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マレーグマ

マレーグマ

マレーグマ

皆さんは「マレーグマ」という動物を知っていますか?その名の通りクマの仲間なのですが、クマと聞くと少し怖いイメージがありますよね。ただ、マレーグマは私たちが想像する怖いクマとは少し違い、可愛らしいクマなんです。この記事を読み終わったときには、マレーグマに会いたくなっているかもしれません。そんなマレーグマのことを紹介していきます!

マレーグマ 基本情報

項目名内容
保全状況危急種
説明マレーグマはクマ科の中で最も小型で、短い黒い毛皮と顕著な三日月形の胸斑が特徴です。非常に長い舌を使って蜂蜜や昆虫を採取します。主に昼行性であり、東南アジアに生息しています。
哺乳綱
分類地位受理
クマ科
生息地熱帯常緑雨林, 泥炭湿地林, 山地林
学名Helarctos malayanus
ランク
ヒグマ属
脊索動物門
一般名マレーグマ, サンベア
動物界
食肉目

哺乳綱(ほにゅうこう)食肉目クマ科マレーグマ属

体長:100〜150cm

体重:25〜80kg

マレーグマはインド北東部やインドネシア、カンボジア、中国南西部、タイ、バングラデシュ、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスなど暖かい地域に住んでいます。

体長と体重に注目してほしいのですが、ずいぶんと小さく感じますよね。マレーグマはクマの中でも1番小さく、人間で言うと小学生ほどの身長しかありません。

全身は黒色の短い毛でおおわれており、胸の部分にはV字型やU字型、三日月にも見える白色や淡い黄色の模様が入っています。ここの形や大きさはマレーグマによって少しずつ変わってくるので、好きな形や大きさのスカーフを巻いているような感じですね。三日月型の白色がない子もいるそうなので、私はスカーフを巻かないと決めたのかもしれませんね。

小さくて丸い耳と短い鼻を持っており、想像しているクマよりも愛らしい顔つきになっています。舌が20〜25cmと長く、愛らしい顔から長い舌が出てくるとびっくりしてしまうかもしれません。前足と後あしにはそれぞれ5本の指があり、爪は長く先が鋭く曲がった形をしています。手のひらと足の裏には毛が生えていません。

地上を歩くときには内股になり、足も長く細いです。そしておでこにはしわがあるので、人間のように見えることもあります。中におじさんが入っているのでは?と言われているほどです。

マレーグマ Q&A

マレーグマ
マレーグマの名前の由来は?

和名である「マレーグマ」になった理由は、マレー半島に住んでいるクマだからと言う理由なのだそうです。

中国での呼び名も日本の由来と似ています。中国でのマレーグマの呼び名は「馬来熊」と書きます。中国ではマレー半島やその周りの島を「馬来」と呼んでいるそうです。その「馬来」に住んでいるクマなので「馬来熊」と呼ばれるようになったそうです。

マレーグマにはいろんな呼び名があり、英語では「Dog bear」と呼ばれています。これはマレーグマの小ささから名付けられており、「犬のように小さいクマ」と言う意味なんだそうです。他にも胸の部分だけ明るい色を持っているので、太陽のように明るいという意味で「Sun bear」とも呼ばれています。

マレー語では「Basindo nan tenggil」と呼ばれていて、「高いところに座るのが好きな者」という意味で、マレーグマの習性から呼ばれるようになったそうです。

インドネシア語では「Beruang Madu」と呼ばれていて、マレーグマが蜂蜜を好んで食べることから「蜂蜜クマ」と言う意味でつけられた名前なんだそうです。

住んでいる場所だけではなく、特徴的な胸の毛色や習性、食べ物からも名前がついているんですね。

マレーグマ
マレーグマはどうしてそこに住んでいるの?

