ニワトリ
ニワトリ
ニワトリ
現代人にとってもっとも身近な鳥はニワトリと言えるでしょう。 スズメやカラスのほうが身近だ、という意見もあるかもしれません。たしかに街中ではニワトリよりスズメやカラスのほうがよく見かけるでしょう。 しかし食生活を考えてみてください。玉子に鶏肉、ニワトリの恩恵がない日のほうが少ないのではないでしょうか。 ニワトリが身近であるにもかかわらず、ほとんどの人はニワトリの生態を知りません。そこで今回はニワトリの生態について、一緒に学んでいきましょう。
ニワトリ 基本情報
鳥綱キジ目キジ科キジ亜科
体長:50〜70cm
ニワトリの特徴といえば、頭部のトサカとあごの部分です。それぞれ皮膚が発達したもので、器官として大きな意味はありません。メスよりオスのほうが大きいようです。
ニワトリが属するキジ科の鳥は、地上生活に適した足を持っていることが多く、ニワトリもおもに地上での生活を得意としています。一部の種類を除いてニワトリの足の指は4本で、太くて立派です。運動能力が高く、庭のような広い場所に放すと走り回るため、追いつくことは困難でしょう。
ニワトリの寿命はおよそ10年ほどです。「思ったより長い」と感じる人もいるのではないでしょうか。メスの場合、卵を産む期間は1年〜1年半ほどで、10年間ずっと産み続けるわけではありません。
ニワトリのヒナであるひよこ。かわいさからいろいろなキャラクターになったりお菓子になったりしています。ひよこは性別による差の少なさが知られており、判別には資格が必要なほどです。
ペットとして飼育可能
ニワトリは食肉用や卵用としての飼育が多いですが、一般家庭でペットとして飼えます。メスは卵を産むので、飼ってみるのもいいでしょう。
ただし犬猫と同じように考えてはいけません。決して飼いやすい動物ではないので、注意点などをしっかり確認してから踏み切ってください。「飼ってみたけど大変だったから手放す」は絶対に許されません。
飼育環境が大事
基本的にニワトリは屋外での飼育に向いています。ニワトリの運動量は多く、庭に放すと走り回ります。犬のような散歩は難しいため、運動の確保がもっとも大変でしょう。
また、脱走にも注意しなければいけません。十分に対策したつもりでも、動物の能力は人間の予想をあっさりと超えます。近所に迷惑をかけないためにも、できるだけ目を離さないようにしましょう。
最近では室内飼いも増えています。庭のない地域では放し飼いはできませんからね。室内で飼う場合も自由にさせる必要があります。ケージも必要ですが、1日中閉じ込めてはニワトリにとって大きなストレスです。飼い主の都合で、ニワトリの行動を制限しすぎないように注意しましょう。
ペットとして飼育する場合の注意点
ペットとして飼育する場合は、トイレを覚えないことに注意しましょう。ニワトリは犬猫と違ってトイレの場所を覚えず、催したときにその場で用を足します。庭であろうが屋内であろうが関係ありません。しつけをして直るものではなく、そういうものだと割り切ってすぐに掃除をしましょう。
また糞には通常便と盲腸便の2種類があって、盲腸便はかなりの悪臭です。通常便は白っぽい色に対して盲腸便は茶色いので、見た目ですぐ判別できます。衣類に付着するとなかなか臭いがとれないので、臭い対策も万全にしておきましょう。
ニワトリの鳴き声も特徴的です。一般的に「コケコッコー」と鳴くとされ、朝方に鳴く姿をTVで見かけます。かなり大音量でペットとして飼う場合、特に室内で飼う場合は近隣に配慮しましょう。朝方に鳴くのはオスで、メスは産卵時に鳴く程度です。知っておくといいかもしれませんね。
野生のニワトリっているの?
