の速い動物を追っていたので、ただ散歩させるだけだと満足できないんです。ドッグランや大きな庭などで思い切り走らせてあげる必要があります。 お散歩中、気をつけなければならないことが多々あります。 まずはドッグランや公園です。公園はいろんな種類の犬がいると思います。アザワクはプライドが高いので、仲良くすることはおろか、ケンカをしてしまう可能性があります。ドッグランでも小型犬・中型犬と大型犬が分かれている場所もありますが、同じ大型犬でもサイトハウンド同士だと同じように相手もプライドが高いので、ケンカをして相手を傷つけてしまう可能性もあるので、そのような場所で遊ぶ場合は注意が必要になってきます。 他にも、動くものに反応して急に動いたり、興奮してしまう本能があります。そんな時に落ち着かせられるようにしたり、アザワクを止められる腕の力も必要になってきます。 あとは冬の散歩です。寒いのが苦手なアザワクには、冬は服を着せてあげる必要があります。毛が短く皮膚も薄いので、乾燥にも弱く耳の付け根が切れることもあります。きちんと寒さから守ってあげてください。 運動量がかなり多いので、飼い主さんはその運動量に付き合ってあげられるほどの体力を持っている人の方がいいかもしれませんね。
アザワクは細いけどご飯はあまり食べないの?
アザワクは大型犬ですが、あばら骨が見えるほど痩せて見えますよね。ただ、痩せているわけではなく皮膚が薄いので骨が見えやすいと言うのと、無駄な脂肪がなく筋肉が多いと言うことなんです。なので、ご飯も普通の大型犬と同じように食べています。 水とフードだけで栄養が取れる「総合栄養食」と表示されているものを選ぶといいと思います。ただ、アザワクのスリムな体型を維持するためには、摂取カロリーを管理して、しっかり運動させる必要があります。太ってしまうといろんな病気になってしまう可能性もあるので、栄養バランスを考え、健康に体型を維持できるように、ご飯やおやつの管理をしっかりしてあげましょうね。
アザワクはしつけが大変なの?
アザワクはプライドが高く、リーダーだと認めた人間だけの言うことを聞きます。なので、最初に飼い主さんがリーダーなのだと教える必要があります。子犬の時からリーダーなのだと教えて、散歩に出る時も飼い主さんと歩幅を合わせる訓練をする必要があります。この信頼関係を作るのに失敗してしまうと、アザワクは全て自分で判断して行動するようになり、手がつけられなくなる可能性もあります。 リーダーとしての態度を取るといっても、暴力を振るうことはいけないことです。アザワクも家族の一員なので、愛情を持った上で躾けることが大切になってきます。 とはいっても大型犬で何より力の強い犬種なので、しつけ教室など、プロのトレーナーさんに預けることも一つの手だと思います。 アザワクはクールな性格をしているので、無駄吠えをすることはほとんどありません。ただ用心深いので知らない人に吠えたり、運動不足などでストレスが溜まってしまうと吠えることもあります。子犬の頃から無駄吠えしないようにしつけることと、ストレスを溜めないようにすることが大切になってきます。 アザワクには「待て」を覚えさせるのも大事です。狩猟犬(しゅりょうけん)なので、動くものに反応したり興奮したりしてしまいます。トラブルにつながる可能性もあるので、待てという言葉や、ポーズなどで落ち着かせられるようにしておきましょう。 アザワクのしつけは簡単というわけではありません。ですが、子犬の時にしつけておけば、急な行動や感情もコントロールさせることができて、社会で生きていくことができると思うので、愛情を持ってしつけてあげてください。
アザワクの短い毛はどうやってお手入れするの?
アザワクは毛が短いので、お手入れは簡単です。週に1度ブラッシングしてあげる程度で大丈夫です。特別汚れてしまった時などは蒸しタオルなどで拭き取ってあげるだけで綺麗になりますよ。 シャンプーは月1回程度で大丈夫です。アザワクは皮膚が薄いので、シャンプーしすぎると必要な油分が失われて、乾燥し、病気に繋がってしまうこともあります。 耳が垂れ耳なので、通気性が悪く病気になってしまう可能性もあります。週に1回のペースで耳を綺麗にしてあげましょう。 長い毛の犬種に比べると、ブラッシングの回数も少ないので、比較的お手入れしやすいと思います。毛のお手入れは、単に綺麗にするだけが目的ではありません。愛犬とのコミュニケーションにもなるので、愛情込めてやってあげましょうね。
アザワクがかかりやすい病気は?
アザワクは活発で力もありますが、足が細く皮膚も薄いのでかかりやすい病気もあります。いつもと違うところはないか、注意深く見るようにしていきましょう。 「骨折」 アザワクやサイトハウンドという種類に多いのが骨折です。アザワクは脚が細いので、高い場所から飛び降りたり、弱い力でもそれが積み重なって脚の負担になることがあります。コンクリートなど固い地面ばかり歩かせるのは危険なので、柔らかい地面を選ぶようにしましょう。 「関節炎」 骨の間にあるクッションの役割をしている軟骨(なんこつ)が炎症を起こしてしまう病気です。痛みがあり、いつものように歩くことが難しくなるので、異変があればすぐに病院に行くようにしましょう。 「皮膚病」 アザワクは皮膚がとても薄いので、皮膚のバリア機能が落ちやすく、皮膚炎などの様々な皮膚の病気にかかりやすいです。よく皮膚をかくようになったとか、皮膚の見た目が変だと思った場合はすぐに病院に行きましょう。 アザワクの平均寿命は10〜12年です。脚や皮膚の怪我や病気は起こりやすいですが、体の中は比較的健康です。家族として迎え入れたからには、最後まで責任を持って、健康で幸せに過ごさせてあげましょうね。
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