アメリカン・アキタ
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アメリカン・アキタ
皆さんは「アメリカン・アキタ」という犬種を知っていますか?「アキタ」と聞くと日本の「秋田犬」が浮かびますよね。そうなんです。アメリカン・アキタは日本の秋田犬と深く関係しているんですよ。そんなアメリカン・アキタを紹介していきます!
アメリカン・アキタ 基本情報
〜基本情報〜
原産国:アメリカ 体高:オス 66〜71cm メス 61〜66cm 体重:27〜59kg アメリカン・アキタは骨太でがっしりとした体をしています。頭は広く三角形のような形をしていて、つぶらな瞳をしています。耳は立ち耳で、しっぽはくるんと背中側に巻いているか、お腹の横に垂れています。 毛は厚く密集しているアンダーコートに、硬く短い直毛のアウターコートのダブルコートになっていて分厚いです。色はレッドやホワイト、金色っぽいフォーンなどさまざまな色があり、縞模様のブリンドルや大きなマークがあるピントーなど模様もさまざまです。 日本の秋田犬に似ているところはありますが、秋田犬より体が大きく、顔はシェパードのようなキリッとした顔つきになっています。
アメリカン・アキタの歴史
アメリカン・アキタの先祖は、ズバリ日本の「秋田犬」です。秋田犬は秋田県原産の犬種で、秋田犬の先祖は「秋田マタギ犬」という熊猟犬(くまりょうけん)です。1603年以降、秋田マタギ犬は闘犬用(とうけんよう)として仕事をしていました。その血を混ぜて秋田犬が誕生したといわれています。 1908年に闘犬禁止令(とうけんきんしれい)が出て、さらに第二次世界大戦が始まります。戦時中は食糧不足になるために、軍用犬となる「ジャーマン・シェパード・ドッグ」という犬種以外は捕獲(ほかく)命令が出されてしまったのです。そこで捕獲(ほかく)されてしまわないように、手に入りやすかった「ジャーマン・シェパード・ドッグ」や「マスティフ」という犬種の血を混ぜて、秋田犬ではないように見せかけていたのです。この時の秋田犬は「出羽系(でわけい)」と呼ばれていて、この姿が人気になります。ただ、交配が進んだ結果、終戦後には純粋な秋田犬は十数頭しかいない状態になりました。 この出羽系の人気は日本人だけではなく、日本にいるアメリカ兵にも人気がありました。そもそも戦争前の1937年に、ヘレン・ケラーが来日した時、秋田を訪れて2頭の秋田犬をアメリカに持ち帰っていました。その秋田犬はアメリカで話題になっていたそうなんです。それもあってか、日本にいるアメリカ兵も秋田犬をこぞって飼い始めたそうです。そしてその秋田犬をアメリカに持って帰ります。 アメリカに行った秋田犬は、繁殖(はんしょく)もされ増えていったので、1972年、アメリカン・ケネル・クラブに登録されましたが、この時にアメリカン・ケネル・クラブとジャパン・ケネル・クラブの間で、「この犬種は日本の秋田犬ですよ」という証人がいなかったので、日本から秋田犬の血を取り寄せることもできませんでした。なので、アメリカに行った秋田犬は持ち帰られた時の姿のまま独自の進化を遂げ、日本の秋田犬とは違う、「アメリカン・アキタ」が誕生したのです。日本でも、秋田犬を本来の姿に戻そうという活動が行われ、今の秋田犬が誕生したので、アメリカン・アキタと日本の秋田犬は全然違う犬種になっていきました。 現在、国際畜犬連盟(こくさいちくけんれんめい)であるFCIと、ジャパン・ケネル・クラブでは秋田犬は日本原産、アメリカン・アキタはアメリカ原産となっています。 ルーツは同じでも歩んできた道が違うと、顔つきも体つきも、もしかすると性格まで変わってくるのかもしれませんね。
アメリカン・アキタ Q&A
アメリカン・アキタの名前の由来は?
最初はアメリカン・アキタも「アキタ」と呼ばれていたそうですが、アメリカン・ケネル・クラブに登録され、日本の秋田犬とは違うということが分かったので、区別するために「アメリカの」という意味である「アメリカン」を付けたのだと思われます。 アメリカン・アキタは他にも「グレート・ジャパニーズ・ドッグ」と呼ばれていて、日本の犬が原産だということを忘れないでいてくれているようで、嬉しいですね。
アメリカン・アキタは人なつっこいの?
