ラパーマ
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皆さんはラパーマというネコを知っていますか?まだ日本での知名度は低く、初めて名前を聞いた!という方も多いはず。 ここで簡単にご説明すると、見た目はセルカークレックスによく似ている巻き毛ネコですが、「世界一美しい猫たち、ラパーマ」という写真集も存在し、その外見に見惚れてしまう方もいるんだとか。 そんなラパーマの魅力的な特徴や秘密について、早速探りに行きませんか?
ラパーマ 基本情報
原産国 アメリカ
体重 オス:3~5.5kg メス:2.5~4.5kg
1982年のある日のこと。アメリカオレゴン州に暮らす、コール夫婦の元で飼われていたネコが、6匹の子ネコを産みました。しかしよく見ると、1匹だけ被毛が生えていない子ネコを発見。夫妻は心配していましたが、大きくなるにつれて被毛が生えてきたので一安心します。また、その被毛が巻き毛であったことから、見た目にちなんで「カーリー」と名づけました。そしてこのカーリーが、ラパーマ誕生のきっかけといわれています。
そして月日は流れ、カーリーも大人になり子ネコを出産するのですが、生まれてきた5匹の子ネコは、なんと最初は被毛が生えておらず、さらに成長するにつれて巻き毛が生えるという、幼い頃のカーリーとそっくりの遺伝を受け継いでいました。
すると、巻き毛ネコの噂はどんどん広がっていき、ブリーダーたちの目にも留まるように。最初はそこまでネコの交配や繁殖活動に興味がなかったコール夫妻ですが、周りの勧めもあり、巻き毛ネコをキャットショーへ出場させてみることにします。すると、この巻き毛ネコの評判はどんどん上昇。夫妻はブリーダーたちと協力しながら、カーリーやその子どもたちをベースに、新品種の登録を目指して育成を決意します。
実はカーリーが生まれる前、すでに巻き毛ネコとしてコーニッシュレックスや、デボンレックスが発見されていましたが、カーリーは上記のネコと血縁関係がなく、全く違うところで突然変異した新しい巻き毛ネコということも判明。
ブリーダーたちは、この新しい巻き毛ネコをより良いものにするため、バーミーズやオシキャットとも交配し、磨きをかけていきました。その結果、1997年にはラパーマの愛好家団体が発足し、2003年に「TICA」、そして2008年には「CFA」にて正式に品種登録されることとなりました。
ラパーマ Q&A
ラパーマの名前の由来は?
パーマネント(Permanent)、つまり見た目がパーマをあてたように見えるため、そこからラパーマと名づけられました。
ラパーマのカラーバリエーションは?
ブルー、ブラック、ホワイト、レッド、クリーム、フォーン、シナモン、ラベンダー、チョコレートがあります。
・ソリッドカラー 顔や体、脚やしっぽなど体全体が単色
・タビー 全体的にしま模様や斑点(はんてん)模様がある
・シルバー&ゴールデン 毛先のみに色がつき、根本は白色もしくは淡い色の構成
・スモーク&シェーデッド オーバーコートの先端1/2に色がつき、残りの1/2は白色の構成
・パーティーカラー 2色の毛色がランダムに入っている
・キャリコ&バイカラー 体の1/2、もしくは1/3が白色で残りは2色以上の毛色構成
・タビー&ホワイト 体の1/2、もしくは1/3が白色で残りはしま模様や斑点模様の構成
・ポインテッド 頭や耳、脚やしっぽなど体の一部に色がついている
・ポインテッド&ホワイト 体の一部に色がついていて、白色が混ざっている
ブルー、イエロー、ゴールド、グリーン、カッパーがあります。
ラパーマは短毛種(たんもうしゅ)と長毛種(ちょうもうしゅ)の両方がいます。
ラパーマの外見はどんな感じ?
くさび型の丸い頭、アーモンド型の大きな目。横広がりの大きな耳に、体型はセミフォーリン。全体的にほっそりしていますが、ほどよく筋肉がついた脚を持ち、総合バランスの取れたネコといえるでしょう。
また、何といっても目を引くのが、フワフワとした巻き毛の被毛。まるでふんわりモコモコ毛布のような可愛い外見に、一目惚れする方もいるんだとか。そんなラパーマの巻き毛は「ジプシージャグ」と呼ばれ、
・guard ・awn ・down
の3種類が存在しています。
それ以外にも個体差はありますが、ラパーマには薄毛の時期、皮脂の分泌量が多くなることがあります。その場合、こまめなお手入れが必要になるので、子ネコのうちにシャンプーとブラッシングに慣れさせておくのがオススメです。
ですが、あまりにもブラッシングをし過ぎてしまうと、大切な巻き毛のカールが取れてしまうこともあるので、被毛のお手入れは少しずつ様子を見ながら行なうのがベストです。長毛種の場合は1日1回、短毛種は3日に1回のブラッシングから試してみてください。
ラパーマのメスは交配のとき毛がなくなってしまうって本当?
実は本当です。といっても、交配の度に無毛になるのではなく、初めて妊娠するときのみ起こる出来事といわれています。無毛になるかどうかは個体差もあるようですが、いずれにしてもこの不思議な現象の謎は、まだ解明されていないようです。
ラパーマを購入するにはどれくらいかかるの?
