イノシシ
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イノシシ
ニュースやネットでも話題になることが多く、私たちの身近で暮らしている野生動物といえば・・・そう、イノシシです! 皆さんはイノシシと聞いてどんなことを思い浮かべますか? 恐らく「凶暴で怖そうだし、出会ったら襲われそう。」と悪いイメージをもっている人が多いと思います。 確かにイノシシに襲われてケガをしてしまった事例もあるのですが、イノシシには意外な性格が隠れているって知っていましたか? イノシシのひみつを知ることで、今まで見えてこなかったイノシシの世界に興味がわくかも知れませんね!
イノシシ 基本情報
哺乳綱-鯨偶蹄目-イノシシ科-イノシシ属
体長 50~200cm 体重 6~280kg
イノシシの生息範囲は幅広く、ヨーロッパからアジアと様々です。品種によってとても小さいイノシシや、クマよりも大きいイノシシが確認されているのも特徴です。
日本には主に「リュウキュウイノシシ」と「ニホンイノシシ」が生息しています。リュウキュウイノシシは沖縄を始めとする南方面で見られることが多く、ニホンイノシシは東日本から西日本までと比較的色々な場所で暮らしているので、どちらかといえばニホンイノシシを見かけることが多いかも知れません。
体の色は茶色から黒、そしてこげ茶色の場合が多いです。胴体は太く、脚は短めであることから家畜(かちく)として有名なブタによく似ていますが、実はブタはイノシシを品種改良(ひんしゅかいりょう)した動物で、つまりイノシシはブタの祖先(そせん)ということになります。
あごの上下には「牙(キバ)」という歯が生えていますが、動物学では「犬歯(けんし)」とよばれています。イノシシの牙はオスの方が大きくて目立つのでメスには生えていないと思われがちですが、メスにも牙は生えています。
ですが2cmほど伸びると成長が止まってしまうことから、メスの牙は小さくて分かりにくいといわれています。メスは牙を使って攻撃することはほとんどありませんが、オスはメスの取り合いをするために牙が大きくなったといわれています。
繁殖期(はんしょくき)は秋から冬にかけてとなります。基本的にオス同士が戦って勝った方のオスしか子孫を残すことができないため、オスメスの関係は一夫多妻制(いっぷたさいせい)と考えられています。
妊娠期間(にんしんきかん)は約半年で、イノシシが1度に産む子どもの数は平均4頭ですが、多いと8頭出産したこともあったようです。
寿命は5~10年ほどですが、飼育されている場合だと10~20年までのびるようです。なかには27年と、とても長生きしたイノシシもいました。
イノシシ Q&A
イノシシの名前の由来は?
語源は「猪(い)の獣(しし)」からきたといわれています。はるか昔、約1,000年以上も前イノシシは大和言葉(やまとことば)で「ヰ(イ、ゐ、い)」とよばれていた時代がありました。
これはイノシシが「ウィ」と鳴くことからつけられたと考えられています。そして「しし」は「食用として利用できる動物の肉」という意味があったようです。この2つの意味を合わせて「イノシシ」という名前が生まれました。
ちなみにイノシシの子どもは「うり坊」とよばれていますが、この名前にも意味があり、体のしま模様が野菜の「瓜(うり)」によく似ているためです。ちなみのこのしま模様には外敵から身を守る保護色(ほごしょく)の役割があります。
※保護色とは体の色や模様が周りの景色や環境に適応し、見分けをつけにくくするための色です。
イノシシはいつも何を食べているの?
イノシシは雑食性(ざっしょくせい)といわれているので色々なものを食べます。
多いのはタケノコや木の実、果物や木の根です。それ以外にも小型のヘビやカエル、ネズミなどの小動物も食べているようです。
イノシシはなぜ山で暮らしているの?
私たちがイノシシと遭遇するときは主に山の中や畑など、自然に囲まれている場所が多いですよね。では一体なぜイノシシは山に好んで暮らしているのでしょうか?
