カニ
カニ
カニ
カニと言えば高級食材というイメージがありますよね。しかし、カニにはとても多くの種類がいるのです。 海や川、用水路など色々なところで見かけるカニですが、カニは一体どんな暮らしをしているのでしょうか? カニの生態について詳しく見ていきましょう。
カニ 基本情報
十脚目短尾下目(たんびかもく、別名:カニ下目)に属する甲殻類
体長2mm~120 cm 体重5g~20Kg
カニは、熱帯から極地まで世界中に生息しています。
海水だけでなく、沿岸域の陸上尾や川のような淡水域に生息している種類もいます。
生態の大きさは数ミリ程度の小さいものから脚の先まで3m以上もあるものまで様々です。
頭胸部に5対の脚があり、そのひとつがハサミになっています。
歩き方は「横歩き」が特徴的ですが、横歩きではなく後ろ歩きをする種類も存在します。
呼吸はエラで行うので、生きていくためには水が必要です。
だからカニは、水のそばで見かけることが多いのです。
カニ Q&A
カニの名前の由来は?
カニの名前の由来は、甲が赤いところや茹でると赤くなるというところからきています。
「甲丹」「殻丹」いずれもカニと読み、「丹」は赤いという意味があります。
また、甲がかたく、すぐに逃げる習性を持っていることから「堅逃(カタニゲ)」の略でカニと呼ばれるようになったという説や、能力を兼ね備えるという意味の「かぬ」が変化したという説、海より川蟹のほうが古くから見られることから「河庭(カハニハ)」が変化したという説など様々です。
「蟹」の古音は「カイ」のため、漢字の音読みが変わったものだと考えられています。
カニはどうしてそこに住んでいるの?
カニは、淡水・汽水・沿岸域・深海など、様々な水域で生息しています。
陸上や純淡水で生息している種類は少なく、ほとんどの種類が汽水域、海岸線から海中にいます。
カニは、水がないと生きられません。
カニはエラ呼吸をする生き物で、エラが湿っていないと呼吸ができないからです。
陸上に棲んでいるカニも、水中のカニと同じようにエラ呼吸をしています。
カニは、少しの水を得ると口から出したものを捨てずに、脚の付け根にある取水孔から吸収し、繰り返し循環させて使いまわしながらエラ呼吸をしているのです。
沖縄に生息しているオカガニという種類のカニは、エラではなく肺のような器官で呼吸をしていて、他のカニとは違い水分を全く必要としません。
カニは何を食べているの?
カニは雑食性なので、色々なものを食べて生きています。
カニの幼生は、プランクトンをエサにします。
大きくなったカニは、海藻などの植物や、クモヒトデ、二枚貝の仲間、ゴカイ、ヒトデ、イカ、ヤドカリなどを食べます。
ほとんどのカニは、海底に沈んだ生き物の死骸を食べているようです。
また、共食いをすることもあります。
ズワイガニの種類は、自分の脱皮した殻も食べます。
植物性のエサよりも、動物性のエサを好むカニのほうが多いようです。
カニはどうして泡をふくの?
カニの呼吸方法はエラ呼吸です。
陸に上がったカニは、体の中に水をためていて、エラ呼吸で水に溶けた酸素を取り込んでいます。
カニのふく泡は、体の中にためた水分を循環させすぎて粘り気の出た水なんです。
カニは泡をふくことで、体内の水をたくさん空気に触れさせて酸素を取り込んでいます。
そして、ふいた泡は再び体内に戻しています。
カニが泡をふいているということは、すでにカニの体は酸素不足であるということも意味しています。
カニはどうして茹でると赤くなるの?
カニは、茹でると赤くなります。
カニが赤くなるのは、カニの殻に含まれているアスタキサンチンという成分が影響しています。
アスタキサンチンはタンパク質と結合して黒っぽい色をしていますが、タンパク質と離れることで本来の鮮やかな色に発色します。
カニは熱に弱く、加熱することで成分が分解されてアスタキサンチンの色が出やすくなるため茹でると赤くなるのです。
アスタキサンチンは、抗酸化作用のある成分で、体内の活性酸素を除去してくれるのでアンチエイジングにも効果的な成分です。
カニはどうして横歩きするの?