現代のニワトリは家禽(かきん)という家畜の一種として、人間に飼育されています。野生のニワトリはいないと考えるのが一般的です。
いつからニワトリが家禽として人間と関わりを持つようになったのか、明らかになっていません。ただし弥生時代の遺跡から出土されており、農耕時代が始まるころに中国大陸から伝わったとされています。
当時は鳴き声で朝の到来を知る目的で飼育されていたようで、卵や鶏肉は副次的なものだったようです。現代ではさまざまな目的で飼育されているため、長い歴史の中で飼育の目的は大きく変化したと言えるでしょう。
目的の変化はあったものの人間とニワトリの関係は長く、野生のニワトリは昔からほとんどいなかったと考えられます。
ニワトリ Q&A
ニワトリの名前の由来は何?
ニワトリという和名は「庭に飼う鳥」が由来とされています。つまりもともと家禽(かきん)であったことがわかります。漢字では「鶏」と書きますが、「家鶏」で「ニワトリ」と読むこともあるようです。
代表的な鳥であることから、単に「とり」と呼ぶこともります。よく聞く例として鶏肉(とりにく)がもっとも有名でしょう。
ちなみに英語では「chicken(チキン)」と言いますが、もともとは若いニワトリのみを指す言葉だったそうです。ニワトリの本種全体を指す言葉としては「fowl」が使われています。
ニワトリは何を食べるの?
個人で飼育する場合はエサが販売されていますが、卵用のニワトリの場合は毎日卵を産むため、栄養管理が徹底されています。おもに4つの原料が必要です。
1つ目はトウモロコシなどの穀類で、ニワトリの重要なエネルギー源です。エサの大半が穀類で、卵黄の色に強く影響します。
2つ目は大豆の油かすを始めとする植物の油かすです。タンパク質を供給するために与えられます。
3つ目は炭酸カルシウムで、粉砕した石灰石を食べさせます。カルシウムは卵の殻に必要なのでおろそかにできません。
4つ目はビタミンやミネラルなどを与えるためのサプリメントです。ニワトリに必要とされる成分を混合したものが与えられます。
どんな柄があるの?
ニワトリといえば、白い体に赤いトサカとあごをもつものが一般的です。または茶色い体をもつものを思い浮かべる人もいるでしょう。しかしニワトリの色や形状は他にもあります。
世界的にニワトリは卵用や食肉用に飼育されてきましたが、日本ではさらに観賞用のニワトリを飼育してきました。尻尾などの羽毛が長いものや色彩の豊かなものなど、個性的な特徴を持ち、外観が美しいものを多く作り出しました。
外観や鳴き声に特徴を持つ日本生まれの品種を日本鶏(にほんけい)と呼び、世界に存在する250品種の中で日本鶏は50品種を上回るほどです。
ひよこにはどんな種類があるの?
ニワトリのヒナ鳥であるひよこは黄色いイメージがありますが、成鳥と同様で色が違う種類が存在します。黒いひよこや白いひよこなど、黄色いひよこに慣れている人にとってはなかなかセンセーショナルです。
ちなみに黄色のひよこは、卵の状態で卵黄に浸かっているから黄色だとされてきました。しかし近年の研究でひよこの色素と卵黄の色素が一致しないことが判明し、この説は間違いであると考えられています。
ニワトリって飛べるの?
ニワトリは飛べない鳥としても有名で、実際に地上をおもな生活の場としています。ハトやカラスのように翼を羽ばたかせて、空を自由に飛ぶことはできません。
しかしニワトリの羽もお飾りではなく、羽ばたかせることで低空飛行が可能です。野生化した個体だと、数十メートルの距離を飛べるそうなので決して馬鹿にはできませんね。
あなたも『動物完全大百科』の一員になりませんか?
あなたの知識をQAにして、全世界に発信しましょう。 ※掲載は購入後に有効となります。 さあ、私たちと一緒に情報を共有しましょう!