アメリカン・アキタは秋田犬の素朴さや気高さに、穏やかさや人なつっこさを加えた性格をしていると言われているほどフレンドリーです。 飼い主さんに優しく忠実で、飼い主さんと家族を守ろうとしてくれます。その上、動きが良く堂々としていて勇気があるので、家族以外の人には警戒心を抱きます。 なわばり意識もあるので、自分のテリトリーに知らない人が入ってくると立ち向かって行ってしまいます。 他の犬や子どもとも仲良くできますが、小さい頃からのしつけが大事になってきます。 基本的には家族に愛情を持って接してくれるので、良い家族として、良い番犬として一緒に暮らせると思いますよ。
アメリカン・アキタは日本で飼えるの?
アメリカン・アキタは日本のペットショップなどでは見かけない犬種です。専門のブリーダーを探すか、輸入になるかと思います。 輸入する場合、相手ときちんと連携が取れていないと日本に運んでいる最中に、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。日本でアメリカン・アキタを飼っている方を探して、情報を得てから、できれば現地に行ってアメリカン・アキタの状態を見てから決めた方がいいかもしれません。 専門のブリーダーから迎え入れる場合、ブリーダーからアメリカン・アキタの飼育方法を詳しく聞くことができたり、どんな場所で育っているのか、親はどんな状態なのかなど実際に確認することができるので、安心します。ただ、日本で専門ブリーダーはとても少ないので、根気強く探してみてくださいね。
アメリカン・アキタは外で飼うの?
アメリカン・アキタは室内でも室外でも飼えるそうですが、それぞれの注意点はあります。 まずは室内で飼う場合、アメリカン・アキタは毛量が多いので熱がこもりやすくなります。なので温度や湿度が一定に保てる室内の方が快適に過ごせることもあります。ただ、体が大きいので、広いスペースが必要になってきます。狭いところで飼ってしまうと、ストレスになり攻撃的になる可能性もあります。 室外で飼う場合には、広い庭があれば飼えます。超大型犬なので家の中だと触られたくないもののほとんどが届いてしまいますが、外だとその心配はほぼないかもしれません。外の空気はアメリカン・アキタにとっても開放的でいい空間なんです。ただ、熱中症になりやすいので夏は家の中で飼う方がいいかもしれません。 中でも外でも飼うことはできますが、迎え入れた子によってもどちらがいいか変わってくると思います。その子に合った方法で飼ってあげてください。
アメリカン・アキタはたくさん運動をするの?
アメリカン・アキタは熊猟犬(くまりょうけん)であり闘犬用(とうけんよう)の先祖の血があるので、超大型にはなりましたがスタミナがあります。散歩は毎日2回、それぞれ30〜60分の散歩をする必要があります。 歩くだけではなく、軽いジョギングも取り入れたり、ドッグランで自由に運動させることも大切です。 運動不足になってしまうとストレスが溜まって攻撃的になったり、太って病気になってしまう可能性もあるので、その運動欲求に応えられるくらいの体力が飼い主さんにも必要になってきます。時間と体力のある方だと、アメリカン・アキタを満足させられると思います。
アメリカン・アキタは何を食べるの?
アメリカン・アキタには、フードと水だけで栄養が取れる「総合栄養食」と書かれているものがいいと思います。運動量もあるので、原材料に「肉類」が主に含まれているものもいいと思います。 アメリカン・アキタはとても可愛いので、おねだりをされたらつい、おやつやご飯を余計にあげてしまいそうですが、記載されている量を守って、愛犬の健康を守っていきましょう。
アメリカン・アキタはしつけが難しいの?
