アビシニアン

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どこか優雅な気品を感じ、そして美しさも兼ね備えているネコといえば?そう!「アビシニアン」です。
定かではありませんが、アビシニアンはあの世界三大美女に数えられているクレオパトラが愛したネコという伝説も残っています。決して派手ではないけれど、独特の被毛カラーがキレイなネコですよね!
そんなアビシニアンの秘密について、早速このページで覗いてみませんか?

~基本情報~

原産国 イギリス

体重 3~5kg

アビシニアンは自然発生にて誕生したネコです。諸説あるルーツはとても古く、なかでも古代エジプトの壁画に描かれたネコがアビシニアンそっくりのため、長い間このネコはエジプト原産と考えられていました。

ところが最近の遺伝子解析研究によると、アビシニアンはインドのベンガル地方に住んでいた土着猫が祖先なのでは?という可能性が浮上したのです。さらに、リビアヤマネコとも血縁関係が近いということも判明しました。ルーツは今でもはっきりしない部分が多いようですが、現在ペットとして飼われているアビシニアンを品種として初めて確立したのはイギリスです。そのため、原産国もイギリスとなっています。

1868年に起きたアビシニア戦争(現在のエチオピア)の後、イギリス人兵士がこの地に住んでいたネコを持ち帰り土着猫と交配を重ねて生まれたのがアビシニアンといわれていますが、実はもともとイギリスにいた「ラビット・キャット(野ウサギカラーのようなネコ)」とブラウンやシルバーなどの被毛を持つネコと交配させて生まれたのがアビシニアンではないか?という説もあるんだとか。

いずれにしてもアビシニアンは1870年代に初めてのキャットショーデビューを果たしたのち、イギリスのGCCFにて品種登録されました。これを皮切りにフランスでも本格的なブリーディングがスタート。そしてアメリカへも渡り、さらに日本やオーストラリアといった世界の国々まで広がっていった結果、アビシニアンは世界中で愛されるネコとなったのです。

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アビシニアンのQ&A

アビシニアンの名前の由来は?

アビシニア戦争から持ち帰ってきたネコのため、この名前がついたそうです。

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アビシニアンのカラーバリエーションは?

■ボディカラーの種類

ルディ、レッド、ブルー、フォーン、シルバーがあります。

■模様や配色の種類

・ティックドタビー
1本1本の毛色に濃段がある模様のみです。

■アイカラーの種類

グリーン、ゴールドがあります。

■毛種

アビシニアンは短毛種(たんもうしゅ)のみです。

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アビシニアンの外見はどんな感じ?

くさび型の頭部に、アーモンド形の大きな目。先端部分が少しとがった付け根の大きい耳を持ち、体型はフォーリンと呼ばれています。ほど良く引き締まった筋肉質ボディや柔らかくてシルクのような手触りの被毛が特徴的です。光の加減や動き方によって毛色の変化を楽しむこともできます。脚が細長くつま先立ちをしているように見えるため、「バレエキャット」と呼ばれることも。

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アビシニアンを購入するにはどれくらいかかるの?

ブリーダーやキャッテリーから購入する場合は、5~20万円ほどかかります。購入を検討する際、お気に入りの子が見つかったら、一度見学に行くのが良いでしょう。

ペットショップの場合は15~30万円です。しかし、なかにはむやみに繁殖させている場合もあるので、繁殖元がはっきりしないお店からの購入は避けた方が良いかも知れません。

さらに、ブリーダーの上段資格である「キャッテリー」から購入する場合、一般ブリーダーよりも高値になることがあります。キャッテリーは、血統書発行団体である「CAF」、「TICA」の認定が必要なので、この資格を持っているブリーダーは信頼度も高く、付加価値がつくといえるでしょう。高値の理由は、信頼の証という訳です。

それ以外にも、値段に幅が出てしまう条件について、何点かご紹介します。

・子ネコであること
・血統が優秀であること
・珍しいカラーや模様を持っていること

他に条件はあるものの、特に上記条件に当てはまると高額になるようです。

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アビシニアンとソマリの違いは?

実はアビシニアンを長毛種化したのがソマリなので、この2種は被毛以外ほぼ同じといえるのですが、実際見比べてみましょう。

■体型

2種ともフォーリンタイプ、体重もほぼ同じ重さです。

■毛種

アビシニアンは短毛種、ソマリは長毛種です。ソマリは長毛種なのでしっぽがふさふさしており、アビシニアンよりもグルーミングが欠かせません。ちなみに毛色のパターンも同じです。

■鳴き声

アビシニアンもソマリも鈴の音のような可愛らしい鳴き声です。

■性格

個体差はありますが2種とも基本的に好奇心旺盛で人懐っこく、甘えん坊な子が多いようです。


アビシニアンの性格や特徴をもっと詳しく知りたい!