カニは、クモなどと同じ節足動物の仲間です。
節足動物は脚がたくさんあり、カニは全部で10本の脚を持っています。
このうちの2本はハサミなので、歩くのに使うのは8本です。
そして、カニの体は横に長い四角形の形をしていて、体の横から脚が出ています。
この体で前に歩こうとすると、脚がぶつかり合って速く歩けません。
横で歩けば脚と脚の間に隙間ができるので、大股で速く歩くことができます。
速く歩けなければ天敵から逃げられず、すぐに食べられてしまいます。
できるだけ速く歩くために、横歩きという方法を編み出したのだと言われています。
ゆっくりであれば前にも歩けるので、前に歩くカニもいるそうです。
カニのハサミはいつ使うの?
カニの種類は、大きなハサミを2つ持っています。
ハサミは、まずエサを食べるときに使います。
生きたものをハサミで捕まえて、引きちぎるようにして食べます。
また、敵を威嚇するときにも使用します。
ハサミを振り上げて敵を威嚇し、敵が逃げない時には相手の体をハサミではさんでしまいます。
また、毒のあるイソギンチャクをハサミではさんで敵を脅かす手段をとるカニもいます。
ハサミが大きくないカニは、死んだふりなどをして敵をごまかすものもいます。
ただし、鳥のくちばしには大きなハサミもかないません。
カニはハサミを切り落とす?
カニのハサミと言えば、カニにとって大切な体の部位になります。
しかし、敵につかまってしまったカニは、最後の手段として敵をおもいきりはさみつけたまま、ハサミを体から切り落とすという手段をとる場合があります。
切り落とす関節は決まっており、その部分は血液が流れない仕組みになっているんだとか。
とれたハサミは再び同じところから再生します。
カニが卵を産む日は決まっている?
カニは、満月や新月の夜、満潮の時間にだけ卵を産みます。
海から遠く離れたカニの種類であっても、卵を産むタイミングは同じです。
なぜ満月や新月の大潮のときだけ卵を産むのかは謎に包まれたままです。
カニは泳げる?
カニは、砂の上を脚を使って歩くイメージが強いですが、ガザミというカニの種類は、水中を泳ぐことができます。
ガザミには、一番うしろの5対目の脚が水をかくためにかいのような形をしています。
足をかいのように動かし、横に泳ぐことができるのです。
かいの角度を変え、後ろに泳いだり方向転換もできます。
世界最大のカニは?
世界最大のカニは、タカアシガニです。
タカアシガニは、日本近海の深海に生息していて、甲羅だけでも幅40cm以上もあるものもいます。
重さは最大で19kgで、すべての節足動物の仲間の中でも、ロブスターの次に重いです。
水族館などで見ることができますが、食用も可能です。
しかし、うま味はタラバガニなどよりもないと言われています。
世界最小のカニは?
世界最小のカニは、マメガニです。
オスは0.8cmほどでメスは1.2cmほどの大きさです。
アサリやカキなどの二枚貝に寄生し、貝の取り入れた酸素を使って生きています。
貝類を食べるときによくカニが入っていたら、マメガニかもしれませんね。
カニの性別の見分け方は?
カニのオスとメスは、簡単に見分けることができます。
カニをひっくり返し、腹部をよく見てみましょう。
メスは腹部が半円型で、オスは鋭角な三角形の形になっています。
カニは痛みを感じる?
カニの仲間である無脊椎動物は、痛みを感じる脳の部分が欠損しているため、痛みを感じないと言われています。
しかし、痛みを認識する部分がある可能性があるともいわれているんです。
カニに電気ショックを与えたとき、ストレス反応物質が増加したことから、カニは痛みを感じているのでは?という研究結果が出ています。
しかも、痛みを感じた場所を記憶し、そこには近づかなくなることも分かっています。
ズワイガニとタラバガニはどっちがおいしい?
