シャルトリュー

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名前がとってもおしゃれなネコといえば?そう、シャルトリューです!
とはいっても「シャルトリュー?聞いたことないなぁ。」そう思ってしまう方も多いと思います。
日本ではあまり馴染みのないネコですが、フランスでは「じゃがいもにつまようじを刺したようなネコ」なんて面白可愛く表現されているんですよ。
またロシアンブルー、コラットと並んで「ブルー御三家」とよばれています。
そんなシャルトリューの不思議な秘密やちょっと悲しい歴史を一緒にのぞいてみませんか?

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~基本情報~

原産国 フランス

体長 50~60cm

体重 オス:4~6.5kg メス:3~5kg

シャルトリューの起源はあまりはっきりとしたことは分かっていません。

フランスとイギリスの国境付近にはシャルトリュー修道院という、キリスト教徒が共同生活をするための施設があり、そのあたりに関係している可能性が高いといわれています。

この話を含め可能性のある説をいくつか紹介すると「シリアの土着ネコが商人よってフランスに持ち込まれた説」、「シャルトリュー修道院で暮らしていた、シャルトリュー派の修道士がアフリカへ連れ帰ったネコが起源の説」

「その昔、キリスト教徒の聖地だったエルサレムという場所を取り戻すために十字軍という部隊を送り込み、その時一緒に連れて行ったネコの子孫である説」などがあります。

16世紀ごろになると、絵画にシャルトリューが登場することから、この時代にはすでに存在していたといわれています。

さらにフランスのシャルル・ド・ゴール大統領にも愛されたことで有名になっていき、シャルトリューの人気は高まっていきました。

しかし「第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)」をきっかけにシャルトリューの数は激変してしまったのです。

主な理由としては、人々は自分たちの生活をするだけで精一杯になってしまい、ネコを飼い続けることができなくなってしまったため、

そしてシャルトリューの美しい被毛が防寒性(ぼうかんせい)や機能性(きのうせい)に優れていたことから、次々に乱獲(らんかく)され被毛を取るために殺されてしまいました。

そんな悲しいエピソードが残っているシャルトリューですが、終戦後は絶滅寸前だったシャルトリューの数を元に戻すため、レジェ姉妹が生き残っていたシャルトリューを保護し、繁殖活動を始めました。

ちなみに繁殖相手に選んだといわれているのが「ペルシャ」や「ブリティッシュ・ブルー」です。

姉妹の努力もあったことで1960年代にはアメリカにも渡り、1987年には「CFA」で正式に品種登録されました。

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シャルトリューのQ&A

シャルトリューの名前の由来は?

基本情報でも紹介しましたが、シャルトリュー修道院に関係している可能性が高いため、ここから名付けられたといわれています。

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シャルトリューのカラーバリエーションは?

■ボディカラーの種類

ブルーのみです。

■模様や配色の種類

・ソリッドカラー
顔や体、脚やしっぽなど体全体が単色のみです。

■アイカラーの種類

ゴールド、カッパー、オレンジがあります。

■毛種

シャルトリューは短毛種(たんもうしゅ)のみです。

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シャルトリューの外見はどんな感じ?

頭部は幅広かつ丸みがあり、そして体型はセミコビーとよばれています。目は大きくて丸い目、耳は先が丸めで中くらいの大きさです。

がっしり体型ですが、ほどよく筋肉がついているのでバランスの良い体格をしています。被毛は短めですが手触りが良く、例えるならヒツジの毛に似ています。密集して生えているため、水をはじきやすい性質があります。

どちらかといえば丸顔のシャルトリューは、頬が発達し口をすぼめた様な外見が笑っているようにも見えるので「フランスの微笑むネコ」ともよばれています。

また不思議なことにシャルトリューは、1歳を過ぎても成長し続けます。

他のネコだとだいたい生後8ヶ月から1年で大人になりそこで成長は止まるのですが、シャルトリューは約2年かけてゆっくりと大人になっていくイメージです

ネコは1歳になるとだいぶ体が大きくなりますが、それでもシャルトリューの成長はまだ止まらない!ということになります。

ちなみに、スローペースで成長するネコは他にもサイベリアンやメインクーンがいます。

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シャルトリューとブリティッシュ・ショートヘアとの違いは?

写真を並べて見ると分かるとおり、この2匹はとてもよく似ているのでじっくり観察しないとどっちがどっちだか見分けがつかない場合があります。

そんな2匹ですが、見分ける方法はあります。

まず目の色ですが、シャルトリューはゴールド系のカラーしか存在しません。一方、ブリティッシュ・ショートヘアはゴールド系以外にもブルーやカッパーなど色々なカラーがあります。

そしてどちらもがっしり体型なのですが、比較的ブリティッシュ・ショートヘアの方が丸みを帯びた体型をしています。特に顔の輪郭や頬がシャルトリューよりむっちりしています。

被毛のカラーは、シャルトリューはブルー1色の単色ソリッドカラーだけなのに対し、ブリティッシュ・ショートヘアは模様や配色、カラーバリエーションも豊富です。

最後に性格の違いですが、シャルトリューもブリティッシュ・ショートヘアも基本的には穏やかな性格をしています。

ですが、どちらかというとシャルトリューの方が環境適応能力(かんきょうてきおうのうりょく)が高く、多少騒がしい場所でも平気で暮らしていけることが多いです。

一方、ブリティッシュ・ショートヘアは騒がしい場所は苦手なようで、小さな子どもが走り回るような環境は不得意といわれています。自分のテリトリーを壊されたくないという思いから、ブリティッシュ・ショートヘアの方がややマイペースといえます。


シャルトリューはどうしてスローペースで成長していくの?

