ラガマフィン
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今回このページでご紹介するのは「ラガマフィン」というネコです。ネコ種としてはまだ新しく、お家で見かけることはあまりないかも知れませんね。 第一印象は柔らかそうなふわふわのネコといった感じですが、実はこの外見、ラグドールと大きな関係があるんですよ。 ラガマフィンとラグドールの関わりも含めたネコの秘密、こっそり覗いてみませんか?
ラガマフィン 基本情報
原産国 アメリカ
体重 オス:4~7kg メス:4~6kg
まずひとことで表わすとラグドールが祖先といわれ、親戚関係にあるネコです。ラガマフィンが誕生の背景にはブリーダー同士の複雑な事情が絡んでいたといわれています。それは1960年代のこと。ペルシャのブリーダーであったベイカーという人物が、シールポイント(顔や耳、しっぽや手足だけが黒っぽい)の入ったラグドールを作り出します。その後ベイカーはこのラグドールに関して厳しい管理体制を置くことに決め、さらにブリーディングを希望する人に対していくつかのルールを定めたのです。
具体的にあげると、
①既に存在している猫血統登録団体ではなく、ベイカー自身が設立した団体で管理を行なう。
②品種名を商品登録したため、ブリーディングを希望する場合はベイカーの団体と契約を結び、無許可で品種名を使用することは禁止とする。
今でいうフランチャイズ契約のような形だったため、子ネコが生まれたらその代金の数パーセントを団体に支払うというルールもあったそうです。 しかしこのようなビジネス形式に不満を持つブリーダーも多く、団体から抜けた人たちを集め、ついに新しい愛好家団体を結成することに。1980年代頃よりラグドールをベースにした交配を開始します。
このとき採用されたのがペルシャやヒマラヤン、バーマンなど主に長毛種のネコだったようです。その後改良を進めていった結果、ラグドールよりもカラーバリエーション豊富なネコが次々に登場し、2003年にはCFAで新しく「ラガマフィン」として登録されました。
ラガマフィン Q&A
ラガマフィンの名前の由来は?
実は愛好家団体が遊び半分でつけた名前で、意味は「いたずらっ子」や「ぼろ服をまとった人」です。しかし登録後の名前変更は不可能となり、結果この名前で落ち着いたんだとか。
ラガマフィンのカラーバリエーションは?
ブラック、ホワイト、チョコレート、レッド、ブルー、フォーン、シナモン、ライラック、クリームがあります。
・ソリッドカラー 顔や体、脚やしっぽなど体全体が単色
・タビー 全体的にしま模様や斑点(はんてん)模様がある
・シルバー&ゴールデン 毛先のみに色がつき、根本は白色もしくは淡い色の構成
・スモーク&シェーデッド オーバーコートの先端1/2に色がつき、残りの1/2は白色の構成
・パーティーカラー 2色の毛色がランダムに入っている
・キャリコ&バイカラー 体の1/2、もしくは1/3が白色で残りは2色以上の毛色構成
・タビー&ホワイト 体の1/2、もしくは1/3が白色で残りはしま模様や斑点模様の構成
サファイアブルー、ブルー、アクア、グリーン、ヘーゼル、ゴールド、イエロー、オレンジ、カッパー、オッドアイがあります。
ラガマフィンは長毛種(ちょうもうしゅ)のみです。
ラガマフィンの外見はどんな感じ?
丸みのあるくさび型頭部に、クルミのような大きい目。先端には少しだけタフトのついた耳、そして体型はロング&サブスタンシャルと呼ばれています。筋肉質の大型体型ですが、ふわふわとした手触りの被毛はまるでシルクのようです。カラーバリエーションが多いので、さまざまな色合いが楽しめるのも魅力のひとつといえます。
ラガマフィンを購入するにはどれくらいかかるの?
ブリーダーやキャッテリーから購入する場合は、25万円ほどかかります。購入を検討する際、お気に入りの子が見つかったら、一度見学に行くのが良いでしょう。
ペットショップの場合は10~30万円と、場合によってはブリーダーから購入するより価格を抑えることができます。しかし、なかには無理矢理繁殖させている場合もあるので、繁殖元がはっきりしないお店からの購入は避けた方が良いでしょう。
さらに、ブリーダーの上段資格である「キャッテリー」から購入する場合、一般ブリーダーよりも高値になることがあります。キャッテリーは、血統書発行団体である「CAF」、「TICA」の認定が必要なので、この資格を持っているブリーダーは信頼度も高く、付加価値がつくといえるでしょう。高値の理由は、信頼の証という訳です。
それ以外にも、値段に幅が出てしまう条件について、何点か紹介します。
・子ネコであること ・血統が優秀であること ・珍しいカラーや模様を持っていること
他に条件はあるものの、特に上記条件に当てはまると高額になるようです。
ラガマフィンのお手入れは大変って本当?