マレーグマは暖かい森林やマングローブ、標高2500mの森林などに暮らしています。毛が短く小さい体なのは、暖かい場所に住んでいるからと考えられています。寒い場所に住んでいるクマ類は、寒さから身を守るために毛が長くなっており、脂肪を蓄えているから体も大きくなるんです。

一方でマレーグマは暖かい地域にいる為、毛を長くする必要も脂肪を蓄える必要もないんですね。また、他のクマ類は食料が少なく寒い冬を越すために冬眠をしますが、暖かい地域には常に食料があるのでマレーグマは冬眠もしないんです。

基本的には単独で行動していますが、母親と子どもは一緒に行動しています。エサがたくさんあるようなところでは集団になることもあるんです。

マレーグマは昼間に寝て夜に行動する夜行性です。昼間は木の上で寝ていたり日光浴などをして休んでいます。巣を作ることもありますが、用心深い動物なので人が近い場所などに住んでいるマレーグマは、木の上に巣や見張り台のようなものを作って、誰かが来たらすぐに見つけられるようにしているそうです。

見つけられると言っても、マレーグマは目があまり見えません。その代わりに聴覚や嗅覚など他の器官が発達しているんです。なので巣を作って見つけられるというよりは足音を聞いたり気配を感じやすくしているということになります。

マレーグマはとても木登りが得意なクマです。先ほども、マレーグマは地上を歩くときに内股になっているとお話ししましたが、足が内股になっていることによって、木に足が引っかかりやすくなっており、手や足の裏に毛が生えていないのでしっかりと木を掴み、滑りにくくなっているんです。そして長く鋭い先が曲がった爪があるので、木に引っ掛けることができるんです。

得意なのは木登りだけではありません。穴掘りも得意で、強い前足と長い爪があるので早いスピードで穴を掘ってしまうんです。

この体の形が木を上りやすく、穴も掘りやすくしているんですね。

マレーグマ
マレーグマは何を食べているの?

マレーグマは雑食で、果物や木の芽、根っこ、昆虫、トカゲ、小動物、鳥や鳥の卵などいろんなものを食べます。その中でも好きなのが昆虫で、アリやシロアリ、ハチとハチミツが大好きです。ハチミツを食べているところを想像すると色は違いますが、黄色いクマのキャラクターを思い浮かべてしまいますね。

硬い皮のある果物でも強い顎があるので、楽に剥くことが出来ます。そして長い舌を持っているので、虫のいる穴に舌を入れてからめとりながら食べることも出来ますし、手を穴に入れて手についた虫を下でペロペロと舐め取って食べたりします。

ハチやアリの巣は、爪で壊してから食べることもあります。

エサを見つけるのはやっぱり鼻です。目があまり見えないので、鼻がとてもいいんです。その花で匂いを嗅ぎ分けて食べています。犬よりも鼻がきくという説もあるほど、優れているんですね。

マレーグマ
マレーグマはどうやって増えるの?

マレーグマに決まった繁殖期(はんしょくき)はなく、1年の内に1回繁殖(はんしょく)をします。妊娠の期間は95日〜100日なのですが、ヒグマだと約8ヶ月、日数にすると240日なので、マレーグマの妊娠期間はとても短いことがわかります。稀に3〜4ヶ月の妊娠期間になることもあるのですが、基本的には短いです。

無事に子どもが産まれると、お母さんはおっぱいを飲ませます。産まれたばかりの赤ちゃんは、まだ目が開かず毛も生えていないんです。そんな中で頑張っておっぱいを探して飲んでいるんです。生後4週間ほどで目が開き、生後7週間すると目も見えるようになっていきます。こういう変化は育っている証拠ですね。

妊娠期間は短いですが、反対におっぱいを飲む期間は18ヶ月と長いです。産まれて3年ほど経つと大人とみなされますが、この頃までお母さんと一緒に暮らしているんです。マレーグマは基本的に単独行動ですが、お母さんはほとんど子どもと一緒にいるのかもしれませんね。

マレーグマ
マレーグマは臆病(おくびょう)なの?

クマ類というのはとても凶暴なイメージがありますよね?

実際はマレーグマだけではなく、基本的にクマ類はとても臆病(おくびょう)な性格をしているんです。その中でもマレーグマは1番弱いと言われているんです。ではなぜ凶暴なイメージがついてしまったのでしょうか。

クマやマレーグマは臆病(おくびょう)ではありますが、何かを守るためだと強くなります。人間に置き換えてみても「母は強し」という言葉があるように、自分の身や子どもの身を守るためだと強くなりますよね。

それとマレーグマも同じなんです。マレーグマの方から人間に襲いかかるなんてことはほぼないんです。人間が危害を加えるようなことをしてくると、マレーグマも何かを守るために危害を加えるんですね。

マレーグマは小さくて弱いとは言っても、強いあごや鋭い爪があり、インドネシアでは年間に数件ほど事故が起きているのも確かです。ただそれも人間が先に手を出してしまっているのかもしれません。マレーグマが人間を襲わなくていいように、人間もマレーグマとの付き合い方、共存の仕方を考えなくてはなりませんね。

マレーグマ
マレーグマは絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に指定されているの?