ニワトリ 種類
日本鶏
軍鶏
- 大軍鶏(おおしゃも)
- 小軍鶏(こしゃも)
- 八木戸鶏(やきど)
- 金八鶏(きんぱ)
- 大和軍鶏(やまとぐんけい)
- 南京軍鶏(なんきんしゃも)
- 越後南京軍鶏(えちごなんきんしゃも)
地鶏
- 土佐地鶏(とさじどり)
- 三重地鶏(みえじどり)
- 岐阜地鶏(ぎふじどり)
- 岩手地鶏(いわてじどり)
- 佐渡ヒゲ地鶏(さどひげじどり)
- 会津地鶏(あいづじどり)
- 愛媛地鶏(えひめじどり)
- 徳地地鶏(とくぢじどり)
- 龍神地鶏(りゅうじんじどり)
- 対馬地鶏(つしまじどり)
- トカラ地鶏(とからじどり)
長鳴鶏
- 声良鶏(こえよし)
- 蜀鶏(唐丸鶏)(とうまる)
- 東天紅鶏(とうてんこう)
実用改良鶏グループ
- 名古屋(なごや)
- 三河(みかわ)
- 出雲(いずも)
- 土佐九斤(とさくきん)
- 宮地鶏(みやぢどり)
- 熊本(くまもと)
- 天草大王(あまくさだいおう)
- インギー鶏
その他
- 小国鶏(しょうこく)
- 烏骨鶏(うこっけい)
- 矮鶏(ちゃぼ)
- 鴈鶏(がんどり)
- 比内鶏(ひないどり)
- 芝鶏(しばっとり、しばとり)
- 蓑曳鶏(みのひき、みのひきどり)
- 河内奴鶏(かわちやっこ)
- 播州赤柏(ばんしゅうあかかしわ)
- 黒柏鶏(くろかしわ)
- 土佐のオナガドリ
- 蓑曳矮鶏(みのひきちゃぼ、おひき)
- 鶉矮鶏(うずらちゃぼ、うずらお)
- 久連子鶏(くれこどり)
- 地摺鶏(じすり)
- 地頭鶏(じとっこ)
- 薩摩鶏(さつまどり)
- チャーン
海外品種
- レグホーン
- ミノルカ
- プリマスロック
- ロードアイランドレッド
- ニューハンプシャー種
- ライトサセックス
- コーニッシュ
- オーストラロープ
- アローカナ
- ポーリッシュ
- コーチン
- フェニックスバンタム
- コーチンバンタム
- シーブライトバンタム
- モダンゲームバンタム
- シルキー
- ブラマ
- ハンバーグ
- ランシャン
- ダーニッシュヘン
- ダンダラディー
- ファヨウミ
- アメラウカナ
- ウェルサマー
- シナモンクィーン
- イースターエッガー
- Ancona
- Buff Orpington
- Barnevelder
- Delaware
- ISA Brown
- Marans
- Wyandotte
商用種
- ブロイラー
- ボリスブラウン
- レイヤー
JAS地鶏
- 東京烏骨鶏(とうきょううこっけい)
- 阿波尾鶏(あわおどり)
- みやざき地頭鶏(みやざきじとっこ)
- 薩摩地鶏(さつまじどり)
- 南部鶏(なんぶじどり)
- 比内地鶏(ひないじどり)
- 伊達鶏(だてどり)
- 大山地どり(だいせんじどり)
- 名古屋コーチン(なごやこーちん)
- 土佐ジロー(とさじろー)
- プチコッコ
コメントしませんか?
おめでとうございます! あなたが初めてのコメンテーターです!
コメントしませんか?
※ご注意:記事内に掲載するコメント権の購入になります。
あなたの好きを見つけよう!
当ショップでは、様々な動物をテーマにしたユニークで魅力的なグッズを取り揃えております。
ニワトリ 参考文献
ニワトリ 使用メディア紹介
動物完全大百科をあなたのメディアで豊かにしよう!
動物完全大百科では、動物の素晴らしい写真や動画を常に募集しています。もしあなたが共有したいメディアがあれば、ぜひご提供ください。あなたの投稿はクレジット付きで動物完全大百科に掲載され、多くの動物愛好家に届けられます。動物の魅力と多様性を一緒に伝えましょう。