アメリカン・アキタは超大型犬なのでトラブルにならないように、子犬の頃からしっかりとしつけてあげる必要があります。子犬の頃のしつけに失敗してしまうと手に負えなくなってしまう可能性もあるので、飼い主さんがリーダーなのだと最初にわかってもらいましょう。 対応力も忍耐力もあり賢いので、教えたことはすぐに覚えてくれますが、頑固なところもあるので、積極的にトレーニングを行い、信頼関係を作っていってください。遊びや生活を通じてトレーニングをすると、自然と理解することもでき、飼い主さんとコミュニケーションも取れるのでいいと思います。 子犬の頃から社会に慣れさせるのも大切です。体が大きいので音や人間にびっくりしてしまい突発的な行動をされると、人間の力では抑えられない可能性があります。社会は人間がいて、他の犬がいて、こんな音もするということを教えてあげましょう。他の犬と積極的に交流させるのも大事です。子犬の頃から犬の社会も経験させて、コミュニケーションの取り方を学ばせてあげましょう。 アメリカン・アキタには「待て」をしっかり教えるのも大切です。興奮してしまった時に「待て」の声やポーズで、落ち着けられるようにしておきましょう。トラブルを避けることができると思います。 家族を守るという気持ちが強すぎて、他の人間には警戒心を抱き、吠えてしまう可能性もあります。無駄吠えをしないように子犬の頃からしつけておきましょう。 しつける場合は、基本的には怒るのではなく褒めてあげてください。私たちも褒められるともっと褒められたいと行動することがありますよね。アメリカン・アキタも褒められると嬉しいのです。おやつでも一緒に遊ぶことでもご褒美になるので、コミュニケーションの中で愛情を持ってしつけてあげてくださいね。
アメリカン・アキタはお手入れが大変なの?
アメリカン・アキタは毛が密集していてダブルコートなので、毎日ブラッシングしてあげる必要があります。丁寧にブラッシングをして抜けた毛を取り除いてあげてください。表面に浮いてきたフケやゴミは蒸しタオルなどで優しく拭き取ってあげてください。換毛期(かんもうき)には大量の毛が抜けるのでいつもよりこまめに、そして丁寧にケアしてあげてください。 シャンプーは月に1回程度で大丈夫です。ただ、超大型犬なので家のお風呂だと難しいかもしれません。なので濡れてもいい外などでシャンプーをしてあげてください。シャンプーをした後はタオルで拭くのも、乾かすのも大変です。根気強く綺麗にしてあげてください。 耳は立ち耳なのであまり汚れませんが、定期的に掃除をしてあげましょう。耳の中を定期的に確認することで病気に気づくことができるかもしれません。 超大型犬なのでブラッシングもシャンプーも範囲が大きく時間もかかり、大変だと思います。家族で協力して綺麗にしてあげましょうね。
アメリカン・アキタがかかりやすい病気は?
アメリカン・アキタは超大型犬で体重も重いので、体に負担のかかることが多いです。いつも愛犬を観察して、少しでも変だなと思うことがあればすぐに病院に連れて行ってあげてください。 「股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)」 大型犬に多く、股関節の骨の形が変形してしまう病気です。変形した骨が噛み合わずに、歩くたびに痛みが出るので歩くのを嫌がるようになります。この病気は生まれた時から骨の形が変形している場合と、成長期に運動しすぎたり、太ってしまったことで関節に負担がかかり骨が変形してしまう場合があります。歩くのを嫌がったらすぐに病院に連れて行ってあげてください。 「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」 この病気は体重の重い大型犬に多く、膝のお皿が正常な位置からずれてしまう病気です。生まれた時からずれている場合と、太ってしまい膝に負担がかかってずれてしまう場合があるので、体重管理を徹底して健康を守ってあげましょう。 「脂腺炎(しせんえん)」 秋田犬に多く、毛が油っぽくなったり、フケが出たり、アンダーコートが大量に抜けてしまう病気です。秋田犬に多いということは、そのルーツがあるアメリカン・アキタもかかってしまうということです。この病気は原因が不明で、しかも進行性です。完治することは難しいですが、早めの段階だと進行を遅らせることもできるので、なるべく早めに病院に行ってあげてください。 「甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)」 甲状腺ホルモンの分泌が少なくなり代謝が上がらず、元気がなくなってしまう病気です。この病気になると、他の病気にかかりやすくなってしまうので、元気がないと思ったらすぐに病院に行くようにしましょう。 アメリカン・アキタの平均寿命は10〜15歳です。大型犬としては平均的ですが、人間に比べると短いです。アメリカン・アキタを家族として迎え入れたなら、最後まで責任を持って家族として愛情たっぷりに育ててあげましょう。
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