マレーグマは数が減ってしまい、現在は絶滅危惧(ぜつめつきぐ)Ⅱ類というレベルにしてされています。このレベルは「絶滅(ぜつめつ)の危険が増大している種」ということになります。なぜ数が減ってしまったのでしょうか。

マレーグマの天敵にはトラやヒョウなどがいますが、数が減ったのは天敵のせいではありません。原因は私たち人間と環境にあるのです。

マレーグマが住んでいる場所は、気候や環境が人間にとっても快適な場所なので、農場が建設されることが多く、森林がなくなっていきました。森がなくなるということはマレーグマの食べ物も少なくなるということです。住む場所も食べ物も無くなってしまったマレーグマは数を減らしていきました。

原因は環境破壊(かんきょうはかい)だけではありません。マレーグマは毛が少なく光沢感のある黒色をしていて綺麗であるため、毛皮が高値で取引されてしまうんです。そして肉や、内臓の胆(たん)のうという部分が、漢方薬の材料になると重宝されているのです。このことからマレーグマは密猟(みつりょう)されてしまっています。

他にも、東南アジアの方ではマレーグマは小さい体で危険性もあまりないと言われていて、ペットとして飼う家庭もあるんです。絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)に指定されているので、飼うことも禁止されているのですが、子どもともよく遊んでくれると人気なんです。

なので子どもだけを密猟(みつりょう)して市場に出されたり、大人のマレーグマに無理やり繁殖(はんしょく)させて、市場に出す子どもを確保していたりするんです。

マレーグマは農作物を荒らしてしまうので、害獣(がいじゅう)として嫌われ、殺されてしまうこともあるんです。ただ、先に森林を壊しマレーグマの住む場所や食べ物を奪ったのは人間です。食べ物が森の中にあれば、農作物を荒らすこともなかったかもしれません。

このように環境破壊(かんきょうはかい)や密猟(みつりょう)で数がどんどん減ってしまっているんです。対策は取られているのでしょうか。

マレーシアや東南アジアでは、マレーグマは「最も関心を持たれていない大型哺乳類(おおがたほにゅうるい)」と言われているそうなんです。絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)指定されていますが、残っている数や取り締まりが十分に行われていないんです。

一人一人がマレーグマの状況を少しでも知り、人間もマレーグマも共存していける環境になることを願っています。

マレーグマ
マレーグマは日本の動物園でも会えるの?

マレーグマは日本の動物園にもいますが、場所数や頭数は他のクマに比べると少ない方かもしれません。文章や写真だけではわからないこともあると思うので、ぜひ会いにいってみてください。

・円山動物園(北海道札幌市)

・上野動物園(東京都)

・遊亀公園附属動物園(山梨県甲府市)

・東山動物園(愛知県名古屋市)

・天王寺動物園(大阪府大阪市)

・とべ動物園(愛媛県砥部町)

・のいち動物公園(高知県香南市)

・徳山動物園(山口県周南市)

・福岡市動物園(福岡県福岡市)

・熊本市動植物園(熊本県熊本市)

・平川動物公園(鹿児島県鹿児島市)

マレーグマも生き物です。もしかしたら突然いなくなってしまうかもしれないので、行く前にマレーグマがいるかどうか調べてから行った方がいいかもしれませんね。

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マレーグマ 種類

マレーグマは学名でHelarctos malayanusと呼ばれ、クマ科ヒグマ属に分類されています。

地理的な分布に基づいて、主に2つの亜種が認識されています。一つはマレー半島やスマトラ島、ボルネオ島などに生息するH. m. malayanus、もう一つは特にボルネオ島に分布するH. m. euryspilusです。

これらの亜種は主に生息地の違いによって区別され、それぞれが特有の環境に適応した特徴を持っています。例えば、ボルネオの亜種はより密林で隠れ生活を送るため、より暗い色の毛皮を持っていることが多いです。

マレーグマはその他のクマ種と比べても小型であり、その生態系内での役割も独特です。彼らは森林の種子散布者としても重要な役割を果たしており、その食性が多様な植物の種子を広範囲に拡散する手助けをしています。

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