本当です。他にも長毛種のネコはたくさんいますが、ラガマフィンはそのなかでも特に毛が絡まりやすい品種といわれています。ブラッシングの頻度は最低でも週1から、シャンプーでのお手入れも定期的に行なった方が良いでしょう。子ネコの頃からブラッシングに慣れさせておくと、大人になったときのお手入れがしやすくなるようです。
ラガマフィンの性格や特徴をもっと詳しく知りたい!
フレンドリーな部分もあるラガマフィンは、家族以外の人でもそばによってきてくれますが、特に飼い主さんのそばにいることが大好きです。甘えん坊なので自分だけを見て欲しい!という一面もありますがもの凄く嫉妬深い訳ではないので、お子さんや他の動物との同居も可能といえます。
温和な性格のラガマフィンですが、そこはやっぱりネコなので遊ぶことも大好きです。賢いのでひとり遊びもできますが、飼い主さんと遊ぶ方を好みます。大人になると少しずつ落ち着いてくるので子ネコ時代より俊敏な動きが減ってくることも。ですが運動不足は肥満や病気の原因になってしまうので、大きくなってもできる限り一緒に遊んであげてくださいね。
例えばサイベリアンやノルウェージャンフォレストキャットも数年単位で時間をかけて成長していく品種ですが、ラガマフィンも同様です。ラガマフィンの場合3~4年ほどかけて大きくなります。特にオスは最大10kg前後になることもあるので、将来を見据えて広い飼育スペースを用意した方が良いかも知れませんね。
性格的にはとても飼いやすいネコですが、先ほどのQ&Aでもご紹介したとおり、ラガマフィンは他の品種と比べてお手入れに時間を要します。そのため、こまめにブラッシングができる方向けの品種といえるでしょう。とはいえ時間をかければかけるほど毛づやも良くなってくるので、逆にいえばとても飼育しがいのあるネコです。
ラガマフィンのかかりやすい病気ってなに?
ラガマフィンのかかりやすい病気は「毛球症(もうきゅうしょう)」、「肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)」、「多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)」があります。
毛づくろいで飲み込んでしまった毛が胃や腸といった消化器官に溜まってしまい、嘔吐(おうと)といった症状を引き起こす病気です。通常、飲み込んだ毛は少量であればうんちと一緒に排泄されるのですが、毛量が多くなると排泄するのが難しくなります。
その結果、排泄しきれなくなった毛玉は嘔吐でしか出せなくなるのです。もともとネコは1ヶ月~数ヶ月に一度、毛玉を吐く行動をします。これは健康なネコでも見られる現象なので、過剰に心配する必要はないのですが、観察していて「毛玉を吐く回数が増えた。もしくは吐こうとする行動が増えた。」このような場合は毛球症にかかっている可能性があるので、病院を受診した方が良いでしょう。特にラガマフィンのような長毛種のネコは、毛を飲み込む量が多いので注意が必要です。
また、毛球症は飼い主さんによるブラッシングで予防可能ともいわれています。大切なスキンシップにも繋がるので、ぜひ定期的なブラッシングを心掛けてみてくださいね。ただし、なかにはブラッシングを嫌がる子もいるので、その場合は様子を見ながら少しずつ行なうのが良いでしょう。
心臓の筋肉が厚くなり、それによって心臓の収縮が上手くいかなくなってしまう病気です。遺伝が原因で発症することが多いため、具体的な予防法はまだ見つかっていません。
発病後、目立った症状が出ない場合もあるため、気づいた時には血栓症(けっせんしょう)を併発していることもあり、最悪の場合死に至るケースもあります。では、病気を早期発見するためにはどうすれば良いのでしょうか?結論としては定期健康診断を受けるのが重要になります。
肥大型心筋症はまだ画期的な治療法がないので完治は難しいですが、早ければ早いほど対症療法(たいしょうりょうほう)によって病気の進行を遅らせることは可能です。
嚢胞がたくさん出来る病気で、最悪の場合「腎不全(じんふぜん)」を引き起こしてしまう可能性があります。
多発性嚢胞腎についても具体的な予防法は見つかっていません。特に高齢ネコの罹患率(りかんりつ)が高いので定期健康診断を受けることで早期発見につながります。こちらも早ければ早いほど、対症療法によって病気の進行を遅らせることが可能です。
ラガマフィンの寿命は?
ラガマフィンの寿命は10~13年です。一般的なネコの寿命は12~16年なので、やや短めといえます。
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ラガマフィン 参考文献
- まるごとわかる猫種大図鑑 監修:CFA公認審査員 早田由貴子
- 世界中で愛される美しすぎる猫図鑑 監修 今泉忠明
- The Cat Fancier's Association, Inc. https://cfa.org/ragamuffin/
- 猫との暮らし大百科 https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/
- みんなの猫図鑑 https://www.min-nekozukan.com/
- Pet Smile news forネコちゃん http://psnews.jp/cat/
- 子猫のへや https://www.konekono-heya.com/sitemap.html
- ねこちゃんホンポ https://nekochan.jp/
- 公益社団法人 埼玉県獣医師会 https://www.saitama-vma.org/topics/猫の遺伝性疾患について/
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