他のネコは約1年でほぼ成長スピードが止まるのに対し、シャルトリューはもう少し時間をかけて大きくなっていきます。

なぜ成長スピードが異なるのかというと、自然発生で誕生したネコなのであまり詳しいことは分かっていないようです。

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シャルトリューを購入するにはどれくらいかかるの?

ブリーダーやキャッテリーから購入する場合は、20~30万円かかります。どんな環境で育ってきたのか、両親はどんなネコなのか確認できるのがメリットです。

またブリーダーとの人柄にもよって信頼度が変わるので、予約してから見学に行くのが望ましいです。

ペットショップではほとんどみかけることがないため、ブリーダーやキャッテリーから購入するのが一般的といえるでしょう。

シャルトリューはまだ流通量が少ないため、最低でも数十万しますが、さらに値段に幅が出てしまう条件についていくつか紹介します。

・子ネコであること
・血統が優秀であること
・毛並みなどの見た目が優れているか

他にも条件はあるのですが、主に上記の条件に当てはまると値段が高くなってしまう傾向があるようです。


シャルトリューの性格や特徴をもっと詳しく知りたい!

①穏やかで頭も良く、我慢強い性格

大人しくて穏やか、そして我慢強い性格の持ち主です。頭が良く賢い部分も持ち合わせているのでしつけもしやすいネコです。

飼い主さんにもよく懐き、おもちゃで遊ぶのも大好きです。その性格はまるで「イヌのようなネコ」ともよばれています。

物覚えが良いために、強く怒鳴られてしまったことまで鮮明に記憶するので、しつけをする際は感情的になるのではなく、ゆっくりと教えてあげるのが望ましいです。

②甘えん坊だけど多頭飼いもOK!

甘えん坊な一面もありますが、すごく寂しがり屋という訳でもないので、多頭飼いや他の動物との同居、そして小さなお子さんと一緒に暮らすこともできます。

③大きな声で鳴くことも少なめ

比較的声も小さめなので、マンションやアパートでも飼育可能です。ネコを初めて飼う初心者の方にピッタリな品種といえるでしょう。

基本的にオスの方が甘えん坊気質が強く、メスの方が独立心が高い傾向があります。シャルトリューとたくさん遊びたい方はオスを、適度な距離を保ってまったり暮らしたい方はメスが良いかも知れませんね。

ですが性格には個体差もあるので、あくまでもこのような傾向があるという参考程度に覚えておくのがベストです。

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シャルトリューのかかりやすい病気ってなに?

シャルトリューがかかりやすい病気は「多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)」、「下部尿路疾患(かぶにょうろしっかん)」があります。

①多発性嚢胞腎

多発性嚢胞腎とは、嚢胞がたくさん出来る病気で、最悪の場合「腎不全(じんふぜん)」を引き起こしてしまう可能性があります。

残念ながらこの病気の具体的な予防法は見つかっていません。特に高齢ネコの罹患率(りかんりつ)が高いので注意が必要です。ですが定期的な検診を受けることで早期発見につながり、発見が早いほど対症療法によって病気の進行を遅らせることができます。

下部尿路疾患

これはシャルトリューだけではなく全てのネコがかかりやすい病気の総称です。具体的な病気は「尿路結石(にょうろけっせき)」や「膀胱炎(ぼうこうえん)」などがあります。

もともとネコは昔からの名残りで水を多く飲む習慣がついていません。そのため腎臓に負担がかかりやすく、尿路疾患になってしまうことが多いのです。

普段からできる対策として循環タイプの給水器を使う、水分を多く含むウエットタイプのエサをあたえる、そしておやつはあげすぎない。といった日々の習慣で予防できる場合もあります。ぜひ心がけてみてくださいね。

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シャルトリューの寿命は?

シャルトリューの寿命は12~15年といわれています。一般的なネコの寿命は12~16年なので、平均寿命と比べても大きな差はありません。

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参考文献

まるごとわかる猫種大図鑑 監修:CFA公認審査員 早田由貴子

世界中で愛される美しすぎる猫図鑑 監修 今泉忠明

The Cat Fancier’s Association, Inc.
https://cfa.org/chartreux/

猫との暮らし大百科
https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/

みんなの猫図鑑
https://www.min-nekozukan.com/

Pet Smile news forネコちゃん
http://psnews.jp/cat/

子猫のへや
https://www.konekono-heya.com/sitemap.html

ねこちゃんホンポ
https://nekochan.jp/

公益社団法人 埼玉県獣医師会
https://www.saitama-vma.org/topics/猫の遺伝性疾患について/

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