ラパーマをペットショップで見ることは、ほぼありません。そのためブリーダーやキャッテリーからの購入が一般的といえるでしょう。その場合、価格は10~25万円ほどかかります。
ブリーダー、もしくはキャッテリーだと「どんな環境で育ってきたのか?」、「両親はどんなネコなのか?」という質問が可能です。またブリーダーの人柄によって信頼度が変わるため、予約してから見学に行くことをオススメします。
同じブリーダーでも「キャッテリー」の場合はまた別で、名乗るには血統書発行団体である「CAF」、「TICA」の認定が必要になるため、トップブリーダーともいえるでしょう。そんなキャッテリーで育てられたネコは、一般ブリーダー元で購入するより、高額になるケースが多く見られます。
ちなみに値段に幅が出てしまう条件について何点か紹介します。
・子ネコであること ・巻き毛であること ・血統が優秀であること ・珍しいカラーや模様を持っていること
他に条件はあるものの、特に上記条件に当てはまると高額になるようです。
ラパーマの性格や特徴をもっと詳しく知りたい!
ネズミ捕りとして活躍、別名「ワーキング・キャット」と呼ばれていた祖先をもち、現在でもその性格を受け継いでいるので、非常にアクティブなネコです。好奇心旺盛な部分も見られるので、いろいろな場所や物に興味を抱き、ときには危ない場所へ向かってしまう可能性もあります。危険回避のため、入って欲しくない場所には侵入防止対策が必要といえるでしょう。
運動も大好きなのでキャットタワーを用意してあげたり、ときにはおもちゃで遊んであげると喜びます。飼い主さんが投げたおもちゃを持ってきたり、後ろから追いかけてきたりなど、忠実さはイヌにも似ていて可愛いです。ときには肩の上に乗ってみたり、膝の上でゴロゴロするなど、甘えん坊な部分もあります。基本的に人懐っこいので、小さなお子さんや他の動物との同居も可能です。
ラパーマは「ネコアレルギー」が出にくい品種といわれています。このようなネコを「ハイポアレジェニック・キャット」と呼びますが、他にも「デボンレックス」や「ロシアンブルー」などもハイポアレジェニック・キャットの仲間です。ラパーマの場合被毛が巻き毛なので、アレルギーの原因物質となる抜け毛が少なく、結果アレルギーが出にくいとのこと。
ですが、アレルギー症状が出るかどうかは個人差があるため、絶対に大丈夫!とはいい切れません。あくまでも「他のネコと比べたらアレルギーが出にくい。」といった感じなので、ネコアレルギーの自覚症状がある方は、飼育する前に一度病院で相談することをオススメします。
ラパーマのかかりやすい病気ってなに?
ラパーマのかかりやすい病気は、「毛球症(もうきゅうしょう)」、「猫風邪(ねこかぜ)」、「ピルビン酸キナーゼ欠損症」があります。
毛づくろいで飲み込んでしまった毛が胃や腸といった消化器官に溜まってしまい、嘔吐(おうと)といった症状を引き起こす病気です。通常、飲み込んだ毛は少量であればうんちと一緒に排泄されるのですが、毛量が多くなると排泄するのが難しくなります。
その結果、排泄しきれなくなった毛玉は嘔吐でしか出せなくなるのです。もともとネコは1ヶ月~数ヶ月に一度、毛玉を吐く行動をします。これは健康なネコでも見られる現象なので、過剰に心配する必要はありませんが、観察していて「毛玉を吐く回数が増えた。もしくは吐こうとする行動が増えた。」このような場合は毛球症にかかっている可能性があるので、病院を受診した方が良いでしょう。
特に長毛種のラパーマは、毛を飲み込む量が多いので注意が必要です。
また、毛球症は飼い主さんによるブラッシングで予防可能ともいわれています。大切なスキンシップにも繋がるので、ぜひ定期的なブラッシングを心掛けてみてくださいね。ただし、なかにはブラッシングを嫌がる子もいるので、その場合は様子を見ながら少しずつ行なうのが良いでしょう。
くしゃみや咳、鼻水や目やにが出るといった症状を引き起こします。主に細菌やウイルスに感染したことで発病する場合が多く、原因となるシチュエーションは、屋外飼育やネコのお散歩中、もしくは飼い主さんが他のネコと触れ合った後、手洗い不足でウイルスを除菌せず愛猫に触ったため。というパターンが考えられます。
特にラパーマは、猫風邪にかかりやすいといわれているので、十分注意しましょう。ワクチン接種である程度の予防はできますが、100%感染を防ぐのは難しいようです。
具体的な症状として疲れやすい、食欲低下などがあり、進行すると2~3ヶ月で貧血を引き起す場合が多く、軽症だと発病に気づかないまま、命を落としてしまうこともある病です。
原因は「ピルビン酸キナーゼ」という酵素の不足により、赤血球が破壊されてしまうため。といわれていますが、実はこの病気を発症する可能性は低く、全てのラパーマがピルビン酸キナーゼ欠損症にかかってしまう訳ではありません。
しかし、今のところ具体的な予防法は見つかっておらず、ひとつの治療方法として骨髄移植(こつずいいしょく)も存在しますが、費用の面、そしてネコの体にかかる負担を考えると、オススメしにくい治療方法です。
ラパーマの寿命は?
ラパーマの寿命は11~14年といわれています。一般的なネコの寿命は12~16年なので、やや短めといえるでしょう。ですが、病気やケガなどに気をつけてあげれば、長生きしてくれる可能性も十分にあります。
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ラパーマ 参考文献
- まるごとわかる猫種大図鑑 監修:CFA公認審査員 早田由貴子
- 世界中で愛される美しすぎる猫図鑑 監修 今泉忠明
- The Cat Fancier's Association, Inc. https://cfa.org/laperm/
- 猫との暮らし大百科 https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/
- みんなの猫図鑑 https://www.min-nekozukan.com/
- Pet Smile news forネコちゃん http://psnews.jp/cat/
- 子猫のへや https://www.konekono-heya.com/sitemap.html
- ねこちゃんホンポ https://nekochan.jp/
- 公益社団法人 埼玉県獣医師会 https://www.saitama-vma.org/topics/猫の遺伝性疾患について/
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