カニというと、高級な食材というイメージがありますよね。
食べるカニというとズワイガニとタラバガニが有名ですが、どんな違いがあるのでしょうか?
ズワイガニのほうがうま味や甘味が強く、カニ味噌も食べられます。
また、タラバガニよりも安価なので手が出しやすいです。
タラバガニは、ズワイガニに比べると2~3倍のサイズなので大きくて食べ応えもあります。
肉厚で弾力もあり、ぷりぷりした食感が特徴的です。
味はズワイガニよりもあっさりしていますが、脂質が少なく低カロリーです。
しかし、タラバガニはカニ味噌を食べることはできません。
食べられますが、味がほとんどなく状態もドロドロで食べにくいのです。
味に好みはありますので、それぞれの特徴を理解してお好きなほうを食べてみてください。
日本で最高級のカニは?
日本で一番高級だといわれているカニは、ブランドガニである「五輝星(いつきぼし)」です。
これは松葉ガニの王様で、ギネス世界記録に認定されるほど高額な値段で取引されています。
初競りでは200万で落札され、その翌年には500万で競り落とされています。
山陰で水揚げされた松葉ガニは特においしいとされ、身がぎっしりつまって弾力があり、甘く上品な味がすると言われています。
あなたも『動物完全大百科』の一員になりませんか?
あなたの知識をQAにして、全世界に発信しましょう。 ※掲載は購入後に有効となります。 さあ、私たちと一緒に情報を共有しましょう!
カニ 種類
・ ズワイガニ
・タカアシガニ
・ユノハナガニ
・サワガニ
・モクズガニ
・チュウゴクモクズガニ
・ヤマガニ
・イシガニ
・ベニツケガニ
・ニシノシマホウキガニ
・オウギガニ
・スベスベマンジュウガニ
コメントしませんか?
おめでとうございます! あなたが初めてのコメンテーターです!
あなたの“好き”リストを作ろう!
カニ
気になる動物をお気に入りに登録!後からすぐに見返せる、あなただけのリストを作りましょう。
コメントしませんか?
※ご注意:記事内に掲載するコメント権の購入になります。
あなたの好きを見つけよう!
当ショップでは、様々な動物をテーマにしたユニークで魅力的なグッズを取り揃えております。
カニ 参考文献
- ・カニのくらし 2005年4月1日新装版第1版 株式会社あかね書房
- ・Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/カニ
- ・語源由来辞典 https://gogen-yurai.jp/kani/#:~:text=カニの語源には,変化したなど諸説ある。
- ・かにカニ福井 https://kani.fukuishimbun.co.jp/news/171.html#:~:text=貝類やゴカイの仲間,も観察されています。
- ・モノシリ https://www.ipros.jp/monosiri/science/89/2#:~:text=正解は 「エラ呼吸」&text=体の中に水,体内に戻しています。
- ・カニ通販比較 https://xn--t8jb7ba1g9fu499dm0f.com/ecology-of-crab/or-eat-anything-crab/
- ・知識の宝庫!目がテン!ライブラリー https://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/02/08/0811.html
- ・魚の食べ方探求 https://seafood-reference.com/kani/kani-seitai/entry1091.html
- ・学研 キッズネット https://kids.gakken.co.jp/kagaku/kagaku110/science0167/
- ・iloveai https://ailovei.com/?p=71688
- ・朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASLCS4GR2LCSPUUB001.html#:~:text=鳥取市の鳥取港,も認定されている。
カニ 使用メディア紹介
天敵
動物完全大百科をあなたのメディアで豊かにしよう!
動物完全大百科では、動物の素晴らしい写真や動画を常に募集しています。もしあなたが共有したいメディアがあれば、ぜひご提供ください。あなたの投稿はクレジット付きで動物完全大百科に掲載され、多くの動物愛好家に届けられます。動物の魅力と多様性を一緒に伝えましょう。