①好奇心旺盛で甘えん坊な性格!

モデルのようなルックスとは裏腹に、アビシニアンは活動的で好奇心旺盛なネコです。名前を呼ぶと走って寄って来てくれたり、人懐っこい一面もあるのでフレンドリーな性格ともいえるでしょう。甘えん坊なのでネコとたくさん触れ合いたい!という方にはオススメの品種です。

②運動神経抜群、遊ぶの大好き!

活発なので高いところによじ登ったり、ボール遊びのようなことも大好きです。そのためキャットタワーを置いてあげるのがベストです。また、タンスや棚といった高さのある家具の上には物を置かないようにしましょう。よじ登って物が落下するとケガをしたりする可能性があるからです。

③鳴き声が可愛い?まるで鈴の音みたい!

個体差はあるものの、アビシニアンは鈴の音のようなキレイな声で鳴くといわれています。動画投稿サイトにアビシニアンの鳴き声を撮影したものがあるので、ご興味のある方はぜひご覧になってください!

④脱走の名人!でも一体なぜ?

その理由は大きく分けて2つあります。ひとつは「好奇心旺盛で賢いため」、もうひとつは「モデルのようなスリム体型のため」です。先ほども少しご紹介したとおり、アビシニアンは基本的に好奇心旺盛なので外の世界に興味を持ちやすいといわれています。

賢いのでドアの開け方を覚えてしまうこともあり、スリム体型も相まって、窓やドアなど少しの隙間からよく脱走してしまうという訳です。玄関のドアを開けたときや窓を開けるときなど、外の世界と繋がっている場所には注意しましょう。

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アビシニアンのかかりやすい病気ってなに?

アビシニアンのかかりやすい病気は「歯周病(ししゅうびょう)」、「ピルビン酸キナーゼ欠損症(ぴるびんさんきなーぜけっそんしょう)」、「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」があります。

①歯周病

歯と歯茎の間にある細菌によって引き起こされる炎症性疾患です。歯垢や歯石が溜まることで歯周病になるケースが多いですが、口腔内の腫瘍や、猫エイズといった他の感染症が原因になる場合もあります。口臭がしたり歯から出血していたら、一度動物病院の受診をオススメします。特に高齢ネコになると歯周病の原因となる歯石が溜まりやすくなるため、子ネコのときから口腔ケアに慣れさせておくのが良いかも知れません。

②ピルビン酸キナーゼ欠損症

具体的な症状として疲れやすい、食欲低下などがあり、進行すると2~3ヶ月で貧血を引き起す場合が多く、軽症だと発病に気づかないまま、命を落としてしまうこともある病です。

原因は「ピルビン酸キナーゼ」という酵素の不足により、赤血球が破壊されてしまうため。といわれていますが、実はこの病気を発症する可能性は低く、全てのラパーマがピルビン酸キナーゼ欠損症にかかってしまう訳ではありません。 しかし、今のところ具体的な予防法は見つかっておらず、ひとつの治療方法として骨髄移植(こつずいいしょく)も存在しますが、費用の面、そしてネコの体にかかる負担を考えると、オススメしにくい治療方法です。

③重症筋無力症

「重症筋無力症」とは、ソマリやアビシニアンに発症してしまう割合が多く、筋力低下によって食べ物が上手く飲み込めなかったり、食べようとしても吐き出してしまうといった症状があります。

この病気は遺伝による影響が大きいといわれているため、具体的な予防法はまだ見つかっていません。もしも発症してしまった場合は、薬による治療をおこないます。また腫瘍が原因の際には腫瘍に対しての治療がメインとなるようです。その他「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」など他の病気を併発を防ぐため、エサを食べる位置は高めに固定し、食後10分程度は頭が下がらないよう注意して見てあげることが必要になります。

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アビシニアンの寿命は?

アビシニアンの寿命は10~13年です。一般的なネコの寿命は12~16年なので、平均より少し短めといえます。

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参考文献

まるごとわかる猫種大図鑑 監修:CFA公認審査員 早田由貴子

世界中で愛される美しすぎる猫図鑑 監修 今泉忠明

The Cat Fancier’s Association, Inc.
https://cfa.org/abyssinian/

猫との暮らし大百科
https://www.anicom-sompo.co.jp/nekonoshiori/

みんなの猫図鑑
https://www.min-nekozukan.com/

Pet Smile news forネコちゃん
http://psnews.jp/cat/

子猫のへや
https://www.konekono-heya.com/sitemap.html

ねこちゃんホンポ
https://nekochan.jp/

公益社団法人 埼玉県獣医師会
https://www.saitama-vma.org/topics/猫の遺伝性疾患について/

RIKA りか動物病院 猫の歯周病のお話
http://rika-ah.com/byouki/byouki25.html

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