マンクス
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しっぽの短いネコといえば、ジャパニーズボブテイルという品種がいます。実は「マンクス」という品種も、しっぽがとっても短いネコなんですよ! しかし、日本で見ることはほぼ無いため、初めて名前を聞いた!という方も多いはず。果たしてマンクス誕生にはどんな謎が隠されているのか?そしてしっぽが短い理由は? 早速、その秘密をひも解いてみましょう!
マンクス 基本情報
原産国 イギリス
体重 オス:3~6kg メス:3~5kg
イギリスとアイルランドの間に存在する「マン島」。ここで自然発生したネコが突然変異を起こし、生まれてきたのがマンクスです。正確な歴史は明らかでないものの、16世紀頃すでに誕生していたのでは?と考えられています。
島という、外部のネコが入って来られない環境だったため、マンクスはしっぽのない独特の外見を保ちながら数を増やしていき、その後はイギリスでの知名度を上げていったようです。
そして、19世紀の終盤にはアメリカに渡り、20世紀に入ると「CFA」にてマンクスは正式に品種登録されました。ちなみに、現在のマンクスは丸みのあるボディをしていますが、これはアメリカでの品種改良がきっかけなんだとか。昔はもう少しスレンダーな体型だったそうです。
マンクス Q&A
マンクスの名前の由来は?
「マン島」で自然発生したネコなので、そこから名前をとり名づけられました。
マンクスのカラーバリエーションは?
ブルー、ブラック、レッド、クリームがあります。
・ソリッドカラー 顔や体、脚やしっぽなど体全体が単色
・タビー 全体的にしま模様や斑点(はんてん)模様がある
・シルバー&ゴールデン 毛先のみに色がつき、根本は白色もしくは淡い色の構成
・スモーク&シェーデッド オーバーコートの先端1/2に色がつき、残りの1/2は白色の構成
・パーティーカラー 2色の毛色がランダムに入っている
・キャリコ&バイカラー 体の1/2、もしくは1/3が白色で残りは2色以上の毛色構成
・タビー&ホワイト 体の1/2、もしくは1/3が白色で残りはしま模様や斑点模様の構成
・ポインテッド 頭や耳、脚やしっぽなど体の一部に色がついている
・ポインテッド&ホワイト 体の一部に色がついていて、白色が混ざっている
ブルー、カッパー、グリーン、ヘーゼル、オッドアイがあります。
マンクスは短毛種(たんもうしゅ)のみです。
マンクスの外見はどんな感じ?
縦長の丸い頭、くりくりした丸い目。付け根の広い耳を持ち、体型はコビー。全体的に筋肉質な、がっしりボディの持ち主です。そして、前脚よりも後ろ脚の方が長く、ピョンピョンと跳ねるように走る姿から、別名「ラビットキャット」と呼ばれているんだとか。
また、マンクス最大の特徴といえば、その短いしっぽです。面白いことに、しっぽの長さも4種に分類されるのでご紹介します。
・ランピー(完全にしっぽがない、マンクス全体の20%がこのタイプ) ・ランピーライザー(しっぽの付け根部分に骨が1~2節残っている) ・スタンピー(とても短いしっぽで、折れたりねじれている) ・ロンギー(普通のネコよりは短いが、マンクスのなかでは長め)
特にランピーとランピーライザーを見分けるのは、とても難しいようですが、もし海外旅行でマンクスを見かけたら、ぜひしっぽの長さを観察してみてくださいね。体を撫でさせてくれる場合もありますが、しっぽが短い分お尻の周辺がデリケートなので、その辺りは触れないよう、注意が必要です。
マンクスのしっぽはどうしてこんなに短いの?
結論からいうと、突然変異によるものと考えられています。ですが、その他にもユニークなエピソードが残っているので、ご紹介します。
①ノアの方舟(はこぶね)に乗ろうとしたネコのしっぽを、慌てていた乗組員がドアに挟んでしまいしっぽが短くなった説
②マン島の人々が、ヘルメット装飾にネコのしっぽを使おうとし、それに気づいた母ネコが、毛皮採取のため我が子を殺されないよう、わざと子ネコのしっぽを噛みちぎり、その行動を後世にも伝えていった説
それ以外にも、メスネコとオスのウサギが恋をし、その結果、ウサギの遺伝子を受け継いだ子ネコのしっぽが短くなった。という、おとぎ話のエピソードもあるようです。
マンクスを購入するにはどれくらいかかるの?