いくつかの説がありますが、イノシシは雑食性ですが植物系を食べることが多いです。山は草木であふれていますし、木の実や果実も生えています。比較的食べ物がたくさんあることから山を好んで生活していると考えられています。
それ以外にもうり坊とよばれるイノシシの子どもは、意外にも天敵が多くキツネやカラス、場所によってはフクロウの猛禽類(もうきんるい)に狙われることもあります。
ですが山の中なら、うり坊のしま模様と山に生えている木とがいい感じに混じりあうことで、景色のなかに身を隠せるのです。景色が開けた草原だとすぐに見つかってしまいますが、色々な木がたくさん生えている山なら比較的安全といえるという訳です。
うり坊はペットとして飼えるの?
しましま模様がとってもかわいらしいイノシシの子ども「うり坊」ですが、家で飼育することはできるのでしょうか?
結論からいうと、可能です。ですが、飼いたいと思う前にいくつかの注意点を紹介します。
イノシシは国内で保護されている動物ではなく「狩猟動物(しゅりょうどうぶつ)」扱いになっているので譲り受けて飼育することが可能です。
ペットショップではまず販売されていないので、小さなうり坊を購入することは難しいといえるでしょう。動画投稿サイトなどでうり坊を飼育している方を見かけますが、外で偶然出会って保護したという場合がほとんどです。
うり坊自体は人になつきやすいので、飼い主さんにも甘えてくることもあるようです。
ですが次に覚えておいて欲しいのが、うり坊の成長スピードはとても早いということです。実際のところ、あのかわいい姿でいるのは生後4ヶ月までといわれていて、半年もするとしま模様が無くなり大人のイノシシへと変化します。
うり坊のころは体重5kg程度ですが、成長したイノシシは約70kgにもなります。大きいと100kgまで体重が増えることもあるようです。
見た目がすっかり変わるのはもちろん、体つきや力つきも大きく変化します。大きな体のイノシシですが意外と脚が速く、時速40kmで走ることもできます。
そしてジャンプ力もあるので2mほどの柵なら飛び越えてしまう可能性もあります。
なにより力が強いので頑丈な柵でないと簡単に壊してしまいますし、脱走してしまった際他の人にケガを負わせてしまうと大変なことになります。
うり坊のころは小さなスペースでもなんとかなりますが、大きいイノシシの場合は運動不足解消のため大きくて広い敷地を用意しなければなりません。ですのでアパートやマンションなどで飼育するのは不可能といえます。
もし・・・何らかの事情でうり坊を保護した時や飼育を始めた場合、あっという間に大きくなること、そして大人になった後の飼育環境がとても大変だということを忘れないでくださいね。
どうしてもうり坊が見たいという場合には、動物園で出会えることもありますので、ひとつの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか?
イノシシは本当に猪突猛進な性格なの?
皆さんは「猪突猛進(ちょとつもうしん)」という言葉を聞いたことがありますか?「周りを見渡さず、ひとつの物ごとに対してひたすら真っすぐ突き進む」という意味の四字熟語ですが、この四字熟語にには「猪(いのしし)」の漢字が使われています。実際のところイノシシは本当に猪突猛進な性格なのでしょうか?
まず結論からいうと、半分は本当といえます。
そもそもなぜこの四字熟語に猪という漢字が当てはめられているのかというと、イノシシが振り向きもせず真っすぐ突進してくる姿から連想したのでは?と考えられています。
確かにイノシシは人間に追い立てられたり、急に驚かせたりするとビックリして突進してくることがあります。
ですが、いつもそんな感じで向かってくる訳ではありません。イノシシにはかしこい部分もあり、時にはその場の状況を判断して行動しているといわれています。
ある実験ではイノシシが走ってくるコースで待ち伏せをし、目の前でジャンプ傘を開いた瞬間イノシシは急旋回(きゅうせんかい)して来た道を戻って行ったり、同じコースに今度は段ボールなどの障害物を置いてみたところ、イノシシはよけながら進んでいきました。これは考えなしに突進してくる動物だとできない行動です。
それ以外にも「特定のボタンを押すとエサがもらえる」といったことを反復して覚えさせたところ、5回中4回成功しました。これはイノシシにも高い学習能力がある証拠といえるでしょう。
さらにフランスの動物園では「ビサヤイノシシ」という品種のイノシシが、木の皮を上手に使って土を掘り始めたところが確認されています。
驚いたときには無我夢中で突き進むことがあるものの、イノシシは冷静な判断ができればしっかり頭を使って行動できる動物という訳ですね。
イノシシと出会ったらどうすればいい?
