アッペンツェラー・キャトル・ドッグ
アッペンツェラー・キャトル・ドッグ
アッペンツェラー・キャトル・ドッグ
皆さんは「アッペンツェラー・キャトル・ドッグ」という犬種を知っていますか?昔から牧羊犬として、人間の側で仕事をしてきた犬種です。ただ、とても数が少なく、日本でも飼われていないので知っている方は少ないと思います。そんなアッペンツェラー・キャトル・ドッグを紹介していきます!
アッペンツェラー・キャトル・ドッグ 基本情報
〜基本情報〜
原産国:スイス 体高:オス 52〜56cm メス 50〜54cm 体重:20〜32kg アッペンツェラー・キャトル・ドッグは牧羊犬なので、とても活発で統率力もあり。よく働いてくれる犬種です。 体は筋肉質でがっしりとしていて大きいので、見た目から頼れる犬だというのがわかります。かっこいい頼れる犬種ですが、しっぽがくるんと巻いていて、目の上にちょんと眉毛のようなマークがあり、耳も垂れているので可愛らしい部分もあるんです。 アッペンツェラー・キャトル・ドッグの毛は短いですが、アンダーコートとアウターコートがあるダブルコートで、光沢があり硬い毛質をしています。 毛色は基本的に、ブラックと淡い茶色のタンに、ホワイトのマークが目の上、頬、胸元、脚に左右対称に入っています。 スイス原産の同じような種類、総称してスイスマウンテンドッグと呼ばれていますが、その犬たちもブラックとタンの毛色をしています。その中でアッペンツェラー・キャトル・ドッグはチョコレート色のハバナブラウンという色をしている子もいるんです。唯一ブラックとタン以外の毛色を持っているスイスマウンテンドッグという事になります。ハバナブラウンの毛色は少なく、希少なんですよ。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグの歴史
アッペンツェラー・キャトル・ドッグの祖先は「チベタン・マスティフ」という種類だと言われていて、ギリシア人とフェニキア人の航海士が、地中海にチベタン・マスティフを持ち込み、古代ローマ軍ヨーロッパに侵攻した時に連れていたそうです。 スイスの交通は不便で山岳地形だったために、村や地方は独立していました。チベタン・マスティフはそれぞれの地方で進化していき、進化した犬種は混ざる事なくそれぞれに特徴の違うスイスマウンテンドッグが誕生したそうです。その中でアッペンツェル地方でスピッツという犬種の血が入り進化したのが、アッペンツェラー・キャトル・ドッグという事なんです。 アッペンツェラー・キャトル・ドッグは最も古い犬種の1つといわれていて、牧羊犬、牧牛犬として活躍していました。1853年に出版されたアルプスの動物に関する本に登場していて、その後もアッペンツェル地方のイラストなどには必ずと言っていいほど、アッペンツェラー・キャトル・ドッグが描かれているんです。それほど、アッペンツェル地方の人々にとって欠かせない存在だったのかもしれませんね。 アッペンツェラー・キャトル・ドッグの仕事は、牧牛や牧羊を誘導したり、牛乳を積んだ馬車を引いたりと農場を守っていました。それだけではなく、山で雪崩が起きたり遭難者が出た時などに救助犬としても活躍していたんです。農場を守るためだけではなく、人間の命も守ってくれていたんですね。 最も古い犬種の1つと言われていますが、FCIという「国際畜犬連盟(こくさいちくけんれんめい)」に登録されたのは1889年と遅かったんです。スイスの孤立した地形によって知られるのが遅くなったのかもしれませんね。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグ Q&A
アッペンツェラー・キャトル・ドッグの名前の由来は?
アッペンツェラー・キャトル・ドッグの名前の由来は、分けて考えるとわかりやすいと思います。 「アッペンツェラー」は、「アッペンツェル地方の」という意味、「キャトル・ドッグ」は「牛追い犬」という意味なんです。繋げると「アッペンツェル地方の牛追い犬」という事になります。原産国と仕事から名前がつけられているんですね。 アッペンツェラー・キャトル・ドッグは、別名がたくさんあり、国によって登録されている名前も違うんです。国際畜犬連盟(こくさいちくけんれんめい)であるFCIでは「アッペンツェラー・キャトル・ドッグ」、アメリカ国内にいる犬を登録してあるアメリカン・ケネル・クラブでは「アッペンツェラー・ゼネンフント」、アメリカン・ケネル・クラブよりも規模の小さく、特定の品種を登録してあるユナイテッド・ケネル・クラブでは「アッペンツェラー」と登録されています。 他にも「アッペンツェラードッグ」や「アッペンツェラーフント」、「アッペンツェラー・マウンテン・ドッグ」、「アッペンツェル・キャトル・ドッグ」と呼ばれていて、名前が混合しています。ただ。どれもアッペンツェラー・キャトル・ドッグを指すものなので、間違っていません。いつか統一した名前になってくれるといいなと思いますね。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグは絶滅(ぜつめつ)の危機なの?
アッペンツェラー・キャトル・ドッグの純血種は、もともと数が少ないのですが、その数も減ってしまい絶滅(ぜつめつ)寸前のところまで少なくなってしまいました。一体なぜなのでしょうか。 アッペンツェラー・キャトル・ドッグは、牧羊犬や牧牛犬として活躍していましたが、ペットとしても人気がありました。活発でよく走りよく働く犬ですが、そのたくましさは家庭犬としては飼育が難しい部分にもなりました。そうすると飼い主さんたちは自分たちでは育てられないとして持て余していったんです。もともと純血種の数が少ない上にこのような原因で絶滅(ぜつめつ)寸前のところまで減ってしまったと言われています。 このままではいけないと、スイスがアッペンツェラー・キャトル・ドッグの保護活動を行うようになりました。そのおかげで絶滅(ぜつめつ)をまぬがれ、少しずつですが数が増えていきました。ただ、数が少ない事には変わりなく、スイスマウンテンドッグの中では1番数が少ない犬種となっています。 純血種は病気になりやすいと言われていて、混血種になると体も強くなり、家庭で飼いやすい血を混ぜれば家庭犬としても広まり数が増えていくのではないかという考えもあるそうですが、地元のスイスやアッペンツェル地方としては、純血種を絶滅(ぜつめつ)させたくないが、病気しにくい体や飼育しやすい血も必要なのか、と慎重に行動しているようです。そのため、急激に数を増やすことはなく、地元でも珍しい犬種になっています。こうやってアッペンツェラー・キャトル・ドッグを守ろうとする活動のおかげで、昔の姿、性格のまま今まで残ってきたんですね。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグはどんな性格をしているの?
アッペンツェラー・キャトル・ドッグは、農場を守ってきた犬なので警戒心が強く、どんなに小さな異常でも吠えて知らせてくれます。家庭では番犬としてとても頼りになります。警戒心は強いですが、家族に対しては愛情深く、家族を守らなくてはならないと思っているので、知らない人が家に来ると吠えたり、変化に気づいて知らせてくれるのかもしれませんね。 賢く理解力も判断力もあるので訓練のしやすい犬種だと思います。ただ、会いたい人と会いたくない人を選ぶので飼い主さんとの信頼関係が大事になってきます。 子犬の頃から信頼関係を築き、しっかり訓練してあげるとそれに応えてくれるので、番犬として、大切な家族として必要不可欠な存在になると思います。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグは日本で飼えるの?
アッペンツェラー・キャトル・ドッグは、そもそも数が少なく、地元でもあまり見ることがありません。日本で飼われている記録もなく、ブリーダーもいないので、スイスから輸入することになると思います。 運動量が多いのである程度の広さが必要なのと、吠える声が大きいので都会で飼うには向いていないかもしれません。 飼うにはいろいろな条件をクリアする必要がありますが、その壁を超えてお迎えすることができるとより一層可愛いと思うかもしれませんね。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグはたくさん運動をするの?
アッペンツェラー・キャトル・ドッグは、牧羊犬、牧牛犬として走り回っていたので、体力が有り余っています。その運動欲求を満たしてあげるためには、たくさん運動させてあげる必要があります。 散歩は毎日2回、それぞれ1時間してあげましょう。歩くだけではなく、ジョギングなども取り入れ、ドッグランなどで自由に走らせてあげることも大切です。 子犬の頃から社会に馴染ませてあげると、他の犬や他の人間とも仲良くすることができます。なのでドッグランで他の家族と交流することもできると思います。 ただ走り回るよりも、フリスビーやボールを投げてとってきたり、一緒に山を登ったりと目的のある運動が好きなので、飼い主さんの体力も必要になってきます。アウトドアな趣味が飼い主さんにあると、一緒に楽しむことができるかもしれませんね。 運動不足になると、攻撃的になったり太って病気になってしまう可能性もあるので、十分に運動をさせてあげる必要があります。運動欲求を満たしてあげると、家の中がそこまで広くなくてもその部屋の大きさに対応することもできるので、運動はとても大切になってきます。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグはどうやってお手入れするの?
一般的にダブルコートの毛をしている犬種は抜け毛が多く、ブラッシングなどのお手入れが大変なのですが、アッペンツェラー・キャトル・ドッグは、ダブルコートの中では抜け毛が少ないので週1〜2回のブラッシングで大丈夫です。 垂れ耳なので通気性が悪く、耳の中がすぐに汚れてしまいます。定期的に掃除をしてあげる必要があります。耳が汚れていないか確認する習慣をつけても良いかもしれません。こうして気をつけて確認してあげるだけで、病気のリスクを減らすことができるので、積極的に行なっていきましょう。
アッペンツェラー・キャトル・ドッグがかかりやすい病気は?
アッペンツェラー・キャトル・ドッグだけではなく、動物はかかりやすい病気があります。いつもと違うことがあれば、すぐに病院に行くようにしましょう。 「股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)」 大型犬に多く、骨の形が変形してしまう病気です。激しい運動でも太ってしまってもかかりやすくなるので、適度な運動をしてあげてください。遺伝性もあるので、飼う前に親を確認することも大切です。 「難聴(なんちょう)」 歳をとって聞こえなくなったり、外耳炎(がいじえん)という病気から耳が聞こえなくなるケースもありますが、生まれつき耳が聞こえない場合もあります。生まれつき聞こえない場合は遺伝性の可能性があるので、飼う前に親を確認すると良いと思います。 「白内障(はくないしょう)」 目が見えなくなる病気です。歳をとって目が見えなくなることもありますが、遺伝性もあります。他にもいろんな怪我や病気から目が見えなくなる可能性があるので、まずは親を確認して、怪我や病気に気をつけるしかありません。 「皮膚病」 アッペンツェラー・キャトル・ドッグはダブルコートですが、毛が短いので皮膚のバリア機能が落ちやすく、それによって皮膚の炎症が起きやすくなっています。皮膚をよく掻くようになったり、目に見えて赤しい部分があったらすぐに病院に行ってあげてください。 アッペンツェラー・キャトル・ドッグの平均寿命は12〜15年です。人間よりも遥かに短い寿命を、いつでも家族のそばで幸せに過ごせるように、大切にしてあげましょうね。
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