日本でマンクスはぼ流通していないため、ブリーダーを探すのはとても難しいです。海外にもマンクスのブリーダーがいるので、もし知り合いが海外に住んでいる場合、こちらで探す方が効率的といえるでしょう。
購入を検討する際、ブリーダーの人柄で信頼度も変化するため、お気に入りの子が見つかったら、一度見学に行くことをオススメします。マンクスの場合、致死率の高いランピー同士の交配は禁止されているので、その確認も必須です。
さらに、ブリーダーの上段資格である「キャッテリー」から購入する場合、一般ブリーダーよりも高値になることがあります。キャッテリーは、血統書発行団体である「CAF」、「TICA」の認定が必要なので、この資格を持っているブリーダーは信頼度も高く、付加価値がつくといえるでしょう。高値の理由は、信頼の証という訳です。
それ以外にも、値段に幅が出てしまう条件について、何点か紹介します。
・子ネコであること ・血統が優秀であること ・珍しいカラーや模様を持っていること
他に条件はあるものの、特に上記条件に当てはまると高額になるようです。
マンクスの性格や特徴をもっと詳しく知りたい!
内気な部分があるマンクスは、初対面の場合、警戒してなかなかそばに寄って来ないようです。ですが、慣れてくると少しずつ懐いてきたり、毎日一緒に暮らしている家族だと、膝の上に乗って甘えてくることもあります。小さなお子さんは少し苦手なようですが、子ネコのときから同居していれば、問題なく過ごせます。
はるか昔、マンクスはネズミから食料を守っていた歴史があり、その能力は今でも健在です。しっぽは短くても運動自体は好きなので、ねこじゃらしのようなおもちゃをあげると夢中で遊び出します。後ろ脚の力が強いので、キャットタワーを置いてあげるのもベストです。個体差はあるものの、水を怖がらない子もいるので、ときには水遊びをすることも。
比較的大人しめのマンクスですが、実は犬のように忠実で、ときには家族を外敵から守ろうと立ち向かうこともあります。普段は見せないその大胆な行動に、驚く人もいるんだとか。また、頭も良いのでしつけもしやすいといわれています。
マンクスのかかりやすい病気ってなに?
マンクスのかかりやすい病気は、「マンクス症候群(まんくすしょうこうぐん)」、「毛球症(もうきゅうしょう)」があります。
マンクスのなかでも完全にしっぽのない種類、特にランピーは背骨が短すぎるため、脊椎(せきつい)や椎間板(ついかんばん)の異常を引き起こしやすく、それによってさまざまな機能障害を発症する可能性があります。具体的には、脊椎破裂や排便障害などがありますが、半年ほど成長しないと、マンクス症候群にかかっているかどうか分かりません。
また、現時点ではマンクス症候群を予防する手段はないため、特にランピーのマンクスを飼育する場合、発症時のことも想定して、ネコが快適に暮らすためにはどのような環境がベストか?どんな飼育方法を行なえば良いのか?という計画をしっかり考える必要があります。
毛づくろいで飲み込んでしまった毛が胃や腸といった消化器官に溜まってしまい、嘔吐(おうと)といった症状を引き起こす病気です。通常、飲み込んだ毛は少量であればうんちと一緒に排泄されるのですが、毛量が多くなると排泄するのが難しくなります。
その結果、排泄しきれなくなった毛玉は嘔吐でしか出せなくなるのです。もともとネコは1ヶ月~数ヶ月に一度、毛玉を吐く行動をします。これは健康なネコでも見られる現象なので、過剰に心配する必要はないのですが、観察していて「毛玉を吐く回数が増えた。もしくは吐こうとする行動が増えた。」このような場合は毛球症にかかっている可能性があるので、病院を受診した方が良いでしょう。
また、毛球症は飼い主さんによるブラッシングで予防可能ともいわれています。大切なスキンシップにも繋がるので、ぜひ定期的なブラッシングを心掛けてみてくださいね。ただし、なかにはブラッシングを嫌がる子もいるので、その場合は様子を見ながら少しずつ行なうのが良いでしょう。
マンクスの寿命は?
マンクスの寿命は10~13年といわれています。一般的なネコの寿命は12~16年なので、やや短めといえるでしょう。
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マンクス 参考文献
- まるごとわかる猫種大図鑑 監修:CFA公認審査員 早田由貴子
- 世界中で愛される美しすぎる猫図鑑 監修 今泉忠明
- The Cat Fancier's Association, Inc. https://cfa.org/manx/
- 猫との暮らし大百科 https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/
- みんなの猫図鑑 https://www.min-nekozukan.com/
- Pet Smile news forネコちゃん http://psnews.jp/cat/
- 子猫のへや https://www.konekono-heya.com/sitemap.html
- ねこちゃんホンポ https://nekochan.jp/
- 公益社団法人 埼玉県獣医師会 https://www.saitama-vma.org/topics/猫の遺伝性疾患について/
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