テレビのニュースでも取り上げられることが多く、野性動物のなかでも遭遇する機会が多いイノシシですが、もし山の中や道路でイノシシと遭遇した場合はどのように対処すればいいのでしょうか?
まずイノシシは昼行性(ちゅうこうせい)なので、比較的昼間に出会う確率が高いです。
そして意外なことにイノシシの性格は臆病(おくびょう)といわれています。ですのでもし遭遇した場合はこちらから手を出さない限り、イノシシの方から逃げていくことが多いです。間違ってもからかったり追いかけようとはしないでください。
目の前にイノシシがあらわれ走ってくる姿を見ると、こっちへ向かって突進してきた!!という風にも見えなくはないのですが、驚いて前へ進もうとしているだけといわれています。
もし道路で遭遇したときには、はじに寄って道を開けてあげるようにすると効果的です。そしてなるべく背中を向けないよう注意が必要です。
さらに山の中で襲われないようにするには私たち人間の位置を知らせる必要があります。そのため鈴を鳴らして歩くのが効果的といわれています。
道路で遭遇したときと同様、走ってきたら道を開けてあげるようにするのがいいといわれています。
それ以外にも遭遇する可能性が高い出来事として、イノシシの子どもであるうり坊を見つけた瞬間です。
確かにうり坊はとてもかわいいので近づきたくなる気持ちも分からなくはないのですが、冷静に考えると外敵の多いうり坊たちだけで道を歩いていることは滅多にありません。つまり親イノシシが近くにいる可能性がとても高いのです。
人間側からするとうり坊にさわろうとしただけかも知れませんが、親イノシシから見れば子どもが襲われている!と思われてしまうため、興奮した親イノシシに襲われケガをしたというケースもあるのです。
ただしうり坊が本当に1頭で弱っている場合もあるので、保護してあげたいと思った時は1人でなんとかしようとするのではなく、猟師さんに相談した方がいいでしょう。
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イノシシ 種類
・ニホンイノシシ ・リュウキュウイノシシ ・ピサヤイノシシ ・ケープイボイノシシ ・カワイノシシ ・コビトイノシシ
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イノシシ 参考文献
- 環境省 https://www.env.go.jp/nature/choju/plan/plan3-2a/chpt2.pdf
- てんのうじどうぶつえん なきごえ http://nakigoe.jp/nakigoe/2007/01/nenga.html#:~:text=イノシシ
- 語源由来辞典 http://gogen-allguide.com/i/inoshishi.html#:~:text=いのしし
- 栃木県 http://www.pref.tochigi.lg.jp/m62/education/shougai/kanrenshisetsu/documents/inosisi.pdf
- Chiik! https://chiik.jp/articles/1Agos#:~:text=うり坊
- 世界雑学ノート https://world-note.com/wild-boar-life-expectancy/#:~:text=猪の寿命
- petty https://petty.jp/8582
- 北九州市 https://www.city.kitakyushu.lg.jp/san-kei/27500007.html
- 茨城県 https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/hokunourin/kikaku/kikaku/inoshishinoseitai.html
- 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー https://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/07/01/0107.html
- 四字熟語の勉強.com https://study-yoji-jukugo.com/chototsumoushin/#i-3
- NATIONAL GEOGRAPHIC https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/100800578/
- 日テレZIP! https://www.ntv.co.jp/zip/masu-college